【文徒】2018年(平成30)2月16日(第6巻29号・通巻1203号)

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1)【記事】田端信太郎がLINEを退職へ!
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】田端信太郎がLINEを退職へ!

LINEの田端信太郎(上級執行役員)が2月末で退社することになった。自らツイッターフェイスブックで発表した。
「2月末をもって6年勤務したLINEを退職します。広告事業が年800億円規模にまで成長しIPOを経た過程を広告担当役員として体験できたことは天佑でした。広告主、広告代理店、パートナー、社員、ユーザーの皆様に深く感謝します」
フェイスブックで発表した文章によれば「炎上やセクハラが原因での辞職ではなく、あくまで『新たな挑戦』をするための自発的な辞職」だそうである。田端はLINEに6年間にわたって在職したことになる。
https://twitter.com/tabbata/status/961849056258502658
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10214887259991953&set=a.2408977340758.2143520.1140933842&type=3&theater
田端はツイッターでこうも言い放っている。
「お金のためには働かないことこそが、もっともお金になる、という逆説を理解することこそが、真の金儲け道」
https://twitter.com/tabbata/status/963960181477425154
CNET Japan」が田端に「単独インタビュー」を敢行。既に転職先も決まっているようだ。
「実は退職については2017年の秋ごろから考えていました。ただ、突然辞めるわけにもいかないので、年明けからお世話になったパートナーや代理店に挨拶まわりをしていたのですが、割とたくさんの人に会っていたので、退職の話が直接言っていない人にも広がりはじめていて、これはもうメディアの皆さんに聞かれる前に自らパブリックにした方がいいと思い、このタイミングで公表しました(笑)」
「まだどの会社に行くのかは言えないのですが、いわゆる競合他社のプラットフォームではなく、広告主サイド(事業会社)になります」
https://japan.cnet.com/article/35114652/
ツイッタートレンドにも田端の名が。これは朝日新聞長岡支局の伊丹和弘によるツイート。
ツイッタートレンドに上がっていたので、なんだ?と思いきや辞めるのか」
https://twitter.com/itami_k/status/963624745718763520
山本一郎のツイート。
田端信太郎さん、LINE卒業おめでとうございます!」
https://twitter.com/kirik/status/961849232687681538
もともと田端はリクルートの出身。「R25」の立ち上げにかかわり、広告を担当する。次のライブドアではライブドアニュースの責任者を経て、執行役員メディア事業部長に就任する。2010年5月には、コンデネット・ジェーピーで、カントリーマネージャーに就任。 2012年6月にNHN Japan (2013年4月LINEに商号変更)執行役員に就任するというキャリアだ。
http://toyokeizai.net/articles/-/12267

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2)【本日の一行情報】

北九州市小学館のアウトドア誌「ビーパル」と連携協定を締結した。その第一弾として今秋までに小倉北区にある山田緑地に「焚き火ゾーン」を整備し、現状では禁止されている火を使った煮炊きができるようにするそうだ。
http://www3.nhk.or.jp/fukuoka-news/20180209/5153141.html
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26856920T10C18A2LX0000/

小学館の女性コミック誌「Cheese!」は、現役執筆陣全員による集合原画展「Cheese!プレゼンツ イケボ×少女マンガ原画展」を、池袋PARCOを会場にして3月31日(土)まで開催している。
https://ovo.kyodo.co.jp/news/culture/a-1124497

◎マンガ家・浦沢直樹がパリ市庁舎で個展を開催している。読売新聞がパリで浦沢をインタビューしている。浦沢は「紙」原理主義者だ。
「漫画は紙の本で見開きで読むべきだと思っている。電子書籍化を認めていないのはそのためだ。正しいかどうかは分からない。漫画が好きなので、漫画というものが皆さんにどのように届くのが一番いいのか、常に考えている」
http://www.yomiuri.co.jp/culture/20180213-OYT1T50084.html?from=yartcl_blist

講談社の「モーニング」に連載されていた「ギャングース」は鈴木大介のノンフィクション「家のない少年たち」(太田出版)を原案にした肥谷圭介のマンガだが、入江悠監督によって映画化される。
https://www.cinematoday.jp/news/N0098395

◎インスタグラムに掲載された、この写真には次のように書きこまれていた。
「毎回失礼します!主婦の友社『OTONA SALONE』編集部の後藤です。このオシャレなお写真も記事に掲載させていただきたいのでご検討お願い致します!(ご返信はDMのみでOKです♪)」
https://www.instagram.com/p/BeEzJ3snE1q/
後藤とは「後藤麻衣」のこと。週6日にわたって更新される「40代の毎日コーデ」を「OTONA SALONE」は掲載している。
https://otonasalone.jp/52898/

KADOKAWAが主催する第22回日本ホラー小説大賞を受賞した澤村伊智の「ぼぎわんが、来る」が文庫化されるが、中島哲也監督による映画化も決まっている。映画のタイトルは「来る」だ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000004182.000007006.html

電通は、マーケティング領域におけるAI活用強化の一環として、「データアーティスト株式会社」を子会社化する。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2018008-0209.pdf

電通は、海外本社「電通イージス・ネットワーク」を通じて、米国のブランドデザイン会社「Character SF, LLC」(キャラクター社)の株式100%を取得することで合意した。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2018009-0213.pdf

電通は2017年12月期連結決算を発表した。
対前期で収益は10.8%増、売上総利益は11.2%増、調整後営業利益は微減(△1.6%)。
国内事業では、売上総利益が前期並み(△0.4%)、調整後営業利益は8.8%減となったが、海外事業では主として買収効果と為替影響により、売上総利益は21.1%増、調整後営業利益も8.8%増となった。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2018011-0213.pdf
日経は「…国内外で収益環境が改善する見通しだが、費用増などを補えない」と書いている。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2684699013022018DTB000/
これも日経。「『働きやすい電通』へ正念場、国内事業の収益厳しく」は次のように書く。
売上総利益に近い収益は9288億円と前の期比10.8%伸びたが、収益性の目安とする調整後営業利益は1639億円と1.6%減った。山本敏博社長が進める働き方改革関連の費用がかさみ国内事業の収益が悪化したことが響いた」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26850340T10C18A2X13000/
山本敏博社長が進める働き方改革関連の費用」とは、労働環境改革に伴う300人規模の増員や業務効率化などにより2017年で70億円、2018年で130億円の経費が必要となり、2年間の合計で200億円に及ぶ。
その結果、2018年12月期は最終利益が41・6%減の616億円となる見込みだという。
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20180214-OYT1T50000.html

石牟礼道子の全集を編んだ藤原書店店主の藤原良雄は石牟礼を「近代日本文学を初期化した唯一無二の文学者」と位置付けている。同感。中日新聞東京新聞が社説に「石牟礼道子さん 不知火の海の精として」を掲げた。
http://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2018021402000111.html
昨日、私の事務所を訪れた三上治吉本隆明が父であり、石牟礼道子が母であったという言い方をしていたのが印象的である。

西尾維新の「<物語>シリーズ」の「化物語」のコミカライズ連載が「週刊少年マガジン」で3月14日発売号より開始される。
http://mainichi.jp/articles/20180213/dyo/00m/200/027000c

双葉社はテレビアニメ「おそ松さん」の公式アンソロジーおそ松さん公式アンソロジーコミック NEET GOING ON!」を3月12日に発売する。
https://natalie.mu/comic/news/269413

西島大介ベトナム戦争を正面から描いた「ディエンビエンフー」は版元をKADOKAWAから小学館に変えても完結しなかったが、現在、双葉社の「月刊アクション」に「ディエンビエンフー TRUE END」として連載は引き継がれ、9月には最終巻3巻が発売される。西島は大島渚の影響を受けていると自ら語っている。嬉しいじゃないか!
https://news.nifty.com/article/item/neta/12116-20180213_023183/

◎「東洋経済オンライン」が毎週掲載している「売れているビジネス・経済書200冊ランキング」で幻冬舎から刊行されている落合陽一の「日本再興戦略」が第1位となった。しかも幻冬舎はベスト10に3点も入っている。2位の佐藤 航陽「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」と9位の西野 亮廣「革命のファンファーレ 現代のお金と広告」がやはり幻冬舎である。
http://toyokeizai.net/articles/-/208639
http://www.gentosha.co.jp/book/b11436.html
ちなみに落合陽一の親父は落合信彦

◎「日刊サイゾー」が「出版ノルマに追われて……ライトノベルは『編集者の代筆が当たり前になっている』という惨劇」を掲載している。
「とりわけ、刊行点数の多い某大手出版社では、実際には編集者が書いた作品が急増している惨状だ。この編集者が持参した某文庫。聞けば『作家がギブアップしたので200ページ近く代筆した』という」
http://www.cyzo.com/2018/02/post_151237_entry.html
「某大手出版社」でKADOKAWA以外は、この場合、想像できないのではないだろうか。

◎アマゾンが時価総額マイクロソフトを抜き第3位となった。1位はアップル、2位はアルファベット(グーグル)だ。
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL15H0G_15022018000000/

大日本印刷凸版印刷もアマゾンの理解者である。毎日新聞が掲載した「アマゾン 取次外し 印刷工場から本を直接調達」は次のように書いている。
大日本印刷は「『ほしい時に、ほしい本が手に入る』という読者の需要に柔軟に対応できるサービスを構築し、販売機会の拡大を目指している。アマゾンとも考えが一致する部分がある」。凸版印刷も「コンテンツ(出版物)を読者に『最適なタイミングで届ける』という価値向上につながる取り組みだと考える」と参加理由を説明した」
https://mainichi.jp/articles/20180215/ddm/004/020/027000c

◎雑誌「平凡」のロゴは資生堂の「花椿マーク」をデザインした山名文夫である。今年も「ブルータス」が「平凡」を復活させた。「ブルータス」編集部に感謝!
http://top.tsite.jp/news/geinou01/o/38781663/

小学館の「週刊少年サンデー」とサイバードは、3月下旬より東京を皮切りに全国11都市13店舗の「名探偵コナンカフェ2018」を順次オープンする。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001274.000001661.html
電通は、ダイレクトマーケティング領域における成長戦略を加速させるため、ダイレクト関連部署を再編し、専門機能を電通100%子会社ダイレクト領域専門エージェンシー「電通ダイレクトフォース」へ統合する。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2018012-0214.pdf

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3)【深夜の誌人語録】

畏れても恐れるな。