【文徒】2020年(令和2)12月8日(第8巻227号・通巻1884号)


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1)【記事】電通グループが海外事業を再編へ
2)【記事】牧野修の「万博聖戦」が話題だ!
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】
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1)【記事】電通グループが海外事業を再編へ

電通グループは、2020 年度通期の連結業績予想(2020 年 1月 1日~12月 31日)と海外事業における事業トランスフォーメーション加速に向けた施策(事業構造改革)の実施を決定した。今回発表した業績予想を参考値である前年実績と比べると、売上総利益は 12%減、調整後営業利益は 21%減、親会社の所有者に帰属する調整後当期利益は 17%減、営業損失は 80 億円の拡大、親会社の所有者に帰属する当期損失は 571 億円の改善となる。
また、海外事業の構造改革についてリリースは次のように書いている。
《海外事業においては、この度「合理的な事業構造による統合ソリューションの高度化」、「コスト構造の改革」を推進する事業トランスフォーメーションの施策の1つとして、事業構造改革の実施を決定しました。2年間で、現在 160 以上あるエージェンシーブランドの数を 6 つのグローバルリーダーシップブランドへ統合します。
まずは海外事業の収益の 80%を構成する主要な地域群から着手し、全地域へと拡大していきます。この統合はブランドのみでなく、全てのサービスライン、機能会社、および海外事業の本社機能を担う電通インターナショナル社においても推進します。より統合され、効率化された組織構造に変革することで、アイデアが先導し、データが推進し、テクノロジーが実現するソリューションを、個々の顧客企業に最適な形で提供できるようになると考えています。
 この統合により、各地域の法規制等をクリアする前提で、海外事業に従事する全従業員の約 12.5%が減少します。また 2020 年度、2021 年度の2年間の取り組みにより、海外事業において、全体で約640 百万英ポンド(約 876 億円※)の事業構造改革費用の計上を想定しています。このうち、2020 年度には約 410 百万英ポンド(約 561 億円※)、残りは 2021 年度に計上する見込みです。なお、コスト削減効果については、人員削減を中心に他の施策も含めた効果として、2021 年度末から 12 カ月ベースで約 400 百万英ポンド(約 547 億円)以上を想定しています。》
https://ssl4.eir-parts.net/doc/4324/tdnet/1911270/00.pdf
つまり、海外の広告会社を次々に買収したものの思うような利益をあげられず、リストラに着手するということである。「東京商工リサーチ」は12月7日付で「電通グループ 構造改革で237億円の赤字見通し、海外事業約5800人を削減へ」を発表している。
《2020年12月期の業績予想は、売上高(収益)9287億円(前年1兆478億8100万円)、営業利益114億円の赤字(同33億5800万円の赤字)、当期利益237億円の赤字(同808億9300万円の赤字)とした。
電通グループによると、海外事業での構造改革は、同事業に従事する全従業員(2019年12月末現在4万6558人)の12.5%(約5800人)を削減するなど事業統合を進める。「2020年度には約410百万英ポンド(約561億円)、残りは2021年度に計上する見込み」とし、2年間で約640百万英ポンド(約876億円)の事業構造改革費用の計上を想定している。構造改革効果は、2021年度末から12カ月ベースで約400百万英ポンド(約547億円)以上を想定する(1英ポンド136.8円)。》
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20201207_01.html
早速、「窓際さん」がツイートしている。
電通に限らないけど、国内市場がジリ貧だからと慌てて海外企業を高値掴みして、PMIに失敗して減損するという見慣れたパターン。海外展開を見据えてボスキャリアあたりで青田買いしまくった海外大卒の若者は今頃何をしているんだろう…。》
《しかし海外企業のM&Aなんて、その道のプロであるはずの総合商社ですら失敗しまくってるので、正解への必勝法なんてもんはないんだろうな。JTサントリーみたいな、「ノウハウがなかった企業でもいきなり成功しました」的な分かりやすいストーリーばかりが語られるから経営者が勘違いするのだ。》
https://twitter.com/nekokisha/status/1335743787038072832
https://twitter.com/nekokisha/status/1335745420182614018
日本経済新聞は12月7日付で「電通グループ、最終赤字237億円 海外の構造改革費計上」を発表している。
新型コロナウイルス禍を受けた収益減と、海外の事業構造改革用の計上が重荷となる。》
https://www.nikkei.com/article/DGXZASFL07H9S_X01C20A2000000
翻訳すると、国内の儲けで海外を支えられなくなったということである。「アベノミクスによろしく」(集英社インターナショナル、「人間使い捨て国家」(KADOKAWA)、「ツーカとゼーキン」(集英社インターナショナル)、「キリギリスの年金」(朝日新聞出版)の明石順平が呟く。
《この状態でオリンピック中止になったら電通どうなるんだべ。》
https://twitter.com/junpeiakashi/status/1335772491965288448

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2)【記事】牧野修の「万博聖戦」が話題だ!

朝宮運河がツイートしている。
《「好書好日」連載の〈ホラーワールド渉猟〉12月のブックレビューが公開されました。
牧野修さんの『万博聖戦』を取りあげています。世界と意識の変容を描いてきた、牧野ワールドの集大成的傑作です!》https://twitter.com/Unga_Asamiya/status/1335182831824211970
12月5日付で発表されている「牧野修『万博聖戦』書評 子ども時代への扉を開く、奇想満載のSF」がそうだ。朝宮は、こう絶賛している。
《戦後、ひたすら膨張を続けてきた大人たちの欲望と、子どもたちが抱く未来へのワクワク感。相容れないふたつの価値観が、未曾有のお祭り騒ぎの中で、激しくぶつかり合う。万博のさなか太陽の塔に籠城した男がいた、という史実をシトたちの物語に絡め、SF的奇想もふんだんに織りまぜながら〝もうひとつの1970年〟を描いてゆく手腕は圧巻の一言。》
https://book.asahi.com/article/13988950
朝宮は「万博聖戦」について連ツイも発表している。
牧野修『万博聖戦』ここがすごい。
「好書好日」の書評では書き切れなかったポイントを挙げておきます。
その1。狂ったアイデアがすごい。具体的には、アニメーションを軸にした偽史的妄想のところね。異常なのだが、異常なりに説得力があり、うわっそういうことか!と説得されてしまうのです。》
《友人がローザックの『映画の魔』みたいと言っていたけど、そんな感じ。はみだしっ子が邪悪な大人たちと戦う、ディストピアものだなと思って読んでいると、唐突に世界が歪み混乱する。最高です。
その2。大人と子どもの戦争というアイデアはゴシックSFの傑作『MOUSE』を彷彿とさせ、》
《はぐれ者が強大な敵と戦うという設定はモダンホラー『リアルヘヴンへようこそ』や怪奇短編「翁戦記」を連想させます。つまり牧野修にとって骨がらみのテーマを、大阪万博という大舞台で思いっきり展開しているので、これはもう面白くないわけがない。
その3。万博ものとしての魅力。》
《戦後日本社会にとってあの大阪万博とは何だったのか。『万博聖戦』では大人の欲望と子どもの夢の相克だった、という解釈がなされているわけですが(ここにまずグッとくる)、だとしたら近未来、大阪で二度目の万博が開催されることはどんな意味を持つのか。牧野流の万博論として読み応えあり。》
《もちろん『嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』と比較してみるのも一興。
その4。ビザールな世界観がエロくてカッコいい。物語後半は2037年、2度目の万博を控えたバーチャルシティ大阪。外見をカスタマイズし、自衛のためいくつもの〈クラン〉に分かれて暮らす大阪人がめちゃくちゃカッコいい。》
《性別不詳の松露夫人、凄腕プログラマーの鰐小路姉妹(ブラザーズ・クエイ!)など、外見も言動も過剰なキャラが登場しビザールな世界を作りあげていく。このあたり好みが若干分かれるところと思うんですが、牧野修のそこが好き!という人にはたまらんわけです。『傀儡后』が好きなら必読。》
《その5。友情ものとしての魅力。これについては多くを語りません。読んでラストで泣いてください。
「召されし街」から『月世界小説』まで、過去作品の諸要素がぶわーっと散りばめられていて、それこそ根幹アイデアであるアニメーションみたいな感じになっているのですが、だからといって》
《過去作に引きずられているわけではなく、作品から受ける印象は実にフレッシュ。全力で読者を攪乱しにきていて、読んでいると意識をハッキングされそうになります。いや、実際されました。無性にぐるぐる回転したくなるのがその証拠です。本当にすてきな小説です。
ひとまず以上。長失礼。》
https://twitter.com/Unga_Asamiya/status/1335763184079159297

https://twitter.com/Unga_Asamiya/status/1335764985285206018
小説家の篠田真由美は12月1日付のブログで「万博聖戦」を《昨日からツイッターで「面白い」と騒いでいた本ですが、本当に最後まで面白かったんで、読むといいよ、といいたい。久し振りに小説を読む楽しみを満喫してイッキでした。》と書いている。
http://kama-wanu.jugem.jp/?page=3&cid=8
大森望も絶賛している。
《今年のベストSF国内篇、単発長篇1位は圧倒的に牧野修 『万博聖戦』! と思ったら奥付11/5で対象年度外。見本が届いたのはハロウィーン前だったのに…。と
もあれ、『万博聖戦』は、EXPO'70世代の人は必読の万博SFです。1970年以降に生まれた人がどう思うかは知らん。》
https://twitter.com/nzm/status/1332886555250159616
京都精華大学で教鞭を取る「京都 虫の目あるき」(新曜社)のおがさとしも絶賛している。
牧野修さんの「万博聖戦」読了。すごい。イマジネーションの奔流。70年万博世代としては1969・70年パートが楽しいのだけど、オトナになりそびれた中高年としては2037年パートが身につまされつつ圧巻。》
https://twitter.com/ogawa717/status/1333793355457728514
イラストレーターのYOUCHAN(ユーチャン)も傑作だと評価している。
牧野修『万博聖戦』読了。万博の記憶をギリギリ持たない世代なので、その熱量を理解できているかはわからないけど、凄かった。そして、牧野さんはやはり世界の終りと天使を描く人だ。仕立て屋を従える二人の美少女が脳裏にぱあっと浮かんだ。残酷で泣き出したい程の切なさと愛らしさ。なんという傑作!》
https://twitter.com/youchan_togoru/status/1334060107596894208
これは牧野修自身のツイート。
《大阪が滅びようとしている今、万博聖戦はそれを止めることは出来ないでしょうが、鎮魂の役には立つかと思います。なので十数年後に鎮魂をするために今のうちに『万博聖戦』を購入しておいてはいかがでしょうか。というようなわけで、『万博聖戦』関連ツイートを勝手に紹介を始めようかと思います。》
https://twitter.com/makinoma/status/1330542616262430721
SFマガジン」12月号に「『万博聖戦』牧野修インタビュウ」が掲載されている。牧野は次のように語っている。
《いくつかの妄想の核のようなものがありまして、それが頭の中で少しずつ結びついていきました。核の一つはアニメーションが二千年以上前インドで猿の手によって作られていたというもの。もう一つの核は、大阪万博太陽の塔に一週間余り立てこもった事件は、実は世界の命運をかけた戦いの一部だったという妄想。それから大人と子供は両生類の幼体と成体のようにある意味別種の生き物なんじゃないのかという疑問。
そんなものがぐるぐると回って一つの話にまとまっていったのが四年ほど前のことです。その試案のようなものを早川書房の阿部さんに見ていただき、少しずつ小説へと変えていきました。こんなでたらめな断片がよく小説としてまとまったものだと我ながら感心しております。》
https://www.hayakawabooks.com/n/n0f8cce0bb4c0
「万博聖戦」の版元は早川書房。ハヤカワ庫JAの一冊だ。
https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000014680/
「万博聖戦」が活写した「子どもと大人の戦場」は地下水脈で「1968年の革命」と繋がっているはずだ。
そうそう磯崎憲一郎の「日本蒙昧前史」(藝春秋)も太陽の塔右目に8日間も立てこもった「目玉男」が登場する。私には「日本蒙昧前史」と「万博聖戦」が決して他人とは思えないのである。歴史に対する危機感を共有しているといえば良いのだろうか。

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3)【本日の一行情報】

◎弱小部筆頭デスクのツイート。
《いっそ新聞記者も時と場合に応じてどんどんスマホで写真撮って記事に使っちゃえよとずっと思っている
眼レフで記者が撮ったよりよほど印象的な写真、インスタにじゃんじゃん流れてるじゃないか》
https://twitter.com/inside__jounal/status/1335603557261746177

慶應義塾大学出版会のツイート。
《『黒い雨に撃たれて――二つの祖国を生きた日系人家族の物語』上(パメラ・ロトナー・サカモト 著、池田 年穂、西川 美樹 訳)
米国陸軍大佐、ハリー・フクハラとその家族が辿った波乱の生涯を中心に、日米開戦によって二つの祖国のあいだで身を引き裂かれた日系人の生を描く。》
https://twitter.com/KEIOUP/status/1333988568918757377
https://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766426854/

朝日新聞デジタルは「『イマジン』響く米国の街 今こそジョン・レノンが必要」を掲載している。
《ゴールドスタインさんがツアーで必ず訪れるのは、レノンが玄関前で撃たれた自宅マンションの「ダコタハウス」、そして、向かいにあるセントラルパークに設けられた追悼場所「ストロベリーフィールズ」だ。
公園の地面には、レノンの代表作のタイトルが記されている。
「IMAGINE(イマジン)」》
https://digital.asahi.com/articles/ASND733Y1ND1UHBI00D.html
よし、ニューヨークから一気にキューバに飛ぼう。ハバナにはジョン・レノン公園があり、ベンチにかけるジョン・レノン銅像が置かれている。その足元には「IMAGINE」の歌詞がある。確か、カストロが書いたのではなかったか?
http://emanuelsanto.ciao.jp/%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%90%E7%B7%A8/%E7%94%9F%E6%B4%BB/%E3%83%8F%E3%83%90%E3%83%8A%E5%B8%82%E3%83%99%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%89%E5%9C%B0%E5%8C%BA%E3%81%AB%E3%81%AF%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%81%8B%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AC%E3%83%8E%E3%83%B3/
もっと近づいてみよう。
https://www.facebook.com/terumasa.imai/posts/1574651329255514?__cft__[0]=AZVoeqfv_CYgSduIX7RojoN9bdc2OvNuTi5Jtq3QEoIevxrue3qkrQhK8FmvWSj5PBxrLrdsp5_8l7zdQ5MMFLGQW_ugWOJKXAATAdb5Ejlks8QmgE35smh0M5G8tsC3J4&__tn__=%2CO%2CP-R
この像を見たあとで一杯やるのは、イエローサブマリンだ。
http://blog.livedoor.jp/cubanito/archives/1488375.html

讀賣新聞オンラインは12月5日付で「午前7時、全国紙ほとんど売り切れ…「鬼滅」全面広告の朝」を掲載している。
https://www.yomiuri.co.jp/culture/subcul/20201205-OYT1T50101/

朝日新聞デジタルは12月5日付で「米グーグル、ニュース対価支払い先拡大 日本メディアも」(尾形聡彦)を掲載している。
《世界のメディアにニュースの対価を支払い始めた米グーグルが、対象を日本のメディアにも広げることが3日、分かった。グーグルは現在、ドイツやブラジルなど7カ国のメディアと契約してニュースを提供する取り組みを始めている。対価の支払先が、日本メディアを含めて世界でさらに拡大する形だ。》
https://digital.asahi.com/articles/ASND46GCLND4UHBI01N.html

◎宝島社が運営するWEBメディア「FASHION BOX」が、立ち上げから約3年で月間1000万PVを突破した
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001088.000005069.html

◎12月4日はアフガニスタンの医療支援や砂漠緑化に取り組むNGO「ペシャワール会」現地代表の中村哲医師の命日であった。アフガニスタンで凶弾に倒れてから一年が過ぎたわけだが、この日、双葉社から中村のこれまでの同国支援の功績をまとめた絵本「カカ・ムラド~ナカムラのおじさん」が刊行された。
アフガニスタンNGO「ガフワラ」のザビーフ・マハディは中村の遺志を後世に伝えるため、今春現地で2作の絵本を制作した 。この制作費はフェリシモの「 LOVE PEACE PROJECT 」が基金付きの商品を販売し、そこで集まった基金から拠出されている。日本版の絵本は、アフガニスタンで制作された2作の絵本の翻訳に解説を加え1冊にまとめたもので、うち1作は、さだまさしが翻訳制作 を手掛けている。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000213.000014531.html
生前の中村哲の映像をテレビで見ていて思った。おじいちゃんに似ているじゃないかと。中村哲には昇り龍に菊の花はないけれど。中村の祖父は昨年もで書いたが「花と龍」の玉井金五郎である。「花と龍」は岩波現代庫から刊行されている。
火野葦平は本名玉井勝則,金五郎・マンの長男である.この小説には実名で登場し,沖仲仕労働組合を組織し書記長となる.火野は「親分と称されていた父を,ヤクザ世界のボスか英雄のようには書きたくなかった.任侠とか,仁義とか,男伊達とかいうものとはちがっていたからである」と書いている.現在までに4回映画化され,藤田進・島崎雪子佐伯清監督,1954),石原裕次郎浅丘ルリ子舛田利雄監督,1962)中村錦之助佐久間良子山下耕作監督,1965),渡哲也・香山美子加藤泰監督,1973)が,金五郎とマンを演じている.
ちなみに,アフガニスタンの医師中村哲氏は金五郎・マンの次女秀子(小説中に秀子が中村と結婚するの喜ぶところがある)の長男であり,孫のなかでもっとも金五郎に似ているといわれているそうだ.》
https://www.iwanami.co.jp/book/b256073.html
岩波化とやらはマキノ雅弘高倉健と星由里子で撮った「日本侠客伝 花と龍」を無視している。そういうところが駄目なんだよな。
https://www.toei-video.co.jp/catalog/dutd02582/

◎コスメブランド「ドルチェ&ガッバーナ ビューティ」の2020年ホリデーコレクションの発売を記念し、12月9日に発売されるマガジンハウスのグラビア女性週刊誌「anan」2229号の「恋と運命」特集号と連動するカタチで、「SixTONES」(ストーンズ)のジェシーが出演するウェブ限定動画が公開された。
https://mainichikirei.jp/article/20201203dog00m100003000c.html
これがそうだ。
https://www.youtube.com/watch?v=UFMpXFQ4bhM
雑誌広告を守る戦いにおいてマガジンハウスは重要な戦力である。

◎学研プラスは、2021年3月に『やさしくまるごと中学〇〇改訂版』シリーズを発売する。累計47万部の超人気シリーズが、2021年中学指導要領改訂に伴い大改訂されることになったのだが、売りは人気教育系YouTuberの葉一監修の「勉強のコツがわかる別冊」や「葉一さんが教えてくれる勉強のコツ動画DVD」が付録であることだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003068.000002535.html
紙の学参ビジネスでもネット化と無縁ではいられないようだ。

朝日新聞デジタルは12月5日付で「ホームレス描写のルポ炎上 cakes、内容の責任誰に」(杉浦幹治、池上桃子、赤田康和)を掲載している。
《「プラットフォームとメディアの境界があいまいになっている」とみるのは法政大の藤代裕之教授(ソーシャルメディア論)。
「メディアならコンテンツの責任は編集部が取るが、プラットフォームなら『炎上』は章を書いた個人の自己責任ということになる。cakesは賞を与えて連載させるメディアであり、影響力も大きくなっている。にもかかわらず、編集部にその自覚がなく、責任をとる覚悟がないように見える」と話す。》
https://digital.asahi.com/articles/ASND45WVFND3UTIL03Y.html
プラットフォームのようなメディアであっても、メディアである以上は、その内容の責任はメディアが負わなければならないのだ。

◎この写真、覚えている。私もまた水沢アキに恋した一人であることを告白しておこう。
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2020/12/06/gazo/20201206s00041000046000p.html
篠山紀信による写真集「AKI MIZUSAWA 1975-2020」が小学館から刊行された。1975年に篠山紀信によって小学館男性誌「GORO」で「激写」されて以降、最新ヌードまでの45年を詰め込んだ1冊だそうだ。日刊スポーツは12月5日付で「水沢アキ 65歳のヌード収めた写真集『生きてきた証。これで安心して人生が終われる』」を掲載している。
《お気に入りのカットに19歳の表紙の写真を挙げ、「この表紙があったから、45年間芸能界で生きてこられたと思う」と笑顔を見せた。
篠山氏は「45年撮っているのは水沢さんだけ。初対面の明るく弾けるような元気で健康的な美しさを60歳になっても持ち続けている」と称えた。》
https://www.sanspo.com/geino/news/20201205/geo20120518460028-n1.html
6000円、か。

◎日販の「店頭売上前年比調査(11月期)」によれば11 月の店頭売上前年比は全体で105.6%となり、2008 年の集計開始以来初の 7 か月連続での前年超えとなった。
内訳は雑誌 93.5%、書籍 101.1%、コミック 131.4 %、開発品 95.3%。コミックは14 か月連続での前年超えとなった。
https://www.nippan.co.jp/wp-content/uploads/2020/12/pos__202011.pdf
大袈裟ではなく集英社が出版業界を支えているという構図になっている。

朝日新聞デジタルは12月6日付で「報道メモを誤送信、ファックス番号間違える 高知県警」を掲載している。
高知県警高知南署は5日、個人情報が記載された報道発表資料を警務課の警察官(50代)が高知市内の官公庁にファクスで誤送信したと発表した。すぐに回収し、情報漏れの形跡はないという。》
https://digital.asahi.com/articles/ASND56WN4ND5PTLC00R.html
讀賣新聞NHKで記者の経験を持つコンサルの島契嗣が引用ツイート。島はタイトルがファックス、記事がファクスになっていることも指摘している。
《昔から繰り返されるFAXの手入力による誤送信。再発防止策はそんなに難しいと思わないが、これに関しては県警を厳しく追及する気にならないよなぁ。まずFAXやめよう。》
https://twitter.com/shima_keishi/status/1335396751264497665
中日新聞の社会部記者・森若菜が島をリツイートしている。
《むかし支局に県警本部から弁録流れてきたことあるで。「これか!!初めて見た!」状態。ウチと読売さんだけ記事にしてた。ほんとファクスやめればいいだけの話です。》
https://twitter.com/wakanara/status/1335511667002621954
これも島契嗣のツイート。
《これがデジタル広告の構造。伝説の特ダネ記者だった経営陣だけでなく、もう当事者以外は理解できない世界…新聞協会のロビー活動で政府の中間報告はデジタル広告を「ブラックボックスと呼称(笑)》
https://twitter.com/shima_keishi/status/1335382253665308672

◎「東洋経済オンライン」は12月6日付で「NHKにメッタ刺しされた『レオパレス』の恨み節 番組めぐり再三NHKに謝罪を求めていた」を発表している。
《抗議をするべきだと本社に働きかけた「レオパレス21」のオーナーがいう。
「番組の作り方があまりにも不公正で一方的、しかも杜撰だったのです。確かにサブリースの業界には、これまで問題がなかったわけではないし、レオパレス21が世間を騒がせたのも事実。しかし、番組はサブリースの大手各社の事例を取材しているのに、社名が番組内で連呼されたのはレオパレス21だけ。それ以外の大手は番組の終わりにアンケートに答える形で一瞬、テロップが流れたのみ。普通に番組を見ている一般視聴者からすれば、サブリースの諸悪の根源は全てレオパレス21だと受け取りかねません」》
https://toyokeizai.net/articles/-/393298

毎日新聞は12月5日付で「ファクトチェック 学術会議問題 菅首相の発言『1949年から推薦で会員選出』は不正確」(木許はるみ)を掲載している。
日本学術会議の新会員候補6人の任命拒否を巡り、菅義偉首相は4日の記者会見で、会員選出方法について「そうした方(会員、連携会員)の推薦がなければ、これ、なれないわけでありますから。これは1949年ですかね、この組織ができてから」と発言した。しかし、49年の学術会議の設立当時、会員選出方法は推薦ではなく選挙制だった。会員と連携会員の推薦による会員選出は2004年の日本学術会議法の改正で導入されたものだ。学術会議が49年から推薦によって会員を選出していたとする菅首相発言は不正確だ。》
https://mainichi.jp/articles/20201205/k00/00m/010/114000c
首相や前首相は無知を露呈しても恥じない。

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4)【深夜の誌人語録】

沈黙もまた雄弁なのである。