【文徒】2020年(令和2)3月9日(第8巻43号・通巻1700号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】厚労省内閣官房テレビ朝日羽鳥慎一モーニングショー」を名指しで批判!
2)【記事】朝日新聞記者三浦英之が安倍首相に事前通告なしで質問をした
3)【記事】原一男監督「れいわ一揆」に笑って、泣いて、怒って、大満足
4)【本日の一行情報】
5)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2020.3.9 Shuppanjin

1)【記事】厚労省内閣官房テレビ朝日羽鳥慎一モーニングショー」を名指しで批判!

厚生労働省は特定のテレビ番組の批判をツイッターで行った。厚労省が狙い撃ちにしたのはテレビ朝日の「羽鳥慎一モーニングショー」であった。
《【#新型コロナウイルス マスク供給】
厚生労働省では、2月25日、厚生労働省の指示の下、メーカーと卸業者が協力して、医療機関の必要度に応じて、一定量の医療用マスクを優先的に供給する仕組みを作りました。》
《2月28日にサージカルマスク 約41万枚を14自治体、サージカルマスク 約18.8万枚を68感染症指定医療機関に対して、まずは優先供給を行ったところです。》
《3月4日午前8時からの「羽鳥慎一モーニングショー」の出演者から、「医療機関に配らなくてはだめ」とのコメントを受け、3月5日に、既に厚生労働省医療機関に優先供給をする方針を自治体や医師会に明確にしていたので、この事実関係をお知らせしたところです。》
《最終的に全ての医療機関に十分なマスクが届くことが必要であり、引き続き、マスクの増産や全ての医療機関を対象とした優先供給を進めてまいります。》
https://twitter.com/MHLWitter/status/1235759671660679169
https://twitter.com/MHLWitter/status/1235759673581522944
https://twitter.com/MHLWitter/status/1235759688056217600
https://twitter.com/MHLWitter/status/1235759694490279938
J-CASTニュース」は3月6日付で「厚労省の『モーニングショー』名指し反論も間違いだった!慌てて訂正の赤っ恥」を発表している。
《このため、「モーニングショー」が全国の感染症指定医療機関取材したところ、「国からおととい1万枚納入された。十分ではないがありがたい」答えたのは北海道のある機関だけで、「国からマスクは届いていない」(神奈川)、「今のところ優先されている感じはしない。今後支給するという通知もない」(東海地方)と届いていないところがほとんどだった。
「モーニングショー」がこの取材結果を厚労省にぶつけると、「(ツイッターの)『マスクの優先供給を行った』については言い過ぎた表現。『行っている』『開始した』が正しい」と担当者が釈明した。実際は、マスク配布は一部で始まっただけだったのだ。》
https://www.j-cast.com/tv/2020/03/06381514.html
「THE PAGE」が3月6日付で公開した「厚労省ツイート『誤情報』だった 名指しでTV番組のコメントに反論するも…」は、こう書いている
厚労省はマスメディアから指摘を受けたことから、その指摘がウソであるかのような、かつ、あたかもメディア側がデマを流していると誤解させるような表現を用いてツイッターで情報発信したことになります。
一方、厚労省はマスクの供給に関しては正式な発表を行っていませんし、国会にも説明していません。つまり、ツイッターに対してだけ、事実関係が不明瞭な情報をアップしたということになります。》
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200306-00010004-wordleaf-soci
厚生労働省は「モーニングショー」から返り討ちにあってしまったわけだが、同省に反省などないことは次のような岩永直子のツイッターを読めば了解できよう。岩永のツイートは厚労省の言い分を代弁している。
厚労省新型コロナウイルス対策本部の広報班に確認しました。
「国民の不安を解消するために感染症指定医療機関に優先的な供給を行っている事実をお知らせした。医師会や歯科医師会に優先配布の仕組みもお伝えしている。職員がどのような言葉で番組に説明したかは確認していないが、訂正の必要はない」》
《「表現規制の意図はなく正確な情報を伝えたいという考えからの試みだ。国民の不安が広がっている中、我々の取り組みや現状を正確に届けるにはどういう形で行うのかいいか考えてこのような発信もした。今後もメディアの発信に限らず、間違った情報や誤解を招く情報には修正や補足をしていきたい」》
https://twitter.com/nonbeepanda/status/1235778669387354120
https://twitter.com/nonbeepanda/status/1235779364933033984
岩永の投稿には、こんなリプライもついていたことも報告しておこう。
《いやしくも記者であるなら、厚労省の言い分をそのまま流すのではなく、医師会その他の関係機関の裏どりをしてから流すべきなのはイロハのイだと思いますが。》
https://twitter.com/Lem_Lem2/status/1235911617658773505
厚生労働省の次は内閣官房国際感染症対策調整室だった。やはり「羽鳥慎一モーニングショー」を名指しして次のようにツイートしたのである。
《3月5日のテレビ朝日羽鳥慎一モーニングショー」で、「総理が法律改正にこだわる理由は、『後手後手』批判を払しょくするため総理主導で進んでいるとアピールしたい」というコメントが紹介されています。》
《法律改正をする理由はそうではありません。あらゆる事態に備えて打てる手は全て打つという考えで法律改正をしようとしています。》
《現行の新型インフルエンザ等対策特別措置法では未知のウイルスしか対象としておらず、新型コロナウイルスはウイルスとしては未知のものではないので、今のままでは対象とならないからです。》
https://twitter.com/Kanboukansen/status/1235604782280093696
https://twitter.com/Kanboukansen/status/1235604920859889664
https://twitter.com/Kanboukansen/status/1235605058328252416
毎日新聞記者の曽根田和久のツイート。
《「そんな理由じゃないです」といくら書いても、やっぱり全然説得力がないように見えます。国民の財産である公書を軽視している影響で、官僚の皆さんへの信用ががた落ちしているからでしょうか。》
https://twitter.com/sonedak/status/1235791741178933249
こんなに軽く片付けて良い問題なのだろうか。例えば弁護士の渡辺輝人はツイッターで次のように指摘している。
《これに連なるツイートは、政府広報の範を完全に逸して、言論弾圧だ。感染方法も潜伏期間も症状も致死率も薬剤の適応も何もわからなかったのに「未知のものではない」というのは明らかにおかしい。》
https://twitter.com/nabeteru1Q78/status/1235772039287508993
一橋大学経済学部准教授の竹内幹は、こうした内閣官房国際感染症対策調整室の手法には批判的である。
《これは悪手。テレビや番組には賛同しない私でも、これは絶対NGだと思う。(中国じゃないんだから。)
デマ対策として、ファクト/数字を提示し、積極的に訂正するのはOK。
でも、この件はファクト/数字でどちらも反証できない、評価の問題。その違いは押さえていただきたいです。》
https://twitter.com/takekan/status/1235749935816962048
琉球新報の島袋貞治も内閣官房国際感染症対策調整室のツイートには首を傾げている。
《一番組に、この回答。このような政権への評価は特段、この番組だけではにいはずだが。》
https://twitter.com/sadashimpo/status/1235826341695512577
秋田公立美術大学大学院准教授の石倉敏明が呟く。
《ジャーナリズムに対する、名指しの、異様な言論封殺。》
https://twitter.com/julunggul/status/1235811544505581569
宮崎タケシは元衆議院議員だが、上毛新聞の記者出身で、鷲田旌刀というペンネームを使って集英社コバルト庫から小説も刊行しているが、こうツイートしている。
《これに続くtweetで「法律改正する理由はそうではありません」等と力説しているが、役所が政治宣伝に手を染めるのは異常だ!「後手後手批判をかわし、主導をアピール」は首相の内心の思惑。なぜ役所が分かる?そんな言い訳は本人や官房長官自民党がやればいいこと。役所が税金でやることじゃない!》
https://twitter.com/MIYAZAKI_Takesh/status/1235807996673806339
新潟県知事の米山隆一によれば内閣官房国際感染症対策調整室のツイートは言論の自由を否定しているということになる。
《「総理が法律改正にこだわる理由は、『後手後手』批判を払しょくするため総理主導で進んでいるとアピールしたい」は事実の問題ではなく「評価・解釈」の問題であり、完全に言論の自由に属します。政府がこれに句をつけるのは事実上の言論の自由の否定だと思います。非常に恐ろしい事です。》
https://twitter.com/RyuichiYoneyama/status/1235787947841974273
「戦う姫、働く少女」の専修大学教授の河野真太郎は、こう指摘している。
《政府機関がメディアの特定の番組を名指しで批判。この異常な対応自体が、この法律改正(案)の本質を表現していないか。》
https://twitter.com/shintak400/status/1235751564565864448
BuzzFeed Japan」の福原伸治はテレビの出身である。
《ここ最近、こういう政府関連からの反論が増えてきた。これもSNS時代の新しい局面に入ったということか。メディア報道はいままでとは違うアプローチが必要かも。》
https://twitter.com/shinjifukuhara/status/1235708572920496128
木下ちがやのツイート。
《このツイートはたくさんの方が指摘しているように公権力による言論の自由への介入になります。そしてもうひとつ深刻なのは、感染対策を担う公的機関がこのような意見が分かれる政治的言説空間に介入してしまうことで、信頼性を喪失することなんですよね。》
https://twitter.com/sangituyama/status/1235743463158644736
しかし、内閣官房国際感染症対策調整室を支持するツイートも決して少なくはない。これも拾っておこうか。こんな具合である。
《番組名名指しするなと発狂してるバカいるけど、誤報誤報と言うのは問題ないだろ・・・
デマを拡散させる奴が悪い》
https://twitter.com/shakeonigiri041/status/1235833248757891072
《こうやって政府のオフィシャルアカウントが、エビデンス示しながらマスコミの報道姿勢を正していくのは良い流れなんだろうな》
https://twitter.com/roku572/status/1235818831588634624
《マスコミからの一方的な報道だけではなく、政府としての公式コメントも得る事によって、より物事の真実が見えてくると思うので、これからも政府見解から見て看過できないマスコミ報道にはしっかり反論して欲しい。》
https://twitter.com/chamame748/status/1235813487865024512
《政府からの新しいタイプのコミュニケーション。前例にとらわれないという意味で、肯定的に評価すべきだと思う。》
https://twitter.com/research_jp/status/1235803064440770560
自民党内閣官房国際感染症対策調整室と同じような章をツイッターに投稿している。
《3/5テレビ朝日羽鳥慎一モーニングショー」で「総理が法律改正にこだわる理由は『後手後手』批判を払拭するため総理主導で進んでいるとアピールしたい」との政治アナリストの発言がありました。》
《#新型コロナウイルス はウイルスとしては未知のものではないため「未知のウイルスしか対象としていない」現行の法律が適応できません。不測の事態に備えるため「打てる手は全て打つ」というのが法律改正を目指す理由です。
引き続き、新型コロナウイルス 対策への皆さんのご協力をお願いします》
https://twitter.com/jimin_koho/status/1235769647103905792
https://twitter.com/jimin_koho/status/1235769649146605569
これは田中秀臣のツイート。政府や自民党のツイートを支持している。
羽鳥慎一モーニングショー(テレビ朝日)の報道への政府、官庁からの反論、デマ認定はとてもいいね。あと発言者としては、名前はふせてるが、岡田晴恵氏の発言への反論(「一部報道」)もいいね。
しかし上昌広氏、岡田氏らのテレビやtwitterでの発言もひどい内容が多く、重用しているテレビ局は大問題》
https://twitter.com/hidetomitanaka/status/1235717764091764736
藤原かずえも内閣官房国際感染症対策調整室のツイートを支持している。
羽鳥慎一モーニングショーの新型コロナ報道は、後出しジャンケンをフルに使い、国民の扇動を優先する最高にムゴい構成になっています。当該報道につきましては、しっかりと録画しています。いずれしっかりと検証する所存です(笑)》
https://twitter.com/kazue_fgeewara/status/1235716713842237440
「ハフポスト日本版」は3月6日付で「内閣官房自民党、公式Twitterで『羽鳥慎一モーニングショー』を名指しして反論。言論弾圧を危惧する声も」を公開した。
《また今回、内閣官房自民党新型コロナウイルスについて「ウイルスとしては未知のものではない」と投稿したが、安倍首相は2月29日の記者会見の中で、新型コロナウイルスについて「未知の部分がたくさんあります」「未知のウイルス」という言葉で説明していた。
Twitter上では「安倍首相の発言は間違いということ?」「どっちなんや…」と戸惑う声が広がっている。》
https://www.huffingtonpost.jp/entry/unknown-virus_jp_5e61eff0c5b691b525f03c1c
朝日新聞デジタルは3月6日付で「内閣官房ツイッター、テレビ番組論評に反論 新型コロナ」を掲載している。
《政府対応に対する個別の「論評」への狙い撃ちに、専門家は表現の自由の侵害にあたると批判する。》
https://www.asahi.com/articles/ASN366JPZN36UTFK017.html
「リテラ」は3月7日付で「安倍政権がコロナ対応よりも言論弾圧に必死!『モーニングショー』や岡田晴恵教授を標的、デマと詐術を駆使して批判を封じ込め」を公開している。
《『モーニングショー』では玉川氏や岡田教授らが安倍首相の後手後手対応を厳しく批判し、大谷医師が医療現場の混乱を生々しく伝えてきた番組だ。そうした安倍首相の対応批判の急先鋒である番組や人物を名指しし、フェイクニュース扱いする。これは安倍官邸が、安倍首相の新型コロナ対応批判を封じ込めるために、一気にマスコミ圧力をかける動きに出たということだろう。》
https://lite-ra.com/2020/03/post-5296.html
ウエブ版「女性自身」は3月7日付で「内閣が異例の名指し批判…モーニングショーは何を伝えたのか」を発表している。
《政府機関や公党がツイッターで番組名を名指しで批判するという異例の事態。ここまで反応するのは、痛いところを突かれたからなのだろうか……。》
https://jisin.jp/domestic/1839310/
茂木健一郎は、こう皮肉っている。
《米国のトランプさんの言動に似ているけど、日本は個人じゃなくて組織でツイートしている点、この時代に未だに地上波テレビを重視しているのが「特徴」かと思います。》
https://twitter.com/kenichiromogi/status/1236140685146783746
「CNN」は3月6日付で「Japan's coronavirus infection rate could be 'tip of the iceberg' as experts call for more testing」を公開しているが、内閣官房国際感染症対策調整室は、これには反論しないのだろうか。記事によれば「日本のコロナウイルスの数字はすでに報告されているよりもはるかに高く、感染率は単なる『氷山の一角』であると疑われている」のだそうだ
https://edition.cnn.com/2020/03/05/asia/japan-coronavirus-infection-levels-hnk-intl/index.html

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2)【記事】朝日新聞記者三浦英之が安倍首相に事前通告なしで質問をした

朝日新聞記者の三浦英之が福島で安倍首相に質問をした。その顛末ツイッターで報告している。少し長いけれど、全を紹介しておく。
《(1)昨日、安倍首相に質問した。本人はちょっとびっくりしていたが、結果的に私の質問に答えた。内容は彼が五輪誘致時、福島第一原発を「アンダーコントロール」とした発言について。職業倫理の許す範囲でツイートしようと思う》
《(2)実は安倍首相は昨日、福島県に来た。全線開通を控えたJ常磐線や避難指示が解除された双葉駅、浪江町にできた水素研究施設などの開所式に出席。行く先々で地元メディアに大々的に報道された》
《(3)コロナウイルスへの対応に多くの批判が集まる中での来県だ。個人的には、福島の前向きな動きと一緒に露出することで自らのイメージ回復を狙いたい思惑が透けて見えたが、それでも原発災地を取材する記者としては、震災9年の現場を見てもらうことは悪くないと思っていた》
《(4)疑問を感じたのは「最後の行事」だ。安倍首相は浪江町の水素施設の開所式出席後、記者の「ぶら下がり」(簡略的な記者会見)に応じると聞いていた。でも広報担当者に聞くと、参加できるのは東京から随行してくる官邸の記者だけで、地元の記者は参加できないのだという》
《(5)安倍首相が視察に来るのは東京ではなく福島だ。浪江町私の持ち場だ。ここには原発事故以来9年間、原発被災地の日常を見続けてきた記者がいる。現地を最も良く知る記者が現地を視察に来る為政者に質問するのは当然だと思ったが、広報に聞いてもぶら下がりの時間も場所も教えてくれない》
《(6)浪江町の水素施設の開所式に、安倍首相は自ら燃料電池を運転して登場した。その直前、総理番の集団が会場に到着した。首相が壇上に登ってスピーチを終えた後、その一群が誰かに連れられて別の場所へと移動した。だから私はそれとなく後ろを着いていった》
《(7)一群は式典が開かれている施設の裏で首相の来訪を待った。私は誰からも制されず、許可のいる場所にも立ち入っていない。everything gonna be alright だから機会があれば思い切って質問しようと思った。狙いは1点。彼が五輪誘致時に発言した「アンダーコントロール」という表現について》
《(8)2013年、安倍首相は福島第一原発の状態を「アンダーコントロール」という言葉を使って東京五輪を誘致した。正直驚いた。第一原発の深部にはその直前に入ったが、とても「アンダーコトロール」と呼べるような状態ではなかったから。これはちょっとマズいことになるな、と個人的には思っていた》
《(9)福島で取材を続けて2年半、その「アンダーコントロール」という言葉が今も亡霊のように漂っているのを感じる。「『復興五輪』があるから」「原発はアンダーコントロールだと首相が言ったから」。復旧や原発をめぐる現場では五輪に影響を与えるような言動がしにくい環境が今確かに福島にある》
《(10)安倍首相はSPに連れられて現れた。総理番が用意した質問1問に約4分、予定調和的に官僚作のような見解を述べた。直後に広報が「終わります」と宣言し、首相は立ち去ろうとした。だから私は手を上げて「地元・福島の記者です。質問をさせてください」と冷静に大きな声で言った》
《(11)すると安倍首相は2、3歩戻り、再びカメラの前に立ったのだ。正直、意外だった。ネット上ではコロナウイルス対策への十分な説明をしないで質問をたった5問で打ち切った先月29日の記者会見が大きな非難を呼んでいる。それを気にしているのではないかと個人的には感じた》
《(12)私は質問を切り出した。「ここ福島でオリンピックが開かれます。安倍首相はオリンピックを招致する際、第一原発は『アンダーコントロールだ』と言いました。今でも『アンダーコントロール』だとお考えでしょうか」。もちろん事前通告などあるはずがない》
《(13)安倍首相は一瞬怪訝そうな顔をしましたが、すぐに表情を戻し、「まさにそうした発信をさせていただきました。色々な報道がございました。間違った報道もあった。その中で正確な発信を致しました。そしてその上においてオリンピックの誘致が決まったものと思います」と述べ、SPに囲まれて立ち去った》
《(14)回答を聞く限り、安倍首相は、第一原発の危険性を指摘する一部の報道は間違いであり、原発はアンダーコントロールである、私は正しい発信をし、五輪の誘致が決まった、と主張したと理解できた。私はもう1問尋ねたかったが、できなかった。実力不足。あるいは望月記者なら続けられたかもしれない》
《(16)そして日夜、組織の中で必死に闘う東京政治部の若手記者たちへ。国民の多くがみんなの活躍を応援している。組織や利権でがんじがらめになりながらも、是非頑張って欲しい。勇気を持って会見者に嫌がられる質問をして欲しい。言葉と言葉の真剣勝負。それが記者会見だと私は信じる》
《(17)最後に為政者に一言。私たち記者は決してあなたたちの「アンダーコントロール」ではない(終)》
《(追加)地元福島だけれど、テレビがちゃんとニュースにしている。「質問させて下さい」との声に、安倍首相は戻ってきている。そして答えた。テレビU福島、Thanks!》
《(追加2)映像を見ると安倍首相は少し怒った感じで画面右下を見ながら答えてる。なぜ下を見ているのか。総理番の中で僕だけがスーツを着ていない(僕は常時現場に飛び出せるようアウトドア服で仕事している)。だからカメラ助手のようにテレビカメラの三脚の下にしゃがみ込んで待機・質問したためです》
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1236433768409268224
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1236434032209977344
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1236434605567176704
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1236435201468682240
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1236435780957921280
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1236436306802040832
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1236438097312669696
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1236438576339890176
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1236439043988054016
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1236439369692483584
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1236439720269197314
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1236439879329828864
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1236446236506329089
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1236446321055117312
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1236446499166281729
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1236446591583543296
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1236467912531034112
https://twitter.com/miura_hideyuki/status/1236475261467545601
福島ローカル局記者の木田修作のツイート。
《きのうのニュースを担当しました。現場には行けなかったけど、あのやりとりを見過ごすことは出来なかった。僕もかつて総理番だった。「昔は…」というつもりはないけど、かつてはもう少し、総理ぶらの質問も厳しかったと思うし、その点に関しては社を超えて団結する姿勢があったと思う。》
https://twitter.com/10marigihusband/status/1236523179167735808
BuzzFeed News」の貫洞欣寛がツイートしている。
《いろんな国で取材してきた。
インドでは、だれも記者の質問を制御しない。米国もそうだ。
シリアやリビアでまともな記者会見はなかった。
中国政府の会見は、オンカメラでは記者も回答者も別人格を演じる「京劇」だった。
今の日本が一番近いのは、この中国だと思う。》
https://twitter.com/kando_abugen/status/1236472144453701632
布施祐仁がツイート。「日報隠蔽」は三浦と布施の共著だ。
《三浦さんが福島を視察で訪れた安倍首相に直接質問したみたい。この連ツイ、ぜひ読んで下さい。記者は為政者に作られた土俵で勝負するのではなく土俵は自分たちで作るということを行動で示してくれています。三浦さん、GJ!!》
https://twitter.com/yujinfuse/status/1236481249583104000
「消された書」(幻冬舎庫)の青木俊はテレビ東京報道局の出身だ。報道の裏側を明かす。
《この連ツイ、実に面白い。最も面白いのは、三浦氏がぶら下がりの場所を忍者のように探りあてるところ。総理番には朝日の同僚がいるわけで、彼らに訊けばいいじゃないかと思えるが、そうしていない。なぜか?政治取材が新聞社内でも壁があり、特殊な領域になっていることを、端的に示していると思った。》
《同じことが国際ニュースでもある。先日の日露外相会談、日経の場合、記事を書いたのは外務省クラブの記者でモスクワ支局員ではない。他社も同じではないか。なぜ日露に詳しいモスクワ特派員が書かないのか?実は記者たちにも訊いても、そうなっているからとしか答えようがないのではないか。》
《こと政治マターになると、当該の問題についての知識があり、最も質問すべきポジションにいる記者ではなく、いきなり政治部員が政治家とともにやってきて取材も執筆も独占してしまう。結果、読者視聴者は、政府と記者の狎れ合いのような記事を読まされる。これは大きな問題だと思う。》
https://twitter.com/AokiTonko/status/1236450267953954816
https://twitter.com/AokiTonko/status/1236453015810240512
https://twitter.com/AokiTonko/status/1236455019462840326
清水潔も三浦を評価する。
《先日の総理会見や、官邸の会見の方法を批判していた三浦記者の前に総理が現れた時、三浦記者は本当に通告なしで総理への質問にチャレンジした。ジャーナリストとして実に立派だ。》
https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1236441912573177857
政治学者の山口二郎のツイート。
《権力者とメディアの関係についての貴重な証言。2.29記者会見の不評を安倍首相自身が気にしているという点は興味深い。権力者から情報を引き出すのはメディアの覚悟次第という面もある。》
https://twitter.com/260yamaguchi/status/1236457940833320960
赤松利一は除染の仕事の経験を持つ作家だ。
《長い呟きですが読むべきです。知るべきです。特に(4)以降。ここでも報道規制がなされています。アンダーコントロールされているのは、報道だけじゃない?》
https://twitter.com/hZoImkE6gPbGnUs/status/1236457960622055426
ラグビー日本代表平尾剛もツイートしている。
《この連続ツイートは必読です。震災後の福島にいる記者だからこその切実が伝わってくる。東京五輪誘致の際に首相が発した「アンダーコントロール発言」の余波は計り知れない。復興には程遠い福島の現状を、私たちは知っておくべきだと思う。
https://twitter.com/rao_rug/status/1236474119660527617

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3)【記事】原一男監督「れいわ一揆」に笑って、泣いて、怒って、大満足

原一男の「れいわ一揆」は、笑って、笑って、ちょっぴり泣けて、怒りも改めて湧き上がって来るという、ともかく痛快丸かじりのドキュメンタリー映画であった。これは令和の「天保水滸伝にほかならない。コロナウイルスが列島を震撼させるなか、私はロフト9の先行上映会で鑑賞した。会場を見渡せば澤地久枝も参加しているではないか!ツイッターでも大いに盛り上がっている。
原一男監督作品「れいわ一揆」渋谷ロフト9にて。4時間という長さから(途中休憩有り)観るのを躊躇してたんだけど、結果もっと観ていたいと思うほど面白かった。想田和弘監督の「選挙」とはまた別の選挙ドキュメンタリー。トークショーでは裏話もたっぷり聞けて、本当笑ったし泣けた。》(鈴木祥二郎)
https://twitter.com/ShojiroSuzuki/status/1236207671822274563
《昨日、渋谷で先行上映観てきました
「れいわ一揆」笑って沢山泣いた。誠実な心のこもったニンゲンの言葉に、多分飢えていたんだな~
あの夏の参院選のれいわ候補者達のほとばしるパッションを浴びて、元気をもらえた。
4月からアップリンク渋谷&吉祥寺などで公開。予防して身を守りつつ足運んで欲しい》(棚木竜介 シンガーソングライター)
https://twitter.com/tanakiss43/status/1236448798995386370
《そんじょそこらのヤワな映画と違って、気合の入り方が違います。ポルノ映画の股間みたいに、人の顔に如何わしくボカシを入れたりなんかしていません。そこに存在する被写体は、すべてが等しく肯定されているのです。こんな当たり前の画面を、私は久しぶりに見た。》(吉田和弘)
https://twitter.com/nyoze_en/status/1235916934018764806
《昨日『れいわ一揆』を観た。候補者がみんな腹の底から、怒りと絶望と希望を語っていた。こんな深い言葉が公衆の前で語られた事って近年の歴史の中で有っただろうか。彼らが語っている言葉は、侮蔑的に使われるポエムではなく詩そのものだ。政治の場で詩が語られる歴史的瞬間をカメラが捉えている。》
https://twitter.com/matokayoshy/status/1236395326824562688
原一男監督最新作『れいわ一揆』渋谷LOFT 9にて。途中休憩挟みつつの4時間越え本編と、アフタートークめちゃくちゃに面白いから、オススメしたい。「本人」ののぼり旗なんて、そんな小道具なかなか思いつかないよ!わたしが「本人」なら絶対拒否したい。
4月から公開ですって。》(高野ゆらこ 役者)
https://twitter.com/yuracco/status/1236274486078406656
《原さんの度重なる苦労の甲斐あって(笑) ほんとに素晴らしい作品ですよ!アニメーションもダンスのシーンも面白い!センス良いと思います 確かに話し声とか生っぽい感じして、音も良くなってました。
不満があるとすれば、若い客層がほとんどいなかったことぐらいかな… でもまだこれからですね!》(まちのひ)
https://twitter.com/penguinctylghts/status/1236427624160702465
皓星社から「れいわ一揆 製作ノート」が刊行されるが、同社代表の晴山生菜の姿もあった。
https://koseisha.stores.jp/items/5e619b27823e7c7a4fbf398f
原一男がツイートしている。
《こんな世の中の、クソみたいな状況だからこそ、去年の熱い夏、何かが動き出そうとしていたことを、みんな思い起こそうよ。
時代はドンドン悪くなっているよね。心ある人たちは、歯ぎしりして、何とかしたい、なんとかしなければ、と焦ってるよね?
そんな気持ちを持っている人たち、集まろうよ!》
https://twitter.com/kazu19451/status/1234942383508246530
私たち「出版人 広告人」4月号の目玉は原一男インタビューである。

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4)【本日の一行情報】

◎「Yahoo!ニュース」は3月4日付で石田雅彦の「『新型コロナウイルス』封じ込めに『メディアと受け手』はどう対処すべきか」を公開している。
《また、米国、ドイツ、フランス、英国、日本などの研究グループが、それぞれの国の科学者や研究者の側のメディアが報じる内容に対する満足度を調査したところ、彼らはほぼ伝えられる内容には満足していることがわかったという。ただ、日本の科学者や研究者は欧米に比べて否定的であり、またこれらの研究は紙媒体に対するものでインターネット・メディアに対するものではない。》
https://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20200304-00166075/

朝日新聞デジタルは3月4日付で「マウントしあう女性専用車? メディア現場『時代遅れ』」を掲載している。
《マスメディアにおける女性の取り上げ方が、時に議論を呼ぶ。識者は「現実社会の進歩に比べて、作り手のジェンダー観が遅れている」と指摘する。》
https://www.asahi.com/articles/ASN3353XWN2GUTIL051.html
マスコミを「男だけの世界」と捉える認識はリベラルと位置付けられる人々の間にも根強く残っているのではないか。五木寛之が短編集「男だけの世界」で描いたのは芸能プロ呼び屋、テレビ演出家、CM音楽制作者、週刊誌編集者であった。あれから半世紀も経っているのだけれど。

◎「別冊少年マガジン」で連載されている「100万の命の上に俺は立っている」のTVアニメ化が決まった。
https://animeanime.jp/article/2020/03/03/51917.html

◎「東洋経済オンライン」は3月5日付で「白石一『人生は失敗』と語る天才に見える境地」を発表している。
《『君がいないと小説は書けない』は自伝的小説とあるだけに、描かれた内容はほとんどが事実。仮名ではあっても藝春秋在籍時代の話は赤裸々で、発刊の際には藝春秋の関係者の間にちょっとした緊張も走ったのではと推察される。》
https://toyokeizai.net/articles/-/334019

◎「Engadget 日本版」は3月5日付で「Twitter、24時間で消えるツイート『フリート』をテスト。RTやリンク不可、返信はDM」を公開している。
https://japanese.engadget.com/jp-2020-03-04-twitter-24-dm.html