【文徒】2019年(令和元)10月30日(第7巻196号・通巻1616号)


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1)【記事】藝春秋が「養女」小田貴月の手記「高倉健、その愛。」を発売
2)【記事】「KAWASAKIしんゆり映画祭」を若松プロダクションが抗議のボイコット
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2019.10.30 Shuppanjin

1)【記事】藝春秋が「養女」小田貴月の手記「高倉健、その愛。」を発売

期待もしているけれど、不安もある。不安というのは、私の抱いている高倉健のイメージが壊されることだ。高倉健が「最後に愛した女性」だという小田貴月の初めての手記「高倉健、その愛。」が、藝春秋から刊行された。私にとって高倉健は「昭和残侠伝」シリーズや「日本侠客伝」シリーズの高倉健にほかならない。松竹東宝高倉健高倉健であって高倉健ではない。これは私の言わイデオロギーである。
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163910390
高倉健、その愛。」の序章をネットで読むことができる。
《一九九七(平成九)年四月、出発の朝。私は、品川のホテルパシフィック東京から成田行きエアポート・リムジンに乗りました。バスが動き始めてすぐ、私の携帯電話が鳴りました。高倉さんからでした。
「はい」と出ると、「行ってらっしゃい。後ろを見て!」。振り返ると、ホテルの駐車スペースに停められていた車から高倉さんが敬礼のポーズをとっていました。私はバスの窓際で、二度、三度、頭を下げました。》
https://books.bunshun.jp/list/browsing?num=9784163910390
スポーツニッポンは10月28日付で「高倉健さんと歩んだ『伴奏者』の17年 死去から5年──最後に愛した女性が初の手記」を掲載している。
《和服姿で取材場所に現れた小田さんは「可能な限り、高倉の言葉を再現しました。私に話してくれた、そのニュアンスみたいなものをできるだけ忠実に再現したつもりです」と話し、「高倉から聞いているように読んでいただけると、この本を出させていただいた意味が大きくなると思います」と強調した。》
小田がこう語っているのが私には印象に残った。
《──高倉さんとの関係を“伴奏者”と表現しているが?
 小田さん 「ばんそう」の「そう」は「走」じゃないんですか?と校正の人に何度も言われましたが、高倉の話をいろいろと聞いた上で、私がベストと思ったのが、“奏でる”の「奏」の方。「走」じゃないんです。》
スポーツニッポンは小田のプロフィールも紹介していた。
《1964年(昭39)生まれ、東京都出身の55歳。女優を経て、海外のホテルを紹介する番組のディレクター、プロデューサーとして活動。96年、香港で高倉健さんと出会う。2013年に健さんの養女になり、現在は高倉プロモーション代表取締役。》
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2019/10/28/kiji/20191027s00041000536000c.html
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2019/10/28/kiji/20191027s00041000474000c.html
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2019/10/28/kiji/20191027s00041000473000c.html
講談社から刊行された森功の「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」は小田貴月について次のように書いている。
《養女は旧姓を河野(こうの)といった。貴倉良子(たかくらりょうこ)という芸名で、女優やテレビ・レポーターとして活動していた時期もある。いわゆる大部屋女優だ。奇しくも高倉と同じ読み方の芸名だが、ひょっとすると昔からのファンだったのだろうか。彼女はその後、ホテル・ジャーナリストに転身した。》
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000190281
私のイデオロギーからすれば「高倉健 七つの顔を隠し続けた男」は失格!そうだ、小田貴月は河野貴名義朝日新聞社から「金のホテル銀のホテル―DO NOT DISTURB」を刊行している。
https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=3558

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2)【記事】「KAWASAKIしんゆり映画祭」を若松プロダクションが抗議のボイコット

「KAWASAKIしんゆり映画祭」の中山周治は10月27日付で「『主戦場』上映見送りについて」を公開した。
《KAWASAKIしんゆり映画祭が今年度の上映作品としてドキュメンタリー映画『主戦場』の上映を見送った件に関しまして、朝日新聞ほかにて報道され、皆様にはご心配をおかけしまして誠に申し訳ございません。今回の見送りに際しまして、映画祭内部でも賛否両論があり、結果として表現の自由を委縮させることにつながる恐れがある判断を映画祭が決めざるをえなかったことには大変忸怩たる思いがあります。
経緯と致しまして、上映作品の選定時に『主戦場』が候補にあがり、作品をとりまく提訴の状況も踏まえて、一旦は上映の申し込みを進めていくことを判断しましたが、共催者の一員である川崎市からの懸念を受けました。上映時に起こりうる事態を想定し、私たちができうる対策を何度も検討した結果、今回は上映を見送らざるを得ないと判断をさせていただきました。
一旦は上映を決定した私たちの判断に不手際があったことは認めざるを得ませんし、それにより配給会社東風さまにもご迷惑をおかけしたことを申し訳なく思っております。》
https://www.main.siff.jp/release?fbclid=IwAR3f-2VQ9p_ZSeQRgbMSuzqQpet_zTc0ziQoHlyG6D-b-wpe-3zLR6152ro
これに黙っていなかったのは「止められるか、俺たちを」の監督・白石和彌と脚本・井上淳一、同作及び「11,25自決の日~三島由紀夫と若者たち」製作の若松プロダクションだった。「KAWASAKIしんゆり映画祭」で「主戦場」が共催の川崎市からの「懸念」を受け上映を中止していたことに抗議し、しんゆり映画祭での「止められるか、俺たちを」「11,25自決の日~三島由紀夫と若者たち」の上映を取り止めることを決め、激烈なる声明を発表した。一部を引用しておこう。
《今回の川崎市による「訴訟になっている作品を上映することで、市や映画祭も出演者から訴えられる可能性がある、市がかかわる映画祭で上映するのは難しいのではないか」という「懸念」は明らかに公権力による「検閲」「介入」であり、映画祭側の「出演者に訴えられている作品は上映しないことにした。電話対応に追われるなどのリスクが想定される中、来場者の安全を確保できない事態も考えた。映画祭存続のための、やむを得ない判断」という上映中止の判断もまた、過剰な忖度により、「表現の自由を殺す行為に他なりません。
公開から半年間、一度も「来場者の安全」を脅かすことなく上映されてきた映画『主戦場』が、しんゆり映画祭での上映の際に一体どんな「安全を確保できない」事態が想定され、起こりうるというのでしょうか?
今回の問題は、「あいちトリエンナーレ2019」の「表現の不自由展・その後」の中止と化庁が決定した補助金不交付問題、さら化庁所管の独立行政法人「日本芸術化振興会」が、麻薬取締法違反で有罪判決を受けたピエール瀧氏が出演する「宮本から君へ」の助成金交付内定を「国が薬物を容認するようなメッセージを発信する恐れがある」との理由で取り消した問題など、一連の問題の延長線上にあることは疑いようがありません。
このようなことが続けば、表現する側の自主規制やそれを審査や発表したりする側の事前検閲により、表現の自由がさらに奪われていくことになるでしょう。これが敷衍すれば、例えば、『主戦場』のような映画の上映会が「政治的」という理由から公民館など公共の施設で行えないということにもなりかねません。》
ここも重要である。
《なお、仮に『主戦場』が全く同じ主題を扱いながら真逆の主張に結論づけられる映画だったとしても、我々は同じ行動を起こしていたことを念のため付言させて頂きます。》
http://tomeore.com/
「主戦場」の配給会社である東風も「合同会社東風 一同」として「〈『主戦場』上映見送りについて、KAWASAKIしんゆり映画祭の見解〉に対して」を発表している。
《…観客・スタッフの安全面での懸念については、東風がこれまでのノウハウを提供し、できる限りの協力をするとお伝えしました。現に『主戦場』は全国50館以上の様々な劇場で上映されていますが、これまで大きな混乱は一切ありません。
ですから、今回の『主戦場』上映中止の最大の理由を「安全上の懸念」であると言うのは、問題の本質をすり替えることだと考えます
 そして何より失望を禁じ得なかったのは、「一旦は上映を決定した私たちの判断に不手際があったことは認めざるを得ません」という一節です。これは「市民(みんな)がつくる映画のお祭り」を標榜してきた映画祭の存在意義を自ら否定するに等しい言葉で、残念でなりません。》
https://www.facebook.com/247760169438441/posts/389104808637309?sfns=mo
想田和弘は唖然としている。
《映画祭の欺瞞に満ちた対応に映画人の一人として唖然としています。表現の自由とカネの問題を警備の問題にすり替えるという、あまりにも陳腐な権力者の手口をコピーしちゃって。悲しいですよ、これ。》
https://twitter.com/KazuhiroSoda/status/1188911311066939392
若松プロダクションの二本の映画が映画祭をボイコットするのは、「役者・井浦新の軌跡」という特集での上映であっただけに「しんゆり映画祭」にとって大きな痛手であることは間違いあるまい。井浦新も《大切なお知らせ》をツイートしている。
《KAWASAKIしんゆり映画祭での特集上映『井浦新の軌跡-止められるか、井浦新を-』で上映予定していた若松プロの2作品は映画【主戦場】上映中止の判断に抗議を表し上映を見送ることになりました。
詳しくは若松プロダクションの声明をご覧下さい。》
《ですが、是枝裕和監督作品【ワンダフルライフ】と甲斐さやか監督作品【赤い雪】は上映致します。明日のワンダフルライフ上映後には是枝監督と一緒に急遽ティーチインを行う予定です。多様な映画が集まるべき映画祭だからこそ抗議や行動もそれぞれの形があって良いと思っています。》
《上映を楽しみにして下さっていた皆様と準備に奮闘して下さった市民ボランティアの皆様にはこの様な結果になってしまい本当に申し訳ありません。見送った2作品は若松プロが責任をもって対応致します。新百合ヶ丘付近で上映とティーチインを考えているそうです。詳細決まりましたら報告させて頂きます。》
井浦新は止められてしまった形になりました。しんゆり映画祭で準備に汗かいて頑張ってる市民ボランティア・スタッフの皆さんと若松プロダクションのせいではありません。一部の人たちの忖度によって起きたこの結果に正直身を引き裂かれる思いです。だからこそ自分は参加することで問いたいと思います。》
https://twitter.com/el_arata_nest/status/1188751648094425089
https://twitter.com/el_arata_nest/status/1188751656990593024
https://twitter.com/el_arata_nest/status/1188751660111167488
https://twitter.com/el_arata_nest/status/1188751662992637952
ドキュメンタリー映画のプロデューサーである大澤一生が「『沈没家族 劇場版』しんゆり映画祭への対応」を連続ツイートしている。
《KAWASAKIしんゆり映画祭の『主戦場』上映取りやめを取り巻く状況を受け、私たちは“表現の自由への萎縮”への加担に抗議しつつ、結論としてボイコットせず上映決行の判断をしました。しかしながら期間中の“オープンな対話の場”開設を強く求めます。》
《『主戦場』上映を一度決定しながら、共催である川崎市からの“懸念”に対してのあっさりとした屈服、また危機管理への意識はあれど調査や体制準備の努力不足等、“表現の自由”の安易な放棄としか思えない事なかれ主義に対してまず強く抗議します。》
《しかしながら、いかに無自覚に無責任に“表現の自由への萎縮”に加担した映画祭であっても、映画そのものを観る機会を失わせてはならない、その機会を確保することによる“表現の自由”を選択することにしました。》
《この決定には、しんゆり映画祭スタッフの皆さまの日々の尽力が影響しております。2回だけの上映のために対談ゲストとの交渉やオリジナルの掲示物の作成等、まさに市民による映画祭でしかなし得ない上映の形を私たちは楽しみにしてまいりました。》
《映画を作ったのは製作者ですが、映画そのものを成り立たせるのは上映の場であり、観て頂く観客の皆さまです。市民スタッフが準備して頂いたこの機会を自らの手で奪うほどの“表現の自由は考えられませんでした。結論として予定通り2回上映致します。
《上映決行の決断したのは、映画祭の市民ボランティアスタッフ皆さまの尽力が伝わったから。2回の上映のためにこんなものまで用意してくれていて、既に私たちだけの映画ではなかったからです。表現の自由”についてはオープンな場を作りそこで語ります》
https://twitter.com/nondelaico/status/1188688482190839808
https://twitter.com/nondelaico/status/1188689512068550657
https://twitter.com/nondelaico/status/1188689567894761472
https://twitter.com/nondelaico/status/1188689836011442176
https://twitter.com/nondelaico/status/1188689909235642369
https://twitter.com/nondelaico/status/1188743697900302337
神奈川新聞は10月28日付で「慰安婦題材『主戦場』 上映中止は『知る権利の放棄』」を掲載している。
《…同映画祭のゲストとして登壇したジャーナリストの金平茂紀んが27日、「表現の自由と知る権利を放棄するものだ」と上映中止に抗議の意思を示した。主催のNPO法人と共催である川崎市双方を批判した上で「権利侵害を問いただす動きが市民の側から出てほしい」と観客に呼び掛けた。》
https://www.kanaloco.jp/article/entry-204810.html
井上淳一は自らのフェイスブックに「声明」とともに自らの見解も公開している。そこには、こういうくだりがある。
《この決定に至る話し合いの中で一番ネックになったのが、お客さんから映画を観る機会を奪っていいのかという問題でした。しかし、「あいちトリエンナーレ」の問題から始まる一連の流れがさらに続けば、映画祭や公共の施設での上映が出来ない映画がさらに増え続け、お客さんから映画を観る機会をさらに奪うことになると考えました。今こそ、ここで声を上げなければ。この問題が起こった映画祭で『止められるか、俺たちを』が上映されるのも、なにかの運命。もしかしたら、若松孝二監督が僕たちを試しているのかもしれません。
当事者でない時には何とでも好き勝手言えます。残念ながら、僕たち以外に上映を取り止めた映画はまだありません。今こそ連帯すべき時なのに。お客さんファーストがネックだと、みな、一様に言います。しかし、それを理由に一番無難な選択をしているとしか、僕には思えません。
映画祭はその逆で、「来場者の安全を確保できない事態を考え」とお客さんファーストを理由に『主戦場』の上映中止を決めたのです。僕には「お客さんファースト」という便利な言葉を戦わない理由に使っているとしか思えません。少なくとも、「あいちトリエンナーレ」や『宮本から君への』の問題に憤っていながら、全く同じ問題を孕む今回の映画祭での上映を止めない映画や製作者は、ごく控えめに言って、クソです。》
https://www.facebook.com/junichi.inoue.35/posts/2058626330904359
これは白石和彌のツイートである。
《しんゆり映画祭、上映取り止めに当たり、同映画祭期間中に『止められるか、俺たちを』『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』の無料上映会をします。また、前売り券等の払い戻しに関しましては若松プロダクションで負担させて頂きます。詳細は決まり次第発表します。》
https://twitter.com/shiraishikazuya/status/1188679521832034306
今から半世紀前になるが、カンヌ国際映画祭が中止されたことがある。「AFP BB NEWS」は2008年5月13日付で「史上初めて会期途中で映画祭が中止、カンヌを震撼させた『1968年』」を公開している。
《第21回カンヌ国際映画祭が開幕し、9日目のことだった。ジャン・リュック・ゴダールJean-Luc Godard)がベルベットのカーテンにつかまり、コンペティション部門に出品されていたカルロス・サウラ(Carlos Saura)の作品の上映を中止させようとしたのだ。
映画祭を中止に追い込むためカンヌに送られたのは、ヌーベル・バーグ運動の中心的人物だったゴダールフランソワ・トリュフォー( Francois Truffaut)。2人はフランスで行われていた「学生と労働者の運動と連帯して」、映画制作の手法を改革し、カンヌ映画祭中止させようとしたのだった。この行動を支持したモニカ・ヴィッティ(Monica Vitti)、テレンス・ヤング(Terence Young)、ロマン・ポランスキーRoman Polanski)、ルイ・マル(Louis Malle)は審査員を辞退した。》
https://www.afpbb.com/articles/-/2390505
荒井カオルが次のようにツイートしている。
《「KAWASAKIしんゆり映画祭」の共催団体には、芸術系の大学が2校名前を連ねている。「共催から名前をハズすように」と主催者に申し入れて、映画祭への参加自体をボイコットしてもいいとすら思う。こんな先例を看過したら、今後「前例がありますから上映できません」と小役人の方便に使われてしまう。》
https://twitter.com/araikaoru/status/1188730498782117888
ちなみに「東風が西風を圧倒する」とは「毛沢東語録」における、あまりにも有名な一節だが、ゴダールがジガ・ウェルトフ集団として撮った異形の西部劇も「東風」というタイトルであったことを銘記しておくべきだろう。更に加えて言えば、「毛沢東に学ぶ勝利のビジネス方程式」なる異形のビジネス書があることも付記しておくか。私が「東風女子の会」を騙ってデッチあげた一冊である。
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784864084239

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3)【本日の一行情報】

◎「PRESIDENT Online」が10月28日付で経営共創基盤CEO冨山和彦の「なぜ『世界に冠たる企業』は日本から消滅したか」を掲載している。
《ゲームチェンジが起こったのは90年代前半、日本が平成に入った頃です。2つの大波がほぼ同時に押し寄せてきました。
1つは、グローバル社会です。約40年つづいた米ソ冷戦が終結、国際的な交通や通信が整備されてヒト、モノ、カネ、情報が国境を越えて動き出します。その結果、国際分業などの経済活動が飛躍的に進展しました。
もう1つの大波はデジタル革命です。コンピュータやインターネットの利用が急速に進み、世界はIT社会に突入しました。この大波にエレクトロニクス分野などは瞬く間に飲み込まれ、従来のビジネスは跡形もなく一掃されました。たとえば、日本が得意とした垂直統合型のテレビ事業は、いまや地球上に存在しません。その後は自動車、重電、医療、サービスまで大きく変容しています。このグローバル化とデジタル化は、過去の環境とは連続性がない“破壊的イノベーション”でした。》
https://president.jp/articles/-/30443
日本の企業はグローバル化とデジタルシフトに対応できなかったのである。日本企業の、私に言わせれば「鎖国主義」は「生産」は得意だったけれど、「サービス」は苦手だったのである。グローバル化とデジタルシフトは日本という例外(=島国)を認めなかったのである。グローバル化とデジタルシフトの日本化を困難にしたと言っても良いだろう。

◎11月3日(日曜日)、おもしろ同人誌バザール実行委員会(主催・サークル「版元ひとり」、運営事務局・株式会社ユータック)は、神保町で、情報系同人誌&インディーズ本の展示即売会「おもしろ同人誌バザール8」を開催する。会場となるのはベルサール神保町とベルサール神保町アネックス。大阪サテライトとして大阪写真会館でも開催される。
https://www.dreamnews.jp/event/6204/

◎宝島社が保有する北欧デザインのブランド「kippis」(キッピス)は、江崎グリコと提携し、「kippis」のデザインを使用したフルーツヨーグルト「朝食りんごヨーグルト」シリーズ3種とコラボレーションパッケージを制作し、全国のスーパーマーケットにて、2019年11月4日より順次発売する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000940.000005069.html

◎「GOTH リストカット事件」や「失はれる物語」で知られる乙一の4年ぶりの書き下ろし長編小説「小説 シライサン」が11月21日(木)にKADOKAWAから発売される。「小説 シライサン」は2020年1月10日(金)に公開される映画「シライサン」の原作小説である。この映画の監督・安達寛高は何と乙一自身なのである。コミカライズ版「シライサン ~オカルト女子高生の青い春~」は扶桑社から刊行される。乙一押井守の娘聟である。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000006409.000007006.html

白泉社が運営する総合エンタメアプリ「マンガPark」に連載中の玖保キリコのマンガ「進め!カンデム地球防衛隊」がLINEスタンプになって発売された。これ、良いな。オレは玖保キリコファンである。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000061.000046848.html

◎ディップは、「その経験が夢につながる」をコンセプトとした「ドリームバイト」の新企画として、ぴあとタイアップし、雑誌「春ぴあ(首都圏版)」の撮影モデルになれるアルバイトの募集を開始した。待遇は日給3.3万円(全国どこからでも交通費を支給/宿泊が必要な場合は宿泊費も支給)。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000932.000002302.html

◎モノスデザインは、参加型イベントやARを活用し検討から購入までシームレス体験ができるニューファミリーに向けた新世代雑誌「MAU」(マウ)を10月31日(木)に創刊する。「MAU」にはインフォテックスのブラウザ型マーカーレスARが導入され、誌面から購入までできるシームレスな体験を実現し、面倒な専用アプリなどは必要なく標準カメラでQRコードを読み込むだけで使用できるようになるそうだ。Webメディア、SNSも同時にスタートという。910円+税。2月、4月、8月、10月の刊行を予定しているようだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000047625.html
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000047376.html

毎日新聞が10月28日付で「地方紙廃刊相次ぐ米の実情 取材空白地増え、はびこる汚職」を掲載している。
《インターネットの普及や経営難を理由とした地方紙の廃刊が米国で相次ぎ、地元に新聞のない「ニュース砂漠」が広がりつつある。新聞記者の空白地となった街で起きたことは何か。大統領の2倍の報酬を得ていた市幹部の汚職を暴いた元ロサンゼルス・タイムズ紙の男性記者にインタビューした。》
https://mainichi.jp/articles/20191028/ddm/004/030/006000c

◎「ブルームバーグ」が10月26日付で「フェイスブック、新ニュース配信サービスを試験導入-掲載料支払い」を掲載している。
《米フェイスブックは25日、ニュース配信サービスを米国で試験的に開始したと発表した。アプリ内にニュース専門欄を設けた。記事の配信元には掲載料を支払うとした。》
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2019-10-26/PZYP4S6S972801
「JBpress」は10月29日付で「フェイスブックが米国でニュース配信を開始 有力メディア多数参加、見返りは数十万~数百万ドルの掲載料」を公開している。
スマートフォン向けアプリの中にニュース専用タブを設け、そのトップ画面ではジャーナリストなどで構成する専門の編集チームが選んだニュースを配信する。「ビジネス」「エンターテインメント」「健康」「科学・テクノロジー」といったトピックの選択機能も用意する。
これは「フェイスブック・ニュース」と呼ぶサービスで、今のところ一部の利用者に提供しているが、順次対象者を増やしていく。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、当初は20万人が対象だという。》
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/58089
「WIRED.jp」は10月28日付で「『Facebook News』の開始で、フェイスブックは“プラットフォームとしての責任”を果たせるか」を発表している。
Facebook「News」タブをクリックすると、数多くの「信頼できる情報源」からフェイスブックが厳選したトップニュースが表示される。ここに表示される記事を提供するのは、『ニューヨーク・タイムズ』から「BuzzFeed」まで、承認を受けたパブリッシャーに限られる。
だが、このなかに右派系サイト「Breitbart」(ブライトバート)が含まれたことで、ニュースの信頼性は一部の人々にとって損なわれたと言える。Breitbartは白人ナショナリズム支持者の主張や陰謀論、怪しい内容の偏った政治コンテンツを積極的に掲載することで知られている。》
https://wired.jp/2019/10/28/facebook-tries-again-news-paying-publishers/

◎「BLOGOS」の「ネットメディアの現在地」にスマートニュース社が調査報道を支援するために設立した子会社「スローニュース」の代表をつとめる瀬尾傑が登場している。瀬尾の次のような現状認識には同意できる。
《新聞的弟制みたいなものが時代に合わなくなっているというのも事実だと思います。これは日本のジャーナリズムの問題点のひとつでもあるのですが、新聞社も出版社も、人材育成は社内のOJTがメインです。しかし、その閉鎖的な教育システムが時代の変化に対応できなくなってきている面がある。今後は個別の企業に任せるのではなく、大学や、メディア企業が共通で人材を育てていく枠組みを作る必要があります。》
「オープンジャーナリズムという手法」にも注目したい。
《従来のジャーナリズムでは、取材の方法論についてはクローズにすることが一般的でしたが、オープンにして、たとえば地方の首長や議員についても各地のジャーナリストに調査してもらえればと思っています。このような、オープンジャーナリズムという手法を進めることで、社会を変えるような、より大きな力を育てられると考えています。》
https://blogos.com/article/413519/

◎「MarkeZine」は10月29日付で「クックパッドが味の素、花王と展開した“課題解決型”マーケティング 5,400万人のデータは何を語る?」を発表している。
クックパッドビッグデータからは、生活者のその時々のニーズや困りごとを垣間見ることもできる。クックパッドでは年間16億回の検索が行われ、検索結果のバリエーションは12万語にも及ぶ。同社はこの検索データを分析し、マーケティング支援を行っている顧客企業に生活者のインサイトを伝えている。》
https://markezine.jp/article/detail/32147

朝日新聞デジタルは10月28日付で「NHKがN国・立花氏を提訴 受信料の支払い求め」を掲載している。
参議院議員会館(東京都千代田区)に設置したテレビの受信料を支払っていないとして、NHKは28日、NHKから国民を守る党(N国)の党首で前参議院議員の立花孝志氏(52)に対し、受信料の支払いを求める訴訟を東京地裁に起こし、発表した。》
https://www.asahi.com/articles/ASMBX532WMBXUCVL015.html

台風19号多摩川が決壊し、二子玉川近辺が水浸しになっているテレビ映像を見ながら、多摩川の激流にマイホームが飲み込まれてゆくオープニング映像が鮮烈であった「岸辺のアルバム」の八千草薫を私は思い出していた。「岸辺のアルバム」の舞台となったのは、小田急線の和泉多摩川であったけれど…。山田太一の代表作でもある「岸辺のアルバム」をもう一度見たいものだと思っていた、そんなときである、八千草薫の訃報に触れたのは。
朝日新聞デジタルは10月28日付で「八千草薫さん死去『岸辺のアルバム』『雪国』代表作多数」を掲載している。
《可憐な娘役から上品な母親役、そして優しい祖母役まで、映画やテレビ、舞台で息長く活躍した俳優の八千草薫(やちぐさ・かおる、本名谷口瞳〈たにぐち・ひとみ〉)さんが24日、膵臓(すいぞう)がんのため死去した。葬儀は近親者で済ませた。88歳だった。》
https://www.asahi.com/articles/ASMBX52PYMBXUCLV00Q.html
寺山修司の映画「田園に死す」の八千草も忘れられない。
亡き母の真つ赤な櫛を埋めに行く恐山には風吹くばかり
針箱に針老ゆるなりわれとわが母との仲を縫い閉じもせず

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4)【深夜の誌人語録】

前に進めなければ、横に進めば良い。