【文徒】2019年(平成31)2月25日(第7巻34号・通巻1452号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】化庁「著作権法改正」に支持者はいるのか?
2)【記事】東京新聞「検証と見解/官邸側の本紙記者質問制限と申し入れ」をめぐる言論空間
3)【記事】「炎上」ウーマン村本よりも「羽鳥慎一VS宇賀なつみ」に注目が集まった!
4)【本日の一行情報】
5)【訃報】ドナルド・キーン
6)【深夜の誌人語録】
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1)【記事】化庁「著作権法改正」に支持者はいるのか?

出版広報センターは「今国会に提出される著作権法改正『リーチサイト規制』『ダウンロード違法化の対象範囲見直し』について」を発表した。
「今国会において、『リーチサイト規制』『ダウンロード違法化の対象範囲見直し』を含む、著作権法改正案が提出される方向で議論が行われています。
一昨年より、『漫画村』『Freebooks』『はるか夢の址』など、クリエイターの利益を不当に収奪する悪質な海賊版サイトが大きな社会問題となっています。その被害は甚大であり、世界で人気を博し、『クールジャパン戦略』の重要な柱である日本のマンガは今、重大な危機に直面しています。
しかしながら海賊版対策には、現在までのところ、“特効薬”は存在しません。権利者による削除申請、刑事告訴を含めた法的措置、広告出稿の抑止、一般ユーザーへの普及啓発など、あらゆる手段を用いた総合的な対策が必要となります。海賊版データの格納先リンク集であるリーチサイトを法的に規制し、かつ、侵害コンテンツのダウンロード違法化の対象範囲を見直すことは、海賊版撲滅のための有効な一手になると考えます。
一方で、既存の著作物の利用が、新たな著作物の創造に寄与するという側面からは、ダウンロード違法化の対象範囲見直しが、ネットユーザーやクリエイターの表現行為を萎縮させるようなことがあってはなりません。『表現の自由』こそ、マンガを含めた化資産を生み出す最も重要な土壌であるからです。したがって違法化の対象範囲見直しにあたっては、『表現の自由への最大限の配慮がなされるよう望みます。
このたびの著作権法改正案が多くの方々に議論され、悪質な海賊版サイトを撲滅する一助となることを願うものです」
https://shuppankoho.jp/doc/20190221.pdf
https://shuppankoho.jp/doc/20190221_2.pdf
蛇足ながら、今回、出版広報センターのホームページを見て知ったのだが、副センター長は松井清人藝春秋社長)のままであるようだ。いずれにしても、この声明が発表されてから、たった一日で事態は大きく動きはじめる。
朝日新聞デジタルは2月22日付で「海賊版DL規制、自民が了承『権利者の指摘後に削除を』」を掲載した。
「権利者の許可なくインターネットに上げられた漫画や写真、論などのコンテンツを、著作権を侵害していると知りながらダウンロードすることを全面的に違法とする著作権法の改正案について、自民党部科学部会などは22日午前に開いた合同会議で了承した」
https://www.asahi.com/articles/ASM2P7QPVM2PUCVL02Y.html
すかさず弁護士の水野祐が呟く。
「非常に残念です」
https://twitter.com/TasukuMizuno/status/1098757547555577856
「東京ブギウギと鈴木大拙」や「日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか」「〈海賊版〉の思想」といった著書を持つ山田奨治のツイート。
自民党部科学部会の赤池誠章部会長は、何が懸念されているのかまるで理解しないまま、化庁説明を鵜呑みにしたようだ」
https://twitter.com/yamadashoji/status/1098759100983173120
山田奨治は「SankeiBiz」に「私的ダウンロード規制拡大の問題点 創作・研究・情報収集に萎縮の恐れ」を寄稿している。
「現代の消費者は、著作物をダウンロードし、加工してアップロードし、それをまた誰かがダウンロードして加工する。この新しい『創造のサイクル』を妨げる法規制は、もはや時代遅れだと言えよう
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/190211/mca1902110500001-n1.htm
弁護士の伊藤雅浩のツイート。
「残念です。『知りながら』要件があるから,知らなかったときは指摘後に削除すればよい,という説明があったようですが,一般的な刑罰法規においてそのような弁解が通用していますか?」
https://twitter.com/redipsjp/status/1098761311779905538
マンガ家の赤松健は前日に出版広報センターが声明を発表したことを踏まえてツイートする。
「う~ん、昨日の出版社声明では間に合わなかったか。化庁はもはや誰も求めていないレベルの法案を通すことになり、今後に禍根を残しそう。これ、国会では修正できないのかな?」
https://twitter.com/KenAkamatsu/status/1098760729090347008
THE GUILD代表にしてピースオブケイク CXOの深津貴之が「note」に「ユーザーを泥棒あつかいした産業は、歴史的に沈んでいった」を発表している。
「歴史を見てみると、既得権益プレイヤーが自らの立場を守るために、過剰な保護政策をとりはじめると、産業や国家は基本的に衰退するようです。これは新しい試みが萎縮したり、新しい試みを行うこと自体が放棄されるようになるためです。多くの場合、イノベーションが封印された国家は、最終的に外敵の侵略をうけて消滅します」
https://note.mu/fladdict/n/n8c9430ad40b6
そもそもピースオブケイクは「ダウンロード違法化の対象範囲の拡大についてのnoteの意見表明」を発表している。ピースオブケイクダイヤモンド社で「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」などのベストセラー編集者であった加藤貞顕がトップをつとめる。
「もしも、今回の報告書どおりに法改正がなされた場合、クリエイターやユーザーの行為が規制対象となり表現行為が違法となるリスクが増加します。それに対して意識的、無意識的に、萎縮することでコンテンツの創作や流通が阻害され、未来のクリエイティブの創作に悪影響がある可能性が高いと考えています。
また、これは未来のクリエイターのための話だけにはとどまりません。すでに創作物の権利を保有しているクリエイターにとっても、自分の創作物が流通されにくくなり、自分の作品が世に出て人々の目に触れる機会が奪われることになり、既存のクリエイターのためにもなりません。
またこれは、コンテンツを楽しむ側のユーザーにとってもリスクがあります。例えば、多くの人が日常的にやっているメモ代わりにスマホ画面のスクリーンショットを撮って保存する行為や、ウェブ上のテキストをコピー&ペーストする行為も規制の対象となる可能性があり、気軽にウェブ上のコンテンツを楽しむことができなくなります」
https://www.pieceofcake.co.jp/n/n30b695adac33
クリエイティブ・コモンズ・ジャパン理事のドミニク・チェンのツイートがなかなか鋭いところを突いている。
「ダウンロード違法化や著作権保護期間の延長の動きに対して、個々の制作者側からの違和感の表明が10年前よりも増している印象化を保護すると主張する勢力がその実、化を窒息させていることに気が付かないのは、『子供のためだから』と禁則で縛り付ける、抑圧的な親のよう」
https://twitter.com/dominickchen/status/1098729828688191488
2月22日付朝日新聞デジタル「スクショ規制『日本の競争力そぐ』 識者が危ぶむ法改正」で米国での資格も持つ弁護士の山口貴士にインタビューしている。山口は、こう語っている。
「ダウンロードやスクショは、単に情報を受容したり消費したりする行為ではなく、創作、研究、情報発信、議論などの知的な営みの前提となる情報収集行為です。インターネット以前の時代において、メモを取ったり、新聞や雑誌の記事をスクラップしたりして自分なりに情報を集約した資料を作成する行為と同じように、あとで情報を取捨選択するためにとりあえず収集し、とりあえず手元に置いておくという行為であり、知的な営みの大前提として、インターネットユーザーであれば誰でも普通にやっている行為です。
創作、研究、情報発信、議論などの知的な営みの前提として、インターネット上からダウンロードやスクショにより様々な情報を手元に置いて後に検討したり、見比べたりすることにより、情報の正確性を確認したり、インスピレーションを得たり、構想を練ることは極々当たり前のこと。これが具体的な罰則無しでも違法とされてしまえば、情報の自由な流通や、発信の前提となる検討プロセスの萎縮を招きかねません」
https://www.asahi.com/articles/ASM2N7GSRM2NUCVL01Y.html
朝日新聞デジタルは2月22日付で「出版社幹部『こんなことまで望んでなかった』 DL規制」を掲載している。
https://www.asahi.com/articles/ASM2Q0CP7M2PUCVL032.html
津田大介のきつ~いツイート。
「そもそもロビー慣れもしてないのに軽減税率や海賊版対策で中途半端に政治に要請した結果、自分達が最も大事にしなければならない独立性や表現の自由を売り渡すことになった自業自得の構図。出版業界の勇み足を政治家の得点稼ぎに使われて被害受けるのは全国民という地獄絵図」
https://twitter.com/tsuda/status/1099151613329952769
津田のツイートは、こう続く。
「このままいけばゆるゆると滅びるしか道はないということなんだろうね。残念だけど」
https://twitter.com/tsuda/status/1099152058307887104
うめざわしゅんがマンガ「かいぞくたちのいるところ」を無料で公開している。
https://docs.wixstatic.com/ugd/455547_e9bef7ac6d804f64a972d43d3cb21e10.pdf

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2)【記事】東京新聞「検証と見解/官邸側の本紙記者質問制限と申し入れ」をめぐる言論空間

東京新聞は2月20日付で一面全12段総てを使って「検証と見解/官邸側の本紙記者質問制限と申し入れ」を掲載した。デジタル版では上中下の三回に分けて掲載している。
「官邸側が『事実誤認』としたのは沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設工事に関する質問で、本紙記者が『埋め立ての現場では今、赤土が広がっている。琉球セメントは県の調査を拒否し、沖縄防衛局が実態把握できていない』『赤土の可能性が指摘されているにもかかわらず、国が事実確認をしない』と述べた部分」(中略)「このような状況から本紙記者は『現場では赤土が広がっているのに、発注者の国は事実を確認しない』と発言したのであり、官邸側の『事実誤認』との指摘は当たらない」
森友学園に対する国有地払い下げを巡る決裁書の改ざん問題で、本紙記者が昨年六月、財務省と近畿財務局との協議に関し『メモがあるかどうかの調査をしていただきたい』と述べると、長谷川氏から『記者会見は官房長官に要請できる場と考えるか』と書で質問があった。
『記者は国民の代表として質問に臨んでいる。メモの存否は多くの国民の関心事であり、特に問題ないと考える』と答えると、『国民の代表とは選挙で選ばれた国会議員。貴社は民間企業であり、会見に出る記者は貴社内の人事で定められている』と反論があった
「本紙は今年1月22日、長谷川広報官に書を送り、18日の沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設を巡る県民投票に関する二つの質問で、上村氏から途中に計8回、せかされたと伝えた。『お互いが落ち着いて質疑をするために、事務方の催促は最小限にしてほしい』と要請したが、その後も続いている。
例えば安倍晋三首相がNHK番組で『(辺野古沖の)土砂投入にあたって、あそこのサンゴは移植している』と語った『サンゴ発言』などを巡る1月24日の二つの質問(表(2)参照)では、開始からわずか数秒で『質問は簡潔に…』とせかされ、以後も数秒おきに続いた。1分半ほどの短い質疑で、質問は計7回も遮られた」「…比較検証したように本紙記者の質問は特別長いわけではない。狙い撃ちであることは明白だ」
http://www.tokyo-np.co.jp/hold/2019/kanbou-kaiken/list/19022001.html
http://www.tokyo-np.co.jp/hold/2019/kanbou-kaiken/list/19022002.html
下は編集局長の臼田信行による「会見は国民のためにある」を掲載している。
「権力が認めた『事実』。それに基づく質問でなければ受け付けないというのなら、すでに取材規制です」
「記者会見はだれのためにあるのか。権力者のためでもなければメディアのためでもなく、それは国民のためにあります。記者会見は民主主義の根幹である国民の「知る権利」に応えるための重要な機会です」
http://www.tokyo-np.co.jp/hold/2019/kanbou-kaiken/list/19022003.html
朝日新聞デジタルは2月20日付「官邸の申し入れ9回 『質問制限』問題を東京新聞が検証」で東京新聞の「検証と見解」を取り上げている。
菅義偉官房長官は20日の会見で、『申し入れをまとめたと思われる表の中で、両者の間のいくつかの重要なやりとりが掲載をされていないなど、個人的には違和感を覚える所もある』と述べた。『違和感』を覚えるとした箇所については『政府としていちいちコメントすることは控えたい。東京新聞側はよくお分かりになっているのではないか』と話した。
東京新聞編集局は20日、朝日新聞の取材に『20日朝刊紙面で、概要を示しています。菅官房長官は『いくつかの重要なやり取り』が何であるかを示しておらず、何を言いたいのか理解に苦しみます』と回答した」
https://www.asahi.com/articles/ASM2N5WFKM2NUTIL049.html?fbclid=IwAR1tTd8j-nkOxBMtdkU7CZSR6_D2htUI7lfkC2ktaTa2RJjfCoR64eHDRT8
神奈川新聞が2月21日付で掲載した田崎基による「<時代の正体>質問制限 削られた記事『8行』 忖度による自壊の構図」は新聞業界のまさに「忖度」を暴いていて興味深い。共同通信は「官房長官記者会見での東京新聞記者による質問について、首相官邸が『事実誤認』だと断定し質問制限とも取れる要請を内閣記者会に出したことについて、問題点を指摘する記事」で次のような部分を削除すると通知して来たというのだ。
「メディア側はどう受け止めたのか。官邸記者クラブのある全国紙記者は『望月さん(東京新聞記者)が知る権利を行使すれば、クラブ側の知る権利が阻害される。官邸側が機嫌を損ね、取材に応じる機会が減っている』と困惑する」
これを踏まえて田崎は書いている。
「削られたコメントには『官邸側が機嫌を損ね、取材に応じる機会が減っている』ともある。記者クラブが官邸におもねり、機嫌を取ることで『取材させてもらっている構図』をうかがわせる極めて重要な発言だ。
特に今回の記事は、権力と報道という緊張関係について指摘する内容であり、かつその核心部が削られた。誤読を避けるためには、活字を削除するのではなく、論理の再構成や書きぶりの修正、再取材による補強によってなされるべきであった」
http://www.kanaloco.jp/article/389690?fbclid=IwAR1VRsiCeSzFlWqKdM2lFo8GDFwKloXRZKMm-mePbbySBmQqS2_3klAYc40
この神奈川新聞の記事を読んだうえで、菅官房長官が放った「違和感」の意味と効能を考えるべきなのだろう。官邸記者クラブに漂う「望月さん(東京新聞記者)が知る権利を行使すれば、クラブ側の知る権利が阻害される。官邸側が機嫌を損ね、取材に応じる機会が減っている」という空気が菅官房長官の「違和感」と共振共鳴している構図は温存されたままなのである。この構図を批判する勇気が新聞にはないのである。
2月21日付の西日本新聞によれば菅官房長官は2月20日の記者会見で、首相官邸東京新聞記者の質問権を制限するような要請を官邸記者クラブに出した問題に関し、官邸側が東京新聞に「記者が国民の代表とする根拠を示せ」と要求していたことを明らかにしたそうだ。
https://www.nishinippon.co.jp/nnp/politics/article/488501/
朝日新聞は2月22日付で社説「官房長官会見 『質問』は何のためか」を掲載している。
「これは、官邸と一新聞社との間の問題ではない。メディアを分断するような官邸の振る舞いを許せば、会見は政権にとって都合のよい情報ばかりを流す発表会に変質してしまう。
『記者は国民の代表として質問に臨んでいる』という東京新聞の見解に、官邸側は『国民の代表とは国会議員』と反論した。確かに、記者は選挙で選ばれているわけではないが、その取材活動は、民主主義社会の基盤となる国民の『知る権利』を支えている。質問を発する記者自身も、その重い責任を深く自覚せねばなるまい
https://www.asahi.com/articles/DA3S13903936.html
朝日新聞の社説は「落としどころ」を探っているのだろう。
沖縄タイムスは2月22日付で社説「[官房長官会見]質問封じは許されない」を掲載している。
「政府は自由党山本太郎参院議員の質問主意書に対し『一方的に質問を制限できる立場になく、その意図もない』とする一方、『質問を簡潔にまとめたり、質問数を絞ったりするよう協力を求めることはある』との答弁書閣議決定した。
質問制限を事実上容認する回答で到底納得できない」
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/387956
沖縄の新聞は二紙ともこの問題を社説で取り上げている。琉球新報は2月19日付社説「官邸の質問制限 国民の知る権利の侵害だ」の次のような章を読めば、その理由がわかる。
「質問を制限するかのような書を記者会に出した行為は望月記者を狙い撃ちにし、質問を封じる取材妨害と言われても仕方がない。実際、望月記者は『書は私や社への制止的圧力だ』との見解を示している。
この高圧的な政府の対応は、度重なる県の申し入れや確認を無視し辺野古の埋め立てを強行している姿勢と重なる」
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-877385.html
これは東京新聞の望月衣塑子のツイート。
「1年半以上の #官邸 の #質問妨害 は異常。 #上村秀紀 報道室長にはすぐやめて頂きたいし、上司の #菅義偉 #官房長官 には辞めるよう指示して頂きたい
『いじめをやめろ』と言う大人が官邸会見で公然と #ハラスメント 繰り返す。恥ずかしくないのか」
https://twitter.com/ISOKO_MOCHIZUKI/status/1098073278462099457
現在は新聞労連委員長をつとめる朝日新聞の南彰のツイート。
NHKも、トランプ大統領の記者会見をめぐり、CNN記者が記者章を剥奪された時には一生懸命報じていたのに。なぜ、自分たちの足元の問題になると対応が変わるのか」
https://twitter.com/MINAMIAKIRA55/status/1098431175587033088

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3)【記事】「炎上」ウーマン村本よりも「羽鳥慎一VS宇賀なつみ」に注目が集まった!

羽鳥慎一モーニングショー」は21日の放送で「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔トークライブを取り上げた。「東スポWeb」の「ウーマン村本 玉川徹氏の直撃に炎上ツイートの狙いを語る」は、こう書く。
「村本は『炎上したら広がる。広がったら考える人が増える。全員バカじゃないから。『村本バカだ』とか『村本正しい』というより、みんなおのおの、明日は違う考えになって、あさっては違う考えになってる。考えることを成熟させることですよ』と答えた。
インタビューが放送された後、玉川氏から意見を求められた羽鳥アナは『ボクは違うと思います。広めるために炎上させるのはダメだと思います』と村本に賛同せず」
https://www.tokyo-sports.co.jp/entame/entertainment/1287256/
むしろ緊迫したやり取りを繰り広げたのは羽鳥慎一宇賀なつみナであった。2月21日付「スポーツ報知」は「羽鳥慎一アナVS宇賀なつみアナ!テレビ報道を巡って緊迫…『現実は違った』宇賀アナに羽鳥アナ『どこが違うの?』」は書いている。
「村本が、さらにテレビについて「テレビは不安を解消するための道具で真実を伝えるための道具じゃない」と断じると、この意見にアシスタントの同局・宇賀なつみアナ(32)が『(テレビは)安心させるというか、娯楽として面白いもの、楽しいものを作る、伝えるというのはもちろん、役割として大切だと思いますけど。やっぱり報道という世界に憧れて入って来た自分は、ちょっと現実は違ったなと思って情けなかったり、悔しかったりすることは確かにあります』と明かした。
この言葉に羽鳥アナが『どこが違うの?』と尋ねると、宇賀アナは『うん、まぁ、いや、何でしょうね』と顔を紅潮させ口ごもった」
https://www.hochi.co.jp/entertainment/20190221-OHT1T50084.html
「ウェジー」は「宇賀なつみアナが涙ながらに「報道」の現状への違和感を吐露 変わりゆくテレビ朝日」を掲載している。
「今年度いっぱいでの退社が発表されているテレビ朝日の宇賀なつみアナウンサーが、2月21日放送『羽鳥慎一モーニングショー』テレビ朝日系)のなかで、テレビ朝日の報道姿勢に関して苦しい胸のうちを語った。
宇賀なつみアナは、涙で目を潤ませながら、このように語ったのだ
<やっぱり報道という世界に憧れて入ってきた自分は、『うーん、ちょっと現実は違ったな』と思って情けなかったり悔しかったりすることは確かにありますね>」
https://wezz-y.com/archives/63826
「リテラ」は「ウーマン村本『テレビは真実を伝えてない』に宇賀なつみアナが涙浮かべ同意、一方、羽鳥慎一は黒い本性全開で全否定」を掲載している。
「いまのテレビは伝えるべきことをきちんと伝えていない──玉川が抱えるこの危機感を羽鳥はまったく共有していていないことが浮き彫りになるやり取りだったが、続けて質問を振られた宇賀アナは違った。彼女は目を潤ませ、言葉に詰まりながら、こんな思いを吐露したのだ。
『安心させるというか、娯楽として面白いもの楽しいものをつくる、伝えるというのも役割としては大切だと思いますけど、やっぱり、報道という世界に憧れて入ってきた自分は、『うーん、ちょっと現実は違ったな』と思って、情けなかったり悔しかったりすることは確かにありますね』
これに対し、羽鳥はキツい声色で『どこが違うの? 嘘言ってるの? テレビは。言ってないでしょ』と責め立てる。宇賀アナは脅しに近い羽鳥の態度にも負けず『嘘は言ってないです。嘘はつけないから』と言葉を絞り出し、スタジオはまるで放送事故のようになった」
https://lite-ra.com/2019/02/post-4562.html
小林よしのりは自らのブログで次のように書いている。
「この番組がネットで評判になり、羽鳥が「黒い本性全開」などと批判されているので、今日、録画を見てみたら、笑ってしまった。
羽鳥にそんな印象は全然持たなかったし、宇賀アナが泣いてるようにも見えなかった。
テーマとして、つまらないことをやってるなあというのが感想だ」
https://yoshinori-kobayashi.com/17585/
北朝鮮による拉致被害者家族連絡会事務局長の蓮池透が呟く。
「テレビなんか見ていると思考停止になるのは疑いない」
https://twitter.com/1955Toru/status/1098447547742339072

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4)【本日の一行情報】

◎フジテレビ系クイズバラエティー番組「今夜はナゾトレ」(毎週火曜 後7:00)の人気コーナーを書籍化した「東大ナゾトレ」(扶桑社)が、シリーズ7巻累計100万部を突破した。3月4日には第8巻の発売となる。
https://www.oricon.co.jp/news/2129857/full/

◎WEB漫画サイト「くらげバンチ」に連載された宮川サトシが実際に体験したエッセイ漫画「母を亡くした時、僕は遺骨を食べたいと思った。」(新潮社)が映画化された。母との最期の日々から葬儀、そしてその後の生活の日々を母親への溢れる愛情を散りばめて描き、AmazonレビューやSNSで話題となり、500万PVを記録した。監督は「さよなら渓谷」「日日是好日」の大森立嗣。麿赤兒の長男だ。
https://realsound.jp/movie/2019/02/post-321564.html

◎モデルのKoki(oは長音記号付き),が、講談社の雑誌「VOCE」(ヴォーチェ)2019年4月号で美容誌に初登場する。
https://www.fashionsnap.com/article/2019-02-20/koki-voce/

◎フジテレビが運営する動画配信サービスFODは、2018年7月に配信開始したFOD連続ドラマ「ポルノグラファー」の過去編、「ポルノグラファー~インディゴの気分~」を2月28日(木)0時より配信開始する。また、3月2日(土)に、本ドラマの1、2話の上映及びトークイベント、前作「ポルノグラファー」サイン入りジャケット付きBlu-ray&DVD即売会を開催する。
FOD連続ドラマ「ポルノグラファー~インディゴの気分~」は、祥伝社の発行する漫画雑誌「on BLUE」に2016年8月から連載されていた同作名の漫画を原作としたドラマで、上記のドラマ「ポルノグラファー」の過去編となる。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000847.000000084.html

KADOKAWAハピネットが「リミッターを外せ!」をコンセプトに立ち上げた映画制作プロジェクト「ハイテンション・ムービー・プロジェクト」が始動する。第1弾は大石圭の小説「殺人鬼を飼う女」を中田秀夫が映画化する。公開は4月12日。第2弾作品「アンダー・ユア・ベッド」が今夏公開される予定だ。
https://www.cinra.net/news/20190220-hightensionmovie

KADOKAWAのMF庫Jの人気作品「可愛ければ変態でも好きになってくれますか?」(原作:花間燈、イラスト:sune)のTVアニメ化が決定した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000005571.000007006.html

◎「おとなの週刊現代 2019 Vol.1 死後の手続きはこんなに大変です」が発売即日重版で10万部達成
http://music-book.jp/book/news/news/220442

◎「Business Journal」は「ついに1誌になったヤクザ専門雑誌の編集部に行ってみた…縮小する暴力団とヤクザファン」を掲載している。一誌だけになってしまったヤクザ専門誌とは「実話時代」である。
「ヤクザ専門誌の読者とは、暴力団構成員、準構成員、暴力団と関わる仕事をしている人たち、その周囲にいる人たちである。その人たちがヤクザ業界の動静を気にするようになり、それで手に取る、という構図が考えられるのだ。あとは、『物好き』といったところだろうか。
ヤクザ専門誌は、一般の書店では手に入りにくい。コンビニでも、扱っている店と扱っていない店がある。繁華街のなかの小さな書店で大きく扱っている例もあるという」
https://biz-journal.jp/2019/02/post_26782.html
私は「物好き」の一人であるようだ。

家庭画報 特選「きものSalon 2019 春夏号」(世界化社)の表紙を「きもの」姿の浅田真央が飾る。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000557.000009728.html

◎足裏をはじめ、顔や手、体のツボ押し&マッサージができる「ツボペンシル」を付録としたムック「『Matty式足ツボ』公認 魔法のツボペンシル」(マガジンハウス)の発売を記念して、3月9日(土)庭のホテル 東京において、Mattyによるイベント「きれい講座~Mattyの足ツボマッサージレッスン~」を開催する。参加費 は 5,500円 。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000065.000030125.html

◎アイドルグループ「King & Prince」の平野紫耀(22)が、9月6日公開の映画「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~」(河合勇人監督)に主演する。20日、配給の東宝が発表した。原作は、赤坂アカ週刊ヤングジャンプ集英社)に連載中の同名漫画。単行本は累計450万部の売り上げを誇る人気作だ。
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/entertainment/news/CK2019022102000179.html

◎ハーパーコリンズ・ジャパン(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:フランク・フォーリー)は、フィクション『ブックショップ』を2019年3月1日(金)に発売する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000004274.html

実業之日本社から電子書籍としてリリースされているマンガ「歌舞伎町弁護人凛花」(作画・花小路ゆみ+原作・松田康志)がBSテレ東の真夜中ドラマ4月クールでのドラマ化が決定した。
http://www.j-n.co.jp/columns/?article_id=525

Twitterアカウント「俺、つしま(@tsushimacat)」で2017年7月から投稿している猫漫画「俺、つしま」小学館で単行本化され大ヒットしたが、第二弾が5月に発売されることになった。全5種のカプセルトイも発売されるという。
http://hon-hikidashi.jp/enjoy/76631/

◎2019年の米国の広告市場で、インターネット広告費が前年比19・1%増の1293億4千万ドル(約14兆3千億円)と全体の54・2%を占め、新聞やテレビなどの合計を初めて上回る見通しとなったと共同通信が報じている。
https://this.kiji.is/471197860151788641
あらゆるメディアがインターネット化しようとしているのだ。日本でもテレビがインターネットで見られるようになれば、あっという間に逆転しよう。

Mリーグ機構は、朝日新聞社と、3月2日から開催されるプロ麻雀リーグ「Mリーグ」のファイナルシリーズにおいてスポンサー契約を結ぶことが決まった。これによりシリーズ名称は、「Mリーグ2018 朝日新聞ファイナルシリーズ」となる。麻雀のハナシである。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000035640.html

乃木坂46高山一実による小説『トラペジウム』が、発売から3ヶ月経ずに累計発行部数20万部を突破した。
https://kai-you.net/article/62245

毎日新聞は2月21日付で社説「NHKの将来像 ガリバーにならぬ節度を」を掲載している。
「経営体力の弱い民放地方局への影響も不透明だ。NHKは民放との連携策として共通の番組配信サイトへの参加も検討している。NHKが一方的に肥大化すれば、民放を含めたメディアの多様性が損なわれる。公正な競争のためにも、なし崩し的な業務拡大に歯止めをかけるべきだ」
https://mainichi.jp/articles/20190221/ddm/005/070/105000c

◎「オール讀物」(藝春秋)が次のようにツイートしている。
「【発売日変更のお知らせ】
平素はご愛読賜り厚く御礼申し上げます。
この度『オール讀物直木賞合併号』(3・4月号)で印刷過程での事故があり、やむを得ず発売日を、22日から26日に変更することとなりました。
ご迷惑をお掛け致しますが、読者の皆様にはご理解を賜りますよう宜しくお願いいたします」
https://twitter.com/ooru_yomimono/status/1098443457553551365

朝日新聞デジタルは2月22日付で「NHK組織再編で波紋 『政権への忖度ない』異例の反論」を掲載している。NHKが2月18日付で「制作局の組織改正の検討について」なる章を発表していることは2月20付で既に報じているが、「NHKが他社の報道を受け、視聴者に向けて自ら見解を公表するのは極めて異例」なことだそうだ。
https://www.asahi.com/articles/ASM2Q5QZ0M2PUCVL030.html

消費者庁はTSUTAYAに対し、インターネットで動画を配信するサービス「TSUTAYA TV」で「動画見放題」などと宣伝したのは不当で、景品表示法反(優良誤認)にあたるとして、約1億1800万円の課徴金を納付するよう命じた。
https://www.asahi.com/articles/ASM2Q52KWM2QUTIL01W.html
http://www.tsutaya-ltd.co.jp/info_0222.html
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_190222_0001.pdf

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5)【訃報】ドナルド・キーン

 ドナルド・キーンが亡くなった。96歳。
「3年前、オレゴン州ポートランドのホテルでドナルド・キーンんとたまたまお会いし、夕食をご一緒したことがありました。三島由紀夫との思い出を語りながら、大きなケーキと格闘するポーズまでとってしまう、気さくでユーモアあふれる方でした。心からご冥福をお祈りします」(宮地ゆう 朝日新聞記者)
https://twitter.com/yumiyaji/status/1099505975919144961
「初めてキーン先生にお目にかかったことを思い出します。2014年4月5日、九段にあるイタリア化会館の屋上で千鳥ヶ淵に咲き誇る桜を見下ろしながらこぼれるように色々な話を楽しげにしてくださいました。平野さんご夫妻もその場におられました。温かく、懐かしい記憶です。合掌」(ロバート・キャンベル
https://twitter.com/rcampbelltokyo/status/1099480464996294656
ドナルド・キーン氏が亡くなった。彼が日本の科省大臣になっていたら、いまの日本はもう少しよくなっていたのではないか。写真は2005年6月、静岡県主催世界翻訳コンクールの審査会で。左からグリゴリー・チハルチシヴィリ、キーン先生、リュドミラ・エルマコワ、小生、という歴史的一枚」(沼野充義 ロシア東欧学)
https://twitter.com/MitsuNumano/status/1099544340278304768
「さっき関係者から連絡を受け取った。戦後の日本学にとって非常に重要な存在だった。『石川啄木』など、90歳を過ぎても健筆を揮われていて、個人的にも、この十年ほどの間、謦咳に接したのは得難い経験だった。ご冥福をお祈りします」(平野啓一郎
https://twitter.com/hiranok/status/1099484698433200128
ドナルド・キーンさんとは1901年10月に春本社で会い、明治天皇大正天皇につき対談した。伊藤之雄は『明治天皇』を酷評したが、私は名著だと思う。『昭和天皇』が司馬賞を受賞したときも、身にあまる言葉をいただいた。外国出身らしい公平な視点をもっていたと感じている。ご冥福をお祈りします」(原武史
https://twitter.com/haratetchan/status/1099511630684012545
「キーン先生が逝ってしまわれた。NYでケーキを食べながら色々お話下さった事、
肝に命じて進んでゆきます。
本当にありがとうございました。
ご冥福をお祈り致します」(堤未果
https://twitter.com/TsutsumiMika/status/1099498272832421888
「2000年、ドナルド・キーンさんと青森で開かれたシンポジウムで御一緒した。タクシーの中で『日本も変わりましたね。あんな白髪のお婆さんが赤い車を運転しているんだから』と、赤い車を運転するお婆さんを感慨深そうに見ていた。雪国では車は必需品ですねと話合った。林檎の花が美しいことも話題に」(中沢けい
https://twitter.com/kei_nakazawa/status/1099474619126300673
「キーンさんをモデルにした『ジャコモ・フォスカリ』で描いたこのシーンは安部公房との対談集『反劇的人間』のあとがきにあった本当にあった話。
安部公房がキーンさんに日本酒のソーダ割を飲ませて薬物依存症かどうかを実験したというシーン。どんどん再開したくなってきた…(が当分は難しい)」(ヤマザキマリ
https://twitter.com/THERMARI1/status/1099592618743218176
ドナルド・キーンさん。NHKスペシャルでご本人を演じさせていただき役者として勲章となった経験。今でも感謝の気持ちでいっぱいです。計り知れない日本への愛。あたたかくて強くて慈悲にあふれた方。心よりご冥福をお祈りいたします」(川平慈英
https://twitter.com/2013tabu/status/1099481360018726912
NHK NEWS WEB」は「ドナルド・キーンさん死去 96歳」で瀬戸内寂聴東北大学名誉教授の野家啓一のコメントを紹介している。
ドナルド・キーンさんが亡くなったことについて、同じ大正11年、1922年生まれで数々の対談を重ねてきた作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんは『キーンさんとは心が通い合い、親類づきあいのような親しさが生まれていた。会えば何時間も話し込んでしまう仲になっていた。私もキーンさんも、年をとっても仕事をやめず、人にあきれられていたが、キーンさんはいくつになってもアメリカへ行き来するし、海外旅行も平気でされる。こんなことになってぼう然としている』というコメントを発表しました」
ドナルド・キーンさんと長年、親交のあった東北大学名誉教授の野家啓一さん(70)は『東日本大震災のあと、多くの人が東北を離れる中、キーンさんは慣れ親しんだアメリカから国籍を移してまで、震災で打ちのめされている日本人を元気づけようと日本への永住を決意されたと思います』と話していました」
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190224/k10011826221000.html

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6)【深夜の誌人語録】

局面を打開するためには、しがみつくよりも諦めることを優先すべきだろう。