【文徒】2020年(令和2)2月13日(第8巻27号・通巻1684号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】毎日新聞「『汚れた桜』取材記者が語る」について
2)【記事】元NHK会長と笑顔で写真に納まる相澤冬樹に三浦英之が違和感を表明
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2020.2.13 Shuppanjin

1)【記事】毎日新聞「『汚れた桜』取材記者が語る」について

毎日新聞は「『汚れた桜』取材記者が語る」を三回にわたって掲載している。前編は2月9日付「『脱法内閣』と言わざるを得ない三つの理由 『汚れた桜』取材記者が語る」、中編は2月10日付「在籍していたからこそ分かる記者クラブの内実」、後編は2月11日付「首相と記者の会食をどう考えるか 『汚れた桜』取材記者が語り尽くす」として掲載しているが、これはネットオリジナルの記事であろう。
毎日新聞出版から刊行した「汚れた桜『桜を見る会』疑惑に迫った49日」のプロモーションと毎日新聞統合デジタル取材センターの存在をアピールし、デジタル版の読者を獲得するという狙いも当然あってのことだろう。そうした「商業主義」を私は別に否定しようとは思わない。誰でもそうだが事実を報道するにしても意図はあるということである。
安倍晋三首相主催の「桜を見る会」の問題を描いた書籍「汚れた桜『桜を見る会』疑惑に迫った49日」(毎日新聞出版)の発売を記念して1月29日、毎日新聞統合デジタル取材センターの記者と読者が交流するイベントが東京都渋谷区の「BOOK LAB TOKYO(ブックラボトーキョー)」で開かれた。斉藤信宏センター長と、取材を担当する江畑佳明、大場伸也、吉井理記の3記者ラジオDJ・ライターのジョー横溝さんの司会で取材の経過や内幕を語った。》
https://mainichi.jp/articles/20200209/k00/00m/040/090000c
日本評論社の荻原弘和がツイートしている。この記事の「意図」通りの反応であろう。
《『汚れた桜』、気になる出版です。大好きな新宿御苑の桜を「汚れた」と表現するなんてと最初は思いましたが、そういうイメージにしてしまったのは誰か、どんな事実かと次第に本への関心が高まり…。巧妙なタイトルにもひかれます。》
https://twitter.com/nippyo_ogiwara/status/1226622763164504064
江川紹子のツイート。多様性があれば特定の記者を指さないと思われても仕方のないような運用にはなるまい。談合はせずとも忖度が優先されるのがムラの特徴であり、「記者クラブムラも例外ではないということだろう。
《大場さんの「首相会見でも外国人記者やフリーランスなど、けっこう多様性を持たせて当てている」は違うと思うよ》
https://twitter.com/amneris84/status/1226787771366264832
集英社OBの鈴木耕のツイート。
《なんだか靴の上から足を掻いているような…。やっぱり記者クラブについては言い訳にしか聞こえない。なぜ「不要」という記者がいないのか?》
https://twitter.com/kou_1970/status/1227044842863116288
毎日新聞記者林哲平のツイート。
《“新聞記者というのはオフレコ重視なんですよね。記者会見のようなオンレコの場で聞くと「何で手の内を皆にさらすんだ」と言われる。とにかく他の記者のいないところで聞いた話…を書くのが記者だぞ”
ホワイトハウスの例にも言及がありますが、ここは洋の東西を問わない。》
《世間が想像している記者会見や記者の仕事とは大きなギャップがあります。
取材過程が可視化される中で、記者や報道機関側が意識的に説明する必要がある、と感じます。
一方で事前に作った問答通りに進む、今の首相会見に何の意味があるのか、とは思いますが。》
https://twitter.com/hwhayashite/status/1227118130838687744
https://twitter.com/hwhayashite/status/1227120998522093569
毎日新聞記者曽根田和久のツイート。
記者クラブがなくなったらさまざまな定例記者会見もなくなりそう。逆にPRタイムは増えそう(たくさんの人が質問できるような仕組みの再構築は必要という前提で)。》
https://twitter.com/sonedak/status/1226872583657680897
毎日新聞記者一宮俊介のツイート。
《「僕はメディアの中の人事評価の問題もあると思うんですよね。当局が発表するネタを1日早く書く、1週間前に書くというのが非常に評価されてきた。でも、それって権力の監視とは何の関係もない」
こういうことを表立ってはっきり言える先輩がいるので、まだ頑張ろうと思える。》
https://twitter.com/Ichimiya_Sh/status/1227186716164837376
毎日新聞OBの石戸諭も呟いている。OBだけあって好意的だ。
《これは面白い。かなり踏み込んでる》
https://twitter.com/satoruishido/status/1226999447474696192
毎日「化」圏には記事は「意図」通り伝わっているようだ。
同じ毎日新聞記者でも沖縄の比嘉洋は冷めている。
《これはおそらく読者以上に日本の新聞・メディアにいる人の方が食い入るように読むであろう実名座談会です。こんなにはっきり言うんだ、と。逆にリテラシーの高い読者はとっくに日本のメディアの問題点を見抜いていたわけだから。》
https://twitter.com/higah1/status/1227194057442508800
こちらは琉球新報記者田吹遥子のツイート。
《ニュースがニュースになる過程を可視化する意味でも担当外の記者の目線って面白いし、大事だと思う。政治部とか名護とか那覇か担当したけど、外から見る今初めて気づくことがあるし。担当が悪いとかじゃなく、視点の違い。視点の違いを互いに意識できたらな。》
https://twitter.com/tabyou1129/status/1227073464055414784
毎日新聞の「意図」を踏まえた、こんなツイートも投稿されていた
《いくら月100円でもこんな記事書いてるようじゃ購読する価値は低い。》
https://twitter.com/tatsuomiyagawa/status/1227051784834707456
春オンライン」が2月12日付で「安倍首相『大物秘書』麹町署に連行で出勤停止処分」を発表しているが、「首相官邸付近で、くわえタバコ姿で立ちションをして、麹町警察署へ連行されていた」という「大物秘書」の西山猛は元毎日新聞記者であり、「政治部副部長、編集委員などの要職を歴任し、東京本社副代表兼北海道支社長を最後に、2006年に毎日新聞社を退社」しているという経歴の持主である。
当然、毎日新聞記者であれば誰でも知っていることだが、誰もこのことに触れないのもまた「ムラ」の「ムラ」たる所以なのかもしれない。このようにして「羽織ゴロ」化は伝承されていくのだろう
https://bunshun.jp/articles/-/33616

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2)【記事】元NHK会長と笑顔で写真に納まる相澤冬樹に三浦英之が違和感を表明

問題となったのは、元NHK記者にして、現在は大阪日日新聞の相澤冬樹による次のようなツイートであった。
《すごい偶然でしたが、元 #NHK 会長 #籾井 勝人さんをお招きした #メディア酔談 の終了後、懇親会場の居酒屋に見覚えある方が入ってきました。#TBS #報道特集 の #金平 茂紀さんです(画像はありません)。同じ #高円寺 で開催中の #ドキュメンタリーフェスティバル に参加した後とのこと(続く)》
《あいさつに伺ったら「#籾井 さんと一緒なの?」「ネット配信のゲストにお招きしたんですよ」#金平 さんと一緒の皆さん方の中に旧知の #NHK ディレクターが。「#相澤 さん、私この前一緒に呑んだ時に5000円貸したの覚えてます?」「すみません、忘れてます」その場で返済致しました(続く)》
https://twitter.com/fuyu3710/status/1227045533874671623
https://twitter.com/fuyu3710/status/1227046001195671552
相澤冬樹は昨年、「安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由」を藝春秋から刊行して話題になった。そんな相澤が、安倍官邸ベッタリと目された元NHK会長 の籾井勝人に同書を持たせて一緒に写真を撮っている。このツイートに対して、新聞記者にしてノンフィクション作家の三浦英之は理解できないとリツイートした。
《僕は人間が小さいからか相澤さんの行動が理解できません。日本の公共放送のあり方に多大な疑義を呼んだ籾井さんと対談するのはいい。その後懇親会に行くのもありかもしれない(僕は行かないけど)。でも本来取材対象である人に自著を持たせてSNSにアップする。取材対象者との距離は保てるのかなと》
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1227070324396544001
これに相澤が次のようにリプライする。
《本については #籾井 さんはこの時点で読んでいませんがタイトルを見ただけで #安倍政権 に好意的な本ではないとわかります。その本を掲げて彼が一緒に写真に収まったというのは元 #NHK 会長がこの本を支持する(少なくとも反対ではない)ということで、これは大きな意味を持つと考えています(続)》
《#安倍首相 と #マスコミ トップの会食は報道機関が権力にすり寄るという構図です。一方、#籾井 さんはかつては #NHK会長 という権力の座にありましたが今は無役です。彼にすり寄っても何も得るものはありません(続く)》
《私はかつて権力の座にあった #籾井 さんから、彼がその地位故に見聞きし、まだ話していないことを聞き出し、それを皆さんに広くお伝えしたいのです。それが #記者 の仕事です。》
https://twitter.com/fuyu3710/status/1227442243566538752
https://twitter.com/fuyu3710/status/1227442552372113416
https://twitter.com/fuyu3710/status/1227442755481358337
しかし、こう主張するのであれば和気あいあいと二人が収まっている写真を撮るべきではなかったのではないか。相澤のリプライに対して三浦は次のような連続ツイートをもって応じた。読み応え十分である。
《(1)お返事ありがとうございます。私は普段ツイッター上でのやりとりはしてしないのですが、私から投げ掛けた疑義でもあり、報道の先輩でもあるため、失礼のないよう、今回に限って私が感じたことをお伝えさせていただければと思います》
《(2)まず私も首相とメディア幹部の会食については反対の立場です。一国のトップへの取材は極めて大事。ならば記者会見という公の場で質問すべきだと考えます。ただ今回の場合、籾井さんは元会長ですので、前述の通り、対談するのはもちろん、あるいは一緒にお酒を飲まれるのも問題ないのかもしれません》
《(3)私が疑問に感じたのは、その際に取材対象者に自著を持たせて笑顔で写真を撮影し、SNSにアップするという行為です》
《(4)相澤さんは「元NHK 会長がこの本を支持する(少なくとも反対ではない)、大きな意味を持つ」とおっしゃいますが、写真はそれらの脈では使われておりません。あたかも飲み会で自著を持ってもらい、写真を撮らせてもらいました、といった印象を抱きます》
《(5)もし本当にそう意図があったのであれば、写真と一緒に「NHK会長が私の本を支持した。これは大きな意味を持ちます」とその意味合いをしっかりと明記すべきではなかったでしょうか》
《(6)その場合でも、本の中身を読んでいない人に、政治的な色を持つ書籍を持たせて、その政治的姿勢を体現させるといった行為について、私にはちょっと理解できかねます》
《(6)「籾井 さんがその地位故に見聞きしたことを広くお伝えしたい」ということは私も記者の末席におり、よく理解できます。ただ例の写真を見る限り、相澤さんが今後、そのことを記事や作品にまとめる際に、籾井さんの負の部分にどこまで切り込めるのかな、という疑念が私にはきっと生じてしまいます》
《(7)一緒に笑顔でお酒を飲んで自著まで持ってもらってPRしてもらった方に、記者はどこまで冷徹な批判を加えられるか。それ心理的な障壁になり得ないか。それが私が常日頃から考え、悩み苦しんでいる「距離」の取り方です》
《(8)籾井さんは我が国の公共放送のあり方について多大な疑義を招きました。私自身も現在の強大な公共放送のあり方について大きな疑問を抱く一人です。その内情をよく知る、故に今後注目される書き手の一人になりえる相澤さんには、もっと「権力」から適正な距離を取って欲しい、と個人的には思いました》
《(9)私は間違いの多い人間です。今回もやはりそうかもしれません。ただメディアへの不信がひときわ厳しい昨今でも、政治家や警察や検察、電力会社と近接しながらも一緒にはならずにしっかりと「距離」を取って批判や監視を続けている若手がたくさんいます。相澤さんにはその先例になって欲しいのです》
《(10)私は権力者や為政者は例外として、個人的な批判を綴るのは極めて好きではありません。私のツイートは2週間で消える設定です。いずれこの会話も消滅します。失礼がありましたら、申し訳ありません。今回の件につきまして、私からの投稿は以上です。
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1227459315948310528
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1227459975972368384
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1227461595208601601
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1227462199553265664
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1227462666114957314
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1227462870159560705
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1227463106265309184
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1227464062851829760
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1227465054754308097
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1227465599212806146
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1227466278450974720
品のない言い方をすればテレビは「電波芸者化」であり、相澤もそうした化から未だ自由になれていないということだろう。新聞は…これまた品のない言い方をすれば「羽織ゴロの化」であり、ある意味で三浦は、その嫡子なのである。

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3)【本日の一行情報】

志葉玲がブログに2月11日付で「毎日新聞は望月記者を何故叩くのか?メディア関係者らが語る『記者会の闇』」をエントリしている。
内閣官房長官の会見の主催は、あくまで内閣記者会だ。もし、秋山記者が主張するように、内閣記者会として、本当に「出席する記者は自由に質問するべきだとの共通認識がある」というならば、何故、望月記者だけ不当な扱いを受け続け、内閣記者会は、その状況を放置しているのか?
秋山記者は、その記事中で、ここ最近の状況として「会見の時間が短くなった」からと説明するが、それは詭弁だ。上記のように、望月記者への質問制限は昨日今日に始まったことではない。そもそも、政府のスポークスマンである官房長官が人々の知る権利に答えるという意味では、記者の質問に応対する会見こそ、最重要の公務の一つ。内閣記者会は、会見の時間を十分確保するように官房長官求め、かつ特定の記者を好き嫌いで選別するようなことをしないように求めるべきだろう。》
https://www.reishiva.net/entry/2020/02/11/202206

◎「BBCニュース」は2月10日付で「米アマゾン、国際イベント参加を取りやめ 新型ウイルスを懸念」を発表している。
《米アマゾンは9日、スペイン・バルセロナで24日から開催される世界最大級の携帯電話関連展示会「モバイル・ワールド・カンファレンス(MWC)」への参加を取りやめると発表した。新コロナウイルスアウトブレイク(大流行)が理由という。》
https://www.bbc.com/japanese/51440839
楽天もアマゾンに同調か。三木谷浩史が次のようにツイートしたのは2月12日のことである。
楽天新型コロナウイルス感染拡大の影響を鑑み、当社従業員の安全を最優先し、バルセロナにて2020年2月24日から開催予定の「MWC Barcelona 2020」への参加を取りやめることを決定しました。
4月開始予定の世界初完全仮想化によるモバイル通信サービスの本格提供への準備を引き続き加速していきます。》
https://twitter.com/hmikitani/status/1227404415583150080
楽天はアマゾンの後追いしかできないのだろうか。

◎「ネットショップ担当者フォーラム」は2月10日付で「アマゾン日本事業の売上高は約1.7兆円【Amazonの2019年実績まとめ】」を公開している。
《アマゾン日本事業の2019年(2019年1~12月)売上高は円ベースで1兆7442億1900万円だった(2019年の平均為替レートを1ドル=109円で換算)。円ベースの伸び率は前期比13.6%増。》
《アマゾンに詳しい業界関係者は、「全体の流通額のうち4割超が三者による販売で、手数料収入は平均して第三者の販売額の約10%と考えられるとの推測を前提にすると、『Amazon.co.jp』の流通総額は3兆円規模になっている」という。》
https://netshop.impress.co.jp/node/7221

時事通信は2月10日付で「祭り特集『埼玉Walker』が発売 埼玉県〔地域〕」を発表している。
《埼玉県の祭りを特集したムック本「埼玉Walker」(KADOKAWA)の発売に合わせ、同社の井上伸一郎副社長が大野元裕知事に発売報告をした。埼玉Walkerの発行は4年ぶり。》
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020021000345&g=soc

◎マガジンハウスから刊行されWミリオンセラーとなった「漫画 君たちはどう生きるか」だが、故人となった「フラウ」元編集長・原田隆の縁で講談社のウェブサイトで5月10日午前0:00まで無料試し読み企画がスタートした。40頁まで無料で読める。
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/70262

◎「BOOKS 青いカバ」がアマゾンの「仲間卸」について、次のようにツイートしている。
《いよいよやって来た本物の黒船。取次業をやるなら出版社も直取引に応じざるを得なくなる可能性も、そして事実上の再販崩しになる可能性もある。既存の取次がどう対応するのか。短期的にはうちのようなお店には利があるが、あくまで短期的だと思う。個人的にはAmazonが物流をどう考えるかが気になる。》
https://twitter.com/hippopotbase/status/1225959031488958464

◎下北沢の本屋B&Bは4月1日にオープンする下北沢の新スポット「BONUS TRACK」に移転することになった。
https://www.cinra.net/news/20200210-bandb

産経新聞は2月10日付で「楽天、ビジネスモデルに亀裂 競争激化で無料化決断 出店者対応誤れば経営不安も」を掲載している。
楽天が通販サイト「楽天市場」で予定する送料無料の統一基準の導入をめぐり、10日に公正取引委員会から立ち入り検査を受けたことは、三木谷浩史会長兼社長が築いてきたビジネスモデルに走った亀裂の深刻さを示している。三木谷氏が送料無料化の実現にこだわる背景には、ライバルの米アマゾン・コムとの競争の激しさがある。しかし一方的な無料化決定に対する出店者の不満は大きい。楽天は携帯電話事業などでも課題を抱えており、対応を誤れば経営の不安につながりかねない。》
https://www.sankei.com/economy/news/200210/ecn2002100018-n1.html
SankeiBiz」は2月11日付で「『楽天経済圏』構想に影響も 対アマゾン急ぐあまり…出店者との亀裂深刻」を掲載している。
《統一基準が導入されれば、無料となる送料分を商品価格に転嫁するか、出品者が負担する必要がある。これを嫌った一部出店者が強く反発。数百の出店者らでつくる任意団体「楽天ユニオン」は1月に、送料無料の一律実施が独占禁止法に抵触するとして、公取委に調査を求める署名を提出していた。
これに対し、三木谷浩史会長兼社長は、1月末にツイッターで「公取委やマスコミにリークして、(楽天を)牽制するやり方はあまりに時代錯誤でひどすぎる」と反発する出店者を痛烈に批判。出店者向けのイベントで「政府、公取委と対峙してでも実施する」と述べ、強気姿勢を崩さなかった。》
http://www.sankeibiz.jp/business/news/200211/bsc2002110500002-n1.htm
東京新聞は2月11日付で「楽天、検査で導入不透明 対アマゾン、切り札に壁」を掲載している。
《一部の出店者は独禁法が禁じる「優越的地位の乱用」に当たると猛反発している。
公取委は昨年、楽天市場を含む通販サイトの取引実態を調査した。その報告書では、優位に立つ巨大企業が一方的に規約を変更し、出店者に不当な不利益をもたらす行為は「独禁法上問題となる恐れがある」と警鐘を鳴らした。
公取委の杉本和行委員長はこれまで、楽天の件に関し一般論として独禁法違反の疑いがあれば調査し、違反があれば厳正に対処する」と述べるにとどめてきた。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/202002/CK2020021102000121.html
次のような意見もツイッターに投稿されている。
楽天の弱点は、店舗&顧客の両方に気を配るべきであったのに、それを長年怠ってきた。システムの変更は、楽天の利益を追求したものであり、店舗&顧客の要求は後回しにしてきた。楽天出店型、アマゾン=出品型であり、もともと競う土俵が違います。決して「送料」ではないと思います。経営判断ミス》
https://twitter.com/ymitsuda1/status/1226713115292659713

◎「マンガ雑誌は死んだ。で、どうなるの?」「ウェブ小説の衝撃」の飯田一史が「リアルサウンド」に2月11日付で「出版市場の“22年ぶり復調”はなぜ起こった? ウェブと本の共生関係、その現在地を探る」を発表している。
《2019年に発表された大手出版社の決算を見ると、小学館、集英社、講談社はいずれも増収増益だ。売上の内訳を見ると紙の書籍や雑誌は減っているが、デジタル、版権ビジネス、広告収入が伸びている。
これはコミックを軸に、電子書籍やマンガアプリなどのデジタル部門が伸び(マンガアプリでは課金のみならず広告からの収益もある)、さらにマンガを原作に物販、2.5次元舞台に代表されるライブエンタテインメントなどへとIPを多面的に展開、また海外の出版社やゲーム会社に対しても版権ビジネスを行うことで、好成績になったと考えられる。
メディアでは「ジャンプ」「マガジン」「サンデー」をはじめマンガ雑誌の部数が減り続けていることが取り上げられがちだが、たとえば集英社が2019年8月に発表した決算ではデジタル、版権、物販などが大幅に伸長した結果、売上は10年前の水準に回復、利益も当期純利益が100億円に迫る歴史的な好成績だった。
版権ビジネスからの売上は、冒頭で述べた出版販売金額には含まれない。》
https://realsound.jp/book/2020/02/post-501804.html
マンガを持っているかどうかが天国と地獄にわける。

◎学研プラスのレシピ本「藤井弁当」が、発売後一週間で重版を決定した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002615.000002535.html
有賀薫の次は藤井恵か…弁当本がブームである。

熊本日日新聞は2月11日付で「くまモン、日本の顔に 英情報誌日本特集号の表紙に」を掲載している。
《イギリスのグローバル情報誌「MONOCLE(モノクル)」の1月号が東京五輪パラリンピックを記念した238ページまるごと日本特集を発行。表紙を熊本県のPRキャラクター・くまモンが飾っている。》
https://this.kiji.is/599767097666307169?c=39546741839462401

時事通信は2月11日付で「米WSJ電子版、200万人突破 デジタル事業が収益支える」を公開している。
《米メディア大手ニューズ・コーポレーションは10日までに、傘下のダウ・ジョーンズが発行する米経済紙ウォール・ストリートジャーナル(WSJ)の電子版購読者が初めて200万人を突破したと発表した。》
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020021100431&g=int

◎「『anan』創刊50周年記念展」が、京都の美術館「えき」KYOTOにおいて3月7日(土)から4月5日(日)まで開催される。
https://www.fashion-press.net/news/58206

凸版印刷株式会社のグループ会社である総合電子書籍ストア「BookLive!」は、新レーベル「オトナ恋」を2月12日(水)より配信開始した。このレーベルの立ち上げに当たっては秋水社の協力を得て、作品の充実を図るそうだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000096.000022823.html

スポーツニッポンは2月12日付で「全国書店で『追悼コーナー』続々…ノムさんの著書が多い“理由”とは」を掲載している。野村克也は言葉を武器にできた野球人であった。
《野村さんの著書が多い理由について、大手出版社の編集者は「常に情報をインプットし、引き出しが多い。切り口が豊富だから企画を持ち込みやすかった」と説明。00年代に著書を担当した編集者は「監督をしている時でも時間をつくってくれて、午後9時ごろから深夜まで連日打ち合わせ。“面倒だ”とかしょっちゅう憎まれ口を叩かれたが、もちろん愛のある冗談。毎回真剣に接してくれました」と出版社からの信頼が厚かったことも一因にあったとした。》
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2020/02/12/kiji/20200212s00041000058000c.html

ホアキン・フェニックスアカデミー賞の主演男優賞受賞スピーチを全掲載しているのはハースト婦人画報社の「ELLE.COM」だという現実にメイドインジャパン女性誌は目を背けてはなるまい。
I’ve been thinking a lot about some of the distressing issues that we are facing collectively, and I think at times we feel or we’re made to feel that we champion different causes. But for me, I see commonality. I think whether we’re talking about gender inequality or racism or queer rights or indigenous rights or animal rights, we’re talking about the fight against injustice. We’re talking about the fight against the belief that one nation, one people, one race, one gender, or one species has the right to dominate, control, and use and exploit another with impunity.》
https://www.elle.com/jp/culture/celebgossip/a30846239/2020-92nd-academy-awards-joaquin-phoenix-best-actor-speech-so-touching-200210/