【文徒】2018年(平成30)10月9日(第6巻188号・通巻1362号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】最近書店閉店事情
2)【記事】「Webでも考える人」編集長、小川榮太郎、タイラヨオ・・・
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2018.10.9 Shuppanjin

1)【記事】最近書店閉店事情

未来屋書店川崎アゼリア店が9月2日(日)をもって閉店。川崎駅前に書店は二軒のみとなる。
「改装だと思っていたら、未来屋書店川崎アゼリア店が閉店だった。ひと月に数回しか、利用していなかったが残念。地元なのに、あんま開いている時間に帰っていないため、致し方ないが……。あおい書店も3月で閉店したので、川崎駅前には2店しかなくなった。どっか出店して欲しい」
https://twitter.com/sou_kaji/status/1036235933010423808
宮脇書店青森本店が9月30日(日)をもって閉店。「Web東奥」は次のように書いている。
青森市青森駅ビル・ラビナ4階にある、全国チェーンの宮脇書店(本社高松市)青森本店が今月末で閉店することが19日、同社への取材で分かった。同社の担当者は『テナントの賃貸契約が満了を迎え、売り上げなどさまざまな要素から更新しないことを決めた』としている」
https://www.toonippo.co.jp/articles/-/88683
青森県内でしか手に入れるのが難しい郷土関連書籍を買うのに利用していたのに…これからは成田本店か」
https://twitter.com/otokobune23/status/1042787628083437569
「おいちょっと待て。しかも急じゃねえか。こういったら成田本店には申し訳ないんだが、少なくとも新書本は成田本店のしんまち店よりも品数豊富で好きだったんだがなあ。Edyも使えるし」
https://twitter.com/souls825/status/1042780961488941056
オークスブックセンター つくばアッセ店が9月30日(日)をもって閉店。今は亡き友朋堂書店の徳永直良のツイート。
「あ、、。『閉店のお知らせ 平素は当店をご利用頂き厚く御礼申し上げます。 誠に勝手ながら、当店は9月30日をもちまして閉店させて頂くこととなりました。』」
https://twitter.com/naox_toku/status/1035715637723594752
藤村書店が破産。本店、立正大学店とも9月30日までに事業を停止した。東京商工リサーチは次のように書いている。
熊谷市に拠点を置く書店で、終戦直後の昭和22年に創業し、一時期は県内で複数店舗を展開していた。また、立正大学熊谷キャンパス内の書店も運営し、学生向けに教科書や書籍を販売していた。出版不況等が経営に影響し、平成29年夏、秩父市の矢尾百貨店内の店舗を閉鎖。その後は本店と立正大学熊谷キャンパス店の2店舗を運営していた。
 9月末付で店舗をすべて閉鎖し、事業を停止した」
http://www.tsr-net.co.jp/news/tsr/20181004_01.html
八木橋の向かいにある藤村書店が潰れたらしい」
https://twitter.com/One_God_Asako/status/1048054045653401601
「藤村書店が倒産か…昔から地元にあったから残念…」
https://twitter.com/caliceyukkuri01/status/1047721726426009600
「藤村書店の会社自体が倒産したらしいよ。つまり教科書が買えないー」
https://twitter.com/runa_shiba/status/1047618127322701824
小田急ブックメイツ祖師ヶ谷大蔵店が10月10日(水)をもって閉店。
「そして最寄りの本屋がむぁた1つ閉店…」
https://twitter.com/nicky_mitchell/status/1042714389776760832
小田急線・祖師ヶ谷大蔵駅の高架下の本屋さん。芸書林が閉店した後、ブックメイツになったが、10月10日(水)でまた閉店してしまうとは・・・」
https://blog.goo.ne.jp/park-lee/e/cf8d69d51776d9bc6b6f98fc83efa73b
あおい書店渋谷南口店が10月24日(水)をもって閉店。
「【お知らせ】あおい書店渋谷南口店は、渋谷桜丘地区再開発事業にともない、2018年10月24日をもちまして、閉店することになりました。永らくのご愛顧ありがとうございました。最終日まで営業時間は変わらず、10時から24時までです」
https://twitter.com/aoishotenshibuy/status/1044434802252775424
「近隣地区とあわせて、複合商業施設が建設されます。2023年竣工予定」
https://twitter.com/aoishotenshibuy/status/1044436085013536774
「あおい書店渋谷南口店も閉店。再開発がらみ。ただ、紀伊国屋移動、あおい書店、山下書店は閉店。うちの会社の近くから書店がどんどんなくなる‥」
https://twitter.com/dada2007/status/1046802568326742020
ここから歩1分のところにあるバー「88」も10月27日に閉店となる。オーナーでもあるママは福武書店の出身。母方は緒方洪庵に通じる家系であり、父親は九大のマルクス政治学の教授だったはず。店の窓から見える桜が本当に綺麗だった。そんこともあり、この書店は待ち合わせ場所として、よく使った。私たちの連載陣のひとりでもある瀬尾健とも、初めて会ったのは、この書店であった。大ヒットしたアニメ映画「君の名は。」にも出て来る書店である
「渋谷駅西口歩道橋からも見える、ビル2階の窓に掲出された赤い看板が目印で、歩道橋からの光景は『おおい書店』として映画『君の名は。』のワンシーンにも使われた」
https://www.shibukei.com/headline/13504/

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2)【記事】「Webでも考える人」編集長、小川榮太郎、タイラヨオ・・・

新潮社「Webでも考える人」が掲載した「9月最終週の編集長日記」。「新潮45」休刊については素っ気ない記述である。
「9月25日(火) 『新潮45』休刊。長い一日。このことを冷静に振り返れる日はいつか来るのだろうか」
しかし、その夜、読み返したのが内田樹の「私家版・ユダヤ化論」であるとは意味深であるし、9月29日(土)には「北田暁大さんの『終わらない「失われた20年」』をある苦さとともに読んだ」と書いている。「ある苦さ」は「新潮45騒動と無縁ではあるまい。
「ネットで、読んだ人の感想を読むと、「左翼の内ゲバを現代風に見せつけられている」という感じのものがあって、北田さんの切実さはわかるものの、なるほどそういう風に思う人もいるだろうな、とも思う。なかなか難しい。そしてその難しさは決して他人事ではない。トランプ以降のアメリカのように、様々な場所で、分断がすすんでいくのは避けられないのだろうか?」
http://kangaeruhito.jp/articles/-/2631
内田樹のツイート。
「ラジオだん。『新潮45』休刊について意見を求められました。良識を逆撫でするような『少数派の意見』を述べるときは、自分の意見に簡単には同意してくれそうもない読者を想定して、情理を尽くし、論拠を示し、抑制の効いた言葉遣いを選ぶはずです。でも、問題になったテクストはそうではなかった」
https://twitter.com/levinassien/status/1047994374955577345
一般の読者からすれば小川榮太郎の名前を知るのは「約束の日 安倍晋三試論」(幻冬舎)によってだろうが。この本もイキッ放し体が狂喜乱舞している。
「週刊春」によれば安倍首相が代表の政治団体自民党山口県四選挙区支部は、小川榮太郎の「約束の日 安倍晋三試論」(幻冬舎)を確認できるだけでも4380冊を購入しているそうだ。町山智浩のツイート。確かに「ズブズブ」の三角関係が成立している。
安倍総理小川榮太郎幻冬舎の見城社長に頼んでデビューさせて、その本を安倍総理が研究費名目で4千冊買取ったって、これもうズブズブすぎるだろ」
https://twitter.com/TomoMachi/status/1047628984060530688
古谷経衡が写真付で、こんなツイートをしている。
「はいこれ。だいぶ昔ですが河本母問題で、メタル兄弟という在特会支援者が主催した「不正受給を正す議員を応援しますデモ」。つまり片山さつき応援デモです。片山の手前での帽子被った紫服の女性。後に小川榮太郎主催の『日本平和学研究所』の理事兼事務局長になり、小川センセをお支えになる方。懐い」
https://twitter.com/aniotahosyu/status/1047613009630117888
彼女の名前はタイラヨオ。作詞家だそうだ。
http://kaizokubaka.com/
古谷も紹介していたが、彼女はブログに「『進撃の巨人』と日本人」なる「差別」章を発表している。
「日本人の血税をかすめ取り国益に寄与することもないままに居直り続ける彼らに対し、エレンと同じセリフをぶつけたくなった視聴者が多く居たであろうことは、もちろん正確な数字を把握することなど不可能だが想像に容易い」
http://tairayo.hatenablog.com/entry/2015/05/31/111611
「彼ら」とは「在日朝鮮人」を指し、エレンのセリフとは「駆逐してやる…この世から、一匹残らず!!!」。
「プレジデントオンライン」の「"極論"に走るメディアは自滅するしかない」は、こう書いている。
「『売れればいい』と極論を安易に振りかざせば、良質な読者は去ってしまう。過激さばかりを求める読者に付き合っていれば、取り返しのつかない事態を招く。本当のジャーナリズムは、右や左にわかれるものではないはずだ。各メディアに他山の石としてもらいたい」
https://president.jp/articles/-/26346
「こたつねこ」がこんな写真をツイッターで紹介している。もともとは有本香のツイートなんだね。山口敬之、青山繁晴、阿比留瑠偉、上島嘉郎、有本香、小川榮太郎という面々。「こたつねこ」は「国家と治安 -アメリカ治安法制と自由の歴史」(青土社)などの著書を持つ政社会学者の木下ちがやである。
https://twitter.com/sangituyama/status/1044526498508468227
新潮45」10月号の「そんなにおかしいか『杉田水脈』論LGBT当事者として寄稿した松浦大悟が「ガジェット通信」のインタビューに応じているが、そこで次のように語っていることを見過ごしてはなるまい。
「今回の特集を組むにあたってリベラル系の大物学者にも執筆依頼をしたのだけど断られたということでした。その時に私は『逃げたな』と感じました。このことに関わることで、自分のキャリアに傷がつくことを恐れたのだと思います」
https://getnews.jp/archives/2083555
「分断」と「劣化」が同時並行しているのだ。

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3)【本日の一行情報】

岩波書店から「運命 在寅自伝」が刊行された。
http://japan.hani.co.kr/arti/international/31772.html

◎浅草・田原町のReadin’ Writin’ BOOK STOREで「本を贈る」(三輪舎)刊行を記念してツバメ出版流通の川人寧幸と荻窪の本屋Title店主の辻山良雄によるトークイベントが11月7日(水)に開催される。二人は二十代の頃、リブロ池袋本店の仕入課でともに仕事をしていた。
http://readinwritin.net/2018/10/04/%e3%81%bc%e3%81%8f%e3%82%89%e3%81%8c%e5%8f%97%e3%81%91%e5%8f%96%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%8d%e3%81%9f%e8%b4%88%e3%82%8a%e3%82%82%e3%81%ae%e3%80%82%e6%9c%ac%e3%81%a8%e6%9c%ac%e5%b1%8b%e3%82%92%e3%82%81/

◎金澤苑堂示野本店は「金沢情報」編集部制作のパン屋さんガイドブック「金沢 まちのパン屋さん。」と連動して、10月14日に「食欲の秋!本屋で楽しむパンフェア2018秋」を開催する。
http://www.weekend-kanazawa.com/entry/2018/10/05/090000?utm_source=feed

Netflixは、ファンタジー小説のC・S・ルイス「ナルニア国物語」(光社古典新訳庫) 全7巻の映像化権を取得した。
https://japanese.engadget.com/2018/10/04/netflix-7/
http://www.kotensinyaku.jp/narnia/

◎名古屋の書店や雑貨店などを会場にした本の大型イベント「ブックマークナゴヤ」のプログラムとして「丸善名古屋本店」(名古屋市中区栄3)の側道路地で10月5日~7日、愛知県ほか全国の出版社30社が自社書籍を野外販売するイベント「本の路地裏横丁(ほん×ろじ)」が開催される。
https://sakae.keizai.biz/headline/2746/

東浩紀が「新潮45」休刊について「アエラ」10月8日号で次のように指摘している。
「…炎上頼りで誌面を作ってきた編集部と、炎上に怯えて慌てて休刊を決めた経営陣の判断は、じつは似姿である。どちらもネットに振り回され、出版の強みを見失っている。しかし、出版の強みは本来は、ネットではむずかしい『時間をかけた熟議』の提供にあったはずである」
https://dot.asahi.com/aera/2018100300024.html?page=1

小学館のWEBマガジン「WEB Domani」が「SmartNews Award 2018特別賞」を受賞した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000134.000013640.html
大賞は「Business Insider Japan」。「SmartNewsチャンネルプラス賞」は「the360.life」(晋遊舎)。
https://kyodonewsprwire.jp/release/201809047540
http://the360.life/

KADOKAWAは、Web発小説から注目作品をピックアップしたキャンペーン「秋の大収穫祭フェア」を全国の書店で開催している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000005052.000007006.html
https://promo.kadokawa.co.jp/shinbungei_cp/

アメリカの長者番付で米アマゾン創業者にして、CEOのジェフ・ベゾスが初めて1位となった。
https://www.asahi.com/articles/ASLB454W8LB4UHBI01D.html

◎「Business Insider Japan」が掲載した「アマゾン、サイバーエージェント…新たな脅威と対峙する新生ADKの『破壊的』改革」は、立教大学ビジネススクールの田中道昭教授が植野伸一ADK社長にインタビューしている。植野の次のような認識は、広告ビジネスにかかわる者であれば誰もが実感していることだろう。
「まず、ADKがこだわる大きな変化としては、マスメディアの販売代理という従来の立場だけではなく、クライアントの『消費者のことを最もよく知る』代理としての立場になる必要があるということです。
さらに、業界全体に言えることとして、従来の広告代理店のビジネスは媒体費や制作費の一定割合のコミッション(手数料)を受け取ることで成立していましたが、これからは付加価値で稼ぐビジネスが中心になっていくでしょう。ADKも当然そうした変化に対応したビジネスを構築していきます。
どこの代理店から購入しても同じ広告枠があるとしたら、それに付加価値が生まれないのは当然のことです。今後そういう広告がゼロになるとは思いませんが、利益が薄くなっていくので先細ることは間違いない。手数料にせよ成果報酬にせよ、ADKは付加価値を生み出せる企業でありたいと思っています」
https://www.businessinsider.jp/post-176777

◎「コインテレグラフ・ジャパン」によれば「ウォールストリートジャーナル(WSJ)は、仮想通貨業界を理解するために、独自の仮想通貨の発行を試みたが、倫理的な理由から計画を破棄したという」ことだ。
https://jp.cointelegraph.com/news/ethical-questions-senior-executive-halts-wall-street-journals-own-cryptocurrency

◎「マーケジン」は「講談社、IASとグループエムのデジタル広告ビューアビリティ基準に参画 現代ビジネスなど9媒体で対応」を掲載している。
「『グループエム基準』はIASとグループエムが今年4月に発表したもので、ディスプレイ広告のビューアビリティを「広告面積の100%が1秒以上視認可能な状態」と定めている。これは業界スタンダードであるMedia Rating Council (MRC)の『広告面積の50%が1秒以上視認可能な状態』よりも厳しい設定だ」
https://markezine.jp/article/detail/29387

◎BuzzFeedJapanは、Twitterを活用した初のレギュラー番組「スイツイ」を10月10日(水)よりスタートする。毎週水曜日19時より生配信し、配信後も番組の放送内容を視聴することが可能となる。「スイツイ」はMCに千秋を迎え、5匹の子犬とたわむれながら、Twitterで話題になっていることやゲストの魅力を深掘りするトークバラエティ番組だ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000061.000019238.html

◎日販が発表した9月の雑誌・書籍・コミック売上動向。前年同月比で雑誌6.2%減、書籍2.9%減、コミック10.2%増、開発品12.7%増。雑誌・書籍・コミック合計売上は前年同月比0.9%減。
https://www.ryutsuu.biz/sales/k100411.html

◎スタートトゥデイは、10月1日(月)よりZOZOに社名変更した。
https://corp.zozo.com/news/20181001-5984/
この新聞広告が話題になっている。
https://twitter.com/yousuck2020/status/1046623869166063617
社員一同からのメッセージとして次のように書かれていたのである
「女優さんと恋愛するのも、プロ野球チームを持ちたいと夢を語るのも、月にアーティストを連れて行くのも、どれも悪いことではありません。どうぞご自由に!と思います」
サイゾーウーマン」が「剛力彩芽、ついに『ZOZO新聞広告』に利用された!? オスカー社長苦言報道でさらなる窮地」を掲載している。
https://www.cyzowoman.com/2018/10/post_204116_1.html

◎オレも着ようかな、「ワークウェアスーツ」。
https://markezine.jp/article/detail/29297
オレのスーツよりも高いのか!
https://www.workwearsuit.com/

大日本印刷は、グループの書店及び株式会社トゥ・ディファクトと共同運営する「ハイブリッド型総合書店honto」のWebサイトで提供中のブックカバーを、日本ユニシスが運営するコンテンツプリントサービス「らいぶろ」のコンテンツのひとつとして、10月1日(月)から販売している。A4判 : 150円(税込)、A3判 : 250円(税込)。
https://www.dnp.co.jp/news/detail/1190355_1587.html

◎「第2回 comicoチャレンジGP」がスタートした。「comico編集長の武者正昭は小学館出身である。
https://www.oricon.co.jp/news/2120678/full/

JTBパブリッシングの「一日乗車券でめぐる京都さんぽ」が「京都ガイド本大賞2018」大賞を受賞した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000211.000031978.html

◎下北沢の「本屋B&B」は、2013年以来開催している「早朝英会話スクール」の新規受講生を募集している。
https://shimokita.keizai.biz/headline/2730/

◎「TSUTAYAが『本との出会い』を変える。」をコンセプトに、復刊・既刊・新刊の3つの切り口で、TSUTAYA書店員が、本当に面白いと自信を持ってオススメできる“プロデュース庫”より発行した作品の累計発行部数が、30タイトル、140万部を突破した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000630.000018760.html

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4)【深夜の誌人語録】

絶望する暇があったら希望を発見しよう。