【文徒】2020年(令和2)3月23日(第8巻52号・通巻1709号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】オリンピック開催の条件とは何なのだろろうか?岩田健太郎のブログに注目!
2)【記事】ツイッター発のメディアミックス戦略「100日後に死ぬワニ」の成否は?
3)【記事】「週刊春」が放った「森友自殺<財務省>職員 遺書全公開」の衝撃
4)【記事】私に「廃馬のニヒリズム」を教えてくれた松田政男亡くなった
5)【本日の一行情報】
6)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2020.3.23 Shuppanjin

1)【記事】オリンピック開催の条件とは何なのだろろうか?岩田健太郎のブログに注目!

朝日新聞デジタルが3月18日付で「五輪チケット、規約上払い戻しは不可 コロナで中止なら」を掲載したことは3月19日付で紹介したが、これはどうやら「誤報」のようである。「BuzzFeed News」が3月18日付で「『東京五輪、チケット払い戻し不可朝日新聞報道を組織委が否定『規約には記載はない』」を公開している。次のような組織委のコメントが掲載されている。
《規約には「払い戻しは不可」との記載はなく、報道は事実とは異なる。
昨日(17日)、IOCの理事会発表もあり、7月24日の大会開幕に向けて計画通り準備を進めているところ。中止は全く検討していない。
大会の中止を前提として議論することは適切ではない。
組織委員会、IOC及びIPCは、これまで同様、事態の推移を注視しつつ、ステークホルダーと連携をとりながら、予定通り安全安心な大会運営に向けて準備して参りたい。》
https://www.asahi.com/articles/ASN3L056SN3KUTIL05P.html
https://www.buzzfeed.com/jp/harunayamazaki/tokyo2020-ticket-covid19
「THE PAGE」は「緊急G7で支持された東京五輪『完全な形で実現』の解釈巡って米CNNは『安倍首相は延期、中止に強く抵抗』と暴露」を3月17日付で「YAHOO!ニュース」に発表している。
《CNNによると、「安倍首相は五輪の延期や中止には強く抵抗し、目標は”予定通りに開催することだ”と語った」という。
安倍首相は、現在、国内の各種イベントに関して自粛を要請している立場上、時期については、そこまで踏み込んで質問に答えなかったのだろうか。CNNの報道が正しいとすれば「完全な形での実現」は、その時期も含め”予定通りの開催”ということを示唆していたのだ。》
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200317-00010001-wordleafs-spo&p=1
3月18日付「ニューヨークタイムズ」のオピニオンの掲げた見出しは強烈だった。「Cancel. The. Olympics.」だ。「オリンピックを中止せよ」である。
https://www.nytimes.com/2020/03/18/opinion/tokyo-olympics-coronavirus.html
東京中日スポーツは3月19日付で「『東京五輪はキャンセルせよニューヨーク・タイムズが中止促す 開催強行には“新型コロナ”感染拡大の巨大な危険性」を掲載している。
《米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は18日、「Cancel. The. Olympics.(五輪はキャンセルせよ)」と、一語ずつに強調を意味するピリオドを打つ見出しで「パンデミック世界的大流行)の最中に、五輪への道を押し進めるのは野蛮で無責任だ。開催強行には感染拡大の巨大な危険性が潜在する。世界の公衆衛生のために、五輪はキャンセルされるべきだ」と報じた。》
https://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/sports/news/CK2020031902100032.html
「テレ朝news」は3月19日付で「『東京五輪は中止や延期を決断すべき』米メディア」を発表している。この問題を報じているのはニューヨーク・タイムズだけではない。
USAトゥデイも「オリンピックは今すぐにでも延期すべきだ」という記事を掲載しました。そのなかで、アメリカ国内のトレーニング施設の閉鎖や代表選手の選考会が延期されたことを挙げ、「IOCはアスリートにできる限り準備を続けるよう求めたが、どこでどのように準備すれば良いのか」と疑問を投げ掛けています。》
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000179453.html
共同通信は3月18日付で「今夏五輪開催は『無責任』カナダIOC委員が非難」を発表している。
《2014年ソチ冬季五輪のアイスホッケー女子でカナダの4連覇に貢献し、国際オリンピック委員会IOC)委員を務めるへーリー・ウィッケンハイザー氏が、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京五輪を予定通り開催することは「無神経で無責任な行為。この危機は五輪よりも深刻だ」と自身のツイッターで非難した。》
https://this.kiji.is/612811904325043297?c=39550187727945729
日刊スポーツが3月19日付で掲載した「元豪選手団長が開催に疑問『1つに集まるのは最悪』」は共同通信の配信だ。
《ボートで2個のオリンピック(五輪)金メダルを獲得し、2012年ロンドン五輪でオーストラリアの選手団長を務めたニック・グリーン氏が、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、20年東京五輪の開催は「非常に難しくなっている」と訴えた。》
https://www.nikkansports.com/olympic/tokyo2020/news/202003190000162.html
NHK NEWS WEB」は3月18日付で「東京オリンピックの延期求める考え スペイン五輪委員会会長」を公開している。
《…スペインオリンピック委員会のアレハンドロ・ブランコ会長は17日、声明を発表し、IOCが東京オリンピックを予定どおり7月24日から開くとしていることについて「選手たちは十分にトレーニングできず、大会が開かれても不平等になってしまう」として競技の公平性が確保できないと訴えました。
そのうえで「大会まであと4か月。選手たちは不平等な条件のまま、参加することはできない」として、延期を求める考えを示しました。》
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200318/k10012338121000.html
朝日新聞デジタルは3月20日付で「JOC理事の山口香さん『五輪、延期すべき』」を掲載している。
《山口氏は「世界中で正常な生活が送れない状況がある中で、7月に開催して誰が喜ぶのか」と指摘。その上で「コロナウイルスとの戦いは戦争に例えられているが、日本は負けると分かっていても反対できない空気がある。JOCもアスリートも『延期の方が良いのでは』と言えない空気があるのではないか」と話した。》
https://www.asahi.com/articles/ASN3N02FYN3MULZU028.html
「AFP BB NEWS」は3月20日付で「東京五輪延期の『可能性はある』、世界陸連コー会長が見解」を発表している。
《ワールドアスレティックス(World Athletics、世界陸連)のセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長は19日、新型コロナウイルスパンデミック(世界的な大流行)によって東京五輪が年内延期になる可能性はあるとしながらも、最終決定は時期尚早であるとの見解を示した。》
https://www.afpbb.com/articles/-/3274370
ロイターは3月21日付で「五輪=英陸連会長、『東京五輪延期を決断すべき』」を発表している。
《英国陸連のニック・カワード会長は20日、新型コロナウイルスが大流行するなかでもトレーニングを行おうとする選手らのストレスを取り除くためにも、2020年東京五輪を延期するべきとの見解を示した。》
https://jp.reuters.com/article/olympics-uk-athletics-chairman-idJPKBN21803S
ロイターは3月22日付で「延期論強まる東京五輪、開催の有無近く明らかにと世界陸連会長」を発表している。
《コー会長はロイターへの書簡で「五輪開催に関する決定は非常に迅速に、数日、数週間のうちに明らかになるかもしれない」と指摘。「先週申し上げたように、あらゆるものを犠牲にして開催すべきではない。アスリートの安全はもちろんだ」とした。》
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-olympics-coe-idJPKBN219006
朝日新聞デジタルは3月20日付で「バッハ会長、初めて五輪延期示唆『異なるシナリオある』」を掲載している。
国際オリンピック委員会IOC)のトーマス・バッハ会長は19日、新型コロナウイルスの感染拡大で7月24日からの開催が懸念されている東京五輪について、「もちろん異なるシナリオは複数検討している」と発言した。同時に、「中止は議題にない」とも語り、初めて延期を示唆した。19日付の米ニューヨーク・タイムズ紙が報じた。》
https://www.asahi.com/articles/ASN3N3T41N3NUHBI00T.html
3月20日付「USAトゥデイ」によれば、アメリカの水泳連盟は東京五輪の延期を請願したそうだ。
https://www.usatoday.com/story/sports/olympics/2020/03/20/usa-swimming-wants-tokyo-olympics-postponed-coronavirus/2886188001/
東京新聞が3月22日付で掲載した「<新型コロナ>米陸連・水連が延期要請 東京五輪 ブラジルなども次々」は共同通信の配信記事だが、これによれば《ノルウェー国内オリンピック委員会(NOC)がIOCに対して「(ウイルス感染が)世界規模でしっかり終息するまで、東京五輪を開催すべきではない」と開催延期を要望する書を送った》し、《ブラジルNOCも二十一日、同様の声明を発表した》という。また、《ロイター通信によるとスロベニアNOCのガブロベツ会長は「七月に開催することはできない。二〇二一年開催でも何の問題もない」とスロベニア通信に語った》そうだ。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/sports/list/202003/CK2020032202000119.html
NHK NEWS WEB」は3月22日付で「東京オリンピックの開催延期を要望 アメリカ陸連」を発表している。
《翌日、公開された要望書では「世界的な危機の中では、選手たちが安全で適切な環境のもとで練習を行うことはできないだろう。選手たちは多大な重圧とストレス、不安の中にいる。選手たちの精神状態と体の健康は最も重視されなくてはならない」と選手が置かれている状況を説明しています。
そのうえで、「IOC=国際オリンピック委員会へ東京大会の延期を主張することを求める」としています。》
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200322/k10012343591000.html
共同通信は3月22日付で「フランス水連も五輪の延期要請 感染症拡大で『受け入れられず』」を発表している。
《フランス水泳連盟は21日、新型コロナウイルス感染拡大が深刻化する現状にも東京五輪を予定通りに開催する立場の国際オリンピック委員会(IOC)に対し「受け入れられない。IOCは延期の選択肢を全力で精査するべきだ」と要請する声明を出した。》https://this.kiji.is/614301926325666913
共同通信は3月22日付で「カール・ルイス氏、五輪延期支持 五輪陸上で金メダル9個」を発表している。
《五輪陸上男子で通算9個の金メダルを獲得したカール・ルイス(米国)が新型コロナウイルス感染拡大で、東京五輪の延期を支持したと米FOX系列のテレビ局が21日に伝えた。「全く先の見えない状況がある中で選手が準備するのは本当に難しい」と元選手の目線で述べた。》
https://www.47news.jp/news/4637004.html
信濃毎日新聞は3月19日付で社説「東京五輪延期論 選手本位の原点に立って」を掲載している。
《安倍政権には五輪特需や政権浮揚の皮算用を捨て、開催国として公正に見極める責任がある。どのような状況なら安全かも言明しないまま、判断を先延ばしするのでは混乱が深まるだけだ。》
https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20200319/KT200318ETI090005000.php
高知新聞は3月19日付で社説「【東京五輪】あらゆる選択肢の検討を」を掲載している。
安倍晋三首相は無観客や規模の縮小などはしない「完全な形での開催」を強調している。それを目指して選手や関係者が準備を続けることは大切だろう。一方で根拠もないまま「完全な形」に執着し、様子見を続けるだけでは、選手や国民の不安は消えないのではないか。
 7月開催が困難になった場合、「次善の策」はどうするのか。開催か否かの判断はいつごろ示すのか。政府はIOCなどと連携した上で、国会での議論などを通して説明してもらいたい。》
https://www.kochinews.co.jp/article/354200/
沖縄タイムスは3月18日付で社説「[どうなる東京五輪] 現実味を増す開催延期」を掲載している。
《最終的に決定権を持つのはIOCだ。巨額のテレビ放映権料やスポンサー料が運営を支えるIOCは、商業主義的との批判も絶えない。
平和な社会や人類の調和のとれた発展にスポーツを役立てる。IOCにはオリンピックの本来の目的に立ち返り、適切な判断をしてほしい。》
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/548421
「ダイヤモンド・プリンセス号」に乗り込んで、その内情をYouTubeで告発した神戸大学病院感染症内科診療科長、国際診療部長の岩田健太郎がブログ「楽園はこちら側」に3月19日付で「2020年夏に東京オリンピックを開催すべきでない理由」をエントリした。
《オリンピックを開催するべきか、否かは「どういう状況下であれば開催できるか」という条件を設定しなければなりません。》
《では、何が是非を決める基準かというと、
1.日本でマスギャザリング(オリンピック)を行える程度のCOVID抑制ができている。
2.世界中のアスリートや観客が日本にコロナウイルスを持ち込まない。流行を起こさない。
という2つの条件を満たす必要があります。
1が可能かどうか。3月19日の本稿執筆時点では、正直微妙なところです。私の住む兵庫県や隣の大阪府では患者がどんどん増えていて、蔓延してしまう懸念が大きいです(https://www.fttsus.jp/covinfo/pref-simulation/)。
 しかし、武漢や韓国でも巨大なアウトブレイクを数ヶ月内に(ほぼ)抑え込んだので、やってやれないことはないかもしれません。日本全国のすべての都道府県でアウトブレイクを7月までに抑え込むのは相当の難事だと感じますが、不可能なミッションと決めつけるのは早すぎるのかもしれません。
問題は2です。
オリンピックでやってくる海外の方々をどうお招きするのか。おそらく、その時点で流行が世界中で収まっている、というのはかなり非現実的な仮説でしょう。米国で、欧州で、アジアで、アフリカで、南米で、オセアニアで、流行が進行したり、継続したりして、渡航禁止の国々は渡航禁止のままであり、渡航能な地域も渡航禁止になってしまうかもしれません。
彼らは東京に来れるのでしょうか。来たとしたら、2週間の健康監視を義務付けるのでしょうか。準備・練習の必要な選手たちにホテルの個室での監禁を強いるのでしょうか。
選手たちの多くは若くて健康なので彼らの生命が脅かされる可能性は低いですが、彼らのアクティビティが周りへの感染を促す可能性は高いです。スタッフや観客が感染したとき、それでなくてもいっぱいいっぱいの東京の医療機関は受け入れることができるのでしょうか。今度は病気だけでなく、言葉や習慣の違いとも対峙しなくてはなりません。3月の時点で疲労困憊の医療セクターが、それに果たして耐えられるでしょうか。
私は耐えられないと思います。》
https://georgebest1969.typepad.jp/blog/2020/03/2020%E5%B9%B4%E5%A4%8F%E3%81%AB%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%92%E9%96%8B%E5%82%AC%E3%81%99%E3%81%B9%E3%81%8D%E3%81%A7%E3%81%AA%E3%81%84%E7%90%86%E7%94%B1.html
大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」で音楽を担当した大友良英は岩田健太郎のブログを読んだうえで次のようにツイートしている。
《わたしも、しばらくの間は国際的なイベントはオリンピックに限らず難しいと思っています。準備している人たちのことを考えると、早めに中止なり延期なりを決定したほうかいいのではないだろか。威信でやるものでも、ウィルスに打ち勝つ証としてやるものでもないだろうと思うな。》
https://twitter.com/otomojamjam/status/1240636697370451968
NHK NEWS WEB」は3月19日付で「『感染拡大地域では自粛検討を』専門家会議が提言【全】」を公開している。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/view/
石戸諭がこれを読んでツイート。
《この提言をまともに受けるなら当然、オリンピックは延期もしくは中止。スポーツなどのイベントは不確定要素多すぎて運営側の負担増で先行きは暗い。うーん。経済へのダメージは一層深刻で、ウイルスだけではなく、ウイルスに関連して亡くなる人はいよいよ増えるのではないか。》
https://twitter.com/satoruishido/status/1240761912440348673
江川紹子が呟く。
《早く決めないと、その間多くの人が気をもみ、行事を無観客とかいびつな形でやり続け、経費も無駄にする、ということになりません?》
https://twitter.com/amneris84/status/1240867426637467648
このワシントンポストの3月21日付の社説はタイトルからして《オリンピックは中止か延期しなければならない》と断言している。オリンピックを開催しようとしているのは、完全に馬鹿げているし、まったく無責任だと指摘している。
https://www.washingtonpost.com/opinions/the-olympics-must-be-canceled-or-postponed/2020/03/20/b0b560ce-6ad2-11ea-b313-df458622c2cc_story.html
私は3月14日にフェイスブックで次のように書いている。
医療崩壊を防ぐためには、オリンピックの選手村を新型コロナウイルス患者の入院施設として活用すれば良いのではないだろうか。
https://www.facebook.com/terumasa.imai/posts/2812474782139823
専門家会議の提言を踏まえるのであれば、首都圏の感染爆発に備えるべきである。いずれにせよ、政治的決断は国内での聖火リレー始まる前になされるべきである。

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2)【記事】ツイッター発のメディアミックス戦略「100日後に死ぬワニ」の成否は?

きくちゆうきによる「100日後に死ぬワニ」が100日目を迎えた。余韻が残る結末ではあった。
https://twitter.com/yuukikikuchi/status/1240946299467259905
スポニチは3月20日付で「『100日後に死ぬワニ』ついに完結ツイッター“世界のトレンド”1位に」を掲載している。
《「100日後に死ぬワニ」は、100日後に死ぬことを知らないワニがのほほんと暮らす日常を描いた4コマ作品。きくちさんが昨年12月12日に自身のSNSに投稿してから「100日後どうなるの?」「死ぬって教えてあげたい」「切ない」と目が話せなくなった閲覧者が続出。日を追うごとに注目が高まっていき、ツイッターフォロワー数は190万人(3月20日午後3時現在)を突破した。》
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2020/03/20/kiji/20200320s00041000315000c.html
J-CASTニュース」は3月19日付で「『100日後に死ぬワニ』小学館から書籍化へ 『0日目』など描き下ろしも...『運命の日』前に話題加速」を公開している。
《主人公のワニを中心とした日常生活を描きながら、欄外に書かれた「死まであと○日」のカウントダウンが進行していくという異色の設定が話題を呼んでいる同作。連載開始されると瞬く間に人々を惹きつけ、終盤は数万単位のリツイート、10万回超のいいね、そして1000件超のリプライがつくのが常となっている。》
https://www.j-cast.com/2020/03/19382675.html
確かに小学館はホームページで書籍化を告知している。描きおろしも28ページ収録されるのか。
https://www.shogakukan.co.jp/books/09850125
「100日後に死ぬワニ」は書籍化にとどまらない。日刊スポーツは3月20日付で「『100日後に死ぬワニ』映画化発表!書籍に続き」を掲載している。
《漫画家でイラストレーターの、きくちゆうき氏が、19年12月19日から毎日、ツイッターとインスタグラムで連載中の4コマ漫画「100日後に死ぬワニ」の公式ツイッターアカウントが20日午後8時46分、映画化と書籍化を発表した。》
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/202003200000958.html
「100日後に死ぬワニ」の追悼POP UP SHOPがロフトで開催されている。在りし日のワニを偲び、アパレルや具等多数の商品をとりそろえて販売している。
https://loft.100wani.com/
https://twitter.com/100waniOfficial/status/1240967833896374274
「ORICON MUSIC」は3月20日付で「『100日後に死ぬワニ』×いきものがかり、コラボムービー制作 水野良樹がテーマソング書き下ろし」を公開している。
SNSで話題の4コマ漫画『100日後に死ぬワニ』と3人組ユニット・いきものがかりとのコラボムービーが、 20日午後8時2分(ワニ)に公開された。またムービー内で使用されているテーマソング「生きる」はリーダー・水野良樹の書き下ろし。ムービーと併せて同楽曲の配信もスタートした。》
https://www.oricon.co.jp/news/2157941/full/
朝日新聞デジタルが3月20日付で「『100日後に死ぬワニ』結末に大反響 識者はどうみる」を掲載している。
《作者は、漫画家でイラストレーターのきくちゆうきさん。自身のツイッターで昨年12月12日から連載を始めた。毎日午後7時に1話を更新する形で、物語が展開された。
主人公は1匹のワニ。大好きなラーメンを食べたり、アルバイト先の先輩に恋をしたり、映画に感動したり……と、なにげなくも幸せで穏やかな毎日が繰り広げられていく。電車でお年寄りに席をゆずったり、道ばたのゴミを拾ったりするワニの心優しさも、作品のほのぼのした特徴だ。》
https://www.asahi.com/articles/ASN3N6WWCN3NUTFL002.html
きくちゆうきが3月20日放送の「スッキリ」(日本テレビ)に出演した。「エンタメRBB」は3月20日付で「100日後に死ぬワニ作者、99日目で痛恨のミス!『スッキリ』で告白」を公開している。
《番組では昨日公開されたばかりの99日目の漫画を紹介。テレビから流れる桜の開花情報に笑顔を見せるワニの姿が4コマで描かれているのだが、いまネットを騒がせているのはその3コマ目。本来なら「ところにより雨ですが」と表記されるところが「ところにり雨ですが」と「よ」が抜けた表記になっていたのだ。ネット上では「よ(世)がない」ということで「100日目には世界がなくなるのでは?」などと考察するコメントなどが相次いていた。》
https://www.rbbtoday.com/article/2020/03/20/177707.html
もともと、きくちゆうきはリイド社の「リイドカフェ」で漫画「SUPERどうぶつーズ」を連載しているし、幻冬社plusで「どうぶつーズの漫画」を連載している。この「どうぶつーズ」を漫画のみならず、グッズ制作、絵本、アニメなど様々な形で展開している作家である。「どうぶつーズ」は「LINEスタンプ」で大ヒットとなる。
https://studio-kikuchi.com/about/
しかし、ツイッター民は、今回のメディアミックスがあまりにもとんとん拍子に進むことに違和感を抱いたようだ。畳みかけるようにしてメディアミックスが決まっていったのは、ツイッターから自然発生的にブームになったと言うよりも、あらかじめブームを狙って仕掛けられたメディアミックス戦略なのではないかと疑いを抱いたのである。
すると、いきものがかりとのコラボムービーに電通の関連会社がクレジットされていることを発見。「100日後に死ぬワニ」は「電通案件」として一気に炎上してしまうのである。加えて《100日後に死ぬワニといきものがかりの動画 高評価が視聴回数の数倍なんだけど 教授!これはいったい!?》といったツイートが投稿され、ガソリンの役割を果たす。
https://twitter.com/FF14_FC_UNION/status/1240996691886522368
ツイッターのタイムラインには、こんな類のツイートが溢れかえったのである。
《話題のワニは見てなかったんで、傍から見た感覚ですが、書籍化映画化に冷めたって人は、金出すのが嫌というより、個人の創作活動だと思って応援してたら、全部ただのステマで、電通に踊らされてただけだった、ってのが嫌なんじゃないかなあ。最初からわかってたら乗らねーよ的な?よく知らんけど…》
https://twitter.com/don0903/status/1240987671435997186
実は、「100日後に死ぬワニ」に注目したのはキャラクタープデュースを専業とするベイシカという企業であった。ベイシカのホームページを見ればわかるように、きくちゆうきの「どうぶつーズ」を手がけている会社でもある。
https://www.basica.co.jp/characterいずれにしても、きくちゆうきと、いきものがかりの水野良樹はネットのライブ放送に登場し、電通案件ではないことを説明するという事態にまで追い込まれていく。
https://twitter.com/mizunoyoshiki/status/1241202954243211264
「ORICON NEWS」は3月21日付で「『100日後に死ぬワニ』“電通件”ではない きくちゆうき氏&いきもの水野がうわさ否定」を発表している。《水野は冒頭、「(最終回に描かれた)桜吹雪の向こうで電通のビルが燃えてる…」と苦笑しつつ、「仕組まれてると思うのは本意ではない。ここに(きくち氏に)来てもらったほうが誤解が解けるかなと思って」と2人で生放送に臨んだ理由を告白。その上で、「一番大きな誤解は、電通さんは絡んでない。プロジェクトの仕組みに壮大な企画があって、何ヶ月も前から巨大組織や色んな人が集まって…、みたいな、そういうプロジェクトではなかった。だから電通んは入ってないです」ときっぱり否定した。》
https://www.oricon.co.jp/news/2157995/full/
朝日新聞デジタルも3月21日付で「101日後に炎上したワニ 評論家が指摘する後味の悪さ」を掲載し、次のように書いている。
《批判を受けて21日昼に、「100日後に死ぬワニ」とのコラボムービーを手がけた歌手いきものがかり水野良樹さんが、ツイッターで作者のきくちさんとの対談動画を配信。水野さんは「電通案件とか言われるけど、電通さんは絡んでないです」とうわさを否定。きくちさんは「僕が個人的に始めたことに色んな人が共感してくれて盛り上げてくれたことに感謝しかない。裏で大きな組織が動いているんだろうと言われると、悲しいし申し訳ないと思う」と涙ながらに語った。作品連載を始めたのは、友人が事故死した経験から「何があるか分からない中で、限りある時間を大切にしてほしいとのメッセージを伝えたい」との思いだったという。》
https://www.asahi.com/articles/ASN3P6SJYN3PUCVL006.html
きくちゆうきのツイート。
《改めて言いますが、ワニの話しは自分1人で始めました。それから色んな人が付いてきてくれました。1人1人と話をして、自分なりにしっかり見極め、信じて、この人になら任せてみてもいいかな、と思った結果が「今」に繋がっています。》
https://twitter.com/yuukikikuchi/status/1241535883955687425
「100日後に死ぬワニ」は電通が最初からメディアミックス戦略を仕掛けて立ち上げた企画ではないのである。そう誤解されるほど、ある意味、メディアミックス戦略としては幼稚であったのかもしれない。
YAHOO!ニュース」は3月21日付で河村鳴紘による「『100日後に死ぬワニ』最終回直後に“炎上”
突然のメディア展開発表あだに」を発表している。《今回の“炎上”のポイントは、ヤフートピックスにも採用されて大きな話題になった段階で、同作の宣伝担当が「露出がある段階で最大限の告知をしよう」としたことがあだになったことしょうか。あまりのスピード展開に事前に仕込みがあったように見えてしまい、そこが地雷になっていることです。メディア側の人間から言えば、最終回後の発表はもう少し日をおくか、やるとしても「書籍化企画検討」ぐらいに抑えるべきでした。そうであれば、ファンから喜びの声は大きかったでしょう。
そして時間をおいて「書籍化決定」、グッズも小出しにして、最後に「映画化決定」をすれば、結果として記事も多く出て露出も出せたはずなのに、「なぜそこまで慌てる?」という印象ですね。SNS全盛の時代の宣伝が難しいことを証明する形となってしまいました。“炎上”を回避するには「何もしない」のが一番なのですが、そうはいきませんよね。》
https://news.yahoo.co.jp/byline/kawamurameikou/20200321-00168973/
竹熊健太郎ツイッターに次のように連投している。《私は「100日後に死ぬワニ」はどうやってマネタイズするのか? が第一回から気になっていたので、連載終結と同時に単行本化や映画化が発表されたとき、正直ホッとした。作者には「良かったですね」という思いしかない。》
《「ワニ」はキャラクタービジネスのエージェント会社が途中で付いたみたいなので、電通やら小学館やらがビジネス展開を発表しても作品の評価が高いことの証明で、別におかしいことではない。》
《「ワニ」は昨年12月上旬に連載が開始、商標が出願されたのが1月上旬だそうで、この間にエージェントと契約したのだろう。エージェントが営業をかけたというより、小学館電通が次々と作者に連絡してきたと思う。作者としては殺到する商品化依頼をさばくためにエージェントを雇った可能性もある。》
《今回作者とエージェント会社に誤算があったとすれば、いち早くビジネス展開が公表されたことで「電通案件疑惑」のような陰謀説がネットで巻き起こってしまったことだが、これもこの作品に作者以外の仕掛人が不在だからこうなってしまったのではないか。》
《陰謀説が出るほど、この作品のバズりかたが凄まじかったということだ。今後、ネットを使って作品を売り出そうとする作者や企業にはいい教訓になった。》
https://twitter.com/kentaro666/status/1241532659093790721
https://twitter.com/kentaro666/status/1241533503151280129
https://twitter.com/kentaro666/status/1241534665040642048
https://twitter.com/kentaro666/status/1241535695706935296
https://twitter.com/kentaro666/status/1241536231382503426
YAHOO!ニュース」は3月21日付で藤田孝典による「『100日後に死ぬワニ』から考えたい『電通案件』と2015年過労自殺事件」を公開している。
https://news.yahoo.co.jp/byline/fujitatakanori/20200321-00168901/
高橋幸美も「100日後に死ぬワニ」を読んだようである。こうツイートしている。
《きくちさんの作品拝見しました
ワニ君と娘の最期がシンクロしました
娘は正社員になり100日生きれませんでした
パワハラで悩む同僚を励ましてた娘が命を絶ち
電通の労働環境を変え、
娘は予期せず同僚を助けました
娘の24年の人生は満開の桜が春の嵐に遭い儚く散る花のようでした》
https://twitter.com/yuki843003/status/1241548129742159873

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3)【記事】「週刊春」が放った「森友自殺<財務省>職員 遺書全公開」の衝撃

春、読むべし。》(プチ鹿島
https://twitter.com/pkashima/status/1239926597316046848
春オンライン」は3月20日付でプチ鹿島の「森友自殺“遺書公開” 安倍首相の『大きな言葉』と官僚の帳尻合わせはいつまで続くのか?」を公開している。
《「森友自殺<財務省>職員遺書全公開『すべて佐川局長の指示です』」(「週刊春」3月26日号)。
この記事はNHK出身で、大阪日日新聞記者の相澤冬樹氏によるもの。2018年12月に出版された相澤氏の『安倍官邸vs.NHK』を読んだとき、最も気になったのが「近畿財務局職員の自殺が残した謎」(第10章)だった。
自殺した「Aさん」(財務省近畿財務局管財部の上席国有財産管理官・赤木俊夫さん)が遺したメモには《改ざんは財務局が勝手にしたのではなく、本省からの指示があった。佐川(元理財局長)の指示で書き換えた》という情報があると。
もしこれが公開されたらすごいことになる。その日は来るのか? 気になって仕方なかった。その詳細が書かれた「手記」が遂に今回公開されたのだ。》
https://bunshun.jp/articles/-/36745
「イサの氾濫」や「幼な子の聖戦」で知られている小説家の木村友祐はフェイスブックに次のように綴っていた。
《〈これが財務官僚王国
最後は下部がしっぽを切られる。
なんて世の中だ、
手が震える。恐い
命 大切な命 終止府〉
書改竄に抵抗したが、せざるをえず、ウツになり、責任をとる形として自死した近畿財務局の赤木さんのメモ。「週刊春」3/26号は読んだ方がいい。ひどすぎる。むせぶ。
赤木さんの人間性豊かなお人柄が伝わって、なおさら切なかった。自死する当日に書き上げたとされる、改竄の経緯を記した「手記」は、有能な公務員だったことを思わせる克明な記録。病に抗い、命を削って書いたのだろう。
安倍を支持する人たちは、これも薄ら笑うのだろうか。自分がどういう生き物になっているのか、気づかないのだろうか。》
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=2637065649755290&set=a.244447382350474&type=3
ツイッターでは「週刊春」を絶賛するコメントがTLにズラリと並んだ。
《「今でも夫のように苦しんでいる人を助けるためにも佐川さん、どうか改ざんの経緯を、本当のことを話してください。よろしくお願いします」
私に事実を話したのち、突然命を落とした現場職員や家族の顔が思い浮かびます。どうか、現場の真面目な人たちを苦しめないでください。》(青木美希)
https://twitter.com/aokiaoki1111/status/1240248036132917248
《一体全体どんな神経だ。図太く、鈍い。よくもまあ当事者中の当事者がこんな発言できるもんだ。あなたの発言がすべての元凶。
次回作は悪人が沢山登場する予定だが、束になっても敵うまい。》ケラリーノ・サンドロヴィッチ
https://twitter.com/kerasand/status/1240260389595578370
《「週刊春」の当該記事を読んだ。やりきれない。腹も立つし、赤木さんとご家族が不憫でならない。特に若い人は必読。どういう国でこれから生きていこうとしているのか。これでも森友はもう済んだこと、と言う人は、最早、人間性の問題だろう。》(平野啓一郎
https://twitter.com/hiranok/status/1240599073968668672
春、『森友自殺財務省職員遺書全公開』今、ぜんぶ読んだ(春が自宅に届くの今日だったからさ)。インタビューに答える奥さんの気持ちが入ってきて、読んでて泣いちゃった。どうか奥さんの気持ちがむくわれて欲しい。旦那さんはお亡くなりになってしまったし、最低限のその望みが叶ってほしい。》(室井佑月
https://twitter.com/YuzukiMuroi/status/1240502675193528322
《近所の小さな本屋さんで最後の一冊。
国家権力者が真面目な良い人をじわじわと殺していく。ひたすら恐ろしく、涙なしに読めなかった。この国の異常さがここに全部詰まってる。春、そして相澤冬樹氏、そして奥さんの昌子さん闘いは始まったばかりだ。》(川内有緒)