【文徒】2020年(令和2)11月2日(第8巻203号・通巻1860号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】寺地はるながノリにノッている!
2)【記事】今度は芥見下々の「呪術廻戦」だ!
3)【記事】デヴィ夫人の失言!起用するテレビ局に責任は大アリだ!
4)【記事】「リラックス」復刊と「ココア共和国」という詩の雑誌について
5)【記事】NHK百地章が登場の衝撃!走る
6)【本日の一行情報】
7)【深夜の誌人語録】
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1)【記事】寺地はるながノリにノッている!

「L’heure Bleue」編集部のカンダテが「フェミニストな、フェミニズムに関心があるあなたにおすすめしたい一冊」として寺地はるなの「水を縫う」(集英社)を10月29日付で紹介していた。
http://lheurebleue.jp/2020/09/kandate-book1/
私はこのことを「#KuToo」の石川優実のツイートで知った。
https://twitter.com/ishikawa_yumi/status/1321598254652403712
集英社は、「水を縫う」の6刷を決めた。売れているのだ。紀伊屋書店梅田本店のツイート。
《【学担当イチオシ!】
担当が今一番読んで欲しい本。寺地はるなさん「水を縫う」
家族との向き合い方・繋がり方を改めて考えさせられる今の時代に読んで欲しい一冊です。
担当渾身のパネルが目印です。是非お立ち寄りくださいませ。H.S》
https://twitter.com/KinoUmeda/status/1321043660599816201
寺地はるなは今乗りに乗っている作家である。今年は何と新刊を5冊も刊行する。
最初は3月に新潮社から「希望のゆくえ」を刊行。
https://www.shinchosha.co.jp/book/353191/
「水を縫う」が刊行されたのは5月。
https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-771712-9
7月には祥伝社から「やわらかい砂のうえ」を刊行。
http://www.s-book.net/plsql/slib_detail?isbn=9784396635893
8月には角川春樹事務所から「彼女が天使でなくなる日」を刊行。
http://www.kadokawaharuki.co.jp/book/detail/detail.php?no=6353
そして11月には双葉社から「どうしてわたしはあの子じゃないの」が刊行されるのだ。寺地はるなのツイート。
《11月発売の『どうしてわたしはあの子じゃないの』(双葉社)の書影もうみんなに見せてもいいよって言われたから見せるね。帯ありね。装丁は鈴木久美さんで装画は山浦のどかさんだよ。》
https://twitter.com/tomotera0109/status/1321412732210438145
これも寺地はるなのツイートだ。
《2020年単行本5冊出ますってなった時「えっむりじゃない?」と思ったんだけどいろんな人にたすけてもらってなんとかなりそうです。わたしの勘違いじゃなければ来年もそんな感じの予定になっていたので、またたすけてもらえたらうれしいです。》
https://twitter.com/tomotera0109/status/1321414529767501826

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2)【記事】今度は芥見下々の「呪術廻戦」だ!

今度は芥見下々の「呪術廻戦」だ。オリコンの「アニメ&ゲーム」によれば、集英社の「週刊少年ジャンプ」で連載中の「呪術廻戦」のコミックスシリーズ累計発行部数が1000万部(デジタル版含む)を突破したことがわかった。
既刊13巻すべて重版がかかっており、テレビアニメ化が発表された昨年11月時点では累計250万部、今年5月時点では450万部だったが、1年で4倍、半年で約2.3倍と急激に売り伸ばしている。今月よりテレビアニメの放送が金曜日深夜1時25分の時間帯でスタートしたが、今後、インターネットで動画配信されるようになれば、来年の今頃にはブームのピークを迎えることになるかもしれない。「鬼滅の刃」で見て来た光景が繰り返されるのだ。これは偶然ではなく、集英社の戦略とみたほうが良いのではないだろうか。
https://www.oricon.co.jp/news/2175518/full/
こう考えているのは私たちばかりではない。例えば「Asagei Biz」は10月29日付で発表した「鬼の次は呪い!? ジャンプアニメ「呪術廻戦」が“ポスト鬼滅”に推される理由」で次のように書いている。
《アニメ放送後にコミックスの発行部数が250万から1200万部まで跳ね上がった「鬼滅の刃」。「呪術廻戦」もアニメに大きな力を入れており、大きな可能性を秘めているのは間違いない。果たして「鬼滅の刃」に続くジャンプの看板作品になることができるのだろうか。》
https://asagei.biz/excerpt/21926
「呪術廻戦」のアニメの出来栄えが物凄く良いのである。「残響のテロル」や「この世界の片隅に」のMAPPAが手がけているのだMAPPAは海外出身者を積極的に採用していることでも知られている。
http://www.mappa.co.jp/recruit/staff.html
こんなツイートを発見。
《呪術廻戦全然知らんのやけど推しアニメ会社だし監督が朴性厚さん(推しアニメの監督とかしてるアクションのクオリティハチャメチャやばい監督)なのでもう既に約束された勝利のアニメって感じすんだよね アクションのえげつなさは絶対お墨付きだよ…MAPPAだし朴性厚監督だもの間違いない》
https://twitter.com/souta_zero61/status/1302811354840010752

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3)【記事】デヴィ夫人の失言!起用するテレビ局に責任は大アリだ!

J-CASTニュース」は10月27日付で「『不妊の一番の理由は堕胎』デヴィ夫人発言が物議 『事実と異なる』番組謝罪も、本人は反論」を公開している。
デヴィ夫人ことタレントのデヴィ・スカルノさんが、「不妊の一番の理由は堕胎」だとして、人工妊娠中絶を禁じるよう求める発言を生放送のテレビ番組で行い、物議を醸している。
番組では、アナウンサーが時間内に「事実と異なる発言があった」と謝罪した。デヴィ夫人は、誤りを一部認めたが、発言は撤回しなかった。》
https://www.j-cast.com/2020/10/27397540.html?p=all
産婦人科専門医の宋美玄がツイッターで次のように指摘している。
《夫人の発言は問題外でいつまでもご意見番として起用する局にも問題がある。そして、本来違法の中絶を指す「堕胎」という言葉を合法的な人口妊娠中絶を指して使われていることも問題視したい。当事者をこれ以上傷つけないで欲しい。》
https://twitter.com/mihyonsong/status/1321080850654449664
浜田敬子が宋美玄を引用ツイートしている。
《面白ければいいと、こういう人を起用し続けるテレビ局の責任は重い。》
https://twitter.com/hamakoto/status/1321216596073873408
問題発言は関西地区などで24日に生放送したバラエティー番組「胸いっぱいサミット!」で飛び出した。番組アナは放送中に謝罪したが、《その途中からデヴィ夫人が口をはさみ、「事実とは異ならないです」と強く反論した。そのうえで、「数字が違っていたかもしれません。それは謝らせていただきます」と弁明した。》そうだ。「胸いっぱいサミット!」はホームページで次のように謝罪した。
《10月24日に放送いたしました 「不妊治療の保険適用拡大」の話題の中で
出演者の一人から、不妊と中絶の関係性について事実と異なる不適切な発言がありました。
不妊の原因は女性だけにあるわけではありません。
不妊症につきましては、女性側だけでなく男性側・免疫など様々な原因が報告されています。
出演者の「掻爬(そうは)により不妊になる」「不妊の9割9分は中絶によるもの」という趣旨の発言内容は全くの誤りで、不妊に悩まれている方々を始め多くの方々を深く傷つけ、不妊や中絶に関する偏見を助長しかねない大変いき過ぎたものでした。
番組を制作した局としての責任を痛感し、重く受け止めております
ご不快な思いをされた方々に改めて深くお詫び申し上げます。》
https://www.ktv.jp/mune/
デヴィ夫人本人も10月28日、自らのブログに「関西テレビ『胸いっぱいサミット』における私の発言のお詫び」をエントリし、次のように書いている。
《去る 10月24日に放送された 関西テレビ胸いっぱいサミット」における 私の発言によって、不妊治療に当たっている方々、中絶せざるをえなかった方々等を 心ならずも傷づけてしまったり、不快な思いをさせてしまったことは残念であり 大変申し訳なく思っております。
私は カソリックだったため、中絶によってその方自身、または 周りの方々が 生涯取り返しのつかない後悔に 陥ってほしくないという 強い思いからの発言でした。 》
https://ameblo.jp/dewisukarno/entry-12634417385.html

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4)【記事】「リラックス」復刊と「ココア共和国」という詩の雑誌について

マガジンハウスのカルチャー誌「リラックス」(relax)が1号限定で復活するそうだ。11月13日(金)に発売される。元編集長岡本仁や同誌で副編集長を務め、「ギンザ」(GINZA)の編集長も務めた中島敏子、「リラックス」「ギンザ」の元副編集長 横山佐知、「リラックス」のアートディレクターとして活動した小野英作が集結しての復刊だ。
https://www.instagram.com/relaxmag2020/?hl=ja
誤解を恐れずに言うが、こういう同人誌のノリこそ雑誌の原点であると私は思っている。「この指とまれ」が雑誌なのである。
仙台に気になる雑誌が存在している。まさに同人誌と言って良いだろう。タイトルは「ココア共和国」。残念ながら東京の書店では売っていないのだけれど…。売っているのは、カネイリミュージアムショップ6(せんだいメディアテーク内)、あゆみBOOKS 仙台一番町店、ヤマト屋書店 仙台三越店、ヤマト屋書店 仙台長命ヶ丘店、ヤマト屋書店 東仙台店、ヤマト屋書店 仙台八幡店、曲線 book shop kyokusenと仙台を中心にしているが広島のりんご堂にも置かれているし、アマゾンでも扱っている。また、紙版のみならず、電子版もリリースしている。
詩人の河津聖恵がツイートしている。
《詩誌「ココア共和国」11月号に詩「絵師の木ー伊藤若冲『梅花皓月図』」を書いています。仙台発の美しい詩誌。秋吉久美子氏といがらしみきお氏が選者の投稿欄も。ちなみに若冲連作はいつしか26篇になりました。》
https://twitter.com/kiyoekawazu/status/1322135234981232641
「ココア共和国」の出発点はブログであった。寺山修司に才能を見出された詩人の秋亜綺羅が2009年3月からブログ「ココア共和国」を始め、その年の12月には早くも個人誌「季刊ココア共和国」を創刊し、これを21号まで刊行している。個人誌といっても秋亜綺羅のテキストだけではなく、秋亜綺羅が見出した若い詩人の作品、そして現代詩の最先端を歩む詩人たちの作品を多く掲載していた。 「季刊ココア共和国」創刊から10年を経た2019年10月、秋亜綺羅は編集室に詩人の佐々木貴子を迎え、仙台を拠点にあきは詩書工房を創設し、今年の4月1日に月刊詩誌「ココア共和国」をフィックス版と紙の本で創刊した。河津のツイートにもあるように選者の投稿欄の選者は女優の秋吉久美子と漫画家のいがらしみきおつとめている。
https://www.youyour.me/about
そう言えばインタビュアー樋口尚による秋吉久美子ロング・インタビュー「秋吉久美子 調書」(筑摩書房)も評判だ。
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480818546/
こんなツイートも投稿されている。
《『秋吉久美子 調書』(筑摩書房)が面白い。何よりも、秋吉さんの章、応答、映画評、監督評が絶妙。その勢いで、秋吉久美子さんが詩の感想を書き、時々、自らの詩を寄稿する『月刊 ココア共和国』の年間購読者になってしまいました。楽しみです。
https://twitter.com/shigemaz/status/1319603411248058368

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5)【記事】NHK百地章が登場の衝撃!走る

NHK NEWS WEB」は10月29日付で「【学術会議】憲法専門の百地氏『首相の任命権 自由裁量ある』」を公開している。
《「日本学術会議」の会員候補6人が任命されなかったことについて、憲法が専門の百地章国士舘大学特任教授は、「総理大臣の任命権は、ある程度の自由裁量はある」などと述べ、政府の対応に理解を示しました。
この中で、百地特任教授は、「私は結論的には任命拒否はあり得ると考えている。菅総理大臣はいろいろなバランスとか総合的に考えたと言っており、総理大臣の任命権は、学術会議の推薦に拘束されるものではなく、ある程度の自由裁量はある。法律の解釈は変わらない。運用で少し変化が出たと私は理解している」と述べ、政府の対応に理解を示しました。》
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201029/k10012687281000.html
NHK百地章が登場し、首相を擁護したことは衝撃をもって受け止められている。原武史がツイートしている。
《いまニュースウオッチ9を見ていて、学術会議の問題で百地章出ていて政府にお墨付きを与えるコメントをしているのを見てびっくりした。何も知らない人が見たら、やっぱり政府の姿勢は正しいと思っただろう。》
https://twitter.com/haratetchan/status/1321794031840419840
これを上智大学国際教養学部教授・中野晃一が引用ツイート。
《すごいな、NHK日本会議を使って日本学術会議つぶしに加担するんだから。》
https://twitter.com/knakano1970/status/1321807270750007296
「限界マスコミのアライさん」が皮肉っている。
チャンネル桜かと思ったらNHKだったのだ。
日本学術会議-学術=日本会議 なのだ。》
https://twitter.com/arai3media/status/1321793405890879488
江川紹子も呆れている。
NHKが全力で探しても、いつもの百地氏しかいらっしゃらなかったのかなあ…。》
https://twitter.com/amneris84/status/1321818959646060544
毎日新聞編集編成局次長兼写真・映像報道センター長の齊藤信宏が江川を引用ツイートしている。
《いやほんと、あのコメントはひどかったです。》
https://twitter.com/nobusaitoh/status/1321852148703875077
「プライヴァシーの誕生 モデル小説のトラブル史」の日比嘉高によれば百地を登場させたことは犯罪的なのか…。
《みずからの信頼性をおとしめていくNHK憲法学者に「憲法門の百地氏」について、どんな人なのか聞いてみな。
こんな報道、犯罪的だよ。》
https://twitter.com/yshibi/status/1322018484025393152
憲法学者の南野森は、こんな見方をしている。
NHKは「なかにはこんな(少数)意見もある」と紹介するならまあいいけどまるでそれがA説B説それなりに拮抗しているかのように取り上げるならそれは「事実」を正確に伝えたことにはならないと思うね。憲法論については昔からそういう変なところある。もちろん学説の正否は支持者の多寡ではないけれど。》
https://twitter.com/sspmi/status/1321818397059895296
もちろん、百地が登場する前に日本学術会議前会長の山極壽一が初めて取材に応じている。
日本学術会議が推薦した会員候補6人が任命されなかったことを巡って、推薦の責任者だった山極壽一前会長が初めて取材に応じました。今回の件の2年前にも人事をめぐって官邸から難色が示され、理由について「言うつもりはない」といった回答しかなかったことを明らかにするなどし、「理由を示さないことが恐ろしく、学術界の自立性が大きく損なわれかねない」と強い危機感を示しました。》
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201029/k10012687441000.html?utm_int=detail_contents_news-related_001
これはNHKのスクープである。「ニュースウオッチ9」「クローズアップ現代」とつづけて学術会議について取り上げている。「『社会を変えよう』といわれたら」(大月書店)の木下ちがやはNHKを評価している。
NHKやるなあ。ニュース9で学術会議を長時間取り上げて、直後のクロ現でさらに詳しくやるのか。たたかってる。》
NHKクロ現、百地を盾にして、学者の生の声を最大限に取り上げました。こういう政治権力とのせめぎ合いのなかでなんとか事実を伝えようとするマスコミ人の努力を評価し、励まさないなら、左翼リベラルにはミニコミ紙しか残らないでしょう》
NHKクロ現の学術会議特集、わざわざ右翼の百地をクローズアップして番組を否定するリベラルと、山極さんらを最大限に取り上げたことを評価するリベラルに真っ二つに分かれていますね。権力とのせめぎ合いについての想像力が問われますね。
僕はNHKのスタッフ、事実を伝えるためによく頑張ったと思う》
https://twitter.com/sangituyama/status/1321792260028035074
https://twitter.com/sangituyama/status/1321807949434478593
https://twitter.com/sangituyama/status/1321810153872658432
木下ちがやは、こうもツイートしている。
《国会がはじまり、明日から委員会がはじまる時点で、山極さんをはじめてテレビに登場させて証言させたNHKの意図くらい、汲んでやれよリベラル、と思いますけどね。》
https://twitter.com/sangituyama/status/1321812900277747712
《マスコミにとって両論併記は武器ですよ。むしろ左右問わず、片方の議論しか取り上げないマスコミの方が僕は怖いです。今のアメリカみたいな分断世論に陥りますから。》
https://twitter.com/sangituyama/status/1321813405515223042
なるほど、山口二郎NHKを評価している。
NHKクローズアップ現代を見て、現場の制作者の良心を感じた。百地を出すのはけしからんではない。この程度のバランサーを入れておかなければ、後でつぶされる。目的を実現するためには、世渡りも必要ということ。》
https://twitter.com/260yamaguchi/status/1321810155541995520
「『デモ』とは何か――変貌する直接民主主義」の五野井郁夫の見方は木下や山口とは対極的だ。
《そろそろリベラルのみなさんには気がついて頂きたいのだけど、政府は天動説が「正しい」と言い張り、それをそのまま「学問的に正しい」と唱和してくれる「学者」がほしいのですよ。学問は必要とされていない。》
《昨日のNHK各番組内で日本会議の百地氏がさも専門家であるかのように登場した件、各所よりNHK局内の報道局長指示であったという証言が上がっている。明らかに極右勢力のほうに肩入れしたのだから、NHKを対象としている放送法第四条の二「政治的に公平であること」違反の可能性が高い。国会で問うべし。》
《この件はアリバイ的にあえて百地氏を入れて好き勝手にやったのではなく、現場は抗ったが局内で番組放送のため上の意向に屈せざるを得なかったという敗北の構図が見えてくる。オールドリベラルらの希望的観測は外れた。いいかい、すでに飛車角落ちで手足をもがれているんだよ。》
《なのでみなさまにおかれてはNHKが心ある報道をしたらちゃんと褒めて可視的に応援して頂きたい。逆に妙な報道があったらすぐ激励を。日本会議系はこれまで人海戦術でメールや電話を大量に送る戦術を教科書採択等で採ってきた。あいちトリエンナーレもそうだった。みなさまの心ある応援がNHKには必要だ。》
《こちらが「NHKおよび放送番組についてのご意見・お問い合わせ」コーナー。今日の「首都圏情報ネタドリ!」ヘイトスピーチ集とてもよかったでしょう? そう思ったら「頑張った!」とひと言でいいから送って下さい。日本会議系はコピペしか出来ないから皆さまの声が勝ちます。》
《わたしは「NHKおよび放送番組についてのご意見・お問い合わせ」コーナーに今日の「首都圏情報ネタドリ!」ヘイトスピーチ集で以下のような感想を送りました。みなさんも是非どうぞ。こういう地道に声を伝えることが現場のスタッフを守り、心の支えとなります。こちらから!》
https://twitter.com/gonoi/status/1321825131358953478
https://twitter.com/gonoi/status/1322154595435466752
https://twitter.com/gonoi/status/1322157570602070016
https://twitter.com/gonoi/status/1322159700998123528
https://twitter.com/gonoi/status/1322161164109803520
https://twitter.com/gonoi/status/1322164354188455936
「フリーの売業」を自称する西岡研介の評価は台無しdeath!だ。
《最後に百地氏をもってきて「バランス」を取ろうとするところが「国営放送」の限界やな。》
《山極先生のインタビューも台無しですわ》
《台無しdeath!》
https://twitter.com/biriksk/status/1321792602530721794
https://twitter.com/biriksk/status/1321793442830143491
https://twitter.com/biriksk/status/1321794732217966592

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6)【本日の一行情報】

◎「週刊春」特派記者の和田泰明が三浦英之の「白い土地」(集英社クリエイティブ)をツイッターで次のように評価している。
《新聞社に属しながらバンバン著作を出す、組織記者の憧れ・三浦英之氏の作品。管理職となる年齢で、支局ならではの細かなルーティンもあるだろうに、新聞配達を手伝い、長時間にわたって市民に寄り添って生の声を拾う。元同僚・角幡唯介氏を思い起こすくだりも良い。》
https://twitter.com/yasuakiwada/status/1322501150239723520
和田も新聞社出身だ。岡山大学法学部から山陽新聞社に入り、大下英治事務所、「週刊ポスト」契約記者を経て現在、「週刊春」特派記者をつとめる。

◎昔、私が深く関わった「マージナル」(現代書館)という雑誌があった。今で言う逐次刊ではあったが10号まで刊行された。編集委員を朝倉喬司紀和鏡中川六平森田一朗の4人がつとめた。
http://www.gendaishokan.co.jp/tC1303101.htm
しかし、こちらの「マージナル」は、人外ジャンル専門の電子BL誌であり、正式には「comic marginal」というそうだ。版元は双葉社だ。そして単行本レーベルのマージナルコミックスは3周年を迎え、「comic marginal」の増刊として生まれた、人間同士のジャンルを扱うBL誌「comic marginal &h」発の単行本レーベル「マージナル&hコミックス」が創刊された。
https://natalie.mu/comic/news/402552

King Gnuを 表紙&特集 に据え、発売前重版となった「ぴあMUSIC COMPLEX Vol.17」が発売された。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001697.000011710.html
映画と音楽がぴあの原点である。

白泉社は累計100万部突破の変女シリーズ最新作「進撃のえろ子さん~変なお姉さんは男子高生と仲良くなりたい~」第3巻を発売したが、これを記念し、作者の此ノ木よしると大手電子書店「コミックシーモア」の企画担当である永田真世の「変でないお姉さんが変なこと考えちゃダメですか?」対談をYouTubeで公開している。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000355.000046848.html
このタイトル、気に入った。

主婦の友社は、累計130万部超えの「頭のいい子を育てる」シリーズから、小学生向けの新ラインの第一弾として、日本の歴史の出来事を1月から12月までの日付け順に、1日1ページ366日分を紹介している「日本の歴史366」を刊行した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001421.000002372.html

コワーキングスペース事業を運営する「株式会社いいオフィス」は新栄堂書店と提携し、コワーキングスペース「いいオフィス南池袋 by Ikkyu / 新栄堂書店」をオープンした。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000074.000046744.html
池袋駅前の細長いビルが懐かしい。

毎日新聞が10月30日付で「特集ワイド 京都『三月書房』 書店化担った70年 『知の小宇宙』に惜別」を掲載している。福岡伸一又吉直樹、上野千鶴子が「週休七日、年中全休」という貼り紙を持って閉店を告げた三月書房の思い出を語っている。
《10坪の店内で、1万冊を扱っていた。「どんな有名な著書も1冊しかなく、まるで図書館のように並んでいる。一見、古本屋のようですが、れっきとした新刊本の本屋さん。でも、庫棚はなく、村上春樹の新刊が積み上げられるようなこともない」。ベストセラーを扱う大型書店とは一線を画していた。》
又吉直樹は三月書房で山崎方代の歌集と出会ったという。
《又吉さんは当時、舞台出演で京都に行くと、出番の合間に三月書房に通ったと明かしている。「見た目は町の普通の本屋さんなのに、句集や歌集の品ぞろえがすごく良い」。》
上野千鶴子は三月書房でサルトル全集の中の「聖ジュネ」を万引きした経験があるという。
社会学者の上野千鶴子さん(72)は京都大に通っていた時、三月書房と出合った。「詩歌に目覚めたのは、あの店の書棚のおかげです。前衛短歌や俳句、現代詩の本がきら星のような品ぞろえでした。書店が化の基地で、店主の個性が刻印された時代だった」。3年前に亡くなった2代目の恭一さんが店主だった時代で、2代目は思想家の故・吉本隆明氏と親交が深かった。》
https://mainichi.jp/articles/20201030/dde/012/040/028000c
私は江里昭彦の句集「ラディカル・マザー・コンプレックス」を三月書房で買った。

凸版印刷グループの電子書籍ストア「BookLive!」は、業務提携している三省堂書店と合同で「秋の大抽選会2020」を10月30日(金)から12月7日(月)の期間、全国の三省堂店22店舗で実施する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000145.000022823.html

◎「WEBマンガ総選挙2020」の結果が発表された。
第1位「デイズ・オン・フェス」(既刊5巻)KADOKAWA
第2位「乙ゲーにトリップした俺♂」(既刊3巻)KADOKAWA
第3位「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」(既刊5巻スクウェア・エニックス
第4位「ダンピアのおいしい冒険」(既刊1巻)イースト・プレス
第5位「声がだせない少女は『彼女が優しすぎる』と思っている」(既刊1巻)秋田書店
第6位「イチャイチャするとお金が湧いちゃう2人の話』(既刊1巻)KADOKAWA
第7位「恋する(おとめ)の作り方」(既刊1巻)一迅社
第8位「佐々木と宮野」(既刊6巻)KADOKAWA
第9位「忍者と極道」(既刊3巻)講談社
第10位「みなと商事コインランドリー」(既刊1巻)KADOKAWA
https://hon-hikidashi.jp/enjoy/112455/
ベスト10のうち5本がKADOKAWAだ。

小学館石塚真一の「BLUE GIANT」のヨーロッパ編「BLUE GIANT SUPREME」完結11集と新シリーズのアメリカ編「BLUE GIANT EXPLORER」第1集の2冊を同時発売する。これを記念して10月30日(金)から11月15日(日)まで「ブルックス ブラザーズ 表参道」にて、原画展やKOSUKE KAWAMURA・MANA MORIMOTOとのコラボアート展に加え、購入したシャツへのプリントサービスを実施する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000896.000013640.html

◎マガジンハウスは、女性グラビア週刊誌「anan」創刊50周年を記念し、2020年10月29日(木)~11月11日(水)に渋谷スクランブルスクエア、2020年11月7日(土) に渋谷ストリームにて「SHIBUYA SCRAMBLE FESTIVAL 2020 Produced by anan」(略称:シブスクフェス)」を開催するが、その目玉となる「anan AWARD」の授賞式を11月8日(日)に初開催する。“ムーブメントの先駆けや時代の象徴“となった人・モノ・コトを「時代を象徴するトレンドスター」として感謝を込めて「anan AWARD」を表彰するそうだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000165.000030125.html

◎からだにいいことは、30~50代の女性に向けた健康情報誌「からだにいいこと」を12月16日に復刊。それに伴い、クラウドファンディングを「Makuake」にて、12月14日まで実施する。発売を引き受けるのは世界化社だ。
https://www.makuake.com/project/karakoto/?from=keywordsearch&keyword=%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%A0%E3%81%AB%E3%81%84%E3%81%84%E3%81%93%E3%81%A8&disp_order=1
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000032609.html

◎11月20日(金)発売「すてきな奥さん2021年新春1月号」の表紙を飾るのは稲垣吾郎草なぎ剛香取慎吾の三人だ。
https://kyodonewsprwire.jp/release/202010296455

小学館から発売された「小学8年生」12・1月号のチャレンジ付録ジェル状のインクを可視光線のライトで固めて立体物を作ることができる不思議なペン「3Dドリームアーツペン」だ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000527.000005808.html
付録は雑誌の魅力だよね。

◎宝島社は、今年始動したコラボアパレル事業において秋冬アイテムの展開を開始する。北欧ブランド「moz」(モズ)とコラボした防風・撥水ウインドブレーカー2種(「moz ウインドブレーカー BOOK」)を11月4日(水)より、ブランド「a-jolie」(アジョリー)とコラボしたルームウェア(「a-jolie ROOMWEAR BOOK」)を11月10日(火)より、セブン‐イレブン、セブンネットショッピング限定で発売する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001073.000005069.html

◎映画「とんかつDJアゲ太郎」は予定通り公開された。前日に公式アカウントがツイッターに「お知らせ」を発表している。
《【お知らせ】本日発表された伊藤健太郎氏の逮捕を受けて、製作委員会で協議の結果、予定通り明日10月30日(金)に公開することといたしました。
なお、予定しておりました明日の初日舞台挨拶は実施いたしますが伊藤健太郎氏の登壇はキャンセルとなりました。》
https://twitter.com/tonkatsuDJmovie/status/1321685695782559745
この映画には大麻取締法違反の容疑で逮捕、起訴された伊勢谷友介も出演している。
https://www.j-cast.com/2020/10/29397742.html?p=all

白泉社(本社:東京都千代田区代表取締役社長:菅原弘)が運営する全誌合同マンガ投稿サイト「マンガラボ!」にて開催されたコンテスト「U23-夏の学生マンガコンテスト」【一般マンガ部門】【4Pマンガ部門】両部門の受賞者が決定した。
今回のコンテストは、白泉社初の試みとして応募者を学生に限定し、部門を縦スクロールマンガを含む一般マンガ部門と、より参加しやすい4Pマンガ部門の2部門に分けて募集した。多彩な才能にあふれた学生の応募者様から、両部門合わせて224作品もの投稿があり、その中から選ばれた、一般マンガ部門は大賞1名、U-18大賞1名、奨励賞3名。4Pマンガ部門は大賞1名、U-18大賞1名、奨励賞5名となった。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000356.000046848.html

帝国データバンクは、ラジオ放送事業者231社を抽出し、収入高比較、規模別、地域別、業歴別について分析をした結果、次のようなことがわかったという。
1 ラジオ放送事業者のうち、2015年度から2019年度の5期連続で収入高が判明した231社を対象に収入高合計を比較すると、2017年度以降、3期連続で減少となり、2019年度の収入高合計は1136億3000万円(前年度比2.3%減)となった。
2 231社を収入高の規模別にみると、「1億円未満」が153社(構成比66.2%)と最多となり、小規模事業者が大半を占めることが判明した。
3 地域別では、「関東」(38社、構成比16.5%)が最多。大都市圏に多い傾向がみられたが、土地の面積が広い北海道や九州なども多くみられた。
4 業歴別では、「10~30年未満」が164社(構成比71.0%)と最多。放送法施行規則改正により、1992年1月にコミュニティ放送が制度化されたことが背景にあるとみられる。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p201008.pdf
朝日新聞デジタルは10月29日付で掲載している「苦境のラジオ業界、3年連続減収 コロナで魅力再認識も」で帝国データの担当者の次のようなコメントを紹介している。
《「広告だけでなく、リスナー向けイベントなどの新たな収入源を確保する必要がある。もうかる局ともうからない局の二極化が進み、小さな事業者は淘汰(とうた)が進むだろう」》
https://digital.asahi.com/articles/ASNBY5KGFNBYULFA01B.html

◎インスタグラムやツイッターなどのSNSフォロワーが75万人を超え、企業やアーティストとのコラボでも注目を集めるクリエイター・パントビスコによる人気キャラ「やさ村やさし」の癒やしの言葉を集めたイラスト名言集「やさ村やさしの悩みを手放す108の言葉」が主婦の友社から11月13日に発売される。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001427.000002372.html

◎新潮社のティーン誌「ニコラ」12月号の付録はティーン誌初のマスクとマスクポーチだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000062.000047877.html

石橋湛山賞中公新書日米地位協定――在日米軍と『同盟』の70年」で受賞した琉球大学社会学部准教授・山本章子のツイート。
ニューヨークタイムズマガジンの記者から「日米地位協定が改定されれば沖縄で米軍犯罪はなくなるか」とメールが来て、「捜査や民事賠償は容易になるが米軍が集中している限り犯罪自体は容易に減らない」と回答したら返事がない。期待と違うコメントをスルーは東西記者変わらずか。超多忙の中返したのに》
https://twitter.com/loveKAKIPEANUTS/status/1321839578941059072
東京新聞が10月31日付書評面の「書く人」に登場した平良隆久の「まんがでわかる日米地位協定 高校生が日米地位協定を調べてみた!」(小学館)もオススメだ。東京新聞は、こう書いている。
《漫画「北斗の拳」のシナリオ募集に応募して、採用されたことを契機に上京してシナリオ作家に。「ゴルゴ13」のシナリオには外交、防衛の知識が不可欠で地位協定に触れたこともある。「軍事を学ぶと『戦争好き』と勘違いされるが間違い。紛争を避けるためにこそ軍事を知るべきです」》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/65464

◎宝島社の女性ファッション誌「GLOW」12月号の付録はコスメブランド「レ・メルヴェイユーズ ラデュレ」とコラボしたミニ財布とステンレスボトル。表紙は小泉今日子。
https://books.j-cast.com/topics/2020/10/31013438.html

◎こちらも宝島社の女性ファッション誌の話題。話題といっても付録の話。モデルの梨花が監修したリップ5本セットを付録とした「オトナミューズ」12月号はセブンイ―イレブン、セブンネットショッピング限定発売だ。書店売り「オトナミューズ」12月号の付録は「ジョエル・ロブション」とコラボしたレジかごバッグ。
https://books.j-cast.com/topics/2020/10/30013440.html

◎巻頭に創刊編集長・白井勝也のロングインタビューを据えた「漫画家本SPECIAL スピリッツ本」が発売された。「週刊ビッグコミックスピリッツは今年創刊40周年を迎えた。
https://natalie.mu/comic/news/402931
https://www.shogakukan.co.jp/books/09850122

東奥日報社は、会長、社長など取締役の役職を廃止する人事を内定した。塩越隆雄代表取締役会長・主筆(75)は代表取締役・主筆となる。
https://mainichi.jp/articles/20201011/ddl/k02/060/116000c

毎日新聞が10月29日付で掲載している「特集ワイド 学術会議問題――井筒監督 若者よ、立ち上がれ キナ臭いよな 権力むき出しの暴力」(鈴木美穂)で時代の空気にキナ臭さを感じているという映画監督の井筒和幸は次のように語っている。
《世の空気はなぜ変わってしまったのか。井筒さんは易しい言葉で核心を突く。「これって『作られた』空気だよな」と。表現の自由言論の自由が一見侵されていない「ふう」を装いながら、忖度(そんたく)や自粛の形で同調を迫る。井筒さんは「結局、日本って村社会のまま。日本人も村意識が抜けていないの。
たとえ1人でも村外れに遊びに行くヤツがいたら、残りの村民は血眼で捜そうとする。ほったらかしにはしてくれないの。はみ出した人がすごい発見をするかも。そもそも社会全体ウソっぽいんだし、はみ出す人がいてもいい。だけど、村にはそんな発想がハナからないの」。》
https://mainichi.jp/articles/20201029/dde/012/010/033000c
ムラ社会や世間が21世紀に至るも何故に温存されてしまっているのか。日本という国家の地理的な条件を指摘しておかなければなるまい。島国であるということだ。いくら世界は近くなったとはいえ、他国と地続きではないという地理的条件がもたらすムラ意識や世間の同町圧力を醸成してしまっているのだ。その結果、国家ごと世界から疎外されてしまう悲劇に直面してしまうのだ。
春オンライン」は10月29日付で坂田拓也の「仏メディアも『なぜもっと抗議しないの?』学術会議問題、菅首相が“逃げ切れる”理由」を発表している。
《こうして当事者のみならず、多くの学会や研究者が任命拒否は「違憲」「違法」と主張している。しかし裁判に訴えるまでに至らない。なぜなのか。》
https://bunshun.jp/articles/-/41155
首相を支える官僚たちに舐められてしまう所以である。朝日新聞ジタルが10月29日付で掲載している論壇時評「任命拒否、500学会の抗議声明を読んで」で津田大介が指摘しているように「学術会議も戦い方を変えなければ世論の支持は得られず、単に政権に飲み込まれて終わる」はずだ。津田大介は、こうも書いている
《世界で初めて情報公開制度を始めた古代ローマカエサルの知見から、ギリシャ悲劇、カフカソルジェニーツィンまで縦横無尽に引き、流麗な体で権力と暴力の本質を暴いたイタリア学会の声明は、数多(あまた)ある学協会声明の中でもとりわけ異彩を放つ。豊かな学的想像力にあふれるこの章を読めば、なぜ菅政権が理由を明かさぬまま任命拒否を強行するのか、「説明と情報公開が民主主義を支える命」であるのか十二分に理解することができるだろう。》
https://digital.asahi.com/articles/ASNBX4HGYNBVUCVL00W.html?ref=mor_mail_topix1
イタリア学会の声明を読んで私もそう思った。須賀敦子とともに「神曲」を翻訳した藤谷道夫が書いているようだ。長大な章であるため全は引用できないが、こんなところを引用しておこうか。
《私たちが最も問題とするのは、《説明がない》ことである。憲法 63 条は「答弁または説明のため出席を求められた時は、国会に出席しなければならない」と義務付けている。この趣旨について政府は「首相らには答弁し、説明する義務がある」(1975 年の内閣法制局長官)と見解を示している。しかし、菅首相は官房長官時代から記者会見で「指摘はまったくあたらない」と木で鼻を括った答弁を繰り返して憲法を無視してきた。世界で初めて情報公開制度を始めたのはイタリアである。
「執政官に就任して(前59年)、まずカエサルが決めたことは、元老院議事録と国民日報を編集し、公開する制度であった。」(スエートーニウス『ローマ皇帝伝』第1 巻「カエサル」20)これが民主主義への第 1 歩である。それまで国民は元老院でどんな議論を、誰がしているか知る術もなかった。議員が私利私欲で談合を行なっても、知る由もなかったが、議事録が速記され、清書されて、国民に公開されるようになったおかげで、貴族の権力は大いに削がれた。隠れての不正ができなくなったからである。
一方、その時代から2000年以上経った今の日本では、安倍政権下で情報は秘匿され、