【文徒】2016年(平成28)4月11日(第4巻67号・通巻754号)

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1)【記事】伊藤家VS鈴木家の対立にセブン&アイHDが揺れる
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】伊藤家VS鈴木家の対立にセブン&アイHDが揺れる

次のような鈴木敏文の発言からし鈴木敏文セブン&アイ・ホールディングス の会長兼CEO(最高経営責任者)を退任したからといって一件落着となるわけではないようである。
「会社の人事案が否定されたが、井阪君が信任されたわけではない。引退を発表した私が明日から会社に来ないという無責任なことはしないが、いずれにしても新体制に立候補する気はない 」
http://toyokeizai.net/articles/-/112904
セブン&アイ・ホールディングス の取締役会でセブン - イレブン・ジャパンの井阪隆一社長兼最高執行責任者(COO)を退任させる人事案 について投票が行われ、反対票が6票、賛成票が7票、白票=棄権が2票。賛成票が反対票を上回るが、白票=棄権が2票出たため、鈴木の提案した人事案は過半数を占められなかった。
反対したのは、社外取締役の伊藤邦雄・一橋大学大学院特任教授、米村敏朗・元警視総監、スコット・ディヴィス立教大学教授、月尾嘉男東京大学名誉教授。社内取締役で反対したのは、井阪自身と伊藤順朗取締役 であった。
鈴木は「私自身としては、反対票が社外役員をはじめ社内の役員からも出るようだったら、私はもう信任されていないということを考えていた 」と発言しているが、伊藤に反対されたことが「衝撃」であったのだろう。伊藤はイトーヨーカ堂の創業者であり、セブン&アイ・ホールディングスの株式を約10%保有している伊藤雅俊名誉会長の次男である。もし伊藤が鈴木の提案に賛成していれば、賛成票は過半数を獲得していたことになる。
鈴木が退任を発表した記者会見は「異様な光景」だったと「Business Journal」に掲載された「セブン&アイ、経営混乱で危機的状態…独裁者・鈴木会長失脚で露呈した『異常な体質』」は次のように書いている。
「7日の会見は、セブン&アイHDのガバナンスが機能していないことを如実に示した。鈴木氏のほかに側近中の側近といわれている村田紀敏セブン&アイHD社長兼COO(最高執行責任者)が同席したが、永年鈴木氏に仕えてきた後藤光男氏、佐藤信武氏の2人の顧問が登壇して、鈴木氏を『援護射撃』する発言を繰り返したのは異様というほかはない。
2人が明らかにしたのは、イトーヨーカ堂創業者でもある伊藤雅俊名誉会長との確執だった。 伊藤家の資産管理会社、伊藤興業が筆頭株主で7.7%を保有、伊藤氏名義で1.8%、その他を合わせて約10%のセブン&アイHD株式を保有している。後藤氏と佐藤氏が創業家批判を一方的に展開するという前代未聞の記者会見になった。鈴木氏も村田氏も、この不規則発言を止めようともしなかった」
http://biz-journal.jp/2016/04/post_14631.html
鈴木敏文は自分の次男である鈴木康弘セブン&アイHD取締役 に世襲を企てていたという見方について、鈴木は言下に否定して見せた。しかし、敏文の康弘に対する厚遇ぶり(親馬鹿ぶり)からすれば、そう簡単に鈴木敏文の発言を信用するわけにはいくまい。それは創業者の伊藤雅俊にしても同様の思いであるに違いない。伊藤家との確執が生じたのである。顧問の二人が伊藤家批判を繰り広げたのは、「内紛」(=権力闘争)の火蓋が切って落とされたと考えるのが妥当である。
鈴木康弘は昨年5月に取締役執行役員最高情報責任者 に就任した。村田社長の最高執行責任者(COO)、後藤克弘・常務執行役員最高管理責任者(CAO)、高橋邦夫・執行役員最高財務責任者(CFO)に次ぐ序列5位のポストに大抜擢されたのである。しかし、実は康弘にこれといった実績があるわけではない。そもそも鈴木康弘はスタートアップに失敗し、セブン&アイグループに拾ってもらったのである。「リテラ」に発表された「“セブン-イレブン天皇”鈴木会長退任を引き起こした次男の悪評! マスコミが一切報道しないドロドロの内情とは」は次のように書いている。
「康弘氏は1987年、武蔵工業大学(現・東京都市大学)工学部電気工学科を卒業後、富士通システムエンジニアとして入社。96年、ソフトバンクに転職し、99年8月には書籍のインターネット通販会社イー・ショッピング・ブックスを設立して社長に就任した。2009年12月にセブン&アイHD傘下に入り、セブンネットショッピングに社名変更した。
『しかしセブンネットは業績が悪く、14年3月、セブン&アイHDの中間持ち株会社セブン&アイ・ネットメディアがセブンネットを吸収。次男をセブン&アイ・ネットメディアの社長に就任させたんです。そして14年12月、鈴木会長は康弘氏をグループの統合販売をするオムニチャネル戦略の責任者にして、この事業に1000億円を投資した。しかし結果は出せず、大失敗してしまったんです。ところが、鈴木会長は、息子可愛さで、昨年5月28日の株主総会執行役員から取締役に昇格させ、後継者への道を準備し始めた。これはさすがに、反発を食らうでしょう』(前出・全国紙経済部記者)」
http://lite-ra.com/2016/04/post-2139.html
「Net IB News」の「『コンビニの生みの親』が退場、セブン&アイHDの内紛劇〜鈴木会長が晩節を汚した世襲とガバナンス(企業統治)の問題」もこう書く。
「康弘氏が破格の大出世を遂げるのは14年3月から。中間持ち株会社セブン&アイ・ネットメディアが子会社のセブンネットショッピングを吸収合併。吸収された康弘氏は吸収したセブン&アイ・ネットメディアの社長に就任、セブン&アイHDの執行役員に昇格した。
 セブン&アイの孫会社の社長にすぎなかった康弘氏は、子会社の社長に格上げになり、本体の執行役員に名を連ねた。さらに14年12月、康弘氏のために新設された最高情報責任者(CIO)に就いた。そして、セブン&アイの取締役に昇格だ」
http://www.data-max.co.jp/kodama/280408_k_01/
鈴木敏文がオムニチャネル戦略にグループの将来を賭けていることが間違っているとは思わない。しかし、これを担う人材に鈴木康弘を抜擢したのは、取り返しのつかない間違いなのではないだろうか。鈴木康弘はイー・ショッピング・ブックスすら成功させられなかったのである。「Net IB News」は、こうも書いている。
「鈴木氏はオムニチャネルに消極的な事業会社のトップを粛清してきた。(株)イトーヨーカ堂では今年1月、生え抜きのエースといわれた戸井和久社長(61)から前の社長だった亀井淳顧問(71)に交代した。セブン−イレブンの井阪社長の交代にこだわったのは、井阪氏がオムニチャネルに冷ややかな言葉を口にしてきたからだ」
ところで、タリーズコーヒージャパンの創業者・松田公太がブログで次のように指摘していることも忘れてはなるまい。
「…記者会見で辞任の理由として『自分が示した人事案が否定されたということはなかった』という発言があったと聞き、少し驚きました。それでは『指名・報酬委員会』『社外取締役』は何故設置されたのでしょうか。そのようなガバナンスは形式上のものに過ぎず、自身の存在がそれをオーバールールできると思っていたことが要因の一つにあるのではないかと疑ってしまいます」
http://ameblo.jp/koutamatsuda/entry-12148022112.html
鈴木敏文は自ら墓穴を掘ってしまったのである。

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2)【本日の一行情報】

◎元テレビ朝日の奥村信幸は「安倍政権にコントロールされる日本メディアの「不都合な真実」」で次のように書いている。
「ジャーナリズムの主たる任務は『権力の監視』だが、放送局は監視対象である政府から逆に監督されている。自民党が政権を独占してきたため、放送や電波に影響力を持つ議員集団が存在し、その力は弱まっているものの、テレビ局は無視できない。また、良識ある欧米のニュースメディアが株式を公開していないのと対照的に、日本のキー局などは株式を上場している。経営陣は政府の干渉や、それによる利益減少のリスクを恐れて、ジャーナリズムを優先した決断を下すことができない。
また、5つの全国紙は系列の民放局と株式の持ち合いをしている。系列のローカル放送局の認可を急ぐために、新聞社の記者が政府・自民党に働きかけをしてきた過去もある。
さらに、新聞は業界を挙げて安倍政権や自民党に働きかけ、2017年4月に予定されている消費税アップの際、新聞の税率を例外扱いにすることを勝ち取った。このような直接の借りを作っては、腹の据わった政権批判など根本的に不可能だ」
「前述の抗議の記者会見を開いたニュースアンカーらのうち5人は3月24日、日本外国人特派員協会で再び抗議の記者会見を行った。しかし、外国人記者からは日本のメディアに対する厳しい質問が続出した。『あの程度の発言で、なぜそこまで萎縮しなければならないのか』というわけだ。5人は結局、外国人記者を納得させる説明ができなかった。
日本のメディアは『隠れた特権』のため、『独立』できておらず、真の権力の監視ができていないのだ」
この記事は「nippon.com」に掲載されている。「nippon.com(一般財団法人ニッポンドットコム)」は、公益財団法人日本財団の助成を受けて運営されている多言語サイトだ。その前身はジャパンエコー社だ。
http://www.nippon.com/ja/currents/d00215/

◎「安倍政権にひれ伏す日本のメディア」(双葉社)を上梓したニューヨーク・タイムズ前東京支局長・マーティン・ファクラー が「週プレ外人記者クラブ」で指摘する通りだと思う。
「確かに、『公正中立な報道』はジャーナリズムにとって絶対に必要な条件。公正中立な視点を持つことは、ジャーナリストと活動家の違いでもあります。しかし、それは報道の出発点に限られるというのが、私をはじめアメリカのジャーナリストたちの共通認識です。しかし、日本では正確なデータに基づいて客観的な検証を重ねた結果であっても、ジャーナリストが何かを断定することは公正中立に反するという理解があるように思います。
結論を言うことが許されないのであれば、報道機関にできることは『アクセス・ジャーナリズム』に限られてしまう。安倍首相の『アベノミクスの効果は出ている』という発言を鵜呑みにしてそのまま報道し、その見返りに官邸から提供される“特ダネ”をありがたがる。以前から問題点が指摘されている日本特有の記者クラブ制度そのままの報道だけが公正中立ということになってしまいます 」
http://wpb.shueisha.co.jp/2016/04/07/63706/
「ジャーナリストが何かを断定することは公正中立に反するという理解」は「企業ジャーナリスト」にとって常識であるのかもしれない。山田健太は「琉球新報」の「メディア時評」で次のように書いている。
「会社から『政府の圧力に抵抗しましょう』と指示されなければ、問題だと口に出すこともできないような環境で、本当に豊かで面白い番組が作れるのかということにつながる。
このことは、日本のメディア界においては実は古くて新しい問題であって、放送だけではなく新聞ほか大手のマスメディア共通の課題である。終身雇用が一般的で、いわば社員としての『企業ジャーナリスト』という色合いが強くなりがちであるからだ。あるいは全体としての産業衰退や経営効率化の流れの中で、企業一体となって儲けに腐心することに、企業内の利害が一致しているということかもしれない。そこには個々人のジャーナリストとしての倫理に基づいて行動するというよりは、会社が定めるルールに則り粛々と働く、という姿が垣間見えることになる」
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-253725.html

◎「Domani Night Out! 」が新宿2丁目で開催された。小学館の女性ファッション誌「Domani」専属読者モデルの2016年度「Domaniメイツ」お披露目会 でもあったようだ。
http://woman.excite.co.jp/article/lifestyle/rid_Womaninsight_03528/

A.P.C.が創刊30周年を迎えた集英社の男性ファッション誌「メンズノンノ」とコラボし、過去の人気メンズアイテムを復刻販売する。
http://www.fashion-press.net/news/22899

カドカワが開校した学校法人角川ドワンゴ学園「N高等学校」の入学式が6日、うるま市伊計島にある沖縄伊計本校と東京の会場で行われた。
https://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=162461

◎関東財務局 がLINE に立ち入り検査を行っていた。毎日新聞は次のように書いている。
「無料通信アプリ大手『LINE(ライン)』(東京都渋谷区)が運営するスマートフォン用ゲームで使う一部のアイテム(道具)が資金決済法で規制されるゲーム上の『通貨』に当たると社内で指摘があったのに、同社は仕様を変更し規制対象と見なされないよう内部処理していたことが分かった。同法を所管する関東財務局は必要な届け出をせず法令に抵触する疑いがあるとして、同社に立ち入り検査するとともに役員らから事情聴取し、金融庁と対応を協議している」
「アイテムが『通貨』であれば資金決済法に基づき財務局への届け出が必要だが、その後、同社はアイテムの用途を制限するなど仕様を変えることで「通貨に該当しないという説明が可能」と判断。7月に仕様を変更し、財務局には届け出なかった。7月24日付で役員に提出された内部の報告書には『仕様変更をもって通貨に該当しないという立場を取る』と記載。同社の関係者は『多額の供託金を逃れるため、仕様変更で疑惑を覆い隠した』と証言する」
http://mainichi.jp/articles/20160406/k00/00m/040/159000c
LINEは「一部報道内容に関する当社の見解について」を発表。
「本日、一部報道機関において、当社のスマートフォン向けゲームに関し、当社が資金決済に関する法律(以下『資金決済法』といいます。)に基づく規制の適用を意図的に免れ、同法に基づいて必要とされる供託を逃れようとしたかのような報道がなされましたが、そのような事実は一切ございません。
当社のスマートフォン向けゲーム内で販売されるアイテムが資金決済に関する法律の規制対象となり、一定額の供託を要することとなる『前払式支払手段』に該当するか否かに関しては、専門的、技術的な問題があり、法令上も行政実務上も判断基準が明確でないことから、現在、関東財務局とこの点につき協議中です。
なお、関東財務局から立入検査を受けていることは事実ではありますが、この立入検査は、前払式支払手段発行者に対して数年に一度定期的になされているものであり、LINE POP『宝箱の鍵』につき資金決済法上必要な届出をしなかったという疑いに起因するものではありません。また、当社は、検査に対して誠実に協力しております」
http://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2016/1315
日刊ゲンダイ」が指摘しているようにLINEの上場が遠のく可能性がある。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/178915/1

◎4月7日、無料で読めるWEBコミック誌「ピクシブエース」がpixivコミック内に創刊された。「ヤングエース」、「ヤングエースUP」、「少年エース」の3誌から、pixivユーザーのために選んだ作品が公開される。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002287.000007006.html

◎メディアドゥ は、海外での事業展開を成長戦略の柱のひとつとして位置付け、これまでも電子書籍コンテンツの輸出業務として、LINE Book Distribution による台湾版「LINEマンガ」、北米の各電子書店、OverDive 社経由での電子図書館、米国定額制電子書店「Scribd」等へのコンテンツ提供等を行ってきた。こうした輸出業務を支えるイン フラとして Amazon 等の電子書店とのシステム連携をはかってきた。
しかし、海外マーケットにおいて、北米を中心とした電子書店等への電子書籍配信業 務に加え、国内ノウハウを活用した新たな事業拡大を推進するうえでは現地拠点による迅速か つ効率的な事業活動が必要であると判断し、米国カリフォルニア州サンディエゴ市 に現地法人Media Do International, Inc. を6月に設立することになった。
http://v4.eir-parts.net/v4Contents/View.aspx?cat=tdnet&sid=1342780

◎オープンから半年を迎えた赤坂の選書専門店「双子のライオン堂書店」 。
「小説家やさまざまな分野の専門家、ライターなど、本好きが選書した『自分の血と肉になった本』を販売する。選者には小説家・辻原登さん、批評家・山城むつみさん、俳人長谷川櫂さん、思想家・東浩紀さん、ミシマ社代表・三島邦弘さんなどが名を連ねる」
http://akasaka.keizai.biz/headline/2249/

◎作家の絲山秋子は、今月1日から前橋市内の「フリッツ・アートセンター」 に公開書斎「絲山房」 を開いている。毎日新聞は次のように書いている。
「絲山房は、高さ2メートルほどの本棚に囲まれた空間に小さめの机と椅子が置かれている。並んだ本のすき間から中がのぞける。房の前の案内板にはこう書かれている。
『動物園のように観察したり、痕跡を見つけに来ていただいても。一段落したら、お茶でも飲みに行きましょう』」
http://mainichi.jp/articles/20160407/k00/00e/040/219000c
いつ来るかは絲山がツイッター で告知する。
https://youtu.be/dLnQsLwAOlg
「フリッツ・アートセンター」 は「本・音楽・TINTIN SHOP・家具・美容室・ギャラリー などをそなえた、特別な場所」だそうだ。
http://theplace1985.com/
「フリッツ・アートセンター」の小見純一 は、こんな人物である。
前橋市で生まれ育った小見純一さんは、地元に、時間を大切に過ごすことができる、本当の自分を取り戻せる、静かな場所をつくろうとしている。彼は、前橋市敷島町にカフェ『RITZ』をオープン(現在は閉店)、絵本専門店『フリッツ・アートセンター』や映画館『シネマまえばし』(現在は年数回の期間営業)を起ち上げた。最近は、図書館などから廃棄される本を回収、その中から選書して市内の郵便局などに置き、利用者が持ち寄った本と交換できる『敷島。本の森』プロジェクトを始動。情報過多の現在、オフラインの世界に腰を据えて、街の衰退化、子供の未来などに危機感を感じて起こす彼の活動は、予測不能で興味深い」
http://www.d-department.com/jp/archives/people/2645

小学館は、本当にいいものを、信頼できる情報を発信するウエブメディア「LIVErary.tokyo」(ライブラリートーキョー)を4月7日に 創刊した。「Domani」「Precious」「和樂」といった雑誌とも連動し、ファッション・ビューティ・ライフスタイルすべてにおいて、その道のプロが選んだモノやコトを、自らの言葉で語り、見応え、読み応えのあるオリジナルコンテンツと共に、心豊かな暮らしのために役立つ情報を発信するそうだ。編集長は「Precious」創刊編集長や「Domani」編集長をつとめた 吉川純 。
http://liverary.tokyo/
https://www.atpress.ne.jp/news/97802
雑誌のデジタルシフトにおいて重要な課題は、情報を発信するだけにとどまらず、どのようにオーディエンスの知見や感情を見える形で取り組むかというソーシャル化であると私は考えている。垂直軸のコミュニケーションに加えて、「広場」としての水平軸のコミュニケーションをいかに確立するかだと言い換えても良いだろう。情報を発信するだけであれば紙の雑誌で充分なのである。

櫻井しゅしゅしゅ のマンガ「ラブコメのバカ 」(講談社)は実話に基づいているのか!
「『ラブコメのバカ』の1巻に描かれている“打ち合わせ24時間遅刻”は実際にやられたことですね。日にちを間違えたのではなく、本当に遅刻」
「1時間以内に原稿が上がらないと雑誌に載らないという逼迫した状況の中、目を離した隙に失踪。戻ってきたところを問い詰めると『シャワーぐらい浴びさせてください! 私にだって人間の尊厳が必要です!』と逆ギレし出して……」
http://news.kodansha.co.jp/20160407_c01
http://aria-comic.jp/contents/list168.html
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000955.000001719.html

◎「まんたんウェブ 」によれば「電撃文庫」編集長の三木一馬 が3月31日付でKADOKAWAを退職。4月1日に新会社「ストレートエッジ」(東京都中野区)を設立 していたそうだ。
「新会社では、クリエーターのマネジメント業務、出版物やキャラクターコンテンツ、アニメーションの企画、制作などを手掛ける。契約作家は、『禁書目録』の鎌池和馬さん、『ソードアート・オンライン』の川原礫さん、『魔法科高校の劣等生』の佐島勤さん、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』の伏見つかささんなど。社名の『ストレートエッジ』は、『直定規』のことで、創作者の目印となれるように定規というガイドラインに沿って迷わずまっすぐと目的地へたどり着ける意味を込めた。三木さんは新会社の設立後も、外部の担当編集として、電撃文庫の作品作りにかかわる」
http://mantan-web.jp/2016/04/07/20160407dog00m200035000c.html
マガジン航」が三木に独占インタビュー。三木の語る次のような部分に着目した。
「今まで、作家は編集者を選べませんでした。でもこれからは、そうではなくなるかもしれません。つまり、作家は編集者を選び、編集者は作家を選ぶというマッチング制度に業界が変わっていくということで、それがIT時代の市場原理ではないでしょうか。大手出版社の定期的サラリーと身分保障という後ろ盾がなくなった今、僕はそれくらいの緊張感を持ってやっていくつもりです」
http://magazine-k.jp/2016/04/08/straightedge/
エージェントの時代がやって来るのかもしれない。

電通 3月度単体売上高 。インターネットが前年を割っている!
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2016046-0407.pdf

◎TSUTAYAの「書店員が選んだもう一度読みたい文庫」の第1号として2月に復刊された 松尾由美の「九月の恋と出会うまで」(双葉社)が1カ月余りで9刷の重刷で7万部に迫る売り上げを記録 したと産経が伝えている。
http://www.sankei.com/life/news/160408/lif1604080008-n1.html

◎ストライプインターナショナル(旧クロスカンパニー)グループで雑誌「LEON」の元総編集長・西園寺薫が代表を務める企業キュレーションジャパンが昨年9月に公開したウェブマガジン「プレミアムジャパン」は4月8日、オンラインショップをオープンした。
http://www.bronline.jp/mall/premiumjapan/
http://www.fashionsnap.com/news/2016-04-08/premiumjapan-ec/

ドワンゴのモバイル事業本部と、中日本高速道路NEXCO中日本)で構成されるIP製作委員会「NEFCO」(ネフコ)は、共同製作プロジェクトの作品「幻想交流」公式サイト上で、2月13日(土)に開通した新東名高速道路のサービスエリアをモチーフとしたキャラクターのビジュアルを公開した。「幻想交流」は、小説家でゲームクリエイター芝村裕吏が原作を手がけ、新東名高速道路(浜松いなさJCT〜豊田東JCT)の開通日から公式サイトで連載小説をスタートし、現在、第13話まで公開 されている。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000180.000007551.html

◎米ベライゾン・コミュニケーションズやグーグル は米ヤフーの中核事業の買収を検討している。「ブルームバーグ」によればベライゾンは 買収案の優位性を高めるため米ヤフーが保有する日本のヤフー株の取得にも前向きの姿勢を示しているそうだ。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-04-07/O5A2G96VDKHS01

マツコ・デラックスはこれまで雑誌に登場したことがなかったそうだ。そんなマツコ・デラックスが4月20日発売の「SWITCH Vol.34 No.5」で雑誌に初登場する。
http://www.cinra.net/news/20160408-switch

◎「不倫」矢口真里や「ゴーストライター新垣隆 を起用して話題となっていたカップヌードルのCMが放送中止 となった。産経は次のように書いている。
「不倫スキャンダルで騒動になった矢口さんのシーンでは、自身の二股になぞらえて「二兎を追う者は一兎をも得ず」と“自虐ネタ”を披露。作曲のゴーストライターだったことを明かした新垣さんは、両耳が聞こえないとされた佐村河内守氏に似せた学生の背後から二人羽織のようにしてピアノを弾く姿を映し出し、自らのスキャンダルをネタ化した形だ。 これに対し、視聴者らから『不倫や虚偽を擁護している』など疑問の声が寄せられた」
http://www.sankei.com/life/news/160408/lif1604080013-n1.html
日清食品はホームページで「お詫び」を発表した。
「この度、3月30日より開始いたしましたカップヌードルの新CMに関しまして、お客様からたくさんのご意見をいただきました。
皆様に、ご不快な思いを感じさせる表現がありましたことを、深くお詫び申し上げます。
皆様のご意見を真摯に受け止め、当CM、『OBAKA's UNIVERSITY』シリーズの第一弾の放送を取り止めることに致しました」
http://www.cupnoodle.jp/obakasuniversity/
最近、日本では格差社会によって醸成されたルサンチマンがコンフォーミズムに結晶しつつあるのかもしれない。

衆院TPP特別委員会の西川公也委員長が中央公論新社から刊行を予定していた「TPPの真実」が発売延期となった。東京新聞は次のように書いている。
衆院TPP特別委員会の西川公也委員長の著書を出版する予定の中央公論新社は本紙の取材に対し、著書は五月六日に発売予定だったが、特別委で取り上げられた四月七日の段階で、出版日が未定になったと明らかにした。担当者は理由について『編集作業が進行中のため』と話した。
アマゾンからページがなくなったのは『出版日が未定だと掲載できないというアマゾンのシステムが原因だ』と説明した」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016040890135933.html

◎「アサヒ芸能」が人気アニメ「ラブライブ!」の主演声優で、作中ユニット「μ's」(ミューズ)のセンターをつとめる新田恵海(30)がアダルトビデオ「素人図鑑File‐07 」に出演しているのではないかという疑惑を報じた。このことから、販売元のAVメーカーはパッケージ版の「緊急再販」を決定したそうだ。
http://www.j-cast.com/2016/04/08263682.html

インプレスR&Dと「ごきげんビジネス出版」を運営するスターティアラボは、ごきげんビジネス出版が発行するPOD(プリント・オン・デマンド)書籍の流通において協業することになった。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001162.000005875.html

◎ワールドの「アンタイトル」(UNTITLED)」は4月24日、「WWDジャパン」とコラボレしたウェブマガジン「ミモレ」の大草直子編集長と、スタイリストの望月律子、「WWDジャパン」の向千鶴によるトークイベントをそごう横浜店で開催する。
https://www.wwdjapan.com/fashion/2016/04/08/00020215.html

◎13日発売の女性ファッション誌「an・an」(マガジンハウス)2000号の表紙 を飾るのは嵐だ。
http://www.daily.co.jp/gossip/2016/04/09/0008972496.shtml

東大阪市小阪にある栗林書房本店が4月28日をもって閉店。レッド小阪店は改装をしたうえで営業をつづけるようだ。
http://www.kuribayashi-shobo.jp/tenpo.html
http://kaiten-heiten.com/kuribarashobo-hon/
リブロ系のよむよむクレッセ甲西店(南アルプス市 )が4月10日に閉店。
http://kaiten-heiten.com/yomuyomu-cressekouzai/
http://www.honya-trip.jp/detail/90/

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3)【深夜の誌人語録】

苦しむために努力するのではない。そのような努力は無益だ。楽をしようとすればこそ努力するのである。こうした努力は有益である。