【文徒】2020年(令和2)1月9日(第8巻4号・通巻1661号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】スタニスワフ・レム「完全な真空」が庫化された!
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2020.1.9 Shuppanjin

1)【記事】スタニスワフ・レム「完全な真空」が庫化された!

スタニスワフ・レムは「ソラリス」で知られる20世紀を代表するポーランドのSF作家である。「ソラリス」は、アンドレイ・タルコフスキーによって映画化されている。
https://www.hayakawa-online.co.jp/shop/shopdetail.html?brandcode=000000012658&search=%A5%BD%A5%E9%A5%EA%A5%B9&sort=
http://www.imageforum.co.jp/tarkovsky/wksslr.html
スタニスワフ・レムの「完全な真空」が河出庫になった。これは事件だ!翻訳者のひとりとして名を連ねるロシア・東欧学研究者沼野充義は「ソラリス」によって人生が大きく変わったと言って憚らないことは、よく知られた事実である。
http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309464992/
中森明夫がツイートしている。
スタニスワフ・レム『完全な真空』が河出庫に! 架空の本の書評集。和田誠さんとお話する機会があり、和田さんの『きなきな族からの脱出』(架空の小説の最終章集)が大好きです、レムみたいですねと言うと、レム? 何それ? と。あの本を褒めてくれたの河野典生とあなただけだよ、とおっしゃられた。》
https://twitter.com/a_i_jp/status/1214766333897789440
ジュンク堂書店プレスセンター店がツイートしている。
《河出庫の1月新刊が入荷しました。イチオシはこちら、スタニスワフ・レム著『完全な真空』。架空の書物について書かれた架空の書評集という風変わりな趣向のSF短編集です。日本版初版より30年の時を超えて庫化されました。》
https://twitter.com/presscenterten/status/1214471008205205504
こんなツイートも発見した。
スタニスワフ・レム『完全なる真空』のような超アヴァンギャルドな本が、ハンディな庫(河出庫)で出るというのは、なんと素晴らしい事か。この本は、存在しない本の書評集である。レムはSF作家だが、『虚数』と本書が、小説だと『天の声』『枯草熱』が最も先鋭的な本と言える。》
https://twitter.com/harapion/status/1214543257994031105
こんなツイートも。
《実在しない書籍の書評集。
国書刊行会から出版されたのが平成元年。今回が初めての庫化。
以前読んだ時、一生読むことが叶わない本の書評なんて、随分不思議な気持ちになった。
久しぶりに読むのが楽しみ!!》
https://twitter.com/aquamonkey324/status/1214489871483469824
更に、こんなツイートも。
スタニスワフ・レムの架空の書評集『完全な真空』がついに河出庫に! 奇書という言葉だけで片付けてしまうにはあまりにも惜しい1冊です。これまでこの本を知らなかったという方も、ぜひ庫化されたこの機会にいかがでしょうか。》
https://twitter.com/urabe_ryray/status/1214767075895345152

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2)【本日の一行情報】

毎日新聞統合デジタル取材センター記者の大村健一が面白いことを呟いている。
《マスメディア→ネットメディアの転職が増えた後、転職慣れした元々ネットメディアにいた記者はマスも含めた別メディアに転職し、トラブルでもなければ割とすぐには動かない元マスメディア社員がネットメディア古参組の大半を占めるようになるのは、沸点の違いを利用した石油の精製をイメージさせる》
https://twitter.com/k_oomura/status/1214333619147132928

◎「日経クロストレンド」が1月7日付で「『アナ雪2』も失敗 SNSの『仕込み』『ステマ』はどこまでOK?」を掲載している。福井健策弁護士は次のように語っている。
《我々は、広告だとか、関係者の発信だと思えば、ある程度「盛られているな」という前提で見ますよね。でも、利害関係のない第三者の発言ならば、それより信頼できると思いがちです。だから、クチコミサイトやレビューサイトはこれほど隆盛しているのですね。そこでクチコミを装った広告をやられると人々は誘導されますから、公平な判断ができなくなる可能性がある。》
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/skillup/00009/00082/

◎「デイリー新潮」が「電通が隠蔽していた『東京オリパラ』総合演出メンバーの『パワハラ懲戒処分』」を公開している。
《2020年、五輪イヤーの幕開けとともに、4年に1度の祭典に水を差すような話が聞こえてきた。その内容は、<東京オリンピックパラリンピックの4式典で全体の総合演出を務める菅野薫氏が、開閉会式プロジェクト内部でパワハラを行い、電通社内で懲戒処分を受けた。》
https://www.dailyshincho.jp/article/2020/01071100/?all=1
毎日新聞が1月7日付で「東京五輪・パラ、開閉会式の演出担当者が辞任 電通社内のパワハラで処分受け」を掲載している。
東京五輪パラリンピック組織委員会は7日、開閉会式の演出を担当する中心メンバーの菅野薫氏(42)が部下へのパワーハラスメントを理由に、所属する電通で懲戒処分を受けていたことを明らかにした。被害者は演出の実務作業を担当する電通のスタッフという。菅野氏は同日、演出担当の辞任を申し出て、組織委は受理した。》
https://mainichi.jp/articles/20200107/k00/00m/050/393000c
毎日新聞統合デジタル取材センター記者の大村健一が呟く。
《えっ!?って思った。人などの体の動きをデータ化してビジュアライズし、すさまじい作品を作り出してきた方。これはフェンシングの話だけど、Perfumeのsxswとか、、うーん。》
https://twitter.com/k_oomura/status/1214481503641460737

◎宝島社は、2020年1月7日(火)に恒例となった企業広告を新聞に出稿した。今年は、「長寿先進国、おめでとう。」(3ビジュアル)を読売新聞朝刊・毎日新聞朝刊・日刊ゲンダイ、「ハンマーを持て。バカがまた壁をつくっている。」朝日新聞朝刊、「次のジョブズも次のケネディも次のアインシュタインも、きっと、女。」日本経済新聞の合計5紙に同時掲載した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000975.000005069.html

◎「まいどなニュース」は1月6日付で「400年以上の歴史で初めての庫本創刊 老舗出版社があえて挑戦、その勝算は?」を公開している。
庫を創刊したのは、京都市下京区法蔵館。慶長年間(1596~1615年)創業の仏教書出版社兼書店を源流としており、出版界では日本でも有数の歴史を誇る。
同社は単行本サイズの本を中心に年60冊程度出版してきたが、これまで庫独自の流通経路を持たなかったため、庫本を定期刊行したことはなかった。ただ、「法蔵館が発行した単行本を庫本で読みたい」というニーズは高く、東京の大手出版社から庫化の依頼は多くあったという。》
https://maidonanews.jp/article/12993628

和月伸宏るろうに剣心明治剣客浪漫譚-」(集英社)の誕生25周年を記念し、4月24日より6月7日まで東京ドームシティ Gallery AaMo(ギャラリー アーモ)で「るろうに剣心展」が開催される。
https://www.crank-in.net/news/72561/1

◎「ヒカルの碁」「DEATH NOTE」「バクマン。」(集英社)などの大ヒット作で知られる小畑健の画業30周年を記念した原画展が大丸ミュージアム梅田〉において1月8日(水)~1月20日(月)まで開催されている。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000667.000025003.html

◎「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の吾峠呼世晴のマンガが原作のアニメ「鬼滅の刃」とローソンのコラボキャンペーンが、1月7日にスタートした。全国のローソン店舗で対象商品を購入すると、オリジナルクリアファイル(全5種)がもらえるほか、オリジナル商品の販売も行っている。
https://mantan-web.jp/article/20200106dog00m200046000c.html

◎宝島社の女性誌「大人のおしゃれ手帖」1月7日発売2月号の付録は「ハリス エレガントな3層バッグ」。
https://youpouch.com/2020/01/07/621796/

中央日報は1月7日付で「北朝鮮、NHKのミサイル誤報に『狡猾な日本の策略』 今ごろ非難…なぜ?」を掲載している。
北朝鮮官営「朝鮮中央通信」が6日、日本メディアのNHKが先月27日に北朝鮮がミサイルを発射したと誤報を流したことをめぐり「狡猾な策略」だったとの反応を遅まき出した。通信はこの日、「何を狙った誤報騒動なのか」というタイトルで掲載した論評で、NHKの誤報および訂正報道に言及しながら「いわゆる高度技術を誇る日本で頻繁に起きる誤報騒動を単なるミスや勘違いと見るには、その中に内在している悪心が非常に危険だ」と指摘した。》
https://japanese.joins.com/JArticle/261224

テレビ朝日ホールディングスは、バーチャルイベントプラットフォーム「cluster」を開発・運営するクラスターと資本業務提携契約を結んだ。
https://media-innovation.jp/2020/01/06/tv-asahi-formed-business-partnership-with-cluster/

講談社が正月に出稿した新聞広告から「一局」の雑誌は排除されていた。「一局」OBの元木昌彦は「日刊サイゾー」の「週刊誌スクープ大賞」に書いている。
講談社は「講談社大図鑑」と題して、池袋の新しいビルで、LIVEエンターテイメントを始める、女性向けWebマガジン『ミモレ』がサイトをオープンして5周年、2019年には講談社初となるニューヨークでのウォール広告を実現したなどと、近未来のイラストの上に、多くのことが謳ってある。
だが、その中に、週刊現代やフライデーのことは何もない。講談社にとっては、もはや昔の一局雑誌は、無いに等しいのだろうか。
いつだったか、だいぶ前に、出樋(だすぜ)一親週刊現代編集長が、一面広告に登場したことがあった。
彼が手を振り上げて「出すぜ!」という吹き出しが付いていた。
あれが現代が大きな話題になった最後ではなかったか。
元日、その出樋から年賀状をもらった。今年で講談社を離れると書いてある。あの彼も、退職していくのか。「現代は遠くなりにけり」か。やはり寂しい。》
https://www.cyzo.com/2020/01/post_227651_entry.html
講談社はマンガと投資を二本柱とした経営に舵を切ろうとしているのだろう。

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3)【深夜の誌人語録】

求めないけれど、諦めない。