【文徒】2017年(平成29)年4月27日(第5巻79号・通巻1008号)

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1)【記事】ソーシャルメディアと流言飛語の親和性について
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】ソーシャルメディアと流言飛語の親和性について

新聞やテレビでは殆んど報道されていないようだが、ソーシャルメディアで「流言飛語」の類が飛び交ったようである。「J−CASTニュース」は次のように書いている。
「2017年4月25日の朝5時に『北朝鮮がミサイル50発を日本に向けて発射する』というデマ情報が、北朝鮮の人民軍創建85年の節目にあたる25日未明、インターネット上で出回った。
ツイッターの『トレンド』欄には一時、『ミサイル50発』というワードが登場。このデマ情報を信じ込んでしまったネットユーザーも多かったようで、ツイッターには『怖くて寝れなかった』『怖すぎて震えてる』といった声も相次いでいた」
https://www.j-cast.com/2017/04/25296480.html?p=all
これは笑いごとではなく、これこそがソーシャルメディアの怖さなのである。そう捉えるべきだ。当たり前のことだがソーシャルメディアを有効性の側面からのみ評価してはなるまい。その有効性の裏側には、常に危険性が張り付いているのである。
ソーシャルメディアの危険性とは、誰でも情報を発信できるがゆえに流言飛語の温床となってしまうことである。しかも、時として流言飛語を増幅させ、加速させ、拡散させ、暴走させてしまうことである。最悪の場合、物理的な暴力として結晶させてしまうこともあり得よう。
こうした危険性を克服するためには、私たち自身がリテラシー能力を高めるしかあるまい。古代ギリシアにおいて成立していた直接民主主義は結局、衆愚政治に堕落してしまい、結局、民主主義は間接民主主義に収斂していったが、インターネットを舞台にしたメディアもそのような、つまらない歴史を繰り返すことになるのだろうか。

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2)【本日の一行情報】

草刈正雄が初写真集を刊行することになった!版元は双葉社。タイトルは「草刈正雄 FIRST PHOTO BOOK」。
http://www.asahi.com/and_M/interest/entertainment/Cpettp01704240016.html
草刈正雄は37歳の若さで自殺してしまう「天才」杉山登志に起用され、資生堂の専属モデルになるわけだが、オレにとって草刈正雄といえば資生堂のブラバスのCMなんだよね。特にヒッチコックの「北北西に進路を取れ」を引用したCMは傑作であった。映画は神代辰巳監督の「櫛の火」が忘れられない。冒頭に置かれたジャネット八田とのブランコを利用したラブシーンは日本映画史上に燦然と輝こう。この映画の「おふくろさんよ」が好きだなあ。

◎原作は「グラゼニ」の森高夕次、作画は「僕たちがやりました」の荒木光による「あしたのジロー」は双葉社の「漫画アクション」と秋田書店の「ヤングチャンピオン」に交互に連載されるコラボ企画だ。「ヤングチャンピオン」の5月9日号から連載はスタートする。
http://bookpooh.com/archives/1202

◎「ぴあ社がプラットフォームを提供するB.LEAGUE チケットサイト、及びファンクラブ受付サイトへの不正アクセスによる、個人情報流出に関するお詫びとご報告」は、こう書き出している。
「ぴあ株式会社(以下、当社)において運営を受託しております、B.LEAGUE(公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ様)の、B.LEAGUE チケットサイト、及びファンクラブ受付サイトのサーバー環境において、何者かのサイバー攻撃による不正アクセスが確認され、お客様の個人情報が流出した可能性のあることが判明いたしました」
http://corporate.pia.jp/news/files/security_incident20170425.pdf
最大でおよそ15万5000件の個人情報が流出した可能性があり、197件、630万円のクレジットカードの不正利用がこれまであったことが確認された
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170425/k10010960501000.html
日経は次のように書いている。
「ぴあは同日、顧客への補償費用などの特別損失が発生するとして、前期(2017年3月期)の連結純利益予想を前回予想(前の期比1%減の12億円)から引き下げ、前の期比21%減の9億5000万円に修正した」
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL25HD9_V20C17A4000000/

北条司の「エンジェル・ハート」が「月刊コミックゼノン」(徳間書店)7月号をもって大団円を迎えることになった。「エンジェル・ハート」は北条が「週刊少年ジャンプ」で6年間にわたり連載された「シティーハンター」のパラレルワールドのマンガとして連載を開始したが、こちらの連載は17年にも及んだ。
https://mainichi.jp/articles/20170424/dyo/00m/200/035000c

サントリー車いすバスケットボールVR動画「ラスト1分。日本代表は君だ。」を公開されている。
https://www.youtube.com/watch?v=jgOGkTt8sxA&rel=0&autoplay=1
サントリーは日本車椅子バスケットボール連盟とオフィシャルパートナー契約を締結している。
http://dentsu-ho.com/articles/5115

◎オレにはこういう生き方できない。
http://greenz.jp/2017/04/25/subana_mio/

◎「週刊文春」の強みは、こういう企画ができることである。アンケート調査企画「好きなジャニーズ」「嫌いなジャニーズ」を実施!結果は予想通りと言うべきか、「好きなジャニーズ」の第一位は中居正広で、「嫌いなジャニーズ」第一位は木村拓哉
http://bunshun.jp/articles/-/2279
「文春オンライン」はSMAPの写真も公開しているけれど、こういうところにも文春ジャューナリズムの矜持が見て取れる。「こういうことができない」という「禁忌」が可視化されてしまうと、そのメディアはジャーナリズムとして信頼を失っていく。競合誌は「文春ジャーナリズム」ができないことを可視化すれば良いのだが、それは自分たちにもできないことであるケースが多いのだろう。

◎産経ニュースが「『打倒!直木賞』で始まった『本屋大賞』 毎日新聞『権威化?』と紹介 誰が何のために選んでいるのか」を掲載。
http://www.sankei.com/premium/news/170425/prm1704250002-n1.html
新聞広告を打ち、全国の書店の要望通りの部数を実現できる版元の作品しか本屋大賞には選ばれない。

◎AbemaTVの藤田晋代表取締役社長は、ねとらぼエンタ「『報道ステーション』配信は快挙―― 藤田社長に聞く、AbemaTV1周年の手応えと最近の取り組み」で次のように語っている。
報道ステーションは、ニュース番組の中でもクオリティーが高いものだと思っています。それがAbemaTVで流れるということは、メディアとしての信頼性の高まり、流しても大丈夫な場所になったということを意味します。
1年前に報道ステーションを流してくれと言ったら、とてもじゃないけど、皆ぞっとしたと思いますよ。それが1年たって、テレビ放送のディレイとはいえ流れたということは快挙と言っていい。そういう意味では象徴的な番組ができたかな。いずれは同時配信できるといいですね」
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1704/21/news031.html

◎元スーパーカーのボーカル&ギター、現在はソロプロジェクトやアンビエントプロジェクトNyantoraを中心に活動するKoji Nakamuraは、直木賞作家の唯川恵とコラボし、楽曲「地図にないルート」をSpotifyなどのオンデマンドストリーミングサービス限定で配信を開始した。
「地図にないルート」はボルボ・カー・ジャパンのブランドイメージを体現する形で制作された。唯川が作詞を担当するのは初のことだ。
http://prw.kyodonews.jp/opn/release/201704261257/

◎「ブックハウス神保町」が、「ブックハウスカフェ」となって5月5日(祝)にオープンする!夜はブックバーだってさ!
http://bookhousecafe.jp/

文藝春秋は「ナンバー」の特別増刊号「永久保存版 浅田真央 ON THE ICE 1995-2017」の増刊を決めた。2刷3万部の増刷となり、累計発行部数は20万部となった。
https://www.amazon.co.jp/dp/B06Y67T965

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3)【深夜の誌人語録】

無駄が無理を生むということも頭に入れておいて欲しいものである。