【文徒】2017年(平成29)年2月22日(第5巻34号・通巻963号)

1)【記事】講談社第78期(平成27年12月1日〜平成28年11月30日)決算・役員人事報告会(2月21日14:00〜講談社本社)概要
2)【記事】「片岡義男 全著作電子化計画」がSupporter(支援者)制度を導入
3)【記事】ニュートンプレス民事再生法を申請
4)【本日の一行情報】
5)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】講談社第78期(平成27年12月1日〜平成28年11月30日)決算・役員人事報告会(2月21日14:00〜講談社本社)概要

◆乾智之広報室長による開会の挨拶
昨日とはうってかわって大変寒い中、またお忙しい中をお越しいただきまして誠にありがとうございます。これより株式会社講談社第78期の決算報告会をスタートしたいと存じます。
初めに、先般1月に弊社講談社社員の案件で皆様方を大変お騒がせしましたことを、この場を借りてお詫び申し上げたいと思います。誠に申し訳ありませんでした。

野間省伸代表取締役社長による挨拶
本日はご多忙の中、弊社決算発表会にお越しいただきまして誠にありがとうございます。また、平素より私共の出版活動に関しましてご理解を賜り、様々な形で皆様方の媒体に取り上げていただきまして、改めて御礼を申し上げます。
本日午前10時より第78期定期株主総会が行われ、決算・役員体制など全ての議案が承認され、無事終了いたしました。決算については新しく経理担当取締役に就任しました吉富(伸享)から後ほど説明をさせていただきますが、3年ぶりの増収増益を達成することができました。出版界に厳しい風が吹いている中にあって、増収増益という結果を残せたことは一定の成果だと考えております。
内容につきましては、メガヒットやミリオンセラーといったものには残念ながら恵まれなかったにも関わらず、本業の営業損益において増益を達成することができたのは、長年取り組んできましたデジタル戦略や版権ビジネスの拡大による事業収入の伸びが大きな要因となっています。収益構造の転換、体質改善は着実に実を結んでいますし、これからも改革を継続していきたいと考えています。
他方で製品、いわゆる紙媒体の売り上げ減少に歯止めがかからないことについては強い危機感を抱いております。デジタルや版権ビジネスを伸ばすことは大切ですけれども、紙媒体の市場縮小によって販売会社や書店の体力もどんどん失われていきます。世界に通用するエンターテインメントコンテンツを数多く送り出し、紙の市場を活性化することが喫緊の課題であることをこの機会に再確認しておきたいと思っています。
役員の体制についてですが、今期をもって専務取締役の山根隆さん、常務取締役の清水保雅さん、非常勤取締役の入江祥雄さんの三名には顧問に就任していただきます。昇任は二名です。森武文さんには取締役副社長、金丸徳雄さんには常務取締役への就任をお願いいたしました。また、第六事業局長の清田則子さん、第一事業局長の鈴木章一さん、経理局長の吉富伸享さんの三名を新たに取締役として選任いたしました。取締役の業務分担等については後ほど森副社長から説明をしてもらいます。
弊社は一昨年大きな機構改編を実施いたしました。その際に、既存の出版システムは崩壊しつつあり、私たちが生み出すコンテンツを確実に読者に届けるためには従来の発想にとらわれない新たな伝え方を工夫・開発する必要があるという認識をお話ししました。先ほど触れた収益構造の転換など改革の成果は徐々に出始めていると思いますが、今年度はその取り組みを始めてから三年目という節目の年にもなりますので、これまで進めてきた改革を結実させる年にしたいと考えています。皆様のご理解とご協力を重ねてよろしくお願いいたします。

◆第78期(平成27年12月1日〜平成28年11月30日)決算報告
売上高 1172億8800万円(前年比100.4%)
《内訳》
雑誌        627億6800万円(同92.6%)
 (雑誌)     171億0200万円(同102.0%)
 (コミック)   456億6500万円(同89.4%)
書籍        173億6700万円(同98.9%)
広告収入      46億6900万円(同97.0%)
 (雑誌)     45億1800万円(同95.5%)
 (その他)     1億5000万円(同183.5%)
事業収入      283億5300万円(同129.7%)
 その他      9億9600万円(同61.9%)
 不動産収入     31億3300万円(同99.4%)
税引前当期純利益   46億8600万円(同135.3%)
当期純利益      27億1400万円(同186.7%)

◆吉富信享取締役による決算および事業についての説明(※上記の決算データと重複する部分については省略)

吉富と申します。どうぞよろしくお願いいたします。第78期の主たる出版事業の売上高は、製品売上の落ち込みをデジタル・版権分野を中心とした事業収入の伸長によりカバーし、合計では前年を上回ることができました。出版事業合計の売上高は1141億円(前年比100.4%)。不動産収入を含めた全社売上高は1172億円(同100.4%)ということになりました。
出版事業に関する売上を少し細かくご報告したいと思います。製品売上は801億円(同93.8%)。事業収入のうちデジタル関連収入は175億円(同144.5%)、国内版権収入は70億円(同106.3%)、海外版権収入は36億円(同116.0%)となっております。原価面では製品の直接製造費の削減に努めたことに加えて、年度末近くの出荷が前年同時期に比べて少なかったことに伴い、引当金(返品調整引当金等)の戻しが発生するという会計上の処理によって原価総額が減少いたしました。費用面においても、宣伝費を始めとする経費の抑制などにより費用全体で前年を下回りました。以上の結果、税引前利益は対前年で12億円増益の46億円、当期純利益は同13億円増の27億円の計上となりました。
繰り返しになりますが、ここ数年取り組み続けてきたデジタル、国内外の版権ビジネスの拡大により収益構造の転換がなされており、ミリオンセラーには恵まれなかったにも関わらず本業においても増収増益の結果を出すことができました。
紙媒体の製品は市場の縮小に伴い厳しい状況が続いています。雑誌分野では特集記事やスクープで週刊誌が存在感を示したほか、完売号を記録した美容誌『VoCE』、実売部数・実売率を大きく改善した幼児誌など一部で健闘している分野があるものの、全体としては部数減、広告集稿減の傾向に歯止めが掛からず、厳しい状況が続いています。従来の雑誌型ビジネスモデルからの脱皮を目指し、女性誌では永続的なブランド構築のため、ビジネスモデルの構造改革に取り組み始めています。コミック分野では「イー☆ヤングマガジン」掲載の『食糧人類』『生贄投票』といったデジタルメディア発の作品の中から単行本のヒットが生まれました。また、『透明なゆりかご』のように少部数の単行本からスタートした作品が電子書籍と人気となり、その後単行本の増売につながるという事例も誕生し、従来とは異なる形でヒット作が出てきています。
書籍分野では売上の中核を担う文庫市場の縮小が響き、苦戦を強いられました。そうした中でも文芸分野では塩田武士さんの『罪の声』、長浦京さんの『リボルバー・リリー』、竹本健治さんの『涙香迷宮』、島田荘司さんの『屋上の道化たち』、井上真偽さんの『聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた』、早坂吝さんの『誰も僕を裁けない』といった作品が各社年間ミステリーランキング上位に名前を連ねました。
ノンフィクション分野では「狙って撃つ」との大方針のもと、小保方晴子さんの『あの日』、『キリンビール高知支店の奇跡』、伊集院静さんの『不運と思うな。大人の流儀6 a genuine way of life』、『捨てられる銀行』、『住友銀行秘史』、『財務省と大新聞が隠す本当は世界一の日本経済』『本物の英語力』といった10万部を超えるヒット作が生まれました。
デジタル、版権ビジネスは大きく業容を拡大しました。電子書籍はコミック、テキストともに売上の伸長が継続しています。電子書籍ならではの様々な販売施策のノウハウも蓄積されてきており、年間を通して安定した売上を維持し、業績に寄与しました。デジタル媒体の分野では紙媒体から会員制ウェブコンテンツサービスに移行した『クーリエ・ジャポン』が順調なスタートを切りました。また、『FORZA STYLE』『mi-mollet』が広告収入を大幅に伸ばすなど、新たなビジネスモデルの確立に向け一定の成果が出てきています。新たな試みとしてスタートした動画コンテンツ配信「ボンボンTV」は登録会員数を大きく伸ばし、さらに動画サイト「Spooonn! by KODANSHA」を立ち上げるなど、
新たな分野への挑戦も継続しています。
版権ビジネスの分野では映像化、イベントの積極展開によりビジネス規模拡大を図りました。アニメ化、実写化といった映像化作品のヒットが出版物や電子書籍の増売に大きく寄与しています。
海外においては米国で展開しているコミックの電子配信が大きく売り上げを伸ばしました。中国では海外版『ViVi』の提携先の変更に伴い、従来の出版許諾のビジネスにとどまらず、出版以外の商品化、デジタル化、eコマース展開も含んだ包括的な契約での展開を開始しています。
将来のビジネス展開を見据えた事業投資も積極的に行いました。コミック、ライトノベル分野で強い作品を多数出版している株式会社一迅社を完全子会社とするM&Aや、時代の先端技術に秀でたベンチャー企業への資本参加、一昨年業務提携を発表したデジタルガレージ社との間で新たなデジタルメディアの展開を目的とした合弁企業の設立と、その内容は多岐にわたっています。これらの投資は出版を取り巻く環境が大きく変貌している中で、多様な出版文化を守り、社会に貢献するための積極的なビジネス展開に寄与するものと期待しています。
以上が第78期の決算及び事業報告となります。続いて、以前よりご質問いただくことが多い今期(第79期)の計画について申し上げます。主たる出版事業の売上としては1183億円(同103.7%)。このうち紙の製品は826億円(同103.1%)、雑誌が652億円、書籍が173億円、広告収入が46億円(同99.6%)、事業収入299億円(同105.7%)、「その他」が10億円、不動産収入が31億円ということで売上高が1214億円(前年比103.5%)。税引前利益としては73億円という計画になっております。

◆平成29年2月21日付役員人事(カッコ内は担当局)
代表取締役社長〈重任〉  野間省伸
取締役副社長〈昇任〉   森 武文(広報室)
常務取締役        鈴木 哲(第二事業局)
常務取締役〈重任・昇任〉 金丸徳雄(社長室、総務局、編集総務局)
取締役            峰岸延也(販売局)
取締役〈重任〉        古川公平(ライツ・メディアビジネス局)
取締役            渡瀬昌彦(第五事業局)
取締役            森田浩章(第三事業局、第四事業局)
取締役〈新任〉        清田則子(第六事業局)
取締役〈新任〉        鈴木章一(第一事業局)
取締役〈新任〉        吉富伸享(経理局)
取締役《非常勤》      重村博文
取締役《非常勤》〈重任〉  大竹深夫
常任監査役         白石光行
監査役           足立直樹
顧問             山根 隆
顧問             清水保雅
顧問             入江祥雄

◆森武文副社長による役員人事・機構改編についての説明
このたび取締役副社長に就任しました森です。引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。本日行われました定時株主総会後の臨時取締役会で取締役の業務分担について決まりましたのでご説明いたします。
私、森は広報室担当です。引き続きよろしくお願いします。社業全般に渡って社長の補佐、そして業界案件の対応等を担ってまいります。
鈴木常務取締役は第二事業局を担当いたします。女性誌を中心とした女性コンテンツ部および生活実用出版の部署の責任者であります。二局の構造改革がスタートしております。
昇任いたしました金丸常務には社長室、総務局、編集総務局の担当をお願いしました。会社全体のバックヤードを支えてもらいます。また、デジタル戦略や事業戦略の全社的観点からの責任者となります。
峰岸取締役は販売局担当として販売、デジタル、宣伝、流通、業務、システムの担当です。流通問題への対応、紙とデジタルを一体化した新たなプロモーション施策の強化等を担ってもらいます。
古川取締役はライツ・メディアビジネス局の担当です。国内外における版権ビジネス、映像化、商品化、グローバル化、新たな広告ビジネス戦略といったものを担っていただきまして、本社の業績のカギを握る非常に重要な局の担当です。
渡瀬取締役は第五事業局を担当していただきます。文芸書、文庫の責任者です。新たな才能の発掘、そして低迷している文庫の活性化を図っていただきます。また、デジタル化への対応もスピードアップしていただきたいと思っております。
森田取締役は第三・第四事業局を担当していただきます。会社の収益の柱であるコミック事業を引き続き担当していただくことになります。次なるヒット作づくりに期待しております。
新任の清田則子取締役は第六事業局を担当します。第六事業局は児童書、絵本、児童誌、ディズニー関連の出版を担当しております。引き続き、子供たちにとっての良質なコンテンツ作りとデジタル化への対応のスピードアップを図っていただきたいと思っております。
同じく新任の鈴木章一取締役には第一事業局を担当していただきます。『週刊現代』『FRIDAY』、そして好調のノンフィクション分野の責任者です。昨年来のヒット作連発の勢いを今年も維持していただきまして、講談社の存在感をより強固なものにしていただきたいと思っております。
同じく新任の吉富伸享取締役は経理局担当です。全社の収益構造を見据え、さらなる利益体質づくりに尽力していただきたいと思っております。
非常勤の重村博文さんにはキングレコード代表取締役会長を、大竹深夫さんにも引き続き大阪屋栗田代表取締役社長をお願いしております。顧問に就任いたしました山根隆さんには音羽建物の副社長をお願いしました。入江祥雄さんには引き続き講談社コミッククリエイトの代表取締役社長をお願いしております。

◆質疑応答(抄録)
――決算は増収増益ということですが、何が一番寄与しているとお考えですか?
野間 間違いなく電子書籍の売上拡大というのが一番大きいですし、国内外の版権収入も売上を伸ばしているのも大きいと思います。その大元を担っているのがコミックであり書籍です。紙の売上は落ちているわけですけれども、そういう出版物を今後もしっかり作っていけるようにしたいと考えています。
――業界全体が厳しいと言われる中で第79期の売上についても前期比で103.7%という目標を立てられていますが、具体的にどういったジャンルを強化していきたいとお考えでしょうか?
野間 今年の計画については、当初はコミックなどどこも厳しいかなと感じていたのですが、現場のほうからは、みんなやる気で燃えているためか、思ったよりも強気の数字が上がってきました。具体的にはデジタルや版権については引き続き伸ばしていきつつ紙の落ち込みを止め、むしろ伸ばすというのが一番大きなところかなと思っています。明日(22日)には新しいパートワークの発表もありますので、このあたりも売上拡大に貢献してくれるものと信じております。
森 (パートワークの会見は)明日14時からを予定しております。私が役員になってからでも久々に多額の宣伝費を投下しまして、書店さんに一人でも多くの方に足を運んでいただけるような企画を用意しております。一社だけではなく他業界とも組みながらの共同事業的なものも考えておりますので宜しくお願いします。
――雑誌の売上の中で純然たる講談社の雑誌の売上、およびハースト婦人画報社の雑誌の売上はどの程度になるのでしょうか。
吉富 いま手元にハーストの売上についてのデータが用意できていないものですから、後ほど広報のほうからお答えいたします。
――内訳で雑誌(コミック以外)の売上が伸びているというのは業界全体の状況とはずいぶん違うようですが、要因は何だとお考えでしょうか。今も名前が出たハーストの売上が一昨年から加わったこともあるのでしょうか。
吉富 一つは『週刊現代』が部数を少し伸ばしたということ。それと一番大きいのは幼児系の定期雑誌および定期雑誌に準ずる雑誌コードのついた書物が昨年はかなり売り上げを伸ばしたということです。ハーストに関しては昨年とはほとんど大きな変化はございません。
――海外での伸びについては何が寄与しているのでしょうか。
金丸 海外についてはアメリカで売上が結構伸びています。会社も新たに設立しましたし、これまでは『進撃の巨人』ばかり売っているんだろうと言われそうだったのが、裾野が広がってきたという感じでしょうか。
――具体的にどんなものが売れているのでしょうか。
金丸 『FAIRY TAIL』と『進撃の巨人』が大きいですね。『FAIRY TAIL』はどちらかというとヨーロッパなどで売れています。割合としては小さいですが書籍も売れていますし、映画になった『聲の形』など、幅広く売れ始めているというのが大きいのかなと思います。
――海外では基本的に電子書籍の売上ですか?
金丸 いえ、紙のことも含めてお話しています。ご存知かどうかわかりませんが(売上の順位では)(1)アメリカ (2)中国 (3)フランス (4)韓国 (5)台湾という状況で、アメリカ・中国・フランスでかなり大きな割合を占めています。
野間 海外では、韓国は電子書籍の割合が高いですが、アメリカではまだ9割ぐらいというのが当社の売上における比率です。一昨年サンフランシスコに講談社アドバンストメディアという電子配信の会社を作りましたし、昨年あたりはだいぶ売上を伸ばしてきましたが、(数字的には)まだまだこれからというところです。
乾 少し補足でアメリカで売れているマンガのタイトルを挙げますと『ノラガミ』『四月は君の?』『海月姫』『七つの大罪』といったところが、いま出たものの他にあります。
――幼児雑誌が伸びた理由は何だとお考えでしょうか。
森 いま業界全体に児童書が非常に好調なんですよ。そうした中で当社の幼児誌は「知育」に力を入れていることがお母さんの心をつかみ、お子さんにも喜ばれる要点ではないかと思っています。
――コミック誌、およびコミックスの売上はそれぞれどの程度で、前年比何%くらいになるのでしょうか。
吉富 KC(単行本)が298.7億円、コミック全体で456.6億円ですから、その差額が増刊も含めた雑誌(コミック誌)ということになります。
――デジタルについてはアマゾンやdマガジンなど他社のプラットフォームでの売上や閲覧数が増えているのではないかと思いますが、講談社で独自に行っている課金のサービスで現時点である程度の規模まで伸びてきているものはありますか。
金丸 一番大きいものでいえば「マガジンポケット」ですし、『クーリエ・ジャポン』でも課金は行っていますが、デジタルの全体の中で見れば(課金の売上規模は)はまだそれほど大きくはなっていません。そこが課題であることは間違いないですが。

◆2月21日付人事異動(部長以上/カッコ内は異動前の旧職。使命の前は引き続き兼務する現職)
第三事業局付:役員待遇(第三事業局長)=野内雅宏
知財・契約管理センター部長兼務=編集総務局長 鈴木宣幸
第三事業局長(第三事業局次長)=別フレ・デザート編集部長 松本智
社長室次長(販売局次長兼宣伝部長)=木村昭延
第三事業局次長=月刊少年マガジン編集長 林田慎一郎
第二事業販売部長兼務を解く=販売局次長 吉田俊輔
宣伝部長(デジタル第一営業部長)=販売局次長兼ライツ・メディアビジネス局次長 吉村浩
第二事業販売部長(販売局宣伝部担当部長:部長待遇)濱崎峰夫
販売局デジタル第一営業部長(デジタル第一営業部副部長)山端剛
編集総務局担当部長:部長待遇(編集総務局知財・契約管理センター部長)三瓶久永

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2)【記事】「片岡義男 全著作電子化計画」がSupporter(支援者)制度を導入

ボイジャーは「片岡義男 全著作電子化計画」に2015年7月から取り組んでいるが、既に250タイトルが電子書籍化されている。価格が250円+税という値頃感もあって当初の予想を上回る反響を得ているようだ。また、見逃せないのは一口一万円のSupporter(支援者)制度を導入していることだ。支援は何口でも良く、三口支援した者もいるそうだ。支援者は既に150名を突破している。
サポータになると、片岡義男のタイトルが「読み放題」(Unlimited)となる。そればかりではなく、サポータだけが読める限定コンテンツもリリースされる。
片岡は昨年、講談社から短編集「この冬の私はあの蜜柑だ」を上梓したが、その中の一つで書下ろしである「蛇の目でお迎え」と、この作品がどのように書かれたのか?そのメイキングを収録した電子書籍を支援者に提供することになったのである。メイキングを執筆したのは、ボイジャーの生みの親である萩野正昭であることも付記しておこうか。
https://kataokayoshio.com/news/170216_supporteritem
萩野は「片岡義男.Com」に「メイキングのメイキング」まで発表している。
https://kataokayoshio.com/news/blog170217_hagino
萩野はiPhoneで撮影したプロモーション・ビデオまで作っている。「いくつになっても恋は生まれる」なんて、もうノリノリじゃないか。
https://youtu.be/bHjIgGkFrYw
こうした試みの蓄積から作家と編集者と読者の、紙の書籍ではできなかった新しい関係が構築されていきそうな予感がする。

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3)【記事】ニュートンプレス民事再生法を申請

ニュートンプレスは2月20日、東京地裁民事再生法を申請した。
http://www.tsr-net.co.jp/news/tsr/20170220_01.html
2月20日に公式サイトに発表された「民事再生手続開始の申立てについて」や「雑誌『Newton』刊行継続のご報告」といった文章は既に削除されている。
http://save.cms2.jp/newtonpress/
ツイッターでは「Newton」の公式アカウントから削除された文章を読むことができる。これは「当社前社長の逮捕について」である。
「本日、2017 年 2 月 17 日、当社前社長である郄森圭介及び当社と別会社である株式会社ニュートンの社員1名が、出資法違反の容疑で山口県警察に逮捕されました。
当社は、科学雑誌『Newton』等を発行する会社として、多くの購読者の皆様からご愛顧をいただきながら、前代表者の逮捕という事態に至ったことにつきまして、心よりお詫び申し上げます。
当社は、今般、債権者の皆様に対する借入金元本及び利息の返済を一時停止させて頂いておりましたが、昨年 12 月より、外部の弁護士及び公認会計士の協力の下で、事実・法律関係の調査、並びに当社の経営改善計画及び債権者の皆様に対する返済計画の策定を進め、本年 1 月末に金融機関を対象とするバンクミーティングを、本年 2 月に株主総会をそれぞれ開催し、関係者の皆様にご説明してまいりました。
また、当社は、昨日、個人の債権者の方全員に対し、当社の返済計画は、5 年間余にわたるものの元金全額及び一定の利息をお支払いする計画である旨を記載した上で、詳細は全国 7 か所で開催する説明会の場でご説明したい旨のご案内を発送させて頂いたばかりでした。
今回の事態は、このような当社の再建手続の中での出来事となり、債権者の皆様、株主の皆様、取引先の皆様、そして多くの購読者の皆様に多大なご心配とご迷惑をおかけしておりますことを、改めまして深くお詫び申し上げます。
当社としましては、今般の事態に至った責任の重大性を厳粛に受け止めるとともに、多くの購読者の方に支えられている雑誌『Newton』を維持・存続させることが、当社に課された社会的使命と考え、引き続き全力で再建に臨みたいと考えております。
関係者の皆様におかれましては、多大なご迷惑をおかけいたしますが、当社再建につきまして、ご理解のほど、何卒よろしくお願い申し上げます」
https://www.facebook.com/NewtonScience/

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4)【本日の一行情報】

◎歌舞伎の片岡愛之助の自叙伝「愛之助日和」が光文社から発売された。
http://news.mynavi.jp/news/2017/02/20/117/

◎「アサヒカメラ」2月号が掲載した「写真を無断使用する“泥棒”を追い込むための損害賠償&削除要請マニュアル」が同誌3月号で再掲載されることになった。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000160.000004702.html

カルチュア・コンビニエンス・クラブは「蔦屋書店」の書店とカフェが融合した生活提案型のBOOK&CAFEとして「草叢BOOKS 新守山店」を名古屋市アピタ新守山店にオープンした。中古本も取り扱っている。
http://www.macotakara.jp/blog/report/entry-31934.html
http://jouhou.nagoya/kusamura-books/
https://horano.jp/archives/601

◎Gapフラッグシップ銀座では、2月17日〜3月6日の期間、マガジンハウスの協力のもと「Gap×GINZA 90’s MAGAZINEアーカイブ展」を開催する。
http://www.jiji.com/jc/article?k=000000027.000011503&g=prt

◎書泉(神保町/秋葉原)と芳林堂書店高田馬場他)は2/24の「プレミアムフライデー」に向けた各種フェアを実施している。
http://www.dreamnews.jp/press/0000147709/

主婦の友社から刊行された「8年越しの花嫁 キミの目が覚めたなら」は佐藤健、土屋太鳳のW主演で実写映画化され、2017年冬に公開されるが、コミカライズも決定した。コミカライズに当たっては主婦の友社のマンガ投稿サイト「コミカワ」で、コミック化を担当するマンガ家を募集する。
http://corporate.shufunotomo.co.jp/newsrelease/10927/

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5)【深夜の誌人語録】

基本を崩すのではなく、基本に戻れ。