【文徒】2020年(令和2)9月24日(第8巻176号・通巻1833号)


Index------------------------------------------------------
1)【記事】最近書店閉店事情
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2020.9.24 Shuppanjin

1)【記事】最近書店閉店事情

1)和歌山県のWAYミレニアシティ岩出店は8月8日(日)をもって、TSUTAYA WAY熊野店は8月20日(木)をもって、WAY湯浅店は8/31(月)をもって、それぞれ閉店した。
《この度3店舗を営業終了し、閉店させていただきます。
WAYミレニアシティ岩出店
 8/8(日)20:00 をもって営業を終了させていただきます。
 引き続き、WAY書店 TSUTAYA岩出店をご利用いただけますと幸いです。
TSUTAYA WAY熊野店
 8/20(木)21:00 をもって営業を終了させていただきます。
 ※レンタル業務については既に終了しております。
 引き続き、TSUTAYA WAY新宮仲之町店、TSUTAYA WAY尾鷲店などをご利用いただけますと幸いです。
WAY湯浅店
 8/31(月)20:00 をもって営業を終了させていただきます。
 引き続き、TSUTAYA WAY有田川店をご利用いただけますと幸いです。
OEカード・OEポイントは、「WAY書店」及び「TSUTAYA WAY」各店で引き続きご利用いただけます。
いづれの店舗も長年に渡りご愛好頂き、誠にありがとうございました。
ご利用頂いていたお客様にはご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご容赦下さいませ。》
https://way-books.com/information/20200814.html
2) フタバ図書ソフトピア府中店(広島県安芸郡府中町)が9月30日(水)をもって閉店。
《ここ閉店するのか…
フタバ図書、本通店といい最近閉店が多い…》
https://twitter.com/identity16787/status/1303636134761648129
《フタバ続々閉店ってヤバいのか?
ソレイユ内に有るから 府中はまぁ》
https://twitter.com/moko790228/status/1301461489816010754
3)コジマ×ビックカメラブックス教堂茨木店(大阪府茨木市が10月4日(日)をもって閉店。
《<茨木発>阪急茨木市駅からすぐの場所にある「コジマ・ビックカメラ茨木店」さんと、同じビルの3階にある「コジマBOOKS教堂」さんが閉店します。
「コジマBOOKS教堂」さんは、2020年10月4日(日)に閉店です。またひとつ書店がなくなることはとても寂しいです。
https://mrs.living.jp/hokusetsu/newopen/article/3964071
4) 教堂書店 東習志野店(千葉県船橋市)が9月6日(日)をもって閉店。
教堂書店東習志野店が潰れていた。開店したのいつだったっけ?ってくらい昔からお世話になっていたがこれも時代の流れかねえ。これで歩いていける所に書店が無くなってしまった。》
https://twitter.com/yume_neko_gge/status/1305748002951188480
5) 宮脇書店おもちゃのまち店(栃木県壬生町)が9月19日(土)をもって閉店。
《壬生の宮脇書店おもちゃのまち店が19日をもって閉店するとのことなので、見送りも兼ねて行ってきたゾ
確か小学生ぐらいの頃からあったんだっけかな…
昔からお世話になってた本屋さんが無くなるのは、寂しいねー……
https://twitter.com/eiraoikagamin/status/1307288884192202753
宮脇書店おもちゃのまち店が間もなく閉店ですか。上三川店がだいぶ前に閉店し、栃木県内の宮脇書店は小山店と佐野のイオンタウン内の店舗だけになってしまいますね。》
https://twitter.com/masa4244/status/1296740236567777281
《お世話になりました。宮脇書店 #おもちゃのまち店 9月19日閉店。》
https://twitter.com/masa4244/status/1299311096130465793
6)TSUTAYA 住之江店(大阪市住之江区)が10月18日(日)をもって閉店。
TSUTAYA住之江店閉店するのか…
むかしよく来たな~》
https://twitter.com/1120Eyes/status/1307598136043397120
《来月18日(日曜)で残念ながら閉店に(涙) 地図を見たら隣がライバルのGEOと軒を並べているのも珍しいなぁと GEOはグループでリサイクルショップのセカンドストリートが在るから強いのか!? それにしてもTSUTAYACDの閉店は続きますね(汗)》
https://twitter.com/sugartown1130/status/1305280685549129729
7)精館書店 尾張一宮店(愛知県一宮市)が11月1日(日)をもって閉店。
一宮市で一番大きいと思う精館書店一宮店&ツタヤ尾張一宮閉店の情報。一宮競輪場跡地にスーパービバホーム系列ショッピングモール併設で楽しみにしていたところなのに~。》
https://twitter.com/yukisa87/status/1305797449580048385
https://ichinomiya.goguynet.jp/2020/09/16/seibunkan/
8)「どこにいても本屋」を自称する松井祐輔のH.A.Bookstore蔵前店が9月12日(土)をもって閉店。
《長らく来ていただいていた方や、頻繁に通ってくださった方などにも、まったく挨拶しないまま閉めてしまいすみません。ひとえに店主が、情の薄いやつであると、落胆や批判していただいてかまいません。事前に閉店を告知することにより、「せっかくだから行こう」であったり、「せっかくだから多めに買っておこう」であったり、あるいはそれに伴う「お店閉じるんですね」というような会話に耐えきれないというか、なにか適切な形ではないだろう、という思いがあり、告知なく閉めることにしました。》
《時間、収支両面で、これは“充分なくらし”とは言えないのではないか。充分なしごと、というのもその“くらし”の中には含まれるはずです。
(本は継続して出していきますし、取次も倉庫規模は小さくなりますが継続いたします。というか取次を継続するためにも、家賃と倉庫スペースを勘案していまの物件は解約したほうがよさそう、という経営的判断もいち要因としてあります。)》
https://note.com/habnoweb/n/n307bb433a6d0
《H.A.Bookstore蔵前店舗、閉店のオシラセを改めてよみかえす。とても大切なことが書かれている。"充分なくらし"という言葉が、ずっと頭の中を駆け巡っている。》
https://twitter.com/kishinami8/status/1305313588106592256
《何度か足を運んだH.A.Bookstoreさん、閉店のお知らせ。
味のある棚は大いに参考になり刺激を受けました。
ありがとうございました。》
https://twitter.com/suzukitaitou/status/1305178029979705344
《お疲れ様でした。大変お世話になりました。正直とても残念。。
https://twitter.com/tamura_jp/status/1305269937426972672
短篇小説を愉しむ芸誌『吟醸掌篇』(けいこう舎)を編集発行している栗林佐知のツイート。
《びっくりで、寂しいけど、
どうかのんびりしてくださいね。
吟醸掌篇お世話になり、ありがとうございました。》
https://twitter.com/KuribayashiS/status/1305500325218938880
版元では、「ころから」がこんなツイートを投稿している。
《たいへんお世話になりました。
今後も版元仲間として、よろしくお願いします。》
https://twitter.com/korocolor/status/1305365730989236230
9)津村書店が10月末をもって閉店。「NHK NEWS WEB」は9月15日付で「気象庁の片隅で65年 気象専門の名物書店が10月末で閉店へ」を発表している。
《閉店するのは、東京千代田区気象庁の庁舎内で、親子2代、65年にわたって営業を続けてきた「津村書店」です。
庁舎の片隅にあるおよそ30平方メートルの小さな書店で、現在は2代目の津村幸雄さんと京子さん夫妻が経営しています。
書店には絶版になった貴重な気象専門書のほか、一般の書店では入手困難な気象予報士の参考書など、数千冊を取り扱っていています。》
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200915/k10012619021000.html
元書店員の徳永直良がツイートしている。
気象庁の津村書店、こういうの決める時に研究・教育機能の一部として移転の仕組みを考えるべきや。気象庁や科学館みたいな特化した所では専門書店が有ると無いでは、全然違うで。》
https://twitter.com/naox_toku/status/1306922260314251264
記者・内山裕幾のツイート。
《多くの気象関係者にとっての思い出の地もまた書店化の衰退という流れには抗えない。「仕方ない」と思いつつも寂しさは拭えない。
元々書店好きだからこそ余計に感じるのかもしれませんが、書店という場所や空間でしか得られないものはやはりあると思うのです。
https://twitter.com/Hiroking_0616/status/1305897879429505024
10)戸田書店 掛川西郷店(静岡県掛川市)が10月18日(日)をもって閉店。
《【お知らせ】
戸田書店掛川西郷店をご利用くださいまして誠にありがとうございます。
菊川店との統合に伴い
誠に勝手ながら10月18日を持ちまして閉店させていただくこととなりました。
長きに渡りご愛顧いただきました事を厚く御礼申し上げます。》
https://twitter.com/toda_saigo/status/1305327071913078784
戸田書店さんが閉店されるそうです。静鉄に行く前に、よく寄っているのですが…。悲しいです》
https://twitter.com/kakegawasite/status/1306136152018092032
《今日は仕事中一件重たい話が入ってきて少しガッカリし、気晴らしに本屋に行ってラジオでも聴いて寝ようと思っていたら静岡県川市の本屋さん、戸田書店掛川西郷店が近隣の店舗と合併で閉店するというニュースが飛び込んできた。本当かよ、という気分。》
https://twitter.com/yasuo__n/status/1305487390434238465
「走る本屋さん高久書店」が呟いていている。
《今日も一日有難う御座いました。
戸田書店掛川西郷店 閉店の報に、心を痛めております。なにも言葉に出来ません。辛いです。》
https://twitter.com/books_takaku/status/1305457214765764609
静岡新聞は9月22日付で「掛川最大規模の書店閉店 10月18日、他店に統合へ」を掲載している。
掛川市戸田書店掛川西郷店が10月18日で、同じフランチャイズ加盟店「リブレ」が運営する菊川店(菊川市)に統合するため閉店する。2003年の開店以来、市内最大規模の書店としてを支えてきたが、業界全体がネット通販などに押される中、近年は売り上げが減少傾向だった。》
https://www.at-s.com/news/article/local/west/811137.html
11)TSUTAYA南桜井店(埼玉県春日部市)が11月15日(日)をもって閉店。
《~閉店のお知らせ~
TSUTAYA南桜井店は、
2020年11月15日(日)をもちまして、閉店させていただくことになりました。
21年もの間、皆様にご利用いただけたこと、心から感謝申し上げます。》
https://store-tsutaya.tsite.jp/storelocator/detail/1463.html
https://twitter.com/29tQDxtli9cqN0i/status/1308224911203135488
12)ブックスささきトピコ店が10月14日(水)をもって閉店
《あら大変  トピコの書店来月で閉店  結構使っていたのに  お疲れ様でした》
https://twitter.com/jovilstar/status/1308254151030136833

-----------------------------------------------------

2)【本日の一行情報】

◎お笑いジャーナリストを自称する、たかまつなながツイートしている。
《永田町や霞ヶ関を取材すると、分かった気になるし、空気を読みたくなってしまう。分かっている通ぶる感じ?でも、そんな時こそ現場に行く。現場の声を政策に反映させるのがジャーナリズムの重要な役割だと思う。現場の声を解決するように報じる。政治だけを見て報じれば報じるほど現場が遠くなる。》
https://twitter.com/nanatakamatsu/status/1308428072203423744

◎哲学者・佐々木中のツイートによれば日本では長きにわたって識字率調査が行われていないそうだ。
《教員になった後輩から、「佐々木さん、確実に日本の識字率落ちてますよ」と悲しそうに言われたのは20年前。Twitterしているとなるほどと思わざるを得ません。140字が読めない、異常な曲解、歪んだ受け取り方……。長いあいだ日本の識字率調査が行われていないことは周知の通りです。》
https://twitter.com/AtaruSasaki/status/1308315997439291394

朝日新聞デジタルは9月23日付で「デジタル化の敵は『言うこと聞かぬ省庁』 3密も生んだ」(伊藤裕香子)を掲載している。
(マイナンバーを)《所管する総務省では、情報通信を担う旧郵政省系は前向きでも、地方自治体をみる旧自治省系は腰が重い。カードを健康保険証として使えるようにする作業も、厚生労働省の動きが鈍く、進んでいなかった。
に限らず、省庁のデジタル化の取り組みの大半は、優先順位が低かった。そのつけはコロナ禍で、一気に噴き出す》
https://digital.asahi.com/articles/ASN9Q40ZSN9LULZU00L.html
こうした光景は政府にとどまるものではあるまい。出版業界でも、ありふれた光景と言って良いだろう。高度成長の成功体験が時代に感応すべき運動神経を鈍らせているのだ。

岸田國士戯曲賞の授賞式が9月20日に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオで開催された。選考会は2月13日に行われ、市原佐都子の「バッコスの信女-ホルスタインの雌」と谷賢一の「福島三部作 第1部『1961年:夜に昇る太陽』第2部『1986年:メビウスの輪』第3部『2011年:語られたがる言葉たち』」の受賞が発表されていたが、新型コロナウイルスの影響により延期となったため半年遅れで授賞式が開催されたことになる。
注目すべきは市原佐都子のスピーチだ。「ステージナタリー」が9月22日付で公開した「第64回岸田國士戯曲賞授賞式がKAATで開催」は次のように書いている。
《また市原はこれまで9年の劇作活動の中で、女性だということで偏見を持たれていると感じたことがあると明かし「この賞も審査員のジェンダーバランスがまだまだ不均衡です。また受賞した人しか審査員になれないというシステムなので、受賞者自体に女性が少ない以上、悪循環に陥っていると思います」と指摘。「今後は私もそういった役割をきちんと担っていけるようにならないといけないと感じています」と真摯に述べた。
さらに市原は、「触れないのは不自然かと思いますので」と前置きし、「今回、選考委員の方のハラスメントの問題もあったと思います。私もハラスメントのようなことをしてしまったことが正直、あります。それで本人に謝ったこともあります。ハラスメント自体、気を付けていかないといけないというのは当たり前ですが、何かしてしまったときに謝れない、認められないということは良くないことだと思っています」と話し、「私は今まで出会った人にいろいろなことを教えてもらい、自分が危ない方向に行きそうになると、常に助けてくれる人がいました。ここに立てたのも、皆さんのおかげだと思います。ありがとうございました」と結び、最後は笑顔を見せた。》
https://natalie.mu/stage/news/397414
選考委員のハラスメント問題とは、宮沢章夫のハラスメント問題である。私たちは1月27日付で取り上げている。
https://teru0702.hatenablog.com/entry/2020/02/25/070826
栗原裕一郎がツイートしている。
《受賞のスピーチで、演劇業界がダンマリを決め込んでいる、選考委員だった宮沢章夫パワハラ問題に言及したのか。市原さん、勇気あるなあ。》
https://twitter.com/y_kurihara/status/1308416078020780032
市原佐都子は小説も書いている。早川書房から「マミトの天使」を刊行している。
https://www.hayakawa-online.co.jp/shop/shopdetail.html?brandcode=000000014143&search=%A5%DE%A5%DF%A5%C8%A4%CE%C5%B7%BB%C8&sort=

東京創元社のツイートに目が釘付けとなった。
《[本日発売]
『言語の七番目の機能』ローラン・ビネ/高橋啓
(海外学セレクション/四六判上製)
ロラン・バルトは事故死ではなかった ?!  ローラン・ビネの第二作 !》
https://twitter.com/tokyosogensha/status/1308609281705435136
書影の帯には「ロラン・バルトを殺したのは誰か?」と書かれているのか!早川書房はホームページでこう紹介している。
《大統領候補ミッテランとの会食直後、交通事故で死亡した哲学者記号学ロラン・バルト。彼の手許からはある書が消えていた。これは単なる事故ではない! 誰がバルトを殺したのか? 捜査にあたるバイヤール警視と若き記号学者シモン。この二人以外の主要登場人物のほぼすべてが実在の人物たち。フーコーデリダエーコクリステヴァソレルスアルチュセールドゥルーズガタリギベールミッテラン……という綺羅星のごとき人々。謎の秘密クラブ〈ロゴス・クラブ〉とは? フィクションと真実について、言葉の持つ力への愛を描く傑作!》
http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488016760
「ホラー小説大全」の風間賢二がツイートしている。
《傑作「HHhH プラハ1942年」のローラン・ビネのまたまたすごい作品が出るぞ! 「言語の七番目の機能」(東京創元社)だ。実はロラン・バルト他殺だった!? フーコーデリダ、クリストヴァ、ドゥルーズエーコなどを登場人物にした奇想天外な驚愕の記号学的ミステリ。》
https://twitter.com/k_kazama/status/1306921996761006080
佐々木敦のツイート。
《もう発表されてたので告知。
10月31日(土)、『言語の七番目の機能』のローラン・ビネさんと平野啓一郎さんとのオンライン対談で司会を務めます。アンスティチュ・フランセ日本のYouTubeで生配信される他、アンスティチュ横浜の会場で人数限定の聴講も受け付けるとのこと。》
https://twitter.com/sasakiatsushi/status/1306458792125558784
誰も指摘してくれないから、自分で言っちまうけれど、、わが「」はロラン・バルトの「恋愛のディスクール・断章」に対するオマージュなんだけどね。新装版が10月に刊行される。
https://www.msz.co.jp/book/detail/00482.html

ミラン・クンデラフランツ・カフカ賞を受賞したことを小川公代の三連投ツイートで知った。
ミラン・クンデラフランツ・カフカ賞を受賞。村上春樹は同賞を2006年に、マーガレット・アドウッドは2017年に受賞。代表作は『冗談』(1967),『存在の耐えられない軽さ』(1984),『不滅』(1990)など。1979年に剥奪されていたチェコ国籍は昨年回復しています。91歳なんですね。》
クンデラの感情の捉え方凄い。「感情というものは、そもそも、われわれのなかに知らず知らずに、そしてしばしば意に逆らって湧きあがってくる。われわれがそれを感じようと欲すると(中略)、感情はもはや感情ではなくなり、感情を模倣する紛いもの、感情の誇示になってしまう」(『不滅』、菅野昭正訳)》
《この偽りの感情の誇示がクンデラが警戒した《キッチュ》。「あばたをえくぼと化する虚偽の鏡を覗きこみ、そこに映る自分の姿を見てうっとりと満足感にひたりたいという欲求」(『小説の精神』金井裕、浅野敏夫訳)。『存在の耐えられない軽さ』のサビナは"芝生を駆ける子ども"の風景への陶酔に警戒する。》
https://twitter.com/ogawa_kimiyo/status/1308415058943373316
https://twitter.com/ogawa_kimiyo/status/1308416971864780800
https://twitter.com/ogawa_kimiyo/status/1308419479672627201

◎日本出版者協議会は9月23日付で声明「消費税総額表示義務の特例の『無期限延長』、『外税表示』許容の恒久化を強く要望する」を発表した。
《2003年の消費税法改正によって、2004年4月より、事業者が消費者に取引価格表示する場合に消費税額を含めた価格を表示することを義務づけるいわゆる「総額表示制度」が実施された。
私たち(旧出版流通対策協議会)はかねてから「定価 ●●●●円+税」などのいわゆる「外税表示」の合理性を主張し、総額表示制度」に反対してきた。その後、2013年施行の消費税転嫁対策特別措置法による特例として、2013年10月1日より「外税表示」も許容され、現在、多くの出版物が「外税表示」を採用している。
しかし、同特別措置法の適用期限は2021年3月31日までとなっており、「総額表示」の義務化が復活しようとしている。
私たちは以下の理由によって、「総額表示制度」の義務化に反対し、同特別措置法の特例適用期限の「無期限延長」、「外税表示」許容の恒久化を強く要望する。
§ そもそも商品の価格表示については事業者が、それぞれの業態の実情に応じて適切な方法を選択すべき問題であり、国が一律に強制すること自体に無理がある。
§ 7年に及ぶ特別措置法の特例適用のもとで、現状では出版物に限らず「外税表示」を含めた価格表記が、混乱なく広く受け入れられており、「総額表示」でなければ税額が分からないといった消費者からの苦情は考えにくい。
§ 特に、再販商品である出版物については、消費税率改訂のたびに、事業者に新たな諸費用・負担がかかることから、消費税導入時にも生じたロングテールの在庫書籍の絶版化などを再び招きかねず、このことが読者・消費者にとっての最大の化的不利益となる。》
https://www.shuppankyo.or.jp/post/seimei200923

-----------------------------------------------------

3)【深夜の誌人語録】

泣き言を言う暇があったら腹の底から笑うことだ。