【文徒】2018年(平成30)2月15日(第6巻28号・通巻1202号)

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1)【記事】メディアはサービスである
2)【記事】安倍首相が国会で朝日新聞の「誤報」を列挙
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】メディアはサービスである

週刊ポスト」(小学館)が「サライ写真館」を紹介している。
https://www.news-postseven.com/archives/20180213_650163.html
こういう企画には成功してもらいたい。
https://serai.jp/seraiphoto/
「雑誌」は紙に拘泥するのではなくデジタルシフトとリアルシフトに果敢に挑戦すべきだが、デジタルシフトにせよ、リアルシフトにせよ、それはサービスそのものを提供することである。
それは何も雑誌に限った話ではない。ラジオNIKKEI博報堂DYメディアパートナーズは、オフィス環境の中で音楽や情報を聴いてもらう場をつくり出し、メディアと企業の関係に新たな接点を創出するサービス「RN2 Office Hearing Service」(アールエヌツーオフィスヒアリングサービス)の実施に向け、モニタリングを開始した。
http://www.hakuhodody-media.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2018/02/HDYMPnews20180213.pdf
メディアの本質はサービスにほかならないのである。むろん、リアルシフトの場合はモノの提供ということもあり得る。
例えばリクルートの結婚情報誌「ゼクシィ」は島根県と組んで、オリジナル婚姻届をつくったという。
http://www.sanin-chuo.co.jp/www/contents/1518485108126/
あるいは日販はプレジデント社の家庭教育誌「プレジデントFamily」が監修する分数ドリルと、現役小学生が考案したアイデア定規をセットにした「分数ものさし」を日販限定流通商品として全国約1,800の書店で販売している。
http://www.nippan.co.jp/news/bunsu_monosashi/

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2)【記事】安倍首相が国会で朝日新聞の「誤報」を列挙

安倍晋三首相が国会で朝日新聞の「誤報」を列挙したそうだ。産経が掲載した「安倍晋三首相、朝日新聞の“誤報”列挙し批判」は次のように書いている。
朝日新聞は6日付朝刊で、記事掲載に至った経緯を検証した。首相は、この記事を取り上げた自民党議員のフェイスブックに『哀れですね。朝日らしい惨めな言い訳。予想通りでした』とコメント。予算委で、希望の党今井雅人氏に首相自身が書き込んだのか問われて『私が書いた』と認めた。
その上で、検証記事について『裏付けを取らなかったことへの言及がなく、あきれた』『今まで(の朝日新聞の姿勢)をずっと見てきて、予想通りだったということを述べている』と語った」
http://www.sankei.com/politics/news/180213/plt1802130019-n1.html
この記事にある「自民党議員」とは和田政宗参院議員。2月6日、フェイスブックに次のように書きこんだ。
「謝れない朝日新聞
本日の7面。
ついに、朝日新聞はやるべき取材をしていなかったことを暗に認めた。だが謝罪はない。
森友学園の新設小学校の設置趣意書に『安倍晋三記念小学校』と書かれていると、籠池氏の証言のみに頼って記事にした件。
紙面ではその経緯についてまとめているが、籠池氏の手元にあるはずの設置趣意書のコピーを記者が確認したかについて一切触れず。
すなわち、していないと暗に認めた。
やるべき取材をせずに、籠池氏の証言のみに頼って記事にし、結局誤報となったわけだが、全く謝罪なし。
読者や国民はどう思うだろうか」
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=760791610771593&id=100005222824734
和田が批判している朝日新聞の記事は、コレ。
https://www.asahi.com/articles/DA3S13346289.html?iref=pc_ss_date
朝日は「籠池泰典氏が8日夜、朝日新聞の取材に応じ、『安倍晋三記念小学校』との校名を記した設立趣意書を2013年に財務省近畿財務局に出したと明らかにした」と書いた部分だけを訂正すれば良いだけのハナシだと私は思うのだけれど。それができない新聞なんだね。官僚的体質の故か?そんなことだから一点突破されちゃうわけよ、安倍ちゃんに。

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3)【本日の一行情報】

小学館WEBマンガ裏サンデー」で連載されている美代マチ子の「ぶっきんぐ!!」も、KADOKAWAの「COMIC it」で連載されている黒谷知也の「書店員 波山個間子」もともに街の書店を舞台にしたマンガである。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1802/12/news032.html
http://urasunday.com/booking/index.html
http://comic-it.jp/lineup/hayamakomako/

講談社が「コミックDAYS」を発表したのは昨年の8月のことであった。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1708/21/news106.html
「コミックDAYS」は講談社の擁する青年向けマンガ誌の月額制定期購読を含む電子版サービスだが、遂に2月15日にWeb版をプレリリースし、3月1日にスマートフォンアプリ版がリリースされる予定だ。
「コミックDAYS」は「週刊ヤングマガジン」「モーニング」「月刊アフタヌーン」「イブニング」「Kiss」「BE・LOVE」という6誌が月額720円で定期購読できるほか、人気作品やオリジナル作品を1話単位で購入できる。編集部の縦割り意識を乗り越えた講談社マンガの読み放題サービスである。
ITmediaビジネスONLiNE」が掲載した「講談社、『ヤンマガ』『モーニング』など6誌横断の定額制購読サービス」は次のように書いている。
講談社は、『週刊少年マガジン』『月刊少年マガジン』などの作品が読めるマンガアプリ『マガポケ(マガジンポケット)』や、『モーニング』電子版の『Dモーニング』を展開している。しかし収益面では他社のマンガアプリからやや出遅れており、9個のマンガアプリがランクインした2017年の収益ランキング(App Annie調査)ではランク外となっている」
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1802/13/news059.html

◎ベネッセの「こどもちゃれんじ」が擁する人気キャラクター「しまじろう」は、アース製薬が2月20日(火)に発売する人体用害虫忌避剤「サラテクトウォーターミスト しまじろう」のパッケージデザインとして使用されている。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000638.000000120.html

山口市の老舗書店「文榮堂」が「本全体を包装で覆い隠し、あえて書名も著者もわからないようにして売る」という「覆面本」に取り組んでいる。読売新聞は次のように紹介している。
「大手出版取り次ぎの日本出版販売(東京都)が呼びかける魅力ある店作りの一環。山口大経済学部の学生11人にアイデアを出してもらい、1月下旬に始めた。
道場門前商店街にある本店と市内の山口大学前店には、“覆面化”された各5冊がそろう。それぞれの本のそばには、『転職のきっかけになった』『本の魅力に気付かされた』など、客らから募集したその本にまつわる思い出や、エピソードの文言が並ぶ」
http://www.yomiuri.co.jp/local/yamaguchi/news/20180212-OYTNT50015.html

◎復帰以前の米軍支配下の沖縄では、日本国憲法も、米国憲法も適用されていなかったし、戦時国際法も世界人権宣言も国連憲章さえも遵守されない事態が日常化していたのである。これを若き日の中曽根康弘は「変態的な態勢」と呼んだそうである。古関彰一+豊下楢彦「沖縄 憲法なき戦後――講和条約三条と日本の安全保障」がみすず書房から刊行された。
https://www.msz.co.jp/topics/08676/
出版を生業にしているのであれば、私が「文徒」で紹介する書物をせめて月に一冊でも良いから目を通してもらいたいものである。

◎「ハヤテのごとく!」(小学館)で知られているマンガ家の畑健二郎と「プリキュア」声優の浅野真澄が結婚していた。畑は「少年サンデー」で新連載「トニカクカワイイ」をスタートさせたばかりである。
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2018/02/12/kiji/20180212s00041000512000c.html

◎光文社の写真週刊誌「FLASH」1月30日号によれば、「ビットコイン投資やってみました!」(ダイヤモンド社)のマンガ家たまきちひろは、保有する仮想通貨を合わせ、資産は1億円を突破したそうだ。
https://smart-flash.jp/sociopolitics/33954

JTBワールドバケーションズは、宝島社の女性ファッション誌「sweet」とタイアップした旅行商品「ルックJTB sweetフォトジェニック旅inサイパン」を、2月9日より販売している。
https://www.traicy.com/20180212-JTBsweets

朝日新聞の平昌五輪・パラリンピックに特化した公式ツイッターで、「ハッシュタグ」が、北朝鮮の首都である「Pyongyang」(平壌)と誤記されていた。産経ならではのスクープだ。
「誤記は、フィギュアスケート男子の羽生結弦(ANA)が韓国入りしたことを伝えるツイートであり、平昌五輪のハッシュタグが『#Pyeongchang2018』ではなく、『#Pyongyang2018』となっていた」
http://www.sankei.com/pyeongchang2018/news/180212/pye1802120089-n1.html

◎「週刊文春」の朝日新聞化?「日刊サイゾー」が「スクープしたのは週女なのに……眞子さま結婚延期で、なぜか『文春』に抗議殺到!」を掲載している。
「一般の結納に当たる『納采の儀』が来月4日に控える中、秋篠宮家の長女・眞子さまと法律事務所勤務の小室圭さんの結婚が延期されることになった。この衝撃的なニュースに、なぜか『週刊文春』(文藝春秋)が音を上げている。『7日に結婚延期の速報が流された直後から、編集部に『また文春か!』『おまえたちのせいだ!』『いい加減にしろ!』と、クレーム電話が殺到するようになったのです』とは文春関係者」
http://www.cyzo.com/2018/02/post_151100_entry.html

◎宝島社の女性向けストリートファッション誌「mini」が1月号(2017年12月1日発売)と2月号(2017年12月29日発売)と連続で完売したそうだ。10代〜20代前半向けの雑誌が低迷するなか、「mini」は10代の購入者が前年同期比5%増であり、購入層の約27%を占めている。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000635.000005069.html
付録の勝利だ。ちなみに2月号の付録は「X-girl特製 ネイル8色 トップコート2種 ネイルオイル 11本セット」であった。また3月号の付録は「Lee特製ミッキーマウスプリントのトートバッグ」。これも人気となりそうだ。宝島社の女性ファッション誌は相変わらず付録が充実している。
https://beauty.biglobe.ne.jp/news/fashion/nrp_180213_8775712361/

◎食品・日用品の世界的な大手企業として知られているユニリーバが米フェイスブックや米グーグルなどへの広告掲載の中止を検討しているそうだ。日経によれば「偽ニュースや違法コンテンツなどが増えているためで、顧客の信頼感が低下すると判断したとみられる。世界屈指の企業が広告戦略を転換すれば、他の企業に影響する可能性がある」と。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26818980T10C18A2000000/

◎「アサ芸プラス」(徳間書店)が「オードリー若林が日テレの救世主に?アメフト本が予期せぬ大ヒット!」を掲載している。ここでいうアメフト本とは日本テレビ系で放映されている「NFL倶楽部」の番組本。文藝春秋から刊行されていて、正式なタイトルは「オードリーのNFL倶楽部 若林の熱視線」。ネット書店では売り切れが続出で、アマゾンでも品切れなんだって。
http://www.asagei.com/excerpt/98417

スターツ出版の平成29年12月期決算。売上高も経常利益も好調。
https://starts-pub.jp/resource/5a82775d10cb1.pdf

◎劇場版「名探偵コナン ゼロの執行人」が4 月13 日(金)よりの公開を記念して、同作のメインキャラクターであるトリプルフェイスの謎の男・安室透デザインのあぶら取り紙・・・ならぬ「アムロとり紙」が「CanCam」4 月号の付録だ。
https://animeanime.jp/article/2018/02/14/36775.html
https://cancam.jp/archives/540616

アサツーディ・ケイが12月期連結決算を発表。売上高は3528億円とほぼ横ばいだったが、純利益が前期比2.3倍の53億円。
https://www.adk.jp/wp/wp-content/uploads/2018/02/010d3f3c738711441824bf03e75941aa.pdf

富山県と学研プラスは、まんがでよくわかるシリーズの自治体編として富山の自然や産業を学べるマンガ「富山県のひみつ」を発行し、3月下旬に県内外の小学校や図書館に配布するという。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26849930T10C18A2LB0000/

◎「#腹筋女子」(講談社)の監修者である山崎麻央(代官山のサロン「ソラーチェ代官山」代表)は2月18日、東京都世田谷区のTSUTAYA 桜新町店で「最短腹割りメソッド体験会」を開催する。
https://tc.tsite.jp/2228/event/2018/01/event-0218.html

デジタル・アドバタイジング・コンソーシアムは、集英社朝日新聞社と共同で、ラグジュアリー誌「T JAPAN」発のコンテンツマーケティングサービス「TJ BRAND STUDIO」の新たなサービスとして、「TJパートナー」を開始する。
https://www.dac.co.jp/assets/pdf/page/press/20180214_TJpartner.pdf

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4)【深夜の誌人語録】

人生に正解はない。人生に必要なのは決断だ。