【文徒】2018年(平成30)8月31日(第6巻164号・通巻1338号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】伝説のタウン誌「新宿プレイマップ」と本間健彦
2)【記事】民衆はCBCテレビの障害者差別事件に怒っている!
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】

                                                                                • 2018.8.31 Shuppanjin

1)【記事】伝説のタウン誌「新宿プレイマップ」と本間健彦

「新宿プレイマップ」とは懐かしいなあ。毎日新聞連載「私だけの東京・2020に語り継ぐ」に「新宿プレイマップ」の編集長だった本間健彦が登場している。
「新宿の魅力ですか? 思い出すのは唐十郎さんのアングラ劇ですね。67年の冬、しんしんと雪の降る深夜、グロテスクでナンセンス、それでいて現代人の喪失感を描く鮮烈な舞台だったのを覚えています。異才のジャズピアニスト、山下洋輔さんが演奏してて。こんな熱く、自由で面白い世界、新宿でしか味わえないなあと思いましたよ」
https://mainichi.jp/articles/20180829/dde/012/040/012000c
「新宿プレイマップ」は学生の叛乱がつづく1969年6月に創刊され、連合赤軍によるあさま山荘事件を見届けた後、1972年4月に休刊となるが、創刊号はキンドルで手に入れることができる。しかもKindle Unlimitedで0円!
https://www.amazon.co.jp/%E6%96%B0%E5%AE%BF%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%9E%E3%83%83%E3%83%97-1969%E5%B9%B47%E6%9C%88%E5%8F%B7-1%EF%BC%88%E5%89%B5%E5%88%8A%E5%8F%B7%EF%BC%89-%E6%9C%AC%E9%96%93-%E5%81%A5%E5%BD%A6-ebook/dp/B00RN8RLOK
創刊号の目次を紹介しておこう。凄いメンバーが揃っている。こういう顔ぶれを実現できるのが雑誌だと私はガキの頃に思ったものである。
「目次 ------------------
TOWN  湯村輝彦
新宿紳士録 吉村育夫
対談 焼跡派の〝じゅく〟望郷 野坂昭如×矢崎泰久
スクリーン番外地 草森紳一
アソビ人間研究1 殿山泰司 報告者=本間健彦
小説 星のきれいな新宿 田中小実昌
アソビ人間研究1 殿山泰司 写真=柳沢信
photo graph RIO&NICE 早崎 治」
アマゾンの内容紹介でも引用されているが、五木寛之の短編「夏の挽歌」では「新宿プレイマップ」を小説の主人公に次のように説明させている。
「かつて一時期、私たちを夢中にさせたのは、『新宿プレイマップ』だった。一九六〇年代の幕が降りる頃に登場したこのメディアによって、<タウン誌>という言葉がひろく市民権をもつようになったとされている」
本間健彦は今尚インディペンデント・マガジン「街から」を主宰している。これもKindle Unlimitedで0円で読める。執筆陣には高木護、黒田オサム、矢崎泰久小室等中川五郎おおえまさのり、成田宙路之、天野恵一、平井玄を揃えている。
https://www.amazon.co.jp/%E9%9B%91%E8%AA%8C-%E8%A1%97%E3%81%8B%E3%82%89-%E7%AC%AC154%E5%8F%B7-2018%E5%B9%B48%E6%9C%88-%E6%9C%AC%E9%96%93-%E5%81%A5%E5%BD%A6-ebook/dp/B07GLHLJDW/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1535593046&sr=1-1&refinements=p_27%3A%E6%9C%AC%E9%96%93+%E5%81%A5%E5%BD%A6
ついでに本間健彦の「60年代新宿アナザー・ストーリー―タウン誌『新宿プレイマップ』極私的フィールド・ノート」も読んじゃえ。

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2)【記事】民衆はCBCテレビの障害者差別事件に怒っている!

昨日、報じたCBCテレビの障害者差別事件について、ツイッターには多くの呟きがなされている。主だった怒りのツイートを紹介していくことにしよう。
「主催者:『女性との意思疎通に問題があった』って、『ご不快に感じられたなら申し訳ありません』と同じだな。
障害を理由として指定席に座らせず、ダウングレードした席を強要したのに、それはないよ」
https://twitter.com/anagumakari/status/1034982904932122624
「『母はコンサート終了まで自分の意志で購入した座席に一度も座れず…』名古屋国際音楽祭、障害者差別の事件あらましを当事者の家族が詳細に伝えている。スタッフの振舞いは暴力的で、車椅子の使い方を知らない。驚くべきも、CBC事業部は『障害際差別解消法』すら知らない」
https://twitter.com/hibari_to_sora/status/1034377655129272324
「マスコミと行政が関わってこれか…」
https://twitter.com/Khachaturian/status/1034735922397339648
「当事者の方のブログを見る限り、かなり酷い対応をしたようだ。
HPで謝罪だけで済ましていい事と思わない。
CBCは昔からすごく好きな局だっただけに、事後の対応が特に残念だ」
https://twitter.com/ka_ama/status/1034972840280219648
毎日新聞がニュースにしてました。ニュースには謝罪を載せたとありますが
CBCのホームページでは謝罪文などは見つけられませんでした」
https://twitter.com/kei1129u/status/1034248757204795392
「酷い!ごめんなさいでおしまい?」
https://twitter.com/gobilaugh/status/1034222716671352832
「『配慮が足りなかった』で何でも済まそうとする所がムカつく。視覚障害者の言葉は聞こえていたはずなのに無視して、強制的に排除するかの如く移動させたわけで、明らかに差別問題ですよ」
https://twitter.com/yurikalin/status/1034359895062003712
「コンサートを楽しみにしてらした投稿主のお母様がどれほど怖く、悲しく、悔しい思いをされたかと思うと、胸が張り裂けそうです。名古屋国際音楽祭、主催のCBCテレビ名古屋市、それに名古屋市障害者差別相談センターの対応の酷さにも腹が立つ。1か所ぐらいちゃんとした組織はないのかよ」
https://twitter.com/kai357/status/1034364490534404096
CBCと市のコメント、言い訳にしか聞こえない。安全に配慮したみたいに言って、その方の出来ることまで、『障害者だから』とひとくくりにしている短絡的対応。テレビ局と市だったらその辺りの勉強もしておくのが筋だ。『障害者差別解消法』に違反している」
https://twitter.com/noujyodannosuke/status/1034220095898144768
ビートルズを日本に呼んだ中部日本放送CBC)が、こういう弱い者いじめを平気でしてるんだよ。そういう会社なんだよ。全部ウソだったってワケだよ」
https://twitter.com/chiwasu5963/status/1034246432046247937
車いすに乗せてまで端の方まで誘導できるくらいなら、この女性のチケット通りの座席まで誘導してあげるのが真の親切ではないのか。目に障害があってもホールまで来られているのに、下に見過ぎだろう」
https://twitter.com/n92snow/status/1034236627030142976
「『ホームページで謝罪』って、探しても見つからないんだけど」
https://twitter.com/kon_tetsuhiro/status/1034248274310443008
「こんな酷い話はあってはいけない。
名古屋市CBCテレビの恥じ知らずな差別行為は広く知られて糾弾をうけるべきだと心から思う」
https://twitter.com/han00kidae/status/1034023577429766144

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3)【本日の一行情報】

講談社から鳴り物入りで創刊された「週刊 鉄腕アトムを作ろう!」がいよいよ最終号を迎える。創刊号が発売されたのは2017年4月4日。掉尾を飾る70号は9月11日となる。
https://robotstart.info/2018/08/28/atom-1to68.html
日活ロマンポルノをパートワークで企画する出版社の出現を私は望んでいる。

◎「WWD JAPAN.com」が集英社の役員人事や光文社の社長交代を伝えている。ファッションが専門なメディアらしい報じ方である。
「『リー(LEE)』元編集長の田中恵・取締役が常務に、『メンズノンノ(MEN'S NON-NO)』や『ウオモ(UOMO)』の編集長を務めた日高麻子・役員待遇が取締役に就任した他、『ノンノ(non-no)』元編集長の海老原美登里・第10編集部部長兼女性誌企画編集部部長が役員待遇となった」
https://www.wwdjapan.com/676568
「武田新社長は1955年、東京都出身。早稲田大学卒業後、77年に光文社に入社し、総務部に配属。その後『女性自身』の編集部に異動し、99年に同誌編集長に就任。コミック編集部編集長や販売局局長などを歴任し、2014年に常務取締役に就任した」
https://www.wwdjapan.com/676533

◎小山鉄郎著、ハルノ宵子画の「文学はおいしい。」が作品社から出版される。100本のエッセイと100枚のイラストが入るという。
https://twitter.com/sakuhinsha/status/1034989214465552385

安室奈美恵のラストドームツアー「namie amuro Final Tour 2018 〜Finally〜」DVD&Blu-rayレコチョクが運営するアーティストとファンをつなぐ共創・体験型プラットフォーム「WIZY」(ウィジー)」で予約すると、リリース日である2018年8月29日(水)の朝日新聞朝刊(全国版)に、「これからもあなたの音楽を愛し続けます」というメッセージと予約した3,000名以上の名前やニックネームが記載された1ページ(全15段)の広告を掲載した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001020.000002747.html
この記念すべき新聞広告を、保存できるよう、同デザインのカラーバージョンのB2サイズポスターとしてDVD/Blu-rayと同梱して届けられる。

博報堂DYメディアパートナーズと博報堂DYアウトドア、NewsTVは、インストアメディア向けの動画広告「買われるビデオリリースフォーマット」を共同開発し、提供を開始した。
http://www.hakuhodody-media.co.jp/newsrelease/service/20180830_23008.html

中央公論文芸賞は、朝井まかての「雲上雲下」(徳間書店)に決まった。
https://www.yomiuri.co.jp/culture/20180829-OYT1T50093.html
選考委員の村上由佳が呟いている。
「あえて『言の葉』と呼びたい見事な文章で語られる、新しい昔話の心地良さ…からの、終盤の大展開と、胸のすく見事な着地。
最初の投票で満票となったのは初めて。
朝井さん、おめでとうございました!」
https://twitter.com/yukamurayama710/status/1034774128039931904

◎エレメンツリーは、KADOKAWAから刊行されている中村春菊のBLマンガ「世界一初恋」のスマホ向けゲームの提供を決定した。サイバーエージェントが運営するスマホ向けゲームプラットフォーム「amebaゲーム」で配信を予定している。
http://www.elementree.co.jp/news/news02.php?entry=20171225_001

オーソン・ウェルズの遺作でジョン・ヒューストンが主演する「The Other Side of the Wind」(風の向こう側)がNetflixが資金提供したことで完成した?!予告編が遂に公開されたのだ。
https://jp.techcrunch.com/2018/08/30/2018-08-29-netflix-orson-welles-other-side/

プログレス・テクノロジーズが開発した「全巻一冊」が好調のようだ。「ダイヤモンド・オンライン」が「手触りが紙そっくりの電子漫画本、ハンパない画質へのこだわり」(大来俊)を公開している。
「…蔦屋書店では東京の渋谷や銀座、大阪の梅田など5店舗で、本体を各店200台ずつ合計1000台の限定予約販売でスタートしたが、売れ行きが好調なことから、数量を各店400台、合計2000台に上方修正した。なお、各タイトルは1000セットずつ、合計5000セットの限定販売を予定。8月17日現在、従来の冊数に換算して約1万冊を販売する成果を叩き出している」
https://diamond.jp/articles/-/178535

◎「講談社ブルーバックス読書マラソンが実施されている。9月6日(木)までの購入冊数上位20名に「講談社BOOK」作品に使えるクーポンがプレゼントされる。1位になると6万円分のクーポンが貰える。
また、「講談社ブルーバックス×ブクログ×honto レビューキャンペーン」も開催され、優秀レビュアー15名を選出し、「講談社BOOK」商品に使えるクーポンをプレゼントする。優勝者には1万円分のクーポンが用意されている。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/57276
https://hon.booklog.jp/present/bluebacks-honto-booklog-20180827
https://honto.jp/cp/ebook/2018/kodansha-dokusho-entry.html

◎「弁護士ドットコムニュース」が「『カメ止め』パクリ騒動で相次いだ『検証記事』…福井弁護士が振り返る」を掲載。
「今後目指すべきゴールははっきりしている。『この映画を止めてはならない』だ」
https://www.bengo4.com/c_1015/c_17/n_8447/
FLASH」(光文社)は第二弾を放った。紙の雑誌のタイトルは「『カメラを止めるな!』製作者と著作権侵害で闘う 大ヒット映画の原作者が激白」。ネットの「SmartFLASH」では「『カメ止め』製作会社『役者が18万払って映画出演』の殿様商売」として公開している。
https://smart-flash.jp/sociopolitics/48357
私も「カメラを止めるな!」を見に行って来た。前半は面白く見たのだが、後半が作品ではなく番組だし、映画ではなくテレビだった。せめて後半も「ワンカット」でやって欲しかった。

◎読売新聞の「中国、産経の取材拒絶…日本メディアは取材中止」は次のように書いている。
「中国・北京に駐在する日本の新聞、通信、テレビ各社で作る記者会は29日、中国外務省が、北京で29日に行われた秋葉剛男外務次官と王毅国務委員兼外相との会談の代表取材に産経新聞記者が参加することを認めなかったため、会の総意として取材を取りやめた」
https://www.yomiuri.co.jp/world/20180829-OYT1T50108.html
中国の産経嫌いは度を越している。産経ニュースは「中国、本紙の代表取材拒否 日本人記者会がボイコット」で次のように過去の経緯も紹介している。
中国当局は6月、日本記者クラブ主催の中国チベット自治区への取材団派遣をめぐっても産経新聞記者の参加を拒否。日本記者クラブは『言論・表現の自由の観点から承認できない』として派遣を中止した。
産経新聞は、3月に行われた李克強首相の記者会見への出席も昨年に続き拒否されている」
https://www.sankei.com/world/news/180829/wor1808290017-n1.html
◎「文春砲」こと「週刊文春」局長の新谷学が舌好調だ。「BuzzFeed News」が「政治汚職より芸能スキャンダルが10倍読まれるネット 文春砲の舞台裏を聞いた」を掲載した。
https://www.buzzfeed.com/jp/daisukefuruta/bunshun-01?utm_term=.akGvzqpWkr#.pePdA3JyON

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4)【深夜の誌人語録】

何事も過ぎたるをもって完結せよ!