【文徒】2019年（令和元）11月19日（第7巻209号・通巻1629号）

Index------------------------------------------------------
１）【記事】沢尻エリカ　麻薬所持の疑いで逮捕
２）【本日の一行情報】
３）【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2019.11.19 Shuppanjin

１）【記事】沢尻エリカ　麻薬所持の疑いで逮捕

「NHK NEWS WEB」は11月17日付で「沢尻エリカ容疑者『私の物に間違いない』麻薬所持の疑いで逮捕」を発表している。
《沢尻容疑者は、「新宿スワン」、「クローズド・ノート」、それに「パッチギ！」など人気映画に多数出演しています。
このうち、平成24年に公開された映画「ヘルタースケルター」では、主人公のモデル役を演じ、日本アカデミー賞の優秀主演女優賞を受賞しています。
また、来年放送されるＮＨＫの大河ドラマ「麒麟がくる」にも織田信長の妻、「帰蝶」の役で出演することが決まっていました。》
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191116/k10012179901000.html
TBSは逮捕前夜の沢尻エリカ容疑者の姿を撮影していた。
https://www.youtube.com/watch?v=K3Xf1coeRV4
タクシーに乗り込み渋谷のクラブに向かった。渋谷のクラブ内の沢尻エリカ容疑者をカメラに収めたのは文春砲だ。
https://bunshun.jp/articles/-/15553
TBSにしても「週刊文春」にしても、何らかの情報提供を受けていなければ、逮捕前日の沢尻をカメラに収めることはなかったろう。「リテラ」が11月17日付で「沢尻エリカMDMA逮捕で警視庁組対5課がTBS、文春に露骨な事前リーク！ 清原、ASKA逮捕に続き…」を発表している。
《YoutubeにアップされたTBSの動画には「これだ、これだ！来た！」という現場の記者の声が入っていることから、明らかに逮捕を想定して張り込んで撮影したことがわかる。》
《しかも、記事によれば、「週刊文春」は沢尻本人がクラブに到着するより前から、記者を当該クラブに先回り入店させ、張り込んでいたという。》
https://lite-ra.com/2019/11/post-5096.html
東ちづるの次のツイートが話題になっている。「いいね」が12.3万。
《法を犯した芸能人の逮捕に、必要以上に大騒ぎしなくていいです。私たちの暮らしに支障はありません(擁護ではありません)。
騒ぐべきは、政治家や特権階級の人たちが法を犯しても逮捕されてない現実にです。私たちや子どもたちの未来に関わってきます。》
https://twitter.com/ChizuruA1/status/1195626731152887808
哲学者の国分功一郎が東のツイートを次のように書いて紹介している。
《東ちづるさんには一度ジャーナリストの集う研究会でお目にかかりました。知識と信念のある人は然るべき時に然るべきことを発言する。》
https://twitter.com/lethal_notion/status/1196067829335805953
デイリー・スポーツが11月16日付で「東ちづる　騒ぐべきは逮捕された芸能人でない…法を犯しても逮捕されない政治家こそ」を掲載している。
https://www.daily.co.jp/gossip/2019/11/16/0012882635.shtml
それはそうだ。まあ、NHKの大騒ぎは致し方あるまい。日刊スポーツが1月17日付で「沢尻激震ＮＨＫ大河『麒麟がくる』異例の開始延期も」を掲載している。
《沢尻エリカ容疑者の逮捕を受け、重要役で出演予定だった来年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」（1月5日スタート、日曜午後8時）の放送開始日が遅れる可能性もあることが17日、分かった。沢尻容疑者は初回から登場予定だった。》
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201911170000758.html
「パッチギ！」の沢尻エリカは、「キューポラのある街」の吉永小百合に匹敵する輝きを放っていた。井筒和幸の「パッチギ！」は1968年を舞台にした映画である。
https://eiga.com/movie/41436/
https://movie.walkerplus.com/mv20437/
「80年代音楽解体新書」(彩流社)のスージー鈴木も「パッチギ！」を絶賛している。
《映画『パッチギ！』がマイ・オールタイム・フェイバリット・ムービーであることは変わらない。たとえ主演級の４人が、沢尻エリカ、高岡蒼甫、塩谷瞬、小出恵介だったとしても。》
https://twitter.com/suziegroove/status/1196233671805558784
「パッチギ！」の主要キャストはみんな不祥事を起こしている！
毎日新聞グループホールディングス取締役の小川一も「パッチギ」でオレと同じような衝撃を受けたようだ。
《映画「パッチギ」で彼女を見た時、天使が舞い降りてきたのかと思いました。あの名作で好演した俳優は、その後、演技よりもゴシップやスキャンダルの話題が先行してしまい、とても残念です。》
https://twitter.com/pinpinkiri/status/1195822641111691264
高橋源一郎のこんなツイートを発見！
《沢尻エリカの濃姫、久しぶりに見たいと思った大河なんだが、見るのは無理か。やっぱり代役になるのかねえ。(1)若手(2)華がある(3)演技がうまい(4)主役もできる(5)しかもスケジュール空いてそう。となると、「のん」さんしかいないんじゃないの?》
https://twitter.com/takagengen/status/1196215160848830464
民主党政権で首相をつとめ「桜を見る会」を主催した鳩山由紀夫までツイッターで発言している。
《沢尻エリカさんが麻薬で逮捕されたが、みなさんが指摘するように、政府がスキャンダルを犯したとき、それ以上に国民が関心を示すスキャンダルで政府のスキャンダルを覆い隠すのが目的である。私も桜を見る会を主催したが、前年より招待客を減らしている。安倍首相は私物化し過ぎているのは明白である。》
https://twitter.com/hatoyamayukio/status/1196425908527095808

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２）【本日の一行情報】

◎西島大介がベトナム戦争を描いた「ディエンビエンフー」は、小学館の「月刊IKKI」で連載され、単行本も小学館から12巻が刊行されたが、雑誌の休刊とともに発表の場を双葉社に移し、「ディエンビエンフー TRUE END」計3冊をもって完結した。しかし、「ディエンビエンフー」1巻から6巻は新装版が発売されているが、7巻から12巻は入手困難な状態になっていた。そうしたなか西島は個人電子出版レーベル・島島を立ち上げて、「月刊IKKI」版の全12巻を「ディエンビエンフー 完全版」としてリリースした。
https://natalie.mu/comic/news/355430
西島大介は「note」に「『ディエンビエンフー 完全版』全12巻電子書籍リリースに関する覚え書」を発表している。
《僕は『ディエンビエンフー』の小学館から双葉社への移籍の間、つまり「出版権」が一度失効し他社に移る前のタイミングで、製版データ、および本編の全PDF、一部のフォント、カバーの着彩データなどを印刷所から購入していた。これにより、生原稿からの再スキャンや写植を打ち込みレイアウトをする作業が発生しないため、電子化への手間は大幅に軽減された。》
https://note.mu/dbp65/n/nc9715320f861

◎「NIKKEI STYLE」が「歴代の本屋大賞作品から選ぶ　読書家おすすめの10冊」で第1位となった三浦しをんの「舟を編む」（光文社文庫）だが、記事の掲載後、全国の読者・書店より注文が殺到しており、3万部の緊急増刷が決定したそうだ。文庫版は16刷目、四六判との累計で139万7千部を記録したことになる。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000222.000021468.html

◎朝日新聞社が運営するwebメディア「withnews」が５周年を迎え、月間平均5000万PVのサイトに成長した。これを記念して女優・創作あーちすと「のん」をゲストに招き、ネットでの情報発信について考える記念イベントを11月28日に開催する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000768.000009214.html

◎磯山友幸が「PRESIDENT Online」に11月15日付で「『過去最悪222万部減』新聞はもう要らないのか　なぜ新聞だけが『軽減税率』なのか」を寄稿している。
《明らかなのは、世の中から「紙の新聞」が姿を消そうとしているということだ。大学生や20代の社会人は紙の新聞をまず読まない。定期購読しているのは比較的年齢が高い層の家庭で、しかも、団塊の世代が70歳代半ばに差し掛かるとともに、新聞の購読を止める人が増えている。》
新聞の購読料は高いと思う。朝日新聞と毎日新聞が月額4037円、読売新聞が4400円、日本経済新聞が4900円。
《どうせ軽減税率を主張するのならば、紙の新聞だけを守るような要望をするのではなく、インターネットメディアなど、本当に国民が必要としている「知識・教養を広く伝える公共財」すべてを対象にするよう求めるべきだったろう。「紙の新聞だけ」という特別扱いに安易に飛びついた新聞界は、その焦りばかりが目立つ。》
https://president.jp/articles/-/30776
私は商売柄、仕方なく新聞を購入しているが、この稼業を辞めたならば即座に新聞と、おさらばするつもりである。水道料金に軽減税率は適用されずに新聞は適用されてしまったわけである。新聞は軽減税率が適用されたにもかかわらず、料金のみならず頭も高い。私は新聞人の偉そうなのも嫌なんだよね。

◎ぴあグループは、2019年度第2四半期の決算を発表した。売上高は前年同期比7%減の883億円、営業利益は19%減の6億9600万円、純利益は41%減の3億2400万円。前年同期比では、音楽ジャンルを中心に大規模興行が少なかったこと、前年にはなかった新規事業の立ち上げ経費等により、売上高・営業利益とも前年度実績を下回る水準となった。
https://corporate.pia.jp/news/detail_20191114ir.html

◎片岡物産は、「ココアで美しく健康に！」をテーマに、バンホーテン ココアと、漫画家の美内すずえによる少女漫画「ガラスの仮面」がコラボしたTVCM「バンホーテンな運命 篇」を11月15日（金）より関西地域限定で放送している。また特設サイト及びYouTubeチャンネル上にて、WEB限定ムービー「かけホーテン 篇」を11月15日（金）0：00より公開している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000029838.html

◎「ダイヤモンド・オンライン」は11月15日に公開した「創業80年の農業雑誌、出版不況にびくともしない『普及力』の秘密」で農山漁村文化協会（農文協）を紹介している。
《農文協が発行する代表的な雑誌『現代農業』『季刊地域』『うたかま』の発行部数はトータルで20万部ほど。しかも、定期購読の割合が7割、残り3割が書店売り上げで、広告は大手メーカーというよりは、農業関係などの専門業者の広告が多く並ぶため、いい意味で広告売り上げに頼っていない。年間購読が基盤となっているため他の出版社に比べて経営しやすいのが強みだ。また、雑誌や書籍などのコンテンツを起点に、神保町にある書店「農業書センター」を運営していたり、映像、イベントと多角的に事業を行っていたりするところも特徴的だ。》
https://diamond.jp/articles/-/219744

◎小学館の女性ファッション誌「Oggi」は、LINEが展開する「LINE MOOK」に参画し、11月12日（火）より、LINE公式アカウントを通じた配信を開始している。「Oggi MOOK」では「Oggi」本誌のダイジェストやオリジナルコンテンツ、Oggi専属モデルズや人気タレントのエクスクルーシブな情報を、毎週土曜21時頃に無料で配信する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000446.000013640.html

◎「Engadget 日本版」は11月15日付で「2019年Q3のスマートスピーカー市場はAmazonが圧勝。Googleは4位転落」を公開している。Amazonは市場シェア36.6%。Googleは中国のAlibaba、Baiduに抜かれてしまった。
https://japanese.engadget.com/2019/11/15/2019-q3-amazon-google-4/

◎角川文庫は、 毎年のジャンル別ベスト作品を発表する恒例企画を、 今年は「カドカップ2019」として11月14日(木)より全国の書店にて順次開催している。「2019年総合部門」の金メダルに輝いたのは、 大ヒット公開中の映画原作にして65万部突破の新海誠「小説 天気の子」。銀メダルは宮部みゆき「三鬼　三島屋変調百物語四之続」。銅メダルは米澤穂信「いまさら翼といわれても」。
https://features.kadobun.jp/kadofes/winter/
https://getnews.jp/archives/2281202

◎マガジンハウスが運営する「Tarzan Web」内に新コーナー「ブログ」が開設された。
https://tarzanweb.jp/category/blog/

◎学研プラスは、11月21日（木）にオリジナルトートとDVDがついたひつじのショーンのスペシャルムック「Gakken Mook ひつじのショーンスペシャルブック」を発売する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002468.000002535.html
ひつじのショーンはイギリスの1話7分のショートアニメのキャラクターである。

◎「ORICON NEWS」が「『少年ジャンプ』全世界対象のマンガアプリ配信の背景 海賊版サイトの脅威を『可能性に』」を公開している。
《籾山氏は『MANGA Plus』をスタートさせた理由のひとつに海賊版サイトの存在をあげる。「海賊版を可能性に、というのも変なんですが、最新話が日本と同時に読める国と地域は10から15ヶ国くらいしかなかったんです。ほとんでの国では海賊版でしか読むことができず、それをなんとかしたいというのも背景にあったんです」と説明する。》
https://www.oricon.co.jp/news/2148755/full/
「籾山氏」は「少年ジャンプ＋」副編集長の籾山悠太のことである。マンガ配信アプリ「MANGA Plus 」は、英語・スペイン語に翻訳した作品の最新話が「週刊少年ジャンプ」の発売日にあわせて無料で読むことができるサービスであり、アメリカ、メキシコ、スペイン、インドネシア、タイで125万人までユーザーを増やしている。

◎ミクシィは、ネットドリーマーズの全株式を取得し子会社化する。ネットドリーマーズは競馬メディア「netkeiba.com」の運営が主力事業だが、ベースボール・マガジン社と提携した野球メディア「週刊ベースボールONLINE」、実業之日本社と提携したゴルフメディア「ワッグルオンライン」、サッカー専門誌と連携した「速報！サッカーEG」などの事業も展開している。
https://mixi.co.jp/press/2019/1115/3873/index.html

◎きらたかしが「漫画アクション」（双葉社）で連載している「ハイポジ」（双葉社）が、テレビ大阪制作の土曜深夜の「真夜中ドラマ」第４弾としてドラマ化されることになった。「ハイポジ」は１９８６年にタイムスリップした主人公が二回目の高校生活を送ることになるという設定の作品である。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000552.000020945.html

◎大塚英志事務所のアカウントはヤフーとLINEの経営統合のニュースに触れて、次のようにツイートしている。
《出版業界は巨大プラットフォームに飲み込まれるか、消えていくかしかないことは多分、この業界の人はみんな分かっていて、物書きの多くが紙の本にせよ同人誌にせよ電子書籍にせよ、自分で自分の本出してくしかないよな、と覚悟は決めているはず。というか、もうそうなりつつある。》
https://twitter.com/MiraiMangaLabo/status/1196246921670610944

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３）【深夜の誌人語録】

好きを大切に。