【文徒】2017年(平成29)年9月7日(第5巻169号・通巻1098号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】最近書店閉店事情
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】最近書店閉店事情

スカイブック大阪空港店が8月31日(木)をもって閉店。
伊丹空港でぶらぶらしていた際に、非常にショックな張り紙を見つけました。伊丹空港JALANAの中間地点にあった本屋さん『スカイブック』さんが空港工事を理由に閉店するとのことです。涙。出張族は移動中に本を読むことが多いかと思います。私は良くここで、飛行機内で読むための本を購入していたのでかなりショックです」
https://t.co/1HUtOHkelW
神奈川県秦野市啓文堂書店東海大学前店が9月18日(祝)をもって閉店。
http://www.keibundo.co.jp/news/detail/post_66.html
八重洲ブックセンター恵比寿三越店が9月30日(土)をもって閉店。ここは私が白金に住んでいた頃、よく使った書店だ。
「百貨店内の店舗というのは、やはり厳しいのか。八重洲さんは撤退が続いている」
https://twitter.com/nishiyanyo/status/903608482397470721
特別ブックフェア「歴代スタッフ 最後のおすすめ本」、ベストセラーアーカイブ「23年、23冊」などクロージングイベントが開催される。
http://www.yaesu-book.co.jp/events/other/12665/
「恵比寿も閉めちゃうの…大変だなあ。こちらも最後の3日間は読書ノートプレゼント。毎日先着300名だからけっこう余裕ある」
https://twitter.com/benisuzu/status/903447716017037312
静岡鉄道新静岡駅戸田書店城北店が10月9日(祝)をもって閉店。開店したのは1997年11月。
https://twitter.com/toda_johoku/status/903788470530957312
「寂しくなります
城北店は営業終了してしまいますが、他の店舗は営業していますので戸田書店をぜひご利用ください
営業が終了してしまう前にぜひ城北店へお越しください。
静岡食本はドア入っていただいて右側の棚にございます」
https://twitter.com/toda_johoku/status/903924105677758464
「ご愛顧誠にありがとうございます。
城北店周辺の店舗ですと、静岡本店・柏屋・江尻台店がございます。ご不便おかけいたしますが、今後とも戸田書店をよろしくお願い致します」
https://twitter.com/toda_johoku/status/904663553633796097
「あべの古書店主人」が次のようにツイートしている。
「10月に閉店する戸田書店城北店には、あべの古書店の在庫を委託販売で置いてもらっていた。静岡の郷土誌関連の古書(しかも高額なもの)がウチの店より遥かに売れた。講書に金を惜しまぬお客が多くいたはずなのに、それでも商いの持続は困難だったのか」
https://twitter.com/MAGINRECORDS/status/903845672792735744
書原阿佐ヶ谷本店が閉店したのは今年の2月19日(日)のことだった。まだそれから半年強しか経っていないのに書原仙川店が9月24日(日)をもって閉店することになった。残る書原はつつじヶ丘店、リバーシティ店、広和書店(高井戸店)のみとなった。
https://www.books-shogen.jp/%E5%BA%97%E8%88%97%E6%83%85%E5%A0%B1/%E4%BB%99%E5%B7%9D%E5%BA%97/
「うーむ、残念。書原 仙川店9/24で閉店とのこと。好きな書店だったのだが(実家に行く時くらいにしか寄れなかったのだけど)」
https://twitter.com/minoguchi/status/903818415168737282
書原仙川店も高い評価を得ていたことで知られている。こんな具合に。
「昼間、仙川の書店で、探している本について店員さんに問い合わせたところ、『少々お待ちください』とどこかに電話して『うちにはいまありませんが、隣駅のつつじヶ丘店にあります。いますぐ取り寄せましょうか?』と。おおお! お礼を言ってつつじヶ丘で入手。さすが書原さんである!」
https://twitter.com/phyl705/status/888049524727349248
「初めて足を踏み入れた店だが、書籍と出逢う必然がそこにある凄い空間だと思った」
https://twitter.com/hardcoreblack19/status/813701283311919104
「書原仙川店さんは写真関連本のセレクトがいい。びっくりしていつも買ってしまう」
https://twitter.com/AndeanCOTR/status/829902457857679361
仲俣暁生フェイスブックで言及している。
南阿佐ヶ谷に続いて仙川の書原も閉店とは…。あの規模のよい本屋さんがいま、いちばん苦しいのかも」
八重洲ブックセンターの社長もツイッターで嘆いている。
「たいへん、残念………」
https://twitter.com/yaesuyama/status/904466061172457473
ブックスキヨスク兵庫店が9月24日(日)閉店。神戸店が8月4日(金)をもって閉店ばかりである。
https://twitter.com/kobe_machiguide/status/903898224691298304
次のツイートは8月31日に閉店した文進堂書店について書かれたものだろう。
「駅前商店街の老舗の本屋、『B書店』が先月末で閉店していた。
筒井先生御用達のSFに強い今時希有な書店でありそして先生のサイン本が手に入るのも嬉しかった。
何より子供の頃からの駅前のオアシスだっただけに凄く残念。
駅前ではここ半年で二件目の閉店なので何ともやりきれない」
https://twitter.com/logan0241/status/904935420177170432
すばる書店西船橋店跡地にセブンイレブン 西船橋駅南口店がオープンする。
https://twitter.com/funabashi2shin/status/904985514138324992
駅ナカであろうと駅ビルであろうと、駅周辺であろうと専業書店の経営は厳しく、当面の打開策は兼業化を推進する以外に選択肢はあるまい。街の書店が専業書店として生き残るには、それこそ正味50%が実現しなければ無理だろう。それは無理に決まっている。
ツイッターで「消えゆく本屋さん」による一連の投稿に目を通した。「まとめ」も作成されている。
https://twitter.com/L23524772
https://twitter.com/i/moments/904140060601102336

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2)【本日の一行情報】

原発銀座の共産党町議がその給料だけでは生計が立てられず、原発の孫請け作業を請け負っているといった民主主義の裏側を活写する「からくり民主主義」(草思社)にしてもそうだが、高橋秀実の魅力は、しつこいほどのクローズアップを多用することによって生じるそのアクの強さである。
高橋が自らのルーツ探しで東奔西走する「ご先祖様はどちら様」(新潮社)では小林秀雄賞を獲得している。そんな高橋が双葉社から「日本男子♂余れるところ」を上梓していた。ここまで男根(=余れるところ)と勃起にこだわったノンフィクションは他にないのではないだろうか。こうなると高橋「鐵」秀実である。
https://ddnavi.com/review/397267/a/
しかし、日本の徴兵検査では男根の長さまで測られていたのか。双葉社は「性」の領域にかかわりながら、性的な刺激の全くないノンフィクションの快作を世に届けるのが上手である。高橋のデビュー作である「TOKYO外国人裁判」(平凡社)も私は好きな一冊である。高橋は村上春樹地下鉄サリン事件を扱ったノンフィクション「アンダーグラウンド」(講談社)にも取材で協力している。

実業之日本社文庫「文豪エロティカル」には田山花袋少女病」、川端康成「舞踏靴」、堀 辰雄「燃ゆる頬」、太宰 治「満願」、谷崎潤一郎青塚氏の話」、織田作之助「妖婦」、芥川龍之介「好色」、森鴎外「魔睡」、坂口安吾「戦争と一人の女」、永井荷風「人妻」が収められている。これは編者をつとめた末國善己のセンスが光る一冊である。
http://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-55380-1
文庫で良いから高橋鐵の全集は無理でも、選集を企画するような志を持った編集者はいないものだろうか。河出書房新社の「高橋鐵コレクション」は殆んどが重版未定・品切れとなっている。高橋は大島渚監督の映画「新宿泥棒日記」に出演していたよね。

朝日新聞出版は、Bリーグのガイドブック・週刊朝日ムック「B´(ビー・ダッシュB.LEAGUE×井上雄彦」を発売した。「スラムダンク」の井上雄彦が表紙を描き、Bリーグの主力選手と対談した朝日新聞連載「B.LEAGUE 主役に迫る」の完全版を収録している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000263.000004702.html

◎「福島第一原発所長『2000万円越架空請求』スキャンダル!」は企業名を大手ゼネコン「X社」とせずに実名で報道してもらいたかった。
http://www.asagei.com/excerpt/87869
http://www.asagei.com/excerpt/87877
http://www.asagei.com/excerpt/87879

◎国内外の航空券、ホテル、レンタカー情報の一括横断検索サービスを提供する、スカイスキャナーは、海外旅行ガイドブック「地球の歩き方」を発行するダイヤモンド・ビッグ社と共同で、「海外ディズニーリゾート限定グッズが当たるキャンペーン」を9月29日(金)まで実施している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000013429.html

津田大介は「NIKKEI STYLE」に掲載された「Netflixにハマって考えたテレビの未来」で次のように指摘している。
Netflixはいつでも好きな時に見られるし、デバイススマートフォンタブレット、パソコン、テレビとすべてに対応している。途中で見るのを中断しても、デバイスを変えてそこから再開できる。ユーザーエクスペリエンスとしてすごく優れているのだ。
大学で教えている学生たちに話を聞くと、今は若者のテレビの視聴スタイルが昔とは様変わりしていることがわかる。ゴールデンタイムに家でテレビを見ている若者はほぼ皆無。家族みんなでお茶の間に座って、リアルタイムでCM込みで見るという視聴スタイルは、高齢者を除いてほとんど崩壊しているのだ」
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO20114940Y7A810C1000000?channel=DF090220166689

◎オールアバウトの戦略子会社でソーシャルメディア事業分野を担うオールアバウトナビは、日本テレビと連携し、「ワールドグランドチャンピオンカップ2017」の試合前会場の様子や毎試合のハイライト動画を「Facebook navi」の公式Facebookページで、全試合にわたって配信する。
http://prw.kyodonews.jp/opn/release/201709045305/

◎「NIKKEI STYLE」に掲載された「10代のお手本 一番影響力を持つ雑誌モデルは誰?」によれば「Popteen」モデルを卒業したばかりの藤田ニコルのインスタグラムにおけるフォロワー数は130万人、ツイッターのフォロワー数は192万人。「Seventeen」モデルの広瀬すずツイッターのフォロワー数は何と304万!インスタグラムが34万人。これにつづくのが「ViVi」の玉城ティナや「Seventeen永野芽郁、飯豊まりえである。
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO19991820V10C17A8000000?channel=DF280120166614

◎日本ではハースト婦人画報社から刊行されている「harper’s BAZAAR」は今年創刊150周年を迎えるが、これを記念して、創業300年を迎える大丸松坂屋百貨店とコラボしたスペシャルイベント「オードリー・ヘプバーンの孫 エマ・ファーラー 来日記念トークショー」を9月16日(土)に大丸京都店で開催する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000008128.html

◎スタイリスト・小山田早織の「身の丈に合った服で美人になる」(講談社)はユニクロZARA、GU、無印良品、GAP、H&Mという6大コスパブランドの活用術が詰まった一冊である。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001447.000001719.html
小山田のインスタグラムのフォロワー数は59万人に迫る。小山田のインスタグラムによれば「20代をスタイリストというお仕事に捧げてきた私の全てが詰まった一冊です」だという。
https://www.instagram.com/saorioyamada/
主婦の友社の「GISELe」で「yeccavecca MEETS saorioyamada」の短期連載が始まっている。
https://instagrammernews.com/detail/1592560251861507464

博報堂プレースホルダは、AR・VR領域における「体験型アトラクション」についての共同研究契約を締結し、研究を開始した。
http://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2017/09/20170905.pdf

日経平均日本郵政リクルートHDを採用し、北越紀州製紙明電舎が除外されることになった。
http://jp.reuters.com/article/nikkei-average-idJPKCN1BG0YG
リクルートに風が吹いている。
https://www.j-cast.com/2017/09/06307667.html?p=all

◎産経によれば岩手県釜石市の「桑畑書店」は「店舗と隣接する自宅は全壊し、4万冊以上の書籍が流失した」が、「11月には近くにできた仮設商店街の一角で営業を再開」し、「昨年11月、仮設商店街の退去期限が30年3月に迫るのを前に、災害公営住宅に設けられるテナントに応募し、出店が決まった」という。「新店舗が入る災害公営住宅は市内中心部に位置し、1階の売り場は震災前の5分の1ほどの約50平方メートル」だそうだ。
http://www.sankei.com/life/news/170905/lif1709050033-n1.html

◎エーエスピーと学研プラスが運営する写真投稿・カレンダー制作サイト「365(サンロクゴ)カレンダー」( http://www.365calendar.net/ )が2018年版カレンダーに掲載する犬や猫などのペットの写真エントリー受付を9月29日(金)12:00に終了する。
「365カレンダー」(特許取得済)とはワンちゃん好き、ネコちゃん好きの飼い主さんが参加して、カレンダーごとにWEB上で募集し365日分の写真が集まるとオリジナルカレンダーが完成となり(エントリー無料)、実際のカレンダーとして印刷・販売するサービスである。
https://www.atpress.ne.jp/news/136996

◎350mlの缶やペットボトルなら立てたまま6本、500mlのペットボトルは寝かせて5本入る大容量の保冷トートが付録で580(税込)円の「オレンジページ」は買いである。
https://ddnavi.com/news/397997/a/

電通は、母親視点から企業のマーケティング活動を支援するチーム「ママラボ」をアジア太平洋地域でも展開し、各拠点をつなぐネットワークを構築することで、顧客企業ニーズに対応する。
電通は「ママラボ」を「電通イージス・ネットワーク」の新事業として位置付け、月内にシンガポールインドネシア、フィリピン、台湾の4市場でローンチし、年内にはタイにも展開していく予定だという。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2017100-0906.pdf

◎街の書店にとって万引は死活問題である。「AbemaTV」の「AbemaPrime」で梅木書店(世田谷区)の梅木秀孝が万引の実態を語った。
「万引きの被害に苦しんできた梅木書店(世田谷区)の梅木秀孝さんは『1冊盗まれると、元を取るのに6、7冊売らないといけない。利益を出すにはそれ以上、下手すると10冊近くになる』と頭を悩ませる。梅木書店では10数年前から万引き被害が増加しており『多い時だとひと月10万くらいいっちゃう。本当にがっかり』と話す。出版不況で経営が苦しい中、それに追い打ちをかけるように万引き被害。40年以上続いてきた梅木書店は店舗の縮小を余儀なくされた」
https://abematimes.com/posts/2900377

◎ISETAN×講談社新本格ミステリ×ミステリーナイトのコラボによって、9月29日(金)に伊勢丹新宿店で参加者が探偵となり、トリックを暴くミステリーツアー「伊勢丹店長失踪事件」が開催される。
http://www.epin.co.jp/isetan_mystery/

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3)【深夜の誌人語録】

余地や余白を大切にしよう。