【文徒】2018年(平成30)7月23日(第6巻135号・通巻1309号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】朝日新聞民主主義のアキレス腱は「夏の甲子園
2)【記事】麻原彰晃をデビューさせた学研の看板雑誌「ムー」
3)【記事】北条裕子「美しい顔」騒動拾遺
4)【記事】『のりこえねっと』共同代表の辛淑玉長谷川幸洋東京新聞論説委員を提訴
5)【本日の一行情報】
6)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】朝日新聞民主主義のアキレス腱は「夏の甲子園

あった、あった。この記事か。朝日新聞デジタルが7月14日付で掲載した「運動部のみんな、熱中症『無理』『もうダメだ』の勇気を」。朝日新聞ダブルスタンダードと話題になっている記事である。
熱中症の危険が高まる季節が今年もやってきました。この記事は、主に中高の運動部員のみなさんに読んでもらいたいものです。大人の方は、周囲にいる子どもたちに危険を伝えてください。去年も書きましたが、今年も同じことを書きます」
https://www.asahi.com/articles/ASL7G5H4GL7GUTQP03W.html
ツイッターを点検してみると、次のような「朝日批判」がズラリと並ぶ。
「甲子園の高校球児たちは「無理」「もうダメだ」と言うことが果たして許されるのだろうか、と思ってしまいます。正直特に被災地域の出場校の生徒たちが無理をしてしまわないか、とても心配してます」
https://twitter.com/nauchan0626/status/1018871936510844928
夏の甲子園をやってる会社に言われてもねえ。時期を秋にするか、会場を大阪ドームあたりに移すべきだと思う」
https://twitter.com/baatarism/status/1019003352430940160
「炎天下で子供たちに野球をさせているのは、朝日新聞社ではありませんか」
https://twitter.com/boku_demian/status/1020118673225277440
津田大介も次のようにツイートしていた。「退会」は「大会」の誤植なんだろうけれど。
「こんな記事出せば『なら朝日新聞は夏の全国高校野球選手権の主催をやめろ』と言われるのは当然なので、いい加減朝日新聞夏の甲子園退会やめることを真剣に検討した方がいいと思う」
https://twitter.com/tsuda/status/1018797492459266049
「ダイヤモンド・オンライン」は窪田順生の「朝日新聞『炎天下の運動やめよう』記事炎上でも甲子園は別!?」を掲載している。
「2004年春、東京都立高校などの卒業式で、国旗掲揚時の起立や、『君が代』を歌うことを拒否した教職員らが都教育委員会に戒告され、5人の嘱託教員が契約更新を取り消された。当然、『朝日新聞』は噛み付いた。恐ろしい軍国主義の復活だと言わんばかりに社説で痛烈に批判をしたのである。
これぞ左…いや、リベラルという立派な主張だが、ほどなくして嫌なところから茶々が入れられる。ライバルの『読売新聞』が『甲子園では普通のことなのに』(2004年3月31日)と社説でチクリとやったのだ。
ご存じのように、甲子園の開会式では、国旗掲揚と国歌斉唱が行われ、役員や審判だけではなく、丸坊主の選手たちも脱帽し、観客にも起立を呼びかける」
https://diamond.jp/articles/-/175122
朝日新聞もさすがに敏感である。朝日新聞デジタルは7月19日 付で「地方大会の熱中症対策呼びかけ 朝日新聞社と日本高野連」を掲載した。
朝日新聞社と日本高校野球連盟は19日、第100回全国高校野球選手権記念地方大会を開催している各都道府県高野連に対し、熱中症対策に万全を期すよう呼びかけた。選手だけでなく、観客、学校応援団に対しても十分に配慮するよう求めている 」
https://www.asahi.com/articles/ASL7M5V69L7MPTQP00M.html
科学ジャーナリスト添田孝史は、この記事にリプライ。
「すごい、気温40度、暑さ指数34度になってようやく試合を中止するかどうかの検討をするようだ。それまでは散水したり水飲んだりで続けるのである 」
https://twitter.com/sayawudon/status/1019954353308745728
こちらは白石草。
「40度まで頑張りましょうと?死者が出ない限り、体質を変えられない朝日新聞高野連
https://twitter.com/hamemen/status/1020055544403378176
朝日新聞記者の藤えりかも、こうツイートしている!
「注意しても応援席を含めて注意しきれない面が大いにあるだろうから、熱中症患者が出てしまう前に、長期的にも大会時期を大幅に変えるとか抜本的な対策をとれないかな。開閉会式も長くしないで。今の日本の暑さは異常」
https://twitter.com/erika_asahi/status/1019917037919907846

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2)【記事】麻原彰晃をデビューさせた学研の看板雑誌「ムー」

「現代ビジネス」が掲載したプチ鹿島の「『オウム真理教』キーパーソンと直接対決した、ある芸人の証言」。プチ鹿島のジャーナリスティックな感性が存分に発揮された良記事だ。
「まずオウムはどのように登場したのか。若者にこそ正しく伝えなきゃいけない。当時の空気をよくあらわした記事があった。7人の死刑が執行された翌日に『日刊スポーツ』に掲載されたコラムである」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/56605
7月7日付日刊スポーツの「『怪しい魅力』に取り憑かれた信者/記者の目」がそうだ。
「中学生時代から『麻原ウオッチ』を続けその後、それが記者としての仕事にもなってしまったのだが、『出会い』は衝撃的だった。購読していたオカルト情報誌『月刊ムー』1985年10月号の読者投稿欄。ヨガ道場『オウム神仙の会』を主宰する『麻原彰晃』なる長髪男が、空中に浮いている写真とともに『驚異の空中飛行に成功した』という文を寄稿していたのだ。『修行上で知りえた秘密をすべて公開することを約束する』とも豪語していた」
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201807070000159.html?Page=1
麻原彰晃が社会的に認知されるにあたって雑誌が大きな役割を果たしていたことを忘れてはなるまい。「ムー」1985年11月号では麻原は執筆陣としても名前を連ねているのだ。「ムー」学習研究社の雑誌であり、今もなお健在である。
麻原は「ムー」でデビューした数ヶ月後、今度はライバル誌「トワイライトゾーン」で各地の聖者を訪ねる連載「解脱への道」を始めたのである。「トワイライトゾーン」の版元はワールドフォトプレスである。
「ムー」や「トワイライトゾーン」という雑誌の常連となった麻原は、当時の知的意匠とも連動していただけに影響力は大きかったはずである。
1983年に中沢新一の「チベットモーツァルト」が刊行され、同書が話題になることによって、中沢が翻訳し、1981年に阿含宗系の出版社である平河出版社から刊行された 「虹の階梯――チベット密教の瞑想修行」が再発見された。そういう土壌のなかで麻原は1985年に雑誌に登場し、翌1986年には大和出版から初めての単著「超能力『秘密の開発法』」を刊行する。今では信じられないかもしれないが、麻原はニュー・アカデミズムが解き放つ時代の気分と親和性を持った存在として私たちの前に現れたのである。
「輪廻に迷っているものも、その心の本性は仏陀と同じ清浄さに輝いているのだ。けれども、その心は、貪り、瞋り、愚かさによって一時かき曇らされ、本来の輝きを失っている。その汚れをとりのぞいた時には、すでにそこにあった仏性が輝きだすのである」(「虹の階梯――チベット密教の瞑想修行 」)
「こうしてマントラは一種の鼓動として、身体を打つものとなるのである。心臓の鼓動よりももっと柔らかな、もっと微細な鼓動が身体を、打つのだ。それは、悦楽的な反復として身体を通過していく音である。その通過のあとには、身体を微妙な差異性をともなった体感が横断し、波のように広がっていくが、この体感こそ身体をして意味形成性の場につくり変えていくものなのである。したがって、マントラとは、意味形成性をになった音の粒なのだ、と言うことができる」(「チベットモーツァルト」)
麻原彰晃は「出版」を巧みに利用して、自らの存在を世に知らしめるに至ったのである。その初めの一歩となったのが学研の「ムー」に掲載された記事であったわけだが、「ムー」なり、学研なりは、テロや殺人をともなった一連のオウム事件をどう総括しているのだろうか。商業出版社だからといって儲けていればそれで良いというものでもなかろう。少なくとも「ムー」や「トワイライトゾーン」を読んで麻原彰晃の宗教的な魅力に吸い込まれて信者になっていった人たちがいたことは間違いあるまい。私たちは1985年の「ムー」を決して忘れはしない。
https://anond.hatelabo.jp/20180713160439
学研プラスから7月20日、「ムー実話怪談『恐』選集」が発売された。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1807/19/news117.html

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3)【記事】北条裕子「美しい顔」騒動拾遺

講談社の文芸誌「群像」9月号に次のような「美しい顔」についての再告知がなされるそうだ。講談社からすれば、新曜社に対する「誠意ある対応」を示したということになるのだろう。
「小誌二〇一八年六月号 P.8〜P.75 に掲載した第六十一回群像新人文学賞当選作「美しい顔」(北条裕子)について、前号八月号に続き告知いたします。
同作において描かれた震災直後の被災地の様子と被災者の経験の一部は、『3.11慟哭の記録 71 人が体感した大津波原発・巨大地震』金菱清編/東北学院大学 震災の記録プロジェクト(新曜社)に大きな示唆を受けたものです。
また、『メディアが震えた テレビ・ラジオと東日本大震災』丹羽美之/藤田真文編(東京大学出版会)、『ふたたび、ここから 東日本大震災石巻の人たちの50日間』池上正樹ポプラ社)、文藝春秋二〇一一年八月臨時増刊号『つなみ 被災地のこども80人の作文集』(企画・取材・構成 森健/文藝春秋)も、同様に作者による「美しい顔」執筆の上でなくてはならないものでした。
「美しい顔」六月号発表時に参考文献の扱いに配慮を欠き、類似した表現が生じてしまったこと
を、金菱清氏及び関係各位にお詫び申し上げます。主要参考文献として未表示だった上記書籍の編者著者と関係者、東日本大震災において被災された方々、被災地で御尽力された方々に対して、重ねてお詫び申し上げます」
http://www.kodansha.co.jp/upload/pr.kodansha.co.jp/files/pdf/2018/180713gunzo.pdf
新曜社通信に金菱清の「『美しい顔』に寄せて――罪深いということについて」が掲載されたのは、この文章が発表された後のことである。
http://shin-yo-sha.cocolog-nifty.com/blog/2018/07/post-4c87.html
「AbemaTIMES」が「異例の『類似騒動』に揺れた芥川賞大森望氏『これからの文学のためにも、徹底的に議論すべき』」を掲載している。大森望が次のように発言している。
「…騒動がなければ、震災を題材にしたああいう小説が書かれ、それを書いたのは若い女性で、ということも世間に知れ渡らなかったかもしれない。社会との接点があまりない文学の世界で、芥川賞直木賞は人々との接点が生まれる唯一といってもいい機会。それを今回のように日本的な決着で何事もなかったかのように流してしまって良かったのかどうか。参考文献から似た表現をパクってくるような作家は候補にすべきではなかったという考え方と、小説の良さ、面白さは別なんだから、そこは別に判断するという考え方の両方があり得ると思う。
仮に今回、"受賞作なし"という判断であれば、それはやっぱり『美しい顔』問題のせいだと言われたかもしれない。これだけの騒動にはなったが、みんなが"芥川賞はこれでいいのか"と怒るくらいの方が、文学にとってはためになる。今後、北条さんがデビューした『群像』で大特集を組めば良いいという意見や、単行本は該当箇所を墨塗りで出せばいいという意見もある。本の出し方も含め、むしろ徹底的にやった方がいい」
https://abematimes.com/posts/4575832
「AERAdot.」が小林哲夫の「盗用疑惑『美しい顔』にみる、新潮社と講談社の遺恨」を掲載している。
「新潮社にすれば、講談社主催の賞選考で『小説』と酷評された『遺体』を、講談社が発表した『美しい顔』のなかでノンフィクションとして参考文献に入れていることに、引っかかるものがあるかもしれない。
講談社からすれば、『美しい顔』をすばらしい純文学として世に問いたいという思いは強い。そのためには、かつて酷評した石井氏を含めて参考文献の編著書には、誠実に対応しなければという姿勢を感じる 」
https://dot.asahi.com/dot/2018071900065.html?page=1
私にとってみれば「遺恨」などどうでも良いこと。重要なのは、そこではない。私見を述べておこう。石井光太の「遺体」が「三人称によって物語化した」「ノンフィクションではなく、ほとんど小説のよう」な文学的作品であったればこそ、北条裕子の「美しい顔」に「AERAdot.」の言葉で言えば「盗用疑惑」というほどの痕跡を残してしまったのである。金菱清編「3.11慟哭の記録」との関係においても同じことが言い得るのである。「3.11慟哭の記録」という作品が持つ柳田国男の「遠野物語」に匹敵するような「文学的磁場」に「美しい顔」は巻き込まれてしまったのである。

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4)【記事】『のりこえねっと』共同代表の辛淑玉長谷川幸洋東京新聞論説委員を提訴

東京メトロポリタンテレビジョンTOKYO MX)が「ニュース女子」問題で辛淑玉に謝罪した。
ヘイトスピーチ(憎悪表現)反対団体『のりこえねっと』共同代表の辛淑玉さんは20日、都内の衆院議員会館で会見し、沖縄の基地建設への抗議行動を巡る人権侵害のテレビ番組『ニュース女子』を制作したとして、DHCテレビジョンと番組の司会だった長谷川幸洋東京新聞論説委員名誉毀損で提訴する考えを明らかにした」(琉球新報
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-765913.html
長谷川幸洋は論説副主幹までのぼりつめたんだよね。加えて言えば、辛淑玉東京メトロポリタンテレビジョンTOKYO MX)が「和解」したわけではない。
「7月20日は、TOKYO MXから伊達寛社長、常務取締役らが『のりこえねっと』の辛共同代表らに都内のホテルで直接謝罪をした。放送から1年7ヶ月経っていた。
代理人弁護士によると、伊達社長から『真実性に欠け、人種や民族を取り扱う際に必要な配慮を欠いたもの』というBPOからの指摘を受け、『深く傷つけたことを深く反省し、お詫びいたします』などという文章が手渡された。
ただ、『のりこえねっと』側がかねてから求めていた検証番組の合同製作についてMX側は応じず、和解には至らなかったという 」(BuzzFeed News )
https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/dhc-newsjoshi-3?utm_term=.cfEKb6am8#.pw5W9OyaM
東京新聞は「ジャーナリスト長谷川幸洋氏」としか書いていない共同通信の配信記事でお茶を濁し、「元東京新聞論説委員」であったことを隠蔽してしまうという為体である。ちなみに長谷川は東京・中日新聞を3月31日付で定年退職している。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2018072001001933.html
シアターテレビジョン(現DHCテレビ) の元取締役であった岡田良介のツイートを発見。
「私はもとシアターテレビジョン(現DHCテレビ)の取締役でした。シアターテレビジョンが辛淑玉さんと沖縄平和運動に対するあのような番組に関わり大きな悲しみを抱きました。
そして皆様の努力の甲斐があり、東京MXが謝罪したことをお喜び申し上げます。引き続き応援いたします 」
https://twitter.com/fidelstar/status/1020551257423982592

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5)【本日の一行情報】

南海キャンディーズ山里亮太の自伝エッセイ朝日文庫「天才はあきらめた」が現在4刷!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000485.000004702.html

集英社が擁するファッション&ビューティ全11誌は、米・ニューヨーク発のバッグブランド「レスポートサック」とタッグを組み、9月号でそれぞれの編集部が選んだ色&プリントの大型ポーチを付録としている。「non-no」「MAQUIA」「SPUR」「UOMO」「MORE」「Seventeen」「eclat」「LEE」「Marisol」「MEN’S NON-NO」「BAILA」の11誌。
https://beauty.oricon.co.jp/news/2115805/full/
集英社ならではの力業。宝島社には真似のできないことかもしれない。

昼間たかしが「日刊サイゾー」で書いている「東京都の指定する不健全図書のみ軽減税率対象外の可能性も……出版業界『有害図書』の動向」を書いている。全国書店新聞7月1日号によれば「日本書籍出版協会日本雑誌協会日本出版取次協会、日書連の出版4団体は、出版物への軽減税率適用に向けて、有害図書排除のための自主的管理団体や第三者委員会の設立の準備を進めている」そうだ。
http://www.cyzo.com/2018/07/post_169821_entry.html

東野圭吾の「人魚の眠る家」(幻冬舎)が堤幸彦監督によって映画化され、11月16日(金)より公開される。主演は篠原涼子西島秀俊
http://timewarp.jp/movie/2018/07/20/101988/

◎「ダイヤモンド・オンライン」はNTTぷららの板東浩二社長とメディアドゥHDの藤田恭嗣社長との対談「携帯販売・着うた事業を『見切った』社長の選球眼」を掲載している。
「業績が好調なうちにさまざまな可能性を探っていくと、電子書籍の事業が有望だと気づいたんです。『著作物の流通エンジンを作る』という部分が、『着うた』とほぼ同じだったんですね。堅牢なストアシステムをつくって、どの作品がどれだけ利用されたかを各社に毎月レポートを出し、利益を還元させていただく…この事業には『着うた』の経験と実績が活かせます」
https://diamond.jp/articles/-/175222

小学館の「まんが偉人伝シリーズ」が熊本県のキャラクターくまモンを取り上げることになった。くまモンヘレン・ケラー織田信長といった国内外の偉人60人と並ぶ。
https://www.asahi.com/articles/ASL7M55SZL7MTLVB00G.html
くまモン朝日新聞社「&」編集部 に現れた。
https://www.asahi.com/and_travel/articles/SDI2018071754761.html

安田浩一 の「『右翼』の戦後史」(講談社現代新書)を興味深く読む。
https://ddnavi.com/review/474056/a/
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000210915
戦後「右翼」には、例えば安藤昌益の「自然真営道」をハーバート・ノーマンから奪還し、「自然而治」の権藤成卿に繋げるといった思想的作業に黙々と取り組む草莽の志士は存在しなかったのだろうか。そういう「右翼」の可能性を蹂躙したのが、まさに「戦後」であったと考えられなくもあるまい。この場合「戦後」を「アメリカの影」と置き換えても良いのかもしれない。

◎この田中基「縄文のメドゥーサ――土器図像と神話文脈 」(現代書館)には、ちょっぴりオレもかかわっているんだよね。
https://twitter.com/gendaishokan/status/1020241218607853574

◎日販のグループ会社であるファンギルドは、電子出版レーベル「モバイルメディアリサーチ」より紙書籍を創刊した。創刊第1弾作品として、ティーンズラブ(TL)コミックレーベル「ラブきゅんコミック」からは「おじさんの本気エッチ」(神咲めぐみ)、「ドS育成計画」(澤村鞠子)を、ボーイズラブ(BL)コミックレーベル「caramel(カラメル)」からは「ポルノスターは言うこときかない。」(星た)、「コンプレックスラボラトリ」(七升こあめ)を刊行した。
https://www.nippan.co.jp/news/funguild_publication0717/
日販グループにあってファンギルドは利益を出しているという、非常に重要な会社なんだそうである。

◎新聞社が舞台の「傍流の記者」(新潮社)で直木賞にノミネートされた本城雅人はサンケイスポーツの記者だった。「甘口辛口」の鈴木学と同期である。
「7月20日 同期入社の彼は、サンケイスポーツ記者として採用され、約2カ月にわたる研修後、半年の期限付きで産経新聞埼玉総局に配属された。その間に日本中の話題をさらった東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件の取材に携わった 」
「野球担当になったとき、上司からの指令は「長嶋一茂をつかまえろ」だったと後日、彼から聞いた。試行錯誤が続いたそうだが、再会したときには指令を達成していた。競馬担当になると、飛ぶ鳥を落とす勢いだった武豊騎手とすぐに仲良くなる。難攻不落といわれる相手の懐にすっと入れる人心掌握に、不器用な小欄は嫉妬を覚えたほどだ 」
https://www.sanspo.com/etc/news/20180720/amk18072005000001-n1.html

◎「BusinessJournal」の「化粧品のポーラ、内紛泥沼化で汚れるブランド・・・社長の不正を元側近が告発で骨肉の争い」。
「ポーラ・オルビスHDのお家騒動は、今年2月発売の『週刊新潮』(新潮社)や『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社)で報じられた。17年12月30日、同社の取締役や監査役宛てに、鈴木社長の不正を暴くメールが一斉送信されたのが発端だ」
「メールで告発したのは、鈴木社長の元側近で前ポーラ化成工業社長の三浦卓士氏(今年3月末にポーラ・オルビスHD取締役を退任)。千壽氏側は、この告発に一定の信憑性があると判断したようだ。自身(千壽氏)の相続財産に含まれるべきポーラ不動産株が、鈴木社長の契約書偽造によって除外されたとして、相続財産の範囲の確認を求める訴えを起こした」
http://biz-journal.jp/2018/07/post_24115.html
週刊新潮」3月1日号は「創業家二代目の未亡人を出しぬいた! 化粧品『ポーラHD』社長が掠め取った2000億円の株」を掲載し、「週刊ダイヤモンド」は「ポーラHD社長を提訴、結果次第では現経営体制の崩壊も」を掲載している。
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-04-4910203110382
https://diamond.jp/articles/-/171505

◎7月20日千葉日報の「千葉市が『アニメ聖地』に きょう20日、認定プレートとご朱印設置」は書いている。
千葉市を舞台にした大ヒットアニメ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』にちなみ、同市が「訪れてみたい日本のアニメ聖地88(2018年版)」の一つに選ばれ、きょう20日、千葉都市モノレール千葉駅の中央改札前に金属製の認定プレート(縦約42センチ、横約30センチ)と「公式ご朱印」(縦、横約8センチ)が設置される」
https://www.chibanippo.co.jp/news/local/516573
これが「訪れてみたい日本のアニメ聖地88(2018年版)」。
https://animetourism88.com/application/files/2415/0518/0265/20170826_AnimeSpotList.pdf
KADOKAWAが「アニメ聖地88」を刊行している。
https://www.kadokawa.co.jp/product/321711001004/

文藝春秋は、直木賞を受賞した島本理生の「ファーストラヴ」の5刷を19日に、6刷を20日に決定した。累計発行部数は10万部。芥川賞を受賞した高橋弘希の「送り火」の重版(2刷)を19日に決定した。累計発行部数は5.5万部 。
THE ALFEEの高見沢俊彦の初の小説「音叉」も重版 。2刷3万2000部。
https://www.daily.co.jp/gossip/2018/07/20/0011463188.shtml
やはり文芸は出版文化の華であって欲しい。

角川選書創刊50周年記念企画として「シリーズ世界の思想」が創刊された。第一弾は佐々木隆治 の「マルクス 資本論」だ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000004781.000007006.html

小学館は、西日本を中心とした豪雨の影響で「週刊少年サンデー」7月11日発売33号が、一部地域へ届けられない状況が続いていることを受け、7月20日より7月31日まで期間限定で小学館のWEB漫画サイト・アプリ『サンデーうぇぶり』での特別無料公開を実施している。
https://www.oricon.co.jp/news/2115980/full/

秋田書店は、「週刊少年チャンピオン」7月5日発売 32号、7月12日発売 33号を西日本を中心とした豪雨による配送遅延への緊急措置として、7月20日より7月31日まで期間限定で秋田書店のWeb漫画サイト「マンガクロス」にて無料配信を実施している。
https://www.atpress.ne.jp/news/161794

◎「bis web」(光文社)のInstagram は7月20日(金)〜8月10日(金)まで “夏休みコスメサンプルプレゼントキャンペーン”を実施している。毎週金曜日にInstagram内の「ストーリーズ」機能で、応募フォームへのリンクを表示 する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000121.000021468.html

小学館が「第1回 日本おいしい小説大賞」を実施する。
http://www.shosetsu-maru.com/pr/oishii-shosetsu/

北陸地方において、ファミリーマートと書店との一体型店舗としては初の出店となる「ファミリーマート+ファミリーブックス福光店」が7月28日にオープンする。富山県南砺市の「はしもと」が展開する書店「ファミリーブックス」との一体型店舗だ。
https://www.ryutsuu.biz/store/k072048.html

徳間書店WEBコミックサービス「COMICリュウ」を7月20日17時に正式オープンした。更新日は5の倍数日、毎月5日10日15日20日25日30日の17時を予定し、「モンスター娘のいる日常」、「推しが武道館いってくれたら死ぬ」、「アリスと蔵六」、「きのこいぬ」など、人気作の最新話が無料で読める。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000151.000016935.html

◎日経が7月22日付で「KADOKAWA、書店と直接取引3倍に 『取次』介さず翌日配送も」を掲載している。
KADOKAWAは書籍を直接取引する書店数を1000店舗から3300店舗に増やす。届けるのは出版取次会社を経由するのが一般的だが、注文から1〜2週間かかる場合があった。注文から早ければ翌日に届けたり印刷会社を介さずに自社印刷する書籍を増やしたりして、アマゾンなどのネット書店に対抗する 」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3325791021072018MM8000/

国立国会図書館サーチが提供する書影APIメタデータは出版情報登録センター(JPRO)から提供されている。
http://iss.ndl.go.jp/information/api/thumbnail_info/

ゴジラのみならずモスララドンキングギドラ がハリウッドでデビューを果たすのか!
https://www.youtube.com/watch?v=a3_1qMza0N0
文学史的にいえば「モスラ」の原作は映画化を前提に執筆された中村真一郎福永武彦堀田善衛によるリレー小説「発光妖精とモスラ」である。筑摩書房から1994年に刊行されたが、文庫化されず、現在は入手困難となっている。正確に言えば「発光妖精とモスラ」のテクストのみは河出文庫の「怪獣文学大全」に収録されたが、こちらも現在では入手困難である。
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480803290/
http://d.hatena.ne.jp/ShisyoTsukasa/20091113/p2
「発光妖精とモスラ」は、当時「週刊朝日」に掲載されたことも忘れてはなるまい。

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6)【深夜の誌人語録】

迷ったならば中止せよ。