【文徒】2018年(平成30)2月1日(第6巻19号・通巻1193号)

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1)【記事】書店業界にスター誕生 遂にテレビに登場した新井見枝香
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】書店業界にスター誕生 遂にテレビに登場した新井見枝香

フジテレビ系「セブンルール」が三省堂書店神保町本店のカリスマ書店員であり、昨年エッセイストとしてもデビューしている新井見枝香を取り上げた。
https://mdpr.jp/news/detail/1743559
書店員として彼女が推す本は必ず売れるそうだ。カリスマ書店員とも呼ばれているらしい。小説家の盛田隆二がこうツイートしている。
三省堂書店神保町本店の新井見枝香さん。本屋大賞の実行委を務め、文庫解説や帯コメントの依頼も多く、作家を書店に招いてイベント『新井ナイト』を開催。さらに芥川賞直木賞と同日発表の『新井賞』を設立。
いつしか彼女が推す本は必ず売れるとまで言われるようになった」
https://twitter.com/product1954/status/958250833568649216
新井は「探してるものはそう遠くはないのかもしれない」を秀和システムから上梓している。新井賞を受賞した作家の芦沢央は次のようにツイートしている。
「新井見枝香さんの出版お祝い会、私もお邪魔させてもらったのですが、『絶対サインだけは嫌!』とのことでキスマークをいただきました。え、そっちはダメでそっちはいいの? という感じは、何だか『探してるものは?』と通じるものがある気がします」
https://twitter.com/AshizawaYou/status/952748835591266305
サインの代わりにキッスをするのが得意らしい。
https://twitter.com/syenzaramasuma1/status/949563405811122176
新井は働いているのは三省堂書店だが、明正堂書店アトレ店をホームにしているそうだ。
https://twitter.com/syenzaramasuma1/status/950526610800762880
「探してるものはそう遠くはないのかもしれない」の刊行を記念して大盛堂書店で「Title」店主・辻山良雄とのトークショーを開催し、満員御礼となった。
https://hon.booklog.jp/report/arai-20180130?utm_content=bufferd2cc6&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer
2月15日には神楽坂モノガタリで久禮亮太とのトークショーを開催する。
https://peatix.com/event/347414/
「探してるものはそう遠くはないのかもしれない」は売れている。既に昨年末に重版。作家の下村敦史のツイート。
「本当に赤裸々で、ぶっ飛んでいるエッセイでした。新井さんがあの中山七里さんと気が合う理由が分かった気がします(笑)。
重版おめでとうございます!」
https://twitter.com/atushishimomura/status/947047050457227264
現在、3刷!コピーライター川上徹也の「『コト消費』の嘘」(角川新書)でも新井は取り上げられている。川上と対談しているのだが、新井が昨年、一番売った本は「浪費図鑑」(小学館)だそうだ。
「同じPOPでも付け方によって全く効果が出ない場合も多いんです。普通に付けるとサクッて差して90度にささるんですけど、私は一回二回折って、こういうちょっと飛び出る感じにするんですよ。そうすると、こうだと絶対目に入らないんだけど、二回折るとこうなって、本を置いた時にまず目に入るという……」
https://cakes.mu/posts/18926
https://cakes.mu/posts/18950
「探してるものはそう遠くはないのかもしれない」には書店で起こった心温まる話や業界への問題提起などは一切なく、作者の身の回りで起こった日常エッセイだそうだ。作家の千早茜のツイート。
「昨夜、見知った顔がテレビにでていて、仕事をする彼女の笑顔はきれいで格好よいな、と思いながら眠った。とても健やかに寝れた。さあ、今日もがんばる」
https://twitter.com/chihacenti/status/958516432735645696
まあ、私とは住む世界が違う人だ。それに、オレ、三省堂書店が苦手なの。

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2)【本日の一行情報】

鈴木貴博の「マンガ販売が大幅減、出版業界が陥った“不治の病”」のような物言いに私が違和感を抱かざるを得ないのは、電子コミック市場の動向を切り捨てて単純化してしまっているからだ。
https://moneyforward.com/media/career/50697/
マンガに限らず時代そのもののデジタルシフトによって出版文化のあり方が変わろうとしているのである。

◎昨年12月に発売した「おひとりさま専用Walker」(KADOKAWA)はテレビ、ラジオでも紹介され1月に入っても販売好調のため、2度目の重版が決まった。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000004130.000007006.html
「おひとりさまバレンタイン」だね…。

博報堂は、ベトナムに本社を置き、ミャンマーにも展開する独立系大手統合マーケティング&コミュニケーションエージェンシーグループ「Square Communications Joint Stock Company」の株式の過半を取得した。
http://www.hakuhodo.co.jp/uploads/2018/01/20180129.pdf

◎「@DIME」の「携帯電話事業に新規参入する楽天の本当の狙い」は良記事。こういう記事は「NEWSポストセブン」にも掲載したほうが良いのではないだろうか。デジタルシフトとは「垣根」や「壁」を粉砕することでもあるはずだ。
https://dime.jp/genre/506136/

◎「ワイド!スクランブル」の制作会社スタッフが日本相撲協会の許諾が必要であるにもかかわらず、承認書類を偽造して映像を使用していたことが発覚し、テレビ朝日日本相撲協会に謝罪するとともに、報道局次長兼情報センター長と報道局情報センターチーフプロデューサーを減給1カ月の懲戒処分とした。産経は次のように書いている。
「テレ朝によると、スタッフは30代の男性アシスタントディレクター(AD)。17日の放送に向け、過去の承認書類をもとに、同協会の決裁印の日付や放送予定日などを改竄して書類を偽造し、同協会の承認を得たように見せかけていたが、映像は結果的に使用されなかった。同協会からの問い合わせで発覚したが、同協会が不正を知った経緯についてテレ朝は明らかにしていない」
http://www.sankei.com/entertainments/news/180129/ent1801290008-n1.html
この制作会社は「ViViA 」(ヴィヴィア)ことテレビ朝日映像と思われる。
http://www.tv-asahipro.co.jp/program/information/

◎ヒットポイントが開発したスマホゲーム「旅かえる」が中国で大ヒットしているという。
「中国語版がないにもかかわらず、米アップルのアプリ配信プラットフォームの中国版では、無料アプリの人気トップを走り続けている」(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASL1Y533NL1YUHBI016.html

◎一般アプリの「月間アクティブユーザー数」(MAU)。日本の1位はLINE。以下、フェイスブック、「Yahoo!天気」、ツイッター、インスタグラムとつづく。
アメリカではフェイスブック、ワッツアップ、WeChat、フェイスブックメッセンジャー、インスタグラムの順だ。
https://mainichi.jp/articles/20180130/k00/00e/040/147000c

◎ビデオリサーチインタラクティブが2017年の動画広告出稿状況をまとめた。PC動画広告推定出稿量は1位「アマゾンジャパン」、2位「日産自動車」、3位「ネットフリックス」、4位「Perform Investment Japan」、5位「ソフトバンク」、6位「花王」、7位「東京都」、8位「パナソニック」、9位「アドビシステムズ」、10位「ソニー・インタラクティブエンタテインメント」。
PCディスプレイ広告推定出稿量は1位「DeNAトラベル」、2位「楽天」、3位「GMOコマース」、4位「ワイジェイカード」、5位「カカクコム」、6位「トヨタ自動車」、7位「サントリー」、8位「ソフトバンク」、9位「アマゾンジャパン」、10位「日本HP」。
http://www.videoi.co.jp/release/20180125.html

◎「DIGIDAY」によればIBMの最高マーケティング責任者(CMO)であるミッチェル・ペルーソは「我々が考えていることは、ブロックチェーンがメディアバイイングにいかに影響するかということと、プログラマティック広告にブロックチェーンを活用することによって、アドフラウドや無駄をどれだけ排除できるかということだ」と語っている。
https://digiday.jp/agencies/programmatic-dumb-system-doesnt-learn-ibm-cmo-michelle-peluso-using-ai-blockchain-clean-media/

大塚製薬株式会社の健康飲料ポカリスエットは、今年も “潜在能力をひき出せ”をテーマに、ブランドキャンペーンを展開するが、その第1弾として、4月公開予定の新CMとともにCMに連動した屋外用の広告展開を予定し、この屋外広告用の写真撮影を担うカメラマンを高校生に限定して募集する「ポカリ広告カメラマン募集キャンペーン」を開始している。
https://prw.kyodonews.jp/opn/release/201801300401/
こうした生活者参加型の企画を可能にしているのも時代のデジタルシフトである。

◎KLabとNobollelは、広告収入がメインのスマホ向けカジュアルゲーム「かぶりん!クリエイター」を国内および海外141ヵ国のGoogle Playで提供を開始した。
http://www.klab.com/jp/press/detail/id=5818?date=2018
https://www.nobollel.com/news/2018/0130/

◎元「DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集長」の岩佐文夫がほぼ日代表取締役社長の糸井重里とほぼ日最高財務責任者CFOの篠田真貴子にインタビューしている。糸井は「僕は、資本主義の尺度が「損・得」から「幸・不幸」になると思っているんです」と述べたうえで次のように語っている。
「どんなに定量的な評価が普及しても、幸せかどうかという基準は不滅だと思うんです。お見合いをするときに全ての条件をリストに書き出して、きっちり損得勘定で決める人はいないでしょう。いまは働き方改革も労働時間や給料といった数字の損得ばかりで語られていますが、その人にとって幸せかどうかを考えないといけませんよね」
https://forbesjapan.com/articles/detail/19369/1/1/1

KADOKAWAとAudible, Inc.は、ライトノベルの領域において、両社の更なる連携を図り、Audibleの配信するKADOKAWAによるライトノベルのオーディオブックのラインアップを大幅に拡充する。第1弾として、2月8日(木)より、「この素晴らしい世界に祝福を! 第一巻(上)」を、TVアニメでアクア役の声優を務めた雨宮 天、「通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?」を茅野 愛衣という声優陣の朗読でオーディオブックとして配信を開始する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000004136.000007006.html
声優ブームであるし、これは面白い試みだ。結果がどうなるか、だ。

◎TORICOが運営する電子書籍配信サービス「漫画全巻ドットコム」は、現在講談社が配信しているコミック作品18,345点をセットにした、オール講談社コミックセット「夢箱」を1月31日12時から先着1名様限定で発売しているが、価格は何と811万9,559円(税別)。家が一軒買える値段だ。様々な特典もつくが、購入の経緯をインタビューしショートルポ漫画が「月刊アフタヌーン」に掲載されるそうだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000065.000005279.html
購入者が出るかどうか?これは良い企画だ。

ヤマト運輸の運賃値上げにアマゾンが合意した。
http://www.sankei.com/economy/news/180130/ecn1801300061-n1.html

東芝が経営合理化を理由に「サザエさん」のスポンサーを3月末で降板するが、新スポンサーは高須クリニックではなかった。アマゾンジャパン、ベビー用品専門店の西松屋チェーン大和ハウス工業に決まった。
https://this.kiji.is/331060325627593825
高須克也のツイッターのタイムラインを追ってみよう。
「いま広告代理店から報告。『サザエさん』のスポンサー入札に負けてしまった。一番に手をあげて『邪魔するな』ってお願いしたのに・・・奮闘努力のかいもなく大企業の皆さんに力負けした。悔しい??なう」
https://twitter.com/katsuyatakasu/status/958234380635271168
「広告代理店の社長から電話「フジテレビの偉い方が『お詫びに伺いたい』とおっしゃっておられます」。どうしたらいいのか?来なくていいのに┐('〜`;)┌なう」
https://twitter.com/katsuyatakasu/status/958255191819665408
「フジテレビの偉い方から丁寧なお詫びを頂いた。誠意はわかりました。かっちゃんはもう愚痴りません。仲良くやりましょう。なう」
https://twitter.com/katsuyatakasu/status/958262113838903296
確かに高須がブログで書いているように高須は広告代理店に提示されたスポンサー料で一番にオーダーすれば、それで話が決まるのが広告業界の慣例ではある。
https://ameblo.jp/drtakasu/entry-12348695436.html

◎ホテル、カフェ、学生食堂、フードトラックと様々な形の飲食事業を手がけているUDSは、4月に東京・神保町の旧・岩波ブックセンター跡地に、書店・コワーキングスペース・喫茶店の複合施設「神保町ブックセンター with Iwanami Books 」を開業する。内沼晋太郎がアドバイザーだ。
1階 喫茶店・書店・ワークラウンジ(約70坪)
2階 会議室(8.7坪)
3階 サービスオフィス・パーソナルデスク(約41坪)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000006647.html

◎悪質アプリは多いとは想像していたが、Googleは米国時間1月30日、「Google Play」ストアで削除したアプリの本数は2017年に70万本を超え、2016年に比べて70%増えたと発表した。
https://japan.cnet.com/article/35113975/

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3)【深夜の誌人語録】

正しいことほど疑ってかかるべきだ。