【文徒】2020年(令和2)7月8日(第8巻125号・通巻1782号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】産経論説副委員長が「日本国民の命を危険に晒して絶賛逃走中」!
2)【記事】日本テレビ24時間テレビ」強行にツイッターで批判が爆発
3)【記事】アマビエ商標出願問題の結末は?
4)【本日の一行情報】
5)【深夜の誌人語録】
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1)【記事】産経論説副委員長が「日本国民の命を危険に晒して絶賛逃走中」!

春オンライン」は安田峰俊の「最悪拷問の恐怖…産経新聞記者によって中国“タブーメディア”に名前をさらされた話」を7月7日付で発表している。この産経新聞記者とは、首相官邸記者クラブキャップ、政治部次長、ワシントン支局長などの要職を歴任し、現在では論説副委員長の佐々木類のことである。
《もちろん、日本では信教と思想信条の自由が保障されている。佐々木氏が法輪功にシンパシーを抱き『大紀元』に寄稿する行為も、本人が責任をもっておこなうなら問題はない(産経新聞社の中国総局が吹っ飛ぶ可能性はあるが、それは同社が判断する問題である)
とはいえ、それでもH氏の件について悪質なのは、佐々木氏が本当の寄稿先である『大紀元』の名を伏せて産経新聞記者として連絡をおこなった点と、取材を拒否したのに「接触した」としてH氏の実名や経歴を記事中で詳細に記述したことだ。》
https://bunshun.jp/articles/-/38797
今年5月下旬、「H氏」のもとに佐々木類から日本の科学者の頭脳流出問題や、中国政府が進める海外研究者招聘プロジェクト「千人計画」について取材したいというメールが届く。しかし、「H氏」は自分の研究とは関係がないことから断る。ところが記事が出てしまうのである。佐々木類は産経新聞論説副委員長だが、記事が掲載されたのは産経新聞ではなく、中国国内で禁じられている法輪功(法輪大法)の系列メディア「大紀元時報」であった。
大紀元時報日本」が6月26日付で「世界中の頭脳に触手伸ばす中国の『静かなる侵略』 『千人計画』の甘い罠」を掲載しているが、この執筆者こそ佐々木類であった。佐々木は取材を断られたことをもって、何と驚くべきことに《私がここで『千人計画』についてくどくど書いても仕方ないのだが、この計画に参加した日本人研究者と最近、接触できたので紹介したい》と書いているのだ。
https://www.epochtimes.jp/p/2020/06/58632.html
「H氏」も思わず呟いている。
《「接触できたので紹介したい」とありますが、私はこちらのメディアから取材を受けたことはありません。》
https://twitter.com/HattoriM/status/1276794411012091906
「H氏」は証拠のメールも公開して、次のようにツイートしている
産経新聞論説副委員長の佐々木類氏の下記記事において私を名指しで「日本人研究者と最近、接触できたので紹介したい」とありますが、私は氏の取材に対して下記のように断りのメール返信をしています。取材をしていないのに取材したかのような印象を受ける記事を出されたことを非常に残念に思います。》
https://twitter.com/HattoriM/status/1276807737192529921
安田によれば《H氏のように中国国内で暮らす日本人が、『大紀元』紙上で記者から「接触した」と名指しで書かれることは、身の安全が保証されなくなることとほぼイコール》なのである。
「H氏」は追記として、こうもツイートしている。
《追記です。佐々木類氏の当該記事は産経新聞とは別媒体に掲載されていますが、下記のメールにあるようにあくまで産経新聞所属であることと「取材結果は、今夏に上梓予定の拙著で紹介させていただくつもりです」とのみ伝えられており、実際に記事が掲載された別媒体についての話はなく、その点も残念です》
https://twitter.com/HattoriM/status/1277199058222764033
「香港玉手箱」や「中国新声代」で知られている、ふるまいよしこは「note」に「『取材者の無知』という凶器」を発表している
《…少なくともここで言えるのは、佐々木類氏が多少なりとも中国をテーマに取材を行うならば、もっと取材対象に対するタブーをわきまえるべきであろう。万が一、「大紀元が中国でどんな扱いにあるメディアか知らなかった」というのであれば、佐々木氏は「論説副委員長」の肩書を振り回して中国取材をするより以前に、もっと中国取材の常識を同僚記者から学ぶべきである。自分の記事にプライドがあるならば、少なくとも取材相手を守ることくらいは熟考すべきだ。》
https://note.com/wanzee/n/n429aebb3ebb5
私などが信じられないのは佐々木類なる新聞記者が「春オンライン」の取材から「日本国民の命を危険に晒して絶賛逃走中」(田中康夫)であることだ。
https://twitter.com/loveyassy/status/1280288104545312769
安田峰俊は、次のように書いて筆を置いている。
《著書のプロフィールでは「徹底した現場主義を貫く」「産経新聞屈指の論客」とされる敏腕ジャーナリスト・佐々木類氏。だが、どうやら春オンライン編集部と「接触する」ことはお好みではないようである。》

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2)【記事】日本テレビ24時間テレビ」強行にツイッターで批判が爆発

毎日新聞は7月7日付で「異例ずくめの『24時間テレビ』 イノッチらパーソナリティー5人の共通点は『笑顔』」を掲載している。
《昨年は会場だった東京・両国国技館に大勢の観覧客が入場したが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大で、観客を入れずに両国国技館で開催する。毎年、番組の放送中に芸能人らが走ってきた恒例のマラソンも、応援する人が集まるのを避けるため実施を見送るなど、異例ずくめの放送になる。そのなかで日テレは「今年しかできない24時間テレビを作る」と意気込む。》
https://mainichi.jp/articles/20200707/k00/00m/040/010000c
東スポWeb」は7月7日付で「交渉決裂!嵐が出ない『24時間テレビ』にジャニタレ〝寄せ集め〟の不安」を掲載している。
《勃発していた嵐の内紛を抑えることはできなかった。日本テレビの看板番組「24時間テレビ 愛は地球を救う」が本紙既報どおり8月22、23日に決まった。メインパーソナリティーにはV6の井ノ原快彦(44)をはじめ5人のジャニーズタレントが名を連ねたが、当初、有力候補として予想されていた嵐の名前はなし。嵐のメンバー同士が「24時間テレビ」出演をめぐって、大モメになっていると本紙は報じたが、やはり日テレとジャニーズの交渉は決裂、起用には至らなかった。》
https://www.tokyo-sports.co.jp/entame/johnnys/1958283/
日本テレビは「24時間テレビ」の強行を決めたわけだけれど、ツイッターでは批判も多く呟かれている。こんな具合だ。
《自粛中、営業していたパチンコ店が過剰に叩かれてたのにコロナウイルスが流行ってる時に24時間テレビを強行開催する日本テレビが叩かれないのはおかしい》
https://twitter.com/panda_panda_222/status/1280334228111032321
《そんなクソイベント、無理矢理強行する必要など全くない。善意の押し付けの一言。それに今年は中止だけど芸能人のマラソン行事はただのイジメにしか見えない。》
https://twitter.com/momokiaki/status/1280275318914211840
《今年は悉く、イベントや全国的な大きなお祭りが軒並み中止ですからね…
祇園祭、徳島の阿波おどりねぶた祭り…挙げればキリが無い位ですしね…
そんな中、日本テレビテレビは24時間TVを強行するみたいで…全く理解に苦しみます》
https://twitter.com/sugartown1130/status/1280272323321360385
《あれほど「コロナ、コロナ」と恐怖を煽り、自粛を「強要」しながら、24時間テレビを強行放送して、募金ビジネスで「ボロ儲け」する魂胆には正直「汚すぎ」ますね!》
https://twitter.com/4vakK1iiTJeGYbd/status/1280269406216413184
《今年24時間テレビ強行したら、先々に響くんじゃないか?
そういうその場しのぎっていうか行き当たりばったりっていうかどっかのアイドル事務所みたいなのやめようよ……》
https://twitter.com/kogepan915/status/1279958805078405121
《コロナ禍で奮闘している医療従事者や、豪雨の被災者の為に募金を募ること自体間違ってない。
が、クラスター対策の為に伝統行事や大型イベントが中止・延期されてる最中に強行する意味はあるのか
欲しいのは協賛企業からの多額の募金とCM広告料だろ
だから偽善番組なんて言われるんだ》
https://twitter.com/Hu8fUrBJ1pGCSPr/status/1280267978177605632
《前に使命感で24時間テレビをやっているみたいなことを言っていたけれど、 人が密集するような 行動を制限している世相でこれを強行するっていうこと自体が頭がおかしいんじゃないのって思われても仕方がない。 チャリティーを抜きにして金だろとしか思えない。》
https://twitter.com/rakutenranking1/status/1279993475014881291
《マスコミ業界は行政に加担してコロナウイルスで自粛しない業界を晒し物にしてきたわけだけど、24時間テレビを強行する日テレコロナウイルスに関して責任も持てない放送局であることがハッキリしたw》
https://twitter.com/panda_panda_222/status/1280023095948935169
《テレビはもう諸悪の根源になったんだな。
テレビを愛し、支えてきた人たちに薫陶を受けた身としては複雑な思いだが、この数年の異常ぶりはもう取り返しのつかないところまで来た。
この3ヶ月、命を擦り減らして撮ったコロナ禍の東京の映像は、テレビに仕える人たちによって拒まれた。
道はもう別れた。》
https://twitter.com/Matsuimamadou/status/1279739882831659011
《昼に24時間TVの告知見たら、先月のブルーインパルスの映像も使って「誰かを批判する事なく」なんてナレーション入った、しれっと“批判はするな”って空気に誘導しようとしてる感じでした。》
https://twitter.com/j375t13/status/1280152760596393990
24時間テレビはマジでいらない。障害持ちの子供達をまるでおもちゃみたいに扱ってるし、カメラの回ってないところでは暴力を振るったりしてる。それが一時期問題となって多くの批判が殺到した。この番組は元気を与える番組でも何でもない。直ちに消えるべき。》
https://twitter.com/Miran_musicgame/status/1280310916559433729
《正直、24時間テレビ批判は障害者の手を離れ、健常者による代弁でもなく、露骨な障害者へのヘイトと同一化してるように感じる(そういう調査もある)   24時間テレビ揶揄で喝采されたバリバラに桜を見る会パロで憤慨した層とか》
https://twitter.com/Mr_Mikan00/status/1279988500180332544
24時間テレビの宣伝で「批判をしないで」みたいな言出てきてうんざりした。もちろん感染した人を批判するのは間違ってるし夜の街を批判するのも間違ってる。でも政治家は批判するべきだろ。こんな現状なんだから。
なのに十把一絡げに「批判をしないで」ってするのやばくないか?
https://twitter.com/mov59/status/1279976306319306752
《今年の24時間テレビ。批判とかせず自分で動け(意訳)がテーマなんだ。動かないやつを批判する役割を放棄してるテレビ局がなにをおっしゃっているのか、ちょっと意味がわからない。》
https://twitter.com/chogetsu_suzuki/status/1279987617660952576
全国紙記者を自称する「窓際記者」のツイートも紹介しておこう。
《日テレがこれだけ批判されてるのに24時間テレビを強行するのは、それだけ美味しいビジネスだからなんだな。「障害者を食い物にして酷い!」というネット上の声はノイジーマイノリティで、テレビを見るような一般大衆はあれに感動する。純粋な視聴者がテレビの前に鎮座するのでCM単価も高い。》
《個人的には24時間テレビに嫌悪感を覚えるし観ようとも思わんが、馬鹿向けの感動娯楽として割り切れる。見せ物になってる障害者が出演を強制されてる訳でもないし。
世の中の皆が賢い消費者になってテレビを観ずに車もカーシェア、PBだけ買って外食もせずひたすらインデックス投資してたら経済は死ぬ。》
https://twitter.com/nekokisha/status/1280151407631519744
https://twitter.com/nekokisha/status/1280153741417742337
もちろん、おいしいビジネスであるのだろうけれど、日本テレビとって「24時間テレビ」は「国体」ならぬ「局体」なのではあるまいか。日本テレビは「局体」護持を決めたのだ。

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3)【記事】アマビエ商標出願問題の結末は?

毎日新聞は7月6日付で「耳栓にもアマビエ? まさかの商標出願に批判続出『誰のものでもない』」を掲載している。
電通は6月に「アマビエ」を出願した。使う商品やサービスとして「水泳用耳栓」や「消防車」、「広告業」や「農業・畜産又は水産に関する試験・検査又は研究」など、多種多様な項目を列挙している。他の企業や宗教法人は「菓子」や「洋酒」、「衛生マスク」「お守り」などを商品として出願している。》
電通毎日新聞の取材に対し6日、出願を取り下げたことを明らかにした。その理由として同社広報部は「アマビエという名称を使うキャンペーンを検討していたため、登録を試みたが、再検討することとなったため、出願取り下げの手続きを行った。商標の独占的かつ排他的な使用は全く想定していなかった」と説明している。》
https://mainichi.jp/articles/20200706/k00/00m/040/221000c
J-CASTニュース」は7月6日付で「電通、『アマビエ』商標出願→取り下げ ネットでは物議、広報『活用を再検討』」を発表している。
《アマビエは疫病退散祈願の妖怪として、新型コロナウイルスの蔓延以降、各所でモチーフとして活用されている。その中で電通が商標出願していたことに、インターネット上では「名称を独占しようとしてる」「理解できるけど...」などと賛否の声があがっていた。》
https://www.j-cast.com/2020/07/06389599.html
「まいどなニュース」の7月6日付「電通が『アマビエ』の商標登録を出願も、6日に取り下げ…『独占や排他的使用は意図せず』と釈明」で広畑千春は、こう書いている。
《アマビエは京都大附属図書館所蔵の史料「肥後国海中の怪」に描かれた妖怪。コロナ禍の中「疫病退散」のシンボルとして、多くのリエーターや企業が原画をアレンジした作品や商品を製作している。電通は6月30日に特許庁に雑貨だけでなく電子出版物など広マーケティングに関する188項目の商標登録を出願。Twitter上で「#電通のアマビエ商標登録に抗議します」のハッシュタグが広がるなど、“炎上”騒ぎになっていた。》
https://maidonanews.jp/article/13521401
ツイッターのタイムラインを調べてみると、確かに批判が上がっていた。炎上の痕跡を少し拾ってみよう。
三崎尚人のツイート。リツイートが1.8万あり、「いいね」を2.2万も獲得している。
電通がアマビエを商標登録しようしているという…。こういうのが愚策であることは、15年も昔ののまネコ騒動で実証済なのに、馬鹿なの?》
https://twitter.com/nmisaki/status/1279389321473036289
のまネコ騒動」とは?ここに詳しい。
https://nagasm.org/1106/news2/noma/index.html
「異名・ニックネーム辞典」や「アレにもコレにも! モノのなまえ事典」などの著書で知られる雑学ライターの杉村喜光もツイートしている。
電通がアマビエを商標登録って、フェイクニュースじゃないよね
これまで何度も「すでに一般名詞化されているため商標登録できない」という事案があるのを知らないワケないと思うし、評判が悪い組織がさらに批判される要素を抱えるとかコンプライアンス的にマイナス要素しか感じないんけど。マジか?》
https://twitter.com/tisensugimura/status/1279390872308641792
森ゆきえはマンガを描いて投稿している。
《ひさしぶりに時事ネタ。電通が「アマビエ」を商標登録出願ってニュースを見て????ってなったので思わず描きました。》
https://twitter.com/medakanoyukie/status/1279713827509039105
田中秀臣
電通、本当にくそだな。》
https://twitter.com/hidetomitanaka/status/1280090522028130304
漫画家のさちみりほのツイート。
《まだ出願段階ではありますが…電通は日本中から嫌われたいんでしょか 自粛の中、皆が互いを励まし合うように描いたり作ったり楽しんでた皆のアマビエ様を何の権利があって独り占め、商標登録などと言う発想に至ったのか》
https://twitter.com/sachimiriho/status/1279476396239187968

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4)【本日の一行情報】

◎ノンフィクション作家・清水潔のツイート。出版に関わる者であれば誰もが感じていることだ。
教堂・浜松町店が昨日閉店した。時々のぞいていた店であり残念。店員の皆様お疲れ様でした。
全国的にすさまじいスピードで書店が消え、あるいは縮小している。本を手にとって選ぶ、あるいは良書と偶然に出会う。そんな大切な場面が消えるのか。取り返しつかない事態に進んでいる怖さがある。》
https://twitter.com/NOSUKE0607/status/1280368947812950017

◎「ヤクザと原発 : 福島第一潜入記」などヤクザを取材しつづけてきた鈴木智彦のツイート。
週刊実話とアサヒ芸能を読み終わり、山口組記事をスクラップした後、通販カタログを一番上にしてから紐で括る俺の弱さよ。》
https://twitter.com/yonakiishi/status/1279769331627225090
そういうものなのか…。ヤクザ社会を取材する鈴木にとって「週刊大衆」は資料として、それほど役に立たないようだ。

主婦の友社は、販売に関わる業務効率化のため、書店促進、販売会社営業、宣伝・広報の業務をグループ会社である「株式会社C-パブリッシング サービス」へ移管した。
https://shufunotomo.co.jp/info/786/

◎お笑いコンビとしてデビューし、現在は俳優の石井正則は全国に13カ所ある国立ハンセン病療養所を撮影した写真約100点を収めた「13(サーティーン) ハンセン病療養所からの言葉」を今年3月にトランスビューから刊行した。「エコノミストOnline」は7月6日付で「ハンセン病療養所を撮影=石井正則・俳優」を発表している。石井の発言。
《全国のハンセン病療養所を回って写真を撮らせてもらいましたが、撮った写真をどうするのかについては考えがまとまりませんでした。するとある時、国立ハンセン病資料館(東京都東村山市)の方から「写真展をやりませんか」と声を掛けてもらったんです。準備をしているうちに今度はトランスビューの編集者、高田秀樹さんが「本にしましょう」と声を掛けてくれました。写真展は当初、今年2~5月にハンセン病資料館で開催を予定していたのですが、新型コロナウイルスの感染拡大でしばらく見送ることになり、結果的に本が先になりました。》
https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20200714/se1/00m/020/006000c

エンニオ・モリコーネが亡くなった。音楽ライターの小室敬幸がツイッターで追悼している。
モリコーネが、なんでこんなにクラシックの演奏家にも愛されているかというと、ヴェルディ、マスカーニ、プッチーニの延長線上にニーノ・ロータがおり、その先にいるのがモリコーネだからだと思うんですよ。オペラから映画音楽へと受け継がれる叙情の系譜。》
https://twitter.com/TakayukiKomuro/status/1280037293647032320
こちらは大友良英の追悼ツイート。
《劇伴の仕事を終え戻ったらモリコーネの訃報。氏の音楽にこれまでどれだけお世話になったことか。もちろん全く足元にもおよびませんが、でもキャリアのスタートがフリージャズのトランペッターだったことに勝手に親近感を覚えたりもしていました。心からご冥福をお祈りいたします。》
https://twitter.com/otomojamjam/status/1280155946203746307
この朝日新聞デジタルの記事では、セルジオ・レオーネやブライアン・デ・パルマの「アンタッチャブル」、ジュゼッペ・トルナトーレの「ニュー・シネマ・パラダイス」、クエンティン・タランティーノの「ヘイトフル・エイト」といった名前は出てくるもののピエル・パオロ・パゾリーニを支えたのがモリコーネであったという映画史を欠落させてしまっている。
モリコーネパゾリーニの「テオレマ」「デカメロン」「カンタベリー物語」「アラビアンナイト」「ソドムの市」の音楽を担当している。マカロニ・ウエスタンでも、レオーネばかりではなく「豹/ジャガー」「殺しが静かにやって来る」ではセルジオ・コルブッチと組んでいるし、ダミアーノ・ダミアーニの「群盗荒野を裂く」も、ジッロ・ポンテコルヴォの「アルジェの戦い」もエンニオ・モリコーネである。むろん、ベルナルド・ベルトルッチの「分身」も、「1900」も、「ルナ」もモリコーネである。
https://www.asahi.com/articles/ASN766VB1N76UHBI01F.html

◎ウェブ「ニューズウィーク日本版」は6月25日付で楊海英の「『中国の黒人差別』メディアが報道できない理由」を発表しているのだが、私はこの記事の存在を7月5日付で「東洋経済オンライン」が公開したことで初めて知った。
武漢で発生した新型コロナウイルス感染症が世界中で猖獗を極めた今春、中国南部・広東省ですさまじい勢いの黒人排斥運動が起きた。それまでに住んでいたアパートから追い出され、街頭にさまよっていたところを中国人に袋だたきにされる映像が多く拡散した。ナイジェリアなど数カ国の外交官が中国外務省に申し入れするほど、アフリカ諸国でも反響が大きかった。被害者の中にはアメリカ国籍の黒人もいた。
しかし、日本ではゴールデンタイムで中国の黒人排斥問題の深層を分析し、細かくルポする報道は見られなかった。正義に基づいて人種や差別の問題に取り組むのがメディアの役割であるならば、中国を放置してアメリカだけをクローズアップするのは不公平ではないか。》
https://toyokeizai.net/articles/-/360490

中央公論新社出身の澤村修治の総496頁に及ぶ平凡社新書「日本マンガ全史 『鳥獣戯画』から『鬼滅の刃』まで」が刊行された。
https://www.heibonsha.co.jp/book/b506995.html
東洋経済オンライン」が同書を抜粋・再構成した「少年ジャンプが転機『漫画海外進出』の難しさ」を公開している。
《タテ書き右開きの日本マンガを、ヨコ字左開きのフォーマットにどう落とし込むかが、第1の課題となった。そのために採用されたのは、反転 させて印刷する方法である。そのうえで、右読みから左読みにネームを変える。それに併せてフキダシの形、向きなども書き換える必要があった。
第2の課題は翻訳自体の難しさである。マンガのネームは独特のボキャブラリーが頻出し、またオノマトペ(擬音語・擬声語擬態語)が多用されるのを通常とする。これは日本語の特質が生むものであるが、翻訳のさい、どういった言葉に置き換えるのかは単純な話ではない。また、同時代の日本での流行語が登場することも、大衆化ならではの現象だが、翻訳上はきわめてやっかいである。日本語や日本化を理解しながら、アメリカの読者に訴える言葉を探す作業を行うわけで、翻訳は一筋縄ではいかない作業の繰り返しになる。》
https://toyokeizai.net/articles/-/360154
澤村は「新しい歴史教科書をつくる会」でも活躍していた。
https://twitter.com/Tsukurukai/status/903493711748767744

◎コミチは、 マンガ・グラビア閲覧に対応した新しいマガジン・ビューアの提供を開始した。7月6日に講談社ヤングマガジン編集部が運営を開始したマンガ雑誌サービス「ヤンマガWeb」で採用されている。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000016.000041778.html

◎日販は、毎年夏に王子流通センター構内で開催していた「王子まつり」(日販・日販労組共催)を新型コロナウイルス感染症拡大下の現況を鑑み、今年は開催を中止することにした。
https://www.nippan.co.jp/news/ohji_20200707/

朝日新聞デジタルは7月6日付で「栃木・小山市長選で毎日新聞誤報 落選の現職を当選に」を掲載している。
毎日新聞社長室広報担当によると、事前の情勢判断と開票作業の途中経過をもとに、大久保氏を「当選確実」と一時判断した。誤報が掲載された新聞は宇都宮市や真岡市など県内の一部地域に配られた。同社のインターネットサイトでも6日朝、一時、配信された。小山市内で配った新聞には掲載されていないという。》
https://www.asahi.com/articles/ASN7651BZN76UUHB008.html
選挙報道のあり方を考え直すべきなのではないだろうか。決して毎日新聞だけの問題とは思えないのである。開票と同時に「当確」として報道してしまう現在の選挙報道は投票率さえ下げている可能性があるはずだ。新聞も、テレビも「岡っ引きジャーナリズム」を卒業してもらいたいものである。

◎「ハーパーズ バザー・オンライン」は7月6日付で「サミラ・ナサーが、US版『ハーパーズ バザー』の新編集長に就任 7月6日に就任予定の彼女は、史上初の黒人編集長となる」を発表している。
《ナサーは最近まで『Vanity Fair』誌のエグゼクティブ・ファッション・ディレクターを務め、25回目となる同誌恒例のハリウッド特集や、ルピタ・ニョンゴを表紙に起用したスプリングスタイル特集、ニコール・キッドマンが表紙を飾った2019年5月号など、アイコニックな表紙のスタイリングをはじめ、同誌のファッション部門とすべてのファッションコンテンツを取り仕切り、ディレクションを担当。(中略)
新編集長就任で、過去に『ELLE』誌のファッションディレクターも5年にわたって務めた経験を持つナサーは、古巣のハースト社に戻ることになる。『ELLE』の前は、『InStyle』誌のスタイルディレクターだった。出版界のトップファッション誌での仕事に加え、彼女は、ローラ メルシエやティファニー、トリー バーチ、エスティ ローダー、ロレアル、クラランスをはじめとするファッション&ビューティブランドのキャンペーンのスタイリングも手がけてきた。
https://www.harpersbazaar.com/jp/fashion/fashion-news/a32902100/samira-nasr-named-editor-of-harpers-bazaar-200706-lift1/

日刊ゲンダイDIGITALは石井妙子の緊急寄稿「小池再選を生んだメディアの忖度気質」を7月6日付で掲載している。
《一方で、現役の都知事である小池氏の会見は毎日のように、テレビで取り上げられていた。不公平であろう。小池氏がテレビ討論を嫌がったのであれば、その真の理由は、他候補からの厳しい質問に答える自信がなかったからではないか。他候補はテレビを通じて自己を主張する貴重な機会を小池氏とテレビ局によって奪われてしまったと言っていい。テレビ界出身の小池氏はメディア操作に長けており、また、テレビ局は常に現役の知事に対して忖度をする。前回は朝から晩まで延々と、ワイドショーで都知事選を報じ続けていた。こんなにも選挙報道に落差があっていいのだろうか。》
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/275593

毎日新聞は7月7日付で「伊藤詩織さんへのデマやバッシング 荻上チキさんの70万件分析で見えた傾向」を掲載している。
荻上さんが注目したのは、ツイッターとヤフーコメント欄の数字だ。ツイッターは批判的な投稿と違法性の高い投稿をあわせた割合が四つのサービスの中で2番目に高く、違法性の高い投稿に限ればもっとも割合が高い。荻上さんは背景に「投稿者のアカウントの継続性」と「投稿の拡散性」があるとみる。
ツイッターは、投稿がリツイートされることによって投稿者が承認されていくプロセスがある。否定的な書き込みを続け、それがリツイートされ続けることによって投稿者は『承認された』と感じ、攻撃的な言葉にエスカレートしていく。書き続けることによって強烈な『アンチ』が育ってしまう土壌があると感じました」
一方、ヤフーコメント欄は、批判的な投稿の割合は高いが、違法性の高い投稿の割合は低い。投稿者のアカウント名は最初の1字しか表示されず、見ている側からは、どの投稿が同じアカウントによるものなのかが分かりづらい。そのため、ツイッターに比べて段階を踏んで先鋭化することが少ないと考えられるという。》
https://mainichi.jp/articles/20200706/k00/00m/040/273000c
ツイッターというソーシャルメディアの特徴だが、同一のテーマで投稿していくと、表現を加速度的に先鋭化させていってしまう。表現が先鋭化することで投稿者の感情も攻撃性を高めることになる。表現によって感情が形成されるという倒錯が成立するのだ。

スポーツニッポンは7月6日付で「漫画家・小坂泰之氏 九州南部の豪雨で被災『放課後ていぼう日誌』休載へ『執筆を継続できる状況ではない』」を掲載している。
秋田書店は6日、月刊青年漫画誌「ヤングチャンピオン烈」(毎月第3火曜発売)で、熊本県芦北町を舞台とし、アニメ化もされた「放課後ていぼう日誌」を連載している漫画家・小坂泰之氏が九州南部の豪雨で被災したため、7月21日発売号から同作を休載すると発表した。小坂氏にケガはないものの「執筆を継続できる状況ではないため」としている。》
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2020/07/06/kiji/20200706s00041000251000c.html

◎「演劇界」6・7月号は異例の4刷が重版出来!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000740.000013640.html

◎レイニー先生の「今ドキ恋愛英会話」が主婦の友社から刊行された。レイニー先生のキャリアが目を引く。
《16歳で単身渡米。ボストンの高校でミュージカルと演劇を、ロサンゼルスの大学では演劇を学ぶ。アメリカではミュージカル「CHICAGO」のスコットランドツアーをはじめ、数々の舞台に立つ。19歳の時にミス日本コンテストに応募、準ミス日本’03に選ばれる。その後帰国し、バイリンガルMCとして、メディアやイベントなどで活動。
2018年から「英語×エンタテイメント」といったキーワードに興味をもった女性たちが、英語に関係する面白い事なら教育からエンタテイメントまで何でもやってしまおうと集まったグループ「イングリッシュ・パートナーズ」のリーダーを務める。また、YoTuberとして『レイニー先生の必ず役立つ英会話』などでも活躍中。1児の母。叔父は作曲家でも有名な都倉俊一、弟はJリーガー「セレッソ大阪の」都倉賢。》
http://shufunotomo.hondana.jp/book/b511233.html

◎「ドラえもん映画祭2020 アンコール上映」が神保町シアターで開催される。15作品を7月25日(土)~8月6日(木)まで13日間連続で上映する。そして、シリーズ最新作「映画ドラえもん のび太の新恐竜」が8月7日より公開される。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000731.000013640.html

東京新聞は7月7日付で「電通が受注法人の広報を担う 実体の乏しさ裏付け 持続化給付金」を掲載している。サービスデザイン推進協議会(サ協)の初代代表理事が所長を務める「ユニバーサルデザイン総合研究所(UDI)」の代表取締役・竹腰稔が、東京新聞の取材に応じた。
電通チームの存在について竹腰氏は「かん口令」を求められたと指摘。平川氏から送られた6月1日のメールには、野党の国会質問などを念頭に「昨日METI(経済産業省)とすりあわせ済」とした上で、「防御を固めつつ、反撃の糸口を探している状況」と記されていた。
竹腰氏は「サ協や電通は国民の税金を使う立場。口裏合わせみたいなことをして、逃げ口上のような対応をするのはおかしい」と、本紙の取材に応じた理由を説明した。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/40426
同紙同日付「『移動はタクシーで』『マスコミに話さないで』…関係企業などに指南」は、こう書いている。
《平川氏は「広報対応のご支援」「広報リスクをさげる」との名目で、サ協の代表理事経験者らに、自宅や事務所の住所、家族構成、外出スケジュールまで問い合わせていた。「移動はなるべくタクシーで」など直接取材への対策とみられる細かい指示も送っていた。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/40428

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5)【深夜の誌人語録】

痛みを大切に仕舞っておくことも大切だ。