【文徒】2018年(平成30)12月13日(第6巻234号・通巻1408号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】間違いは百田尚樹「日本国紀」の妙!
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2018.12.13 Shuppanjin

1)【記事】間違いは百田尚樹「日本国紀」の妙!

ろだんのブログ「論壇net」は追及の手を緩めない。というよりも、百田尚樹の「日本国紀」は穴だらけのようだ。12月10日付で「【日本国紀】『マッカーサー神社』なる都市伝説を信じてしま百田尚樹の妙」を新たに公開した…「妙」と来たか、「妙」と!
「…百田氏は『マッカーサーをご神体に据えた』と本当の『神社』を作ろうとしたと勘違いをなさっているようです。が、『マッカーサー神社』とは実際の神社ではなく、実際には『マッカーサー記念館』を建てようとする計画を揶揄した呼称です」
https://rondan.net/6648
桜ういろうが反応している。
「朝日のイメージダウン目的のエピソードなのだろうが、死ぬほど恥ずかしい。
自分が著者なら海外逃亡して数年間は日本に帰れないほど恥ずかしい・・・」
https://twitter.com/uirousakura/status/1072078165974016000
「論壇net」は12月11日には「【速報】百田尚樹氏が『コッソリ改版』についてコメント。フロイスとザビエルの取り違えなんて大したミスじゃないと豪語【日本国紀】」を新たに公開した。。
「これまで本ブログでは、百田尚樹『日本国紀』の第1刷と第4刷・第5刷との間で『改版』の事実が明示されないまま、相当量内容の改変が行われていることを指摘してきました。
本日の虎ノ門ニュースで、この問題について百田尚樹氏が正式にコメントし、『大したミスじゃない』と豪語しました」
ご丁寧に「虎ノ門ニュース」での発言まで書き起こしている。
「…えーたとえばイエズス会ルイス・フロイスがこう書いたって。実は間違って、これはザビエルやって。ザビエルからの、えールイス・フロイスと書いた。えー、まぁそういうミス。えー、まぁ大したミスじゃないですわ、はい。どっちにしても外人や。でね…」
https://rondan.net/6853
適菜収が一言。
「シンプルに言うと、頭おかしいよね。。。」
https://twitter.com/tekina_osamu/status/1072466200439996418
盛田隆二も「論壇net」を読んでいるようだ。
百田尚樹、ザビエルを間違ってフロイスと書いたが『まぁ大したミスじゃないですわ。どっちにしても外人や』と豪語しつつ『スペインからイエズス会の宣教師たちがたくさん来ました』と語ったが、これも間違い。正しくはポルトガルとろだん氏が指摘。なんか読んでる方が辛くなる」
https://twitter.com/product1954/status/1072365489345753094
盛田によれば「『日本国紀』の狙いは数百万の朝日読者を敵に回し、数十万のアンチ朝日読者を自著に誘導する炎上ビジネス」なのである。これはそう思う。
https://twitter.com/product1954/status/1072332657105756161
「論壇net」は12月12日には「【速報】有本香氏、『日本国紀』の『初版』に間違いがあることを認め謝罪。尚、現在の最新は『初版5刷』」を新たに公開した。
「昨晩、虎ノ門ファミリーの温泉合宿があり、そこで『日本国紀』幻冬舎, 2018)の編集者である、有本香氏が、『日本国紀』の「初版」には間違いがあることを認め、読者に謝罪しました。尚、初版5刷が『日本国紀』の最新版であるため、これら全てが間違いのあるものであることになります」
https://rondan.net/7226
これは桜ういろうの呟き。
「今回のことで百田尚樹、有本香両氏が誠意有る対応を取るか注目しています。
さもないと保守は『コピペ天国中韓』や『朝日新聞のこっそり訂正』も批判できなくなる。
そうした『保守の自殺行為』をしていることに気付かないのでしょうかね。あ、エセ保守だからそれでいいのかな」
https://twitter.com/uirousakura/status/1072688828287078400
元朝日新聞記者の烏賀陽弘道からすれば百田と小川榮太郎には共通項があるという。
百田尚樹さんとか小川常太郎さんってのは『悪名も知名である』を実践しているだけなんですから、真面目に相手すればするだけ彼らの思う壺、ほっておく、無視するのが一番彼らは困るってのに、なんで皆さん真面目に大騒ぎするんでしょうね?」
https://twitter.com/hirougaya/status/1072472584699211776
集英社OBの鈴木耕は幻冬舎の姿勢を批判している。
勁草書房が『「創作子どもポルノ」と子どもの人権』(渡辺真由子著)を『重大な無断転載がある』として絶版にした。きちんと調べた結果の処置だという。正しい判断。一方、幻冬舎は例の『日本国紀』(百田尚樹)に凄まじいほどの剽窃盗作疑惑が生じているのに知らん顔。幻冬舎は出版化を語るな!」
https://twitter.com/kou_1970/status/1072688218653417472
しかし、幻冬舎は、こんなことで動じるような版元ではない。社長見城徹がツイートしている。「百田尚樹[日本国紀]がAmazon売り上げ総合ランキングで1位を奪い返した。奪われて2位に後退したのも12月24日幻冬舎から発売される前田裕二[メモの魔力]。複雑な気分だが、発売から1ヶ月して1位を奪回した[日本国紀]は本当に強い。因みに4位も[「日本国紀」の副読本  学校が教えない日本史]」
https://twitter.com/kenjo_toru1229/status/1072153183743442944
見城からすれば、売れれば官軍なのであろう。むろん、売るための努力もしている。「bookwall」のホームページが「話題の百田尚樹著、日本国紀はいかにしてデザインされたのか?」を掲載している。ラフを24通りも作成しているのだ。「旅行人」蔵前仁一フェイスブックで次のように指摘している。
百田尚樹の『日本国紀』、デタラメな内容だと批判が絶えませんが、私は読んだことありません(読むつもりもありません)。
が、この本の装幀は上手ですね。このデザインが、この本に権威と真面目さを印象づけている。百田史観を立派に飾り立てる狙い通りのデザインになっていると思いましたが、その装幀がいかにしてなされたかを、装幀した『bookwall』が明らかにしています」
https://www.facebook.com/jinichi.kuramae/posts/1193256994132619
http://bookwall.jp/features/feature/4328?fbclid=IwAR3EtKtEzYIyL3ddbldRAby3MB2GhL4PhdTseOKQGPaszNBLsjb0A-YmevA

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2)【本日の一行情報】

◎マガジンハウスで12月12日付社長交代。石﨑孟代表取締役長が代表取締役会長に昇任し、片桐隆雄取締役副社長が代表取締役社長に昇任した。また、浪花寛通が取締役(経理・製作局、マーケティング局担当)に新任した。
そもそも片桐は石﨑が取締役に就任する以前から、役員ボードに名前を連ねており、しかも、その段階で既に常務取締役まで昇任したこともあったが、取締役に降格していたという経緯がある。即ち、取締役→常務→取締役→常務→専務→副社長→社長という形で役員としてのキャリアを積み上げて来た。加えて片桐は新卒の入社ではなく、中途入社組である。片桐は編集の経験はなく、広告一筋と言って良いのだが、一時は販売の仕事も経験している。広告マンとして特筆すべきは、マガジンハウスが生んだ「天才」の一人である淀川美代子から信頼されていたということである。いずれにせよ、石﨑会長と片桐社長が数年をかけて「次期社長」を育てることになる。
https://magazineworld.jp/info/company/

◎5月に「DIME」で「佐川女子」を紹介したところ、大反響を呼んだんだそうだ。これを踏まえて、小学館から写真集「佐川女子」が発売されることになった。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000200.000013640.html

◎通称「金フレ」と呼ばれる朝日新聞出版の「TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ」が累計100万部を突破、ミリオンセラーを達成した。全国大学生協語学書ランキング21か月連続1位、Amazonランキング大賞2018 英語学習1位だ。TOEIC公式問題集よりも売れてしまったという。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000583.000004702.html
「金フレ」音声を無料配信中である。
https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=18732

◎12月11日付で日経電子版がGGメディアについて「『ちょいワルオヤジ』編集長を起用の出版社が破綻」を掲載している。
「GGメディアは設立以来、対外的に業績を開示することはなく、経営状態については判明しない点が多い。それでも商業登記簿を確認すると、設立当初に4500万円だった資本金は16年12月に5000万円、17年12月に5500万円、今年6月に7500万円と増資され、事業が好調であったかのようにも映る。
しかし役員欄をみると、設立当初の役員(監査役除く)4人は17年4月、10月、そして18年の2月、10月(岸田氏)と1人ずつ去り、破産手続き開始決定を受けた11月2日までに全員がいなくなってしまっていた。
10月以降は、17年10月に取締役に就任していた高比良公成氏が唯一の役員(代表)として残っていたのだが、責任の所在の観点からは疑問が残る。こうした役員の動きについて、債権者はどう感じているのだろうか」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO38731020Q8A211C1X12000/

◎「このマンガがすごい!2019」(宝島社)でオンナ編の1位は鶴谷香央理の「メタモルフォーゼの縁側」(KADOKAWAだった。「メタモルフォーゼの縁側」はウェブマンガサイト「コミックNewtype」に連載されている。
https://mantan-web.jp/article/20181210dog00m200063000c.html

講談社が運営するマンガ投稿サイト「DAYS NEO」は4月2日にローンチして以降、その成果は、作品投稿数が約3700作品、クリエイターと編集者のマッチング数が220組、各誌漫画賞受賞者数が15名、各誌読み切り掲載が2名、各誌連載決定者数が14名(うち連載中7名)となっている。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001983.000001719.html

◎寒いので「サライ」1月号(小学館)を買って来た。付録が「光琳ブランケット」なのである。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000198.000013640.html

K-POP男性グループ2PMのジュノにとって日本映画初主演となる「薔薇とチューリップ」が2019年5月3日(金)に公開される。原作は東村アキコによる描き下ろしマンガだ。さらに春から「月刊!スピリッツ」(小学館)で東村アキコの連載がスタートする。
https://navicon.jp/news/51468/

朝日新聞デジタルの12月10日付「テレビCM規制めぐり民放連と野党が平行線 衆院憲法審」は、こう書いている。
「民放連の永原伸専務理事はCMの量的規制について『表現の自由の制約につながる』と述べ、検討しない考えを改めて強調した」
https://www.asahi.com/articles/ASLDB4TRBLDBUTFK00X.html

日本バスケットボール協会は11月29日(土) 発売の「週刊新潮」12月6日号に掲載された「『ジャカルタ買春』処分のバスケ協会会長『三屋裕子』に突きつけられた退陣要求」について「抗議」を発表した。
協会は「報道機関として三屋会長に対する取材方法 (取材依頼) の不適切さ」と「事実や法律を誤認ないし無視したものとなっている掲載内容」について抗議している。前者についてはディテールを詳細に述べているが、後者については「事実や法律を誤認ないし無視したものになっている」と述べるのみで、具体的に記事のどの部分が事実や法律を誤認ないし無視しているかについては全く触れられていない。
http://www.japanbasketball.jp/media/47570
http://www.japanbasketball.jp/wp-content/uploads/protest-document_shinchosha20181210.pdf

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3)【深夜の誌人語録】

電話やメールをよりも足を優先させよ!