【文徒】2021年(令和3)1月15日(第9巻8号・通巻1905号)つづき

◎「NEWSポストセブン」は1月12日付で「女性セブン」に掲載された「納豆とヨーグルトに潜む危険性 極端に安いものには注意が必要」を公開しているが、1月13日付で次のような「追記」が発表された。
《追記/納豆の記述について、誤解を招きかねない表現がありましたので、一部修正いたしました。(1月13日17:20)》
https://www.news-postseven.com/archives/20210112_1626575.html?DETAIL
実は「AERA.dot」が1月13日付で「『女性セブン』の記事に納豆メーカーが激怒 『営業妨害だ』『あまりにひどい』」を公開したのだ。「AERA.dot」によれば、「NEWSポストセブン」は消費者問題研究所代表の垣田達哉の次のようなコメントを紹介していた。
《特に、極端に安く売られている納豆には気をつけてほしい。発酵には時間と手間がかかるので、発酵時間を短くすることでコストを抑える場合がある。アミノ酸液で旨みを加えたり、着色料で色味を補って作っている商品も存在します。添付されているたれやからしにも注意してほしい。さまざまな添加物が含まれている可能性があり、なかには血糖値が急上昇して糖尿病や心臓病のリスクが上がる危険性があるものも。しかし、30平方センチメートル未満の小さい包装の食品には表示義務がなく、それらが入っていても知ることすらできません》
このコメントにある「アミノ酸液で旨みを加えたり、着色料で色味を補って作っている商品も存在します。添付されているたれやからしにも注意してほしい。」の部分を「NEWSポストセブン」は1月13日17時20分に「添付されているたれやからしにも注意してほしい。アミノ酸液で旨みを加えたり、着色料で色味を補って作っている商品も存在します。」と変更しているのだ。
AERA.dot」は次のように書いている。
《垣田氏に真意を確認したところ、昨年、「女性セブン」の取材を受けて答えた記事だが、インターネットに記事が配信されているのは知らなかったという。
「消費者に誤解を与えてしまう内容になってしまい、大変申し訳ないと思います」
と陳謝したうえで、こう弁解した。
「私自身は取材に対し、たれとからしの添加物の話だけをしました。雑誌側が後からこの部分を書き加えたという形でしたが、確認の際に、どう読まれるかをもっとよくチェックしないといけなかったと思います。納豆の大豆に、消費者の知らない添加物や着色料が使われているということはまったくありません」
一連の経緯について、小学館に問い合わせると、次のような回答があった。
「ご指摘ありがとうございます。誤解を招きかねない表現がありましたので、垣田達哉さんに確認の上、記事を一部修正いたしました」(女性セブン編集部)
本サイトの確認後、記事は修正されている。》
https://dot.asahi.com/dot/2021011300062.html?page=1
小学館からすれば「NEWSポストセブン」に公開した記事を削除してしまうという、あったことをなかったことにする「最低な」対応も可能だったはず。しかし、そうはせず、「AERA.dot」の指摘を受けて、垣田達哉に確認したうえで記事を修正しているのだ。

東京新聞は1月13日付で「『LAGAR』と誤表記の缶ビールサッポロビールが一転販売へ 『ぜひ売って』の声に応え」を掲載している。共同通信の配信記事だ。
サッポロビールは13日、商品デザインの一部でつづりのミスが見つかり発売をいったん中止していた缶ビール「サッポロ 開拓使麦酒仕立て」を2月2日から販売すると発表した。》
https://www.tokyo-np.co.jp/article/79729

KADOKAWA 芸・映像事業局の榊原大祐が亡くなった。深緑野分がツイートしている。
《本は作家だけで作れません。担当編集者さんがいないと私はどうしたらいいか、どうやって売ったら良いかもわからないし、まるで自信もない。そういうへなちょこな作家を励まし、一緒に歩いてくれるのが担当さんです。訃報を聞いてから、大事な車輪を永久に失ってしまった車みたいな気持ちです。》
《榊原さんのお仕事はもちろん私相手だけではなく他の作家さんともありますが、私からはぜひ、生前書いて下さったこの章をご紹介したいと思います。https://hon-hikidashi.jp/enjoy/120330/ 当時は全然こんなことになるなんて誰ひとり想像していませんでしたが……『この本を盗む者は』の帯も榊原さんのお仕事です。》
https://twitter.com/fukamidori6/status/1349325575521857544
https://twitter.com/fukamidori6/status/1349326170731335682
岡和田晃が深緑野分をリツイートしている。
《なんと! 榊原大祐くん(あえてこう表記)は私の大学同期ですが……。学科芸誌「蒼生」の編集委員をやり、そこに柳田民俗学風の小説「朔風」を書いていました。新卒で出版社に入り、ステップアップを重ね、順風満帆に見えましたが。卒業後にある場所で再会し、一緒に仕事をしたこともあります。》
《亡くなった榊原大祐くんと一緒にした仕事というのは、ピーター・ディキンスン『生ける屍』が、2013年にちくま庫から復刻した際に、私が巻末解説を担当したことです。もうひとり、解説をお書きになったのは佐野史郎さんで、こういうセンスの妙が、編集者としての彼の持ち味だったのかもしれません。》
https://twitter.com/orionaveugle/status/1349509482926149632
https://twitter.com/orionaveugle/status/1349518433990242305
降田 天(萩野瑛)は「私たちにとって最高の編集者」だったと追悼している。
https://twitter.com/huruta10/status/1349361109359157248

◎ロイターは1月13日付で「FB・グーグル巡る法案、規制強化の始まり=豪競争当局」を掲載している。
《豪競争・消費者委員会(ACCC)のシムズ委員長は、米フェイスブック(FB)とアルファベット傘下グーグルにニュースコンテンツの使用料支払いを義務付ける政府の法案について、デジタルプラットフォームに対する規制強化の始まりにすぎない可能性が高いとの見方を示した。》
https://jp.reuters.com/article/fb-google-regulation-idJPKBN29I0IQ

日本学術会議は1月23日(土)に公開シンポジウム「メディア学の使命――ジャーナリズム研究からプラットフォーム研究まで」をオンライン開催する。
http://www.scj.go.jp/ja/event/2021/306-s-0123.html

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4)【深夜の誌人語録】

放り投げたからといって問題は少しも軽くならないのだ。