【文徒】2019年(平成31)3月4日(第7巻39号・通巻1457号)


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1)【記事】電通「2018年(平成30年)日本の広告費」を読
2)【記事】東京新聞 望月衣塑子記者も菅義偉官房長官も引き下がらず
3)【記事】トヨタ自動車が不適切ツイートで謝罪
4)【記事】「Domani」の表参道駅広告が物議をかもしだしているぞ
5)【記事】大激怒!幻冬舎 代表取締役社長 見城徹ツイッターで爆発
6)【本日の一行情報】
7)【深夜の誌人語録】
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1)【記事】電通「2018年(平成30年)日本の広告費」を読

電通が「2018年(平成30年)日本の広告費」を発表した。2018年(1~12月)の日本の総広告費は、戦後最長といわれる景気拡大に伴い、6兆5,300億円、前年比102.2%となり、7年連続でプラス成長。2018年の名目国内総生産GDP)に対する総広告費の比率は1.19%。
媒体別にみると、「新聞広告費」4,784億円(前年比92.9%)、「雑誌広告費」1,841億円(同91.0%)、「ラジオ広告費」1,278億円(同99.1%)、「テレビメディア広告費」1兆9,123億円(同98.2%、地上波テレビと衛星メディア関連)を合計した「マスコミ四媒体広告費」は、前年比96.7%となった。
「インターネット広告費」1兆7,589億円(同116.5%)は、運用型広告を中心に堅調な伸びを示し、加えて、今回より初推定したマスコミ四媒体由来のデジタル広告費の増加による効果もあり、広告費全体を大きく押し上げる結果となった。「プロモーションメディア広告費」(同99.1%)は、「交通広告」「POP」「展示・映像ほか」が増加。平成の次の時代は「インターネット広告費」が地上波テレビの広告費を上回るのは確実である。
マスコミ四媒体由来のデジタル広告費は「インターネット広告費」に含まれるが582億円。新聞デジタルが132億円。雑誌デジタルが337億円。紙も含めた全雑誌の2割を雑誌デジタルが占めていることにる。ラジオデジタルが8億円。テレビメディアデジタルが105億円。
雑誌デジタルは出版社のデジタル事業拡大に伴い、アドベリフィケーションやブランドリフトを基点とした出版コンテンツの価値がクライアントに認められ、前年比200%超を達成したメディアも多くあったという。紙媒体を基点としないデジタルネイティブメディアが相次いでローンチし、ユニークユーザー数・広告ともに好調に推移している。雑誌はデジタルトランスフォーメーションに真摯に取り組むべきである。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2019023-0228.pdf
氏家夏彦が自らのブログ「あやぶろ」に「ついにネット広告費がテレビに並んだ」をエントリしている。
「インターネット広告費の増加の勢いを考慮すると、今年2019年にはインターネットがテレビを逆転するのは明らかだ。といっても驚くことではない。私だけでなく多くの方が、ネットとテレビの逆転は2020年には起きるだろう、もしかすると2019年に逆転するかもしれないと以前から見ていたのだから」
「今後、新聞に見切りをつけた記者が続々と流出していくだろう。だがその人材を受け入れるだけのメディア企業としての力が、まだネットにはないことが問題だ。今のネットメディア企業には、十分な数の記者を抱えるだけのマネタイズができていない。ジャーナリストという存在がなくなるのが早いか、新たなビジネスモデルが開発されるのは早いか、新聞に課せられた課題は重い」
http://ayablog.com/?p=1038
新田哲史も呟いている。
「ついにネット広告費がテレビ広告費にほぼほぼ追いついた。短距離走なら胸の差レベルの差。次年のレースは確実に抜かれるんだろうな」
https://twitter.com/TetsuNitta/status/1101318749229965313
堀江貴が一言。
「テレビ広告のプレミアがこれからガツっと無くなっていく」
https://twitter.com/takapon_jp/status/1101282176929161217
アメリカではマス4媒体の総計をインターネット広告が上回ろうとしている。グーグルとフェイスブック(FB)による「複占」状態にあるが、アマゾンも猛迫している。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55566

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2)【記事】東京新聞 望月衣塑子記者も菅義偉官房長官も引き下がらず

ITジャーナリストの篠原修司 は「YAHOO!ニュース」で東京新聞記者の望月衣塑子と菅義偉官房長官の2月26日の記者会見でのやり取りを全書き起こしている。菅が「「あなたに答える必要はありません」と回答して話題になったものである。全を書き起こしたうえで篠原は、こう書いている。
「記者会見を見た印象としては、東京新聞記者は質問に入る前に自分の意見を長官に伝え、それにかぶせるかたちで質問しています。
そのため『質問に答えなかった』と報道することは間違いとは言えませんが、正しいとも言えないと思います」
https://news.yahoo.co.jp/byline/shinoharashuji/20190227-00116315/
朝日新聞デジタルは2月27日付「菅氏『繰り返す必要ないということだった』記者への発言」でこう書いている。
菅義偉官房長官は27日午前の記者会見で、26日に東京新聞者の質問に対して『あなたに答える必要はありません』と述べたことについて、『これまで累次にわたって長官記者会見は記者からの質問に対し、政府の見解、立場を答える場であると述べてきた。あえて繰り返す必要はないということだった』と説明した。発言を修正する考えがないかと問われ『ありません』と答えた」
https://www.asahi.com/articles/ASM2W3VQGM2WULFA004.html
朝日新聞デジタルは2月27日付で「『あなたに答える必要ない』撤回・修正せず 菅官房長官」も掲載している。
菅義偉官房長官は27日の記者会見で、東京新聞記者が26日に会見の意義などについて質問したのに対して『あなたに答える必要はありません』と述べたことについて、撤回や修正の考えはないと明言した。政府のスポークスマンによる特定記者の質問排除につながる問題発言に、野党からも批判が上がっている」
https://www.asahi.com/articles/ASM2W4HPWM2WUTFK00Q.html
望月衣塑子自らがツイートしている。
「『会見はどんな場だと思うか』の質問に『あなたに答える必要はない』の発言撤回せず。 #菅義偉 #官房長官。一年半以上に亘る会見で何度となく、私にだけ言い続けてる発言の一つ。誰であっても『あえて繰り返す必要ない』ならば『あなたには』と名指しする必要もない」
「検証記事を出して以降も #菅義偉 #官房長官 会見での妨害は続いている。3月1日会見では他の記者は #上村秀紀 室長の『後一問で』の後に続けて2問聞いたが、手を挙げても私だけ指されずに終了。昨日も一問で打ち切り。抗議しても改められるどころか、質問の機会が奪われている」
https://twitter.com/ISOKO_MOCHIZUKI/status/1101094470991241222
https://twitter.com/ISOKO_MOCHIZUKI/status/1101320430214799360
「AbemaTIMES」の「『マスメディアへの配慮が薄れている』菅官房長官の質問拒否は“新聞ジャーナリズム”衰退の表れか」で、東京工業大学准教授の西田亮介も指摘しているが、日本の記者会見が予定調和になりがちなのも事実だろう。
https://abematimes.com/posts/5801173
日本ペンクラブが声明 「首相官邸記者会見の質問制限と回答拒否問題について」を発表した。
「いったい何を大人げないことをやっているのか。内閣官房長官首相官邸報道室のことである。両者は昨年末、内閣記者会に対し、東京新聞記者の質問が『事実誤認』『問題行為』であるとして『問題意識の共有』を申し入れたのを手始めに、2ヵ月が経ったいまも、同記者の質問に対し、『あなたに答える必要はない』と高飛車に応じている。
官房長官の記者会見は、記者がさまざまな角度から政府の政策を問い質す場である。その背後に国民の『知る権利』があることは言うまでもない。質問に誤解や誤りがあれば、それを正し、説明を尽くすことが官房長官の仕事ではないか。『答える必要はない』とは、まるで有権者・納税者に対する問答無用の啖呵である。
 (中略)
私たちは官房長官と官邸報道室が、先の申し入れ書を撤回し、国民の知る権利を背負った記者の質問に意を尽くした説明をするよう求めるとともに、報道各社の記者がジャーナリストとしての役割と矜持に基づき、ともに連携し、粘り強い活動をつづけることを期待する
http://japanpen.or.jp/statement20190301/
日本出版者協議会が声明「首相官邸による内閣記者会への申し入れに抗議する」を発表した。
「安倍政権は、一方ではマスコミ各社の幹部や論説委員などとひんぱんに会食を重ね、他方では『公正中立な報道』を繰り返し要求するといったかたちで、権力に対して批判的な報道に圧力をかけ続けてきた。今回の官邸の姿勢も、そうしたメディア支配の流れにあるものであり、『言論の自由』『報道の自由』を犯すものとして、私たちは強く抗議する」
https://shuppankyo.wixsite.com/shuppankyo/home/seimei20190301
望月衣塑子が「ハフポスト日本版」の「東京新聞の望月衣塑子記者を助けたい。中2の女子生がたった1人で署名活動に取り組んだ理由とは」をリツイートしていたが、私はこの記事には馴染めなかった。
官房長官会見での質問をめぐって首相官邸側から問題視されてい東京新聞の望月衣塑子記者を支援しようと、1人の女子中学生が立ち上がった。
望月記者の質問を制限しないよう官邸側に求めるインターネットの署名運動を2月に開始。活動を終えた2月28日までに、1万7000人を超える賛同者を集めた」
https://www.huffingtonpost.jp/entry/isoko-mochizuki-signature-campaign_jp_5c7a1ea7e4b0e1f77651aefc

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3)【記事】トヨタ自動車が不適切ツイートで謝罪

朝日新聞デジタルの3月1日付「トヨタ『女性やっぱり運転苦手?』 ツイートに批判殺到」は、こう書いている。
「『女性ドライバーの皆様へ質問です。やっぱり、クルマの運転って苦手ですか?』――。そんなメッセージをトヨタ自動車が1日午前、ツイッターの公式アカウントに投稿したところ、批判が殺到。トヨタは投稿を取り消し、謝罪した」
https://www.asahi.com/articles/ASM31560WM31OIPE01M.html
朝日の記事にはカーレーサーで日産自動車社外取締役である井原慶子のコメントが掲載されている。
「どの自動車メーカーも運転が苦手な人から得意な人まで万人にカーライフを安全に楽しんでもらえるように先進技術の開発に注力している。そういった前向きな企業努力のためのアンケートだったと想像できるだけに、今回の投稿は誤解される表現であり不適切だったと思う」
トヨタ自動車の公式アカウントのタイムラインを見てみると、問題となったツイートは既に削除され、こんな謝罪ツイートが投稿されていた。
「本日、弊社ツイッター広告にて、女性の運転技量が男性よりも劣るかのような不適切な表現がございました。多くの方に不快な思いをさせてしまいましたことを、心より深くお詫び申し上げます。当該広告についてはすでに削除致しました。今後このようなことが起きぬよう、再発防止に努めてまいります」
https://twitter.com/TOYOTA_PR/status/1101375309184524288
井原がコメントを提供していることに朝日新聞大阪編集センター記者の金澤ひかりが呟く。
「この方のコメントがあるのは強い」
https://twitter.com/hikarikkkkk/status/1101444853592862721
BuzzFeed News」が「トヨタ、女性に『やっぱり、運転苦手ですか?』→批判殺到でTwitter削除・謝罪」を3月1 日15:30に公開している。
「午後3時現在で8千を超える回答が集まっており、以下のような結果となっていた。
『とても苦手』…31%/『すこし苦手』…19%/『どちらでもない』…21%/『得意です!』…29%
問題のツイートは午後3時過ぎに削除された。
一方、リプライ欄の意見はほとんどがアンケートに対して批判的なもので、
『やっぱりって何? 女性軽視?』
『苦手選択肢が2つ? バカにしてるとしかいいようがない』
『なんで女性なんでしょうか? なんで『やっぱり』なんでしょうか?』
といった声が殺到していた」
https://www.buzzfeed.com/jp/ryosukekamba/toyota
朝日新聞経済部記者の栗林史子もツイートしている。
「悪気なく(と信じたい)男女のステレオタイプを再生産してしまうところに、最近の企業コミュニケーションの問題がある気がします」
https://twitter.com/fkuribayashi/status/1101396991521648640

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4)【記事】「Domani」の表参道駅広告が物議をかもしだしているぞ

東京メトロ表参道駅に掲出された小学館女性誌「Domani」の屋外広告、そのコピー「働く女は、結局中身、オスである」「今さらモテても迷惑なだけ」「"ママに見えない"が最高のほめ言葉」「ちょっと不良なママでごめんね」「忙しくても、ママ感出してかない!」が物議を醸している。ツイッターには次のような投稿が溢れていた。
「Domaniの広告が話題だけど、リニューアルしてワーママをターゲットとしてからはもう読めなくなった。リニューアル以前の、未婚既婚・子供有無問わずのコンセプトが恋しい」
「女性の肩書きありきの雑誌は大嫌い。veryも。
Domani、昔はこんなんじゃなかったのにな」
「GinzaとかVOGUEとかも、すっごい狭いけど年収が高い女性ターゲットで、生き延びてるから、『庶民のワーキングマザー』は、Domaniは相手にしてないって可能性あるんですよ。でも街を歩いてるのもSNSやってるのも庶民の方が多いので、選民思想丸出しの章が書かれた広告をバーンと出すのは悪手ですよね」
「一般の人?のツイートのこの写真の見たときにも思ったけど、10年ちょい前のDomaniの世代と今の時代はまた違うんだよね。編集者(の上の方)は昔の感覚を残してワーママのキャリア風を醸し出したいんだろうけど、現場でそれってもう流行ってなくない?そう思うのわたしだけ?」
「Domaniの炎上、書いてあるキャッチコピーが時代遅れすごい。
あと中身はオスって言うなら給料もオスにしろってツイートあってそれな!って思う。
しかし元々ワーママ雑誌じゃなかったような…」
「『ママに見えないが最高のほめ言葉』だなんて、世の中の、一生懸命子育てしているママに失礼ですよね。見た目のかっこよさ優先の、実体のない価値観やイメージの中で、こんな企画を考えているんでしょうね。編集者自身、リアリティを感じているのか?」
「Domaniどこに行く感MAXな広告。このご時世に1枚10万円とかする服着たモデルさんばっかり出てくる女性雑誌全体が時代遅れなのかも」
「Domaniの表参道駅の広告、『ママに見えないが最高のほめ言葉』とか『働く女は、結局中身、オスである』とか、男尊女卑かつ女性をどこまでも分断する言葉ばかりで悲しくなる。30-40代のワーママターゲットにしてるぽいけど、まるで読者層の荷物を増やそうとしているかのようなキャッチコピー」
https://twitter.com/kmxkixkmx/status/1101690784024223744
https://twitter.com/shoko_msi/status/1101701293909860352
https://twitter.com/kobeni/status/1101669412556292097
https://twitter.com/aoyamaume/status/1101653216402395137
https://twitter.com/MDFLsNj8QxcIbta/status/1101662435847487489
https://twitter.com/paulsbobs/status/1101690709763973120
https://twitter.com/nakajimamiyuki/status/1101730056680820736
https://twitter.com/hanakazenaore/status/1101047259939004417
J-CASTニュース」の「『働く女は、結局中身、オスである』 小学館女性誌広告に批判、識者『時代遅れ』」には大阪大の牟田和恵教授(ジェンダー論)がコメントしている。
「子どもがいても働くのは当たり前で、名誉男性(男性中心的な考えを持つ女性)じゃないとダメだという時代ではないにもかかわらず、このような広告が出稿されたのは時代遅れだ」
「このごろ女性を蔑視するような広告が続いているため企業も敏感になっているかと思えばこういうことがおきた。素直にびっくりです。企業はリアルな女性たちの姿を広告に取り入れるべき」
https://www.j-cast.com/2019/03/02351698.html
茂木健一郎もツイートしている。
「日本のクリエイティヴのみなさんの中に、今の時代ちょっと残念な感性が温存されていて、しかもそのマーケットがある程度存在するというのが『繰り返しのこんな事態』を招いているような」
https://twitter.com/kenichiromogi/status/1101652581393170433
マンガ家の瀧波ユカリが呟く。
「企業は『こういうコンセプトやキャッチコピーはいろんな観点から見てどうでしょうか?』って外部の人にチェックを依頼するといいと思し、私でよろしければ承りますよ」
https://twitter.com/takinamiyukari/status/1101696485391925254
こんなツイートも発見した。広告ガールだそうである。
広告業界にいるメスなんですけど、こういうの炎上狙いとかじゃなく、自然に、まじめに、共感を呼ぶと思ってつくってるのが分かってきて、嫌んなる」
https://twitter.com/f9_gno/status/1101682133385412608
これはBeyond編集部の女性編集者のツイート。
「私ジェンダー論はよくわからないですが、これを見ても正直なんとも思わない。ママを批判されてるとも思わないし」
https://twitter.com/081123tadatama/status/1101662165780447232
駒澤大学の山口浩は、こんなツイートを投稿している。
「この手の表現が批判を招くことが予想できないわけないので、あえてやったのだろう。主張があるなら反論したらいいと思う」
https://twitter.com/HYamaguchi/status/1101654231256227841
本屋ユカイは書店の店長だ。
「Domaniさんには、尖った方向ではなくママ会に参加するお母さんの為の雑誌であって欲しい」
https://twitter.com/nanaokun/status/1101684911633686534
「ハフポスト日本版」が「『働く女はオス』は、なぜダメなのか」(治部れんげ)を掲載している。
「つまり、女性誌の発行者が『働く女は、結局中身、オスである』と述べることは『オス化して働いていない、働けない多くの人』を排除しているように受け止められるのです。 
私が尊敬するある企業広報の方は、この構造を『誰が言うか問題』と短く的確に表現します。働く女性自身が自虐をこめて言うのはOKでも、第三者、しかも大手出版社が働く女性を決まった枠に当てはめるような物言いは反発されるのです。 
多くの人は『勝手な決めつけ』に反感を持ちやすく、そこでは『誰が言うか』が重要というわけです」
https://www.huffingtonpost.jp/entry/domani-ad_jp_5c7aae19e4b0e5e313cadf42?ncid=tweetlnkjphpmg00000001

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5)【記事】大激怒!幻冬舎 代表取締役社長 見城徹ツイッターで爆発

「NewsPicks Book」におけるパートナーシップを突然、切るとNewsPicksが言い出したことに対する幻冬舎代表取締役社長・見城徹のNewsPicksに対する怒りは収まらない。2月27日、ツイッターへの投稿は続いた。
「NewsPicksだけでは何も出来ないのは歴然としているのに何でこんな判断をしたんだろう?これがNewsPicks流ビジネスなのか?余計なお世話だけど、大丈夫か、NewsPicks? 」
「これまでもNewsPicksの色んな身勝手な要求を飲んで来た。パートナーだと思っていたので、『まあ、いいや』と僕は受け入れた。一度も句は言わなかった。幻冬舎は随分とNewsPicksに貢献して来たと思う。そういう気持ちはNewsPicksには通じていなかったんだなあ。これからは幻冬舎だけの道を行きます」
https://twitter.com/kenjo_toru1229/status/1100763204475482114
https://twitter.com/kenjo_toru1229/status/1100766691666014208
こうツイートした段階で、もはや「覆水盆に返らず」であることは想像に難くない。見城の次のツイートがこうなのは納得できる。
「本日13時、NewsPicksが謝罪に来ると言う。佐々木取締役と会うのは構わないが、覆水は盆に返らない。もうNewsPicksとはやる気はない。[信頼]という大事な絆が失われて、どんな条件を提示されても協業は出来ない」
https://twitter.com/kenjo_toru1229/status/1100889975116034048
佐々木とはNewsPicksで CCO(最高コンテンツ責任者)をつとめる佐々木紀彦のことである。佐々木は東洋経済新報社の出身。「東洋経済オンライン」の編集長として名前を売った人物である。
ここからが2月28日となる。見城は、これまで刊行して来た「NewsPicks Book」に対する責任をこう表明する。
「NewsPicksBookの書き手の皆様から涙が出るような連絡を頂いてており深く感謝しています。しかし、どうか皆様はNewsPicksとの関係を遠慮なく続けて下さい。よろしくお願いします。幻冬舎は今後はNewsPicksと協業しないと言うだけです。かつて出版した本がについては責任がありますから販売を続けます」
https://twitter.com/kenjo_toru1229/status/1100926428462239744
これは出版人ならではの発言だ。お聞き願おう。
「かつて出版したNewsPicksBookは箕輪編集長、設楽コンテンツ・ビジネス部長、山口編集者らの血と涙と汗の結晶だった。特に箕輪は大変だった。3人ともお疲れ様でした。本というコンテンツはロボットには作れない。NewsPicksはそこを勘違いしている。これも余計なお世話だね(笑)。でも、言いたかった」
https://twitter.com/kenjo_toru1229/status/1100930326551920640
NewsPicksの面々が見城と面会したようだ。
「NewsPicksの方々が今、帰った。メンバーはNewsPicksの親会社のユーザベースの稲垣代表取締役社長、佐々木取締役、NewsPicksの野村さん。いずれ結論は出るだろう」
https://twitter.com/kenjo_toru1229/status/1100994774427828224
「週刊春デジタル」のフットワークが良い。「『起こるべくして起きた』幻冬舎・キーマン箕輪氏が赤裸々告白 見城社長NewsPicks激怒事件」と「春オンライン」で3月2日夜に告知し、約60分に及ぶインタビュー全編をおさめたノーカット版動画を「週刊春デジタル」で公開している。
「ハッキリ言って“水と油”なんですよ。もともと絶対に出会わない2人なわけです。カルチャーやDNAが違うので」
https://bunshun.jp/articles/-/10925
https://www.nicovideo.jp/watch/1551532566
「週刊春デジタル」を「動画春」に進化させていくという選択肢は「あり!」だと思う。蛇足ながら、渡辺京二が「義理と人情」の「浪花節」をもって水俣病闘争を戦い抜いたことは、よく知られている。渡辺の「三島の『意地』」によれば「信念など時代によっていくらでも変わる」が、そこで踏みとどまらせるのが意地なのである。
https://books.bunshun.jp/articles/-/3740

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6)【本日の一行情報】

◎扶桑は業界初となるVR動画付き写真集「旬撮GIRL VR」発売した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000230.000026633.html

◎名古屋の民放ラジオ5局(CBCラジオ東海ラジオ、@FM、ZIP-FMRadio NEO)では、3月24日(日)19:00~21:30に、共同特別番組「ラジオdeゲーム“ラジゲー”」 を放送する。この特別番組は、各局が30分ずつ交代で番組を放送し、計2時間30分を、生放送でリレーしていくもので、今回で4回目となる。
番組MCに人気芸人の「アルコ&ピース」、ゲストにギターロックバンド「ポルカドットスティングレイ」のボーカリストで、自身もネイティブアプリゲーム開発に携わった経験を持つ「雫」を迎える
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000063.000036704.html

NHKと民放ラジオ101局のラジオパーソナリティ、番組スタッフ、リスナーたちがおススメのラジオ番組をSNSでつぶやくキャンペーン『#このラジオがヤバい』が実施されている。初日の2月18日(月)には、同ハッシュタグが日本のトレンド2位に入り、1週間でおよそ14万ツイートを集めるなどロケットスタートきった。http://www.allnightnippon.com/news/20190227-38574/

矢沢永吉の「成りあがり」は累計約200万部、「アー・ユー・ハッピー?」約100万部という驚異的なセールスを記録している。2019年4月15日、この2冊に続く「俺 矢沢永吉」がぴあから発売予定。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001130.000011710.html

◎「NEWSポストセブン」が掲載した「ニュース番組名をまたも変更 フジテレビ改革は吉か凶か」によれば「わずか1年で、番組名もキャスター陣も変更となるのか。昨春、フジテレビは報道番組を『プライムニュース』という名称に統一したが、4月からは新統一ブランド『Live News』に変更される」そうだ。
https://www.news-postseven.com/archives/20190226_876520.html?PAGE=1#container

◎リクポは、2月26日(火)にリリースした「いいね!」でお金がもらえるSNS「Poplle」(ポップル)に「いいね!1回でたまに10円もらえる」新機能を加えた。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000023940.html

◎「DIGIDAY[日本版]」は「英・MTV 、Facebook Watchでクイズ番組を提供開始」を掲載した。
「MTVは、『MTVスタックス(MTV Stax)』と呼ばれる番組を2月18日から開始した。撮影はロンドンにあるMTVのスタジオで行われており、今後10週間にわたって週に3回ライブ配信される。番組のホストを務めるのは、ティネア・テイラー氏やタイラー・ウェスト氏といったMTVのニュースプレゼンターだ。番組の参加者は、1000ポンド(約14万4000円)の賞金を賭けて10の問題にチャレンジする。出題されるクイズは、エンターテイメントや音楽の一般的な知識を問うものや、音楽界で話題のニュースに関するものが中心だ」
https://digiday.jp/publishers/mtv-rolls-facebook-watch-quiz-show/

◎一般社団法人日本化デザインフォーラム(理事長:水野誠一、以下JIDF)は、各界の著名人によるトーク&プレゼンテーション(T&P)「carpe diem=今を摘め」を、3月15日(金)にLOFT9 Shibuyaで開催する。
協賛は博報堂/AOI Pro./丹青社大日本印刷/テー・オー・ダブリュー/ティー・ワイ・オー/東北新社凸版印刷乃村工藝社/ムラヤマ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000026246.html

朝日新聞デジタルは2月26日付「アマゾン、出品者負担のポイント還元 『公取委調査を』」で世耕弘成経済産業相の発言を次のように伝えている。
「世耕氏は、『(出品者に多い)中小企業は電子商取引市場に依存している部分が大きい』と指摘。アマゾンが1%のポイント還元の原資を出品者に求めていることについて『一方的な契約変更で出品者に過度の負担を強いるのであれば、公正な競争条件をゆがめる大きな問題だ』と述べた」
https://www.huffingtonpost.jp/entry/amazon-point-return_jp_5c74db96e4b02efbde1da821
https://www.asahi.com/articles/ASM2V3HR5M2VULFA005.html

KADOKAWAは、崎陽軒横浜マリノステレビ神奈川とのコラボレーション企画として、日産スタジアム開催の横浜F・マリノス戦にて「日産スタジアム炒飯弁当2019」を限定販売する。
https://www.work-master.net/2019150839

◎「Newsweekjapan」が「【廃墟写真】アマゾン時代の『墓場』を歩く」を掲載している。
「アマゾン・ドットコムが、閉鎖したショッピングモールの跡地を続々と買い取り、自社の倉庫(フルフィルメントセンターに様変わりさせている――これが今、米小売業界の最前線で起きている現象だ」
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/02/post-11759.php

◎光社の女性ファッション誌「JJ」の専属モデルを務める有末麻祐子が、ファッションブランド「PUBLIC TOKYO」とのコラボアイテムを発売することになった。
https://mainichikirei.jp/article/20190227dog00m100002000c.html

◎「AV Watch」の「ラジコのデータから何が見える? TBSラジオが進める『可視化』と、変わる番組作り」で西田宗千佳は次のように書いている。
「リスナーファインダーによって、TBSラジオ社内では、放送中のラジオを『ラジコで何人が聞いているのか』、『その男女構成比、年齢構成比がどうなっているか』、『どの地域の人が聞いているか』などの情報を、1分単位で、ほぼリアルタイムに把握可能になっている。リスナーファインダーは、TBSラジオのあらゆる場所にすでに設置されている。社内の事務関連部門はもちろん、スタジオのディレクター席の隣にもだ。
そうやって、関係者が常に『いまやっている番組の状況はどうか』、『過去に放送した番組と比較してどうか』といった数字を見ながら、ラジオ番組を制作するようになっているのである。
このことは、ラジオにとってきわめて大きなインパクトを持つ。『ラジオの聴取率に変わるものなのではないか』と、放送業界が騒然となったのだ」
https://av.watch.impress.co.jp/docs/series/rt/1171007.html
TBSラジオの三村孝成社長は「放送ビジネスのデジタルトランスフォーメーション」を旗頭に改革を推し進めているそうだ。

◎「美ST×カバーマークコラボイベント」が3月27日(水)に二子玉川 蔦屋家電 2階 ダイニングで開催される。
http://be-story.jp/articles/-/7029#about

◎学校法人角川ドワンゴ学園は、4月に小学4年生~中学3年生を対象とした実社会で通用するプログラミングスキルが学べるスクール「Nepps」を開校する。「Nepps」は、「N engineer’s progressive programming school」の略称。
https://www.atpress.ne.jp/news/178360

◎「AERA」3月4日号の巻頭エッセイ「eyes」で東浩紀ドワンゴの「ニコ動は世界に類例のないサービス」であり、「その化的功績はきわめて大きく、独自の設計が生み出したコミュニケーションは政治的可能性すら感じさせた」と評価しているが、最近のドワンゴについては「競合他社を意識するあまりに方向性を見失い、古くからのユーザーの離反を招くという悪循環に陥っていた」と指摘している。
https://dot.asahi.com/aera/2019022700018.html?page=1

博報堂DYホールディングスは28日、水島正幸取締役が社長に昇格する人事を内定した。13年ぶりの社長交代とる。水島は博報堂の社長を兼務する。戸田裕一社長は代表権会長に就任する。沢田邦彦代表取締役副社長は博報堂DYホールディングス博報堂の特別顧問に就任する。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/2433/tdnet/1680529/00.pdf

博報堂DYメディアパートナーズは、米国の音声広告テクノロー企業であるInstreamatic社 とインタラクティブ音声広告システムの提供で連携することになった。
https://www.hakuhodody-media.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/02/HDYMPnews20190301_2.pdf

◎「TOKYO FM + PRニュース」の「ファッション誌、音楽雑誌…あなたは、『雑誌』を買っていますか?」によれば、速水健朗がパーソナリティをつとめる「クロノス」で「あなたは、雑誌を買いますか?」という問いに「買う」が 55%、「買わない」が 45%だった。
https://tfm-plus.gsj.mobi/news/LQ2JRxAW7f.html?showContents=detail

◎大広は、昨夏発足した、脳波等のセンシングデータを企業のマーケティングに活用する研究プロジェクト「気持センシングラボ」にビデオリサーチが参画することになった。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000042292.html

日本経済新聞社は3月7日(木)、アニメ×ビジネス セミナー&交流会「アニメをビジネスに活かそう!」を実施する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000112.000011115.html

電通は、海外本社「電通イージス・ネットワーク」を通じて、シンガポールのデジタルマーケティング会社「Happy Marketer Pte. Ltd.」(ハッピーマーケター社)の全株式を取得することで合意した。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2019021-0221.pdf

◎ICT保育業務支援システム「CoDMON」を運営するコドモンはベネッセホールディングスを引受先とした第三者割当増資を実施し、資本業務提携を行った。
https://blog.codmon.com/1673/

◎「週刊少年ジャンプ」(集英社)に連載されている吾峠呼世晴ごとうげ・こよはる)の「鬼滅の刃」が、テレビアニメ化され、TOKYO MX、BS11ほかで4月6日から順次、放送されることになった。シリーズ累計発行部数は350万部を突破している。
https://abematimes.com/posts/5804018

◎インターネット広告代理店オプトが「Amazon広告2019最前線セミナー」を開催する。
https://www.exchangewire.jp/2019/03/01/news-opt-seminar-mar2019/

三菱UFJモルガン・スタンレー証券電通の投資判断を「オーバーウェイト」から「ニュートラル」に格下げしている。
https://www.mag2.com/p/money/644422

◎これが時代というものなんだろうなあ。スポーツニッポンは、こう書いている。
「結婚したことを28日に発表したタレントの桜 稲垣早希(35)が、自身のYouTubeチャンネルでお相手が『マックスむらいチャンネル』の動画製作リーダー・りおなり氏(27)であることを明かした」
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2019/02/28/kiji/20190228s00041000172000c.html
YouTubeチャンネルで結婚相手を発表してしまうわけですよ。で、そのお相手が「YouTubeチャンネルに出演もしている動画編集者」と来たもんだ。

白泉社の編集者とのマッチングサイト「マンガラボ!」が、β版に「検索機能」「1ページ目の左右選択機能」「作品統計データ」の新規項目を追加して、遂に本格始動した。
約2週間のβ版期間で運営チームの予想をはるかに上回る、登録人数450名・投稿作品数240作を突破したそうだ。
投稿作は、白泉社のマンガアプリ「マンガPark」にも掲載される。「マンガPark」での自分の作品データを見ることができるシステムも投稿者から好評のようだ。本格始動にあわせて、連載争奪戦コンテストの募集もスタートした。
https://natalie.mu/comic/news/321954

讀賣新聞オンラインが「[論点スペシャル]ダウンロード規制の拡大 波紋」を掲載している。編集委員の若江雅子がこう結んでいる。
イソップ寓話の『北風と太陽』ではないが、規制の徹底強化ばかりではなく、時代に応じてサービスを見直し育てるということも大切で、両方の組み合わせこそが有効な海賊版対策となるのではないだろうか」
https://www.yomiuri.co.jp/commentary/20190301-OYT8T50100/
朝日新聞デジタル3月2日付「ダウンロード違法化拡大、自民総務会が了承先送り」は、こう書いている。
自民党は1日の総務会で、ダウンロード(DL)違法化の対象範囲を拡大する著作権法改正案の了承を先送りした。漫画家らが表現の萎縮につながるとして修正を求めており、『直接かかわっている人の懸念を払拭していく必要がある』との判断で一致した」
https://www.asahi.com/articles/ASM314VP6M31UTFK012.html?ref=tw_asahi

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7)【深夜の誌人語録】

これからの努力を放棄してしまうことは、これまでの蓄積を無駄にする。