【文徒】2021年(令和3)1月29日(第9巻18号・通巻1915号)


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1)【記事】創刊105周年を迎えた「婦人公論」と波多野秋子
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】
----------------------------------------2021.1.29 Shuppanjin

1)【記事】創刊105周年を迎えた「婦人公論」と波多野秋子

婦人公論」が105周年を迎え、2月9日号は、これまでに掲載された数々の寄稿・インタビューから、32人の「今を生きる人々に希望を与えてくれる言葉」を抜粋して紹介している。
https://hon-hikidashi.jp/live/123438/
私はこの人選に不満がある。何故なら、そこに波多野秋子の名前がないからだ。創刊間もないころの「婦人公論を代表する編集者である。杉森久英の執筆による「中央公論社の八十年」で波多野秋子は「絶世の美人」と表現されている。
《『婦人公論の美人記者波多野秋子の名は、壇、論壇に知れわたった。あるとき滝田樗陰が芥川竜之介を訪問すると、
婦人公論の嶋中君に言伝してください。他の人には波多野という別嬪がよく原稿を頼みにゆくそうですが、僕のところへは一度もよこさないのは怪しからんですな。今度から他の人がきても書かないといってください」
と笑いながらいった。
婦人公論』の大正十ニ年三月号の芥川の「猿蟹合戦」はこのようにして、波多野秋子が行ってもらってきたものであった。》
このとき秋子は雑誌「日本魂」の編集者である波多野烏峯(春房)と結婚していた。そんな波多野秋子が新聞の紙面を大きく飾ることになる。《秋子は大正十ニ年夏、有島武郎と軽井沢で情死した。》のである。もちろん『婦人公論』は大正十二年八月号で「有島武郎氏情死事件批判」を大特集するのである。「中央公論社の八十年」は、こう書いている。
《大正十二年七月、波多野秋子が有島武郎と情死した。一方が時代の人気作家であり、他方が華やかな話題の渦巻く婦人記者であるだけに、世間の注目があつまった。『婦人公論はこの問題について、八月号で「有島武郎氏情死事件批判」を特集して、長与喜郎、正宗白鳥、藤森成吉、山川菊栄ほか九氏の意見をのせたほか、「波多野秋子さんの印象」という大見出しで、高嶋米峰ほか三十氏の追悼記をのせた。
なお嶋中主幹はこの号に「波多野秋子氏の霊に捧げて一切を明かにす」と題して、二十二ページにわたる長の追悼記をのせたが、そこには五年間おなじ職場で苦労を共にした仲間をたちまちにして失った人の悲しみがあふれていて、読む人の心を打った。》
秋子の不倫を知った烏峯が有島武郎を呼び出して金銭を要求する。有島が支払いを拒絶すると、姦通罪で訴えると言い渡したため、明子と有島は二人して失踪し、有島の軽井沢の別荘で心中する。遺体が発見されたのは7月7日のことであった。
有島武郎氏情死事件」について書かれた、こんなブログ記事を見つけた。
https://nodule.jp/info/ex20200203/
波多野秋子は烏峯(春房)に次のような遺書を残している。ブログ「愛に恋」が「波多野秋子の遺書」をエントリして紹介している。
《春房さま
とうとうかなしいおわかれをする時がまゐりました。 ○○おはなし申上げた通りで、秋子の心はよくわかって下さることとぞんじます。 私もあなたの お心がよくわかってをります。十二年の○ 愛しぬいてくだすつたことをうれしくもつたいなくぞんじます。
わがままのありつたけをした揚句に あなたを殺すやうなことになりました。それを思ふと堪りません。
あなたをたつた独りぼつちにしてゆくのが可哀相で可哀相でたまりません》
http://pione1.hatenablog.com/entry/2019/07/25/115502
この遺書が発見され、北海道立学館(札幌市)で公開されたのは21世紀になってからのことである。2009年だ。
http://www.shikoku-np.co.jp/sports/local/20090620000219
波多野秋子を主人公とした小説を読みたいものだ。「婦人公論」の周年事業として立ち上げたら面白いのではないか。

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2)【本日の一行情報】

◎「東京バーゲンマニア」は1月26日付で「『エコバッグ』が5個も付いてくる!オトナミューズの雑誌付録すごすぎ。」を公開している。宝島社の女性ファッション誌「オトナミューズ」3月号(1月28日発売)のセブン-イレブンセブンネットショッピング限定で販売される「増刊号」のハナシ。フランスの人気ダイヤリーブランド「クオバディス」とコラボしたアイテムで五色セットとなっている。
https://bg-mania.jp/2021/01/26377861.html
宝島社とセブン-イレブンの蜜月は今年もつづく。

朝日新聞デジタルは1月26日付で「漫画など海賊版サイト、アクセス急増 巣ごもりも影響?」(丸山ひかり)を掲載している。
《インターネット上に漫画などを無断掲載した海賊版サイトについて、閲覧数の上位10サイトに昨年12月だけで日本国内から約2億回のアクセスがあり、約414億円分以上が「ただ読み」されたとみられることが、出版社などでつくる団体の調べでわかった。昨年1月にはアクセスが約7200万回で「ただ読み」は約39億円分だったと推計され、団体は新たな人気サイトの出現とともに、コロナ下での「巣ごもり生活」が影響した可能性もあるとみている。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP1V6HNTP1VUCVL01X.html

◎「ORICON NEWS」は1月27日付で「JO1、女性ファッション誌WEBを11人でジャック 写真集『Progress』発売記念」を公開している。この記事によれば11人組グローバルボーイズグループ・JO1がワニブックスより、ファースト写真集「Progress」を発売したことを記念して、女性ファッション誌11誌のWEB媒体をメンバーが次のようにジャックしている。
《與那城奨×「NYLON.JP」(カエルム)
木全翔也×「JJ net」(光社)
川西拓実×「anan web」(マガジンハウス)
鶴房汐恩×「GINGER web」(幻冬舎
河野純喜×「Ray web」(主婦の友社
豆原一成×「bisweb.jp」(光社)
金城碧海×「S Cawaii! web」(主婦の友インフォス社)
佐藤景瑚×「SPUR.JP」(集英社
大平祥生×「Numero.jp」(扶桑社)
川尻蓮×「with online」(講談社
白岩瑠姫×「NET ViVi」(講談社)》
https://www.oricon.co.jp/news/2182831/full/

朝日新聞デジタルは1月28日付で社説「NHK値下げ 政治の影に疑念が残る」を掲載している。
《経営計画では言及していなかった値下げ幅について、20日になって突然、副会長(放送総局長)が「衛星契約の1割をめざす」と具体的な数字を示した。菅首相が施政方針演説で「月額で1割を超える思い切った引き下げ」を表明した2日後のことだ。
繰り返すが社説は値下げに異を唱えているわけではない。しかしNHKは新年度から、これまでに例のない規模の事業の縮小に踏み出そうとしている。影響を受けるのは国民一人ひとりであり、私たちの社会だ。
これからの時代にNHKはどんな役割を担い、そのために必要な費用を、だれが、どのように負担するのか。その議論を深めないまま、受信料を人気取りの道具に使おうとしているとしか見えない政権にも、それに追従するNHKにも、不信の念を抱かざるを得ない。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14779630.html
「政治」に右往左往して、結局は従ってしまうNHKの姿を眼前にすると、受信料の値下げを喜べず、逆に受信料を支払いたくなくなってしまう視聴者も少なからず存在しているということに「政治」NHKはもっと敏感であっても良いのではないだろうか。

日本経済新聞は1月26日付で社説「資生堂に見る攻めのリストラ」を掲載している。資生堂は同社の象徴である「ツバキ」を冠したシャンプーや男性化粧品の「UNO」など知名度の高い商品を含む日用品事業を欧州系大手投資ファンドCVCキャピタル・パートナーズに売却する方針を固めたが、これを「攻めのリストラ」として評価している論調だ。
《しかも売上高営業利益率は5~10%といわれ、日本企業の水準としては決して低くない。売上高に占める比率も10%弱で1000億円強の事業規模だ。これまでの常識ならば、事業を継続するのが定石といえるだろう。
だが資生堂は売却に踏み出した。規模を保つよりも、グローバル市場での成長と収益性を見込める経営を選択した。
日用品は安定的だが、国内市場に限られ、成長の見込みは薄い。一方、海外の化粧品は中国でのネット商戦で好結果を出すなど潜在力を持つ。》
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGH265D10W1A120C2000000?unlock=1

TikTokで話題となったベストセラー恋愛青春小説 「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」(スターツ出版)を執筆した汐見夏衛が一迅社から「さよなら嘘つき人魚姫」を刊行した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000072824.html
汐見夏衛は元国語教師だそうだ。

神戸学院大学は2020年11月に「神戸学院大学出版会」を設立した。
https://mainichi.jp/univ/articles/20210126/org/00m/100/002000c

増進堂・受験研究社は、コロナ禍による経済的事情などで厳しい環境におかれる子どもたちを「誰ひとり取り残さずに学びにつなぐ」ため、同社が出版する小学・中学・高校生向けの学習参考書や問題集、またPC・タブレットを使用して多様な教材をオンラインで閲覧できるバーチャルライブラリーを、認定NPO法人カタリバに無償提供する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000051.000043401.html
素晴らしい取り組みだ。

春と新潮のスクープ競演である。朝日新聞デジタルが1月26日付で掲載した「自公衆院議員2人が深夜に銀座のクラブへ、取材に陳謝」によれば
公明党遠山清彦・前財務副大臣は26日、緊急事態宣言下の深夜に東京・銀座のクラブに行ったとして謝罪した。春オンラインが同日報じた。》
《また、ニュースサイトのデイリー新潮は26日、自民党松本純国会対策委員長代理が18日夜に銀座のクラブなどに通ったと報道。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP1V6WP3P1VUTFK02X.html
「12人がコロナ感染 二階派“秘書軍団”が『和歌山カラオケバー会食』」も「週刊」のスクープである。
《緊急事態宣言が1都3県を対象に発令された1月8日。その当夜鶴保庸介元沖縄北方相(53)の公設秘書2人と、門博衆院員(55)の公設秘書が、和歌山市内のカラオケバーで飲酒を伴う会食を行い、新型コロナウイルスに感染していたことが、「週刊春」の取材でわかった。》
https://bunshun.jp/articles/-/43097

◎「元記者の紀谷理馬」のツイート。
毎日新聞HDは毎日新聞だけでなく、聖教新聞の印刷で儲かって東日印刷も減資して中小企業にするんですね。利益がこんなに出てるのに納税はしないというやりたい放題ですね。》
https://twitter.com/motokisha/status/1354583956293783552
毎日新聞ホールディングスは「減資」に関して、透明性の高い情報発信をすべきである。

朝日新聞デジタルが1月28日付で津田大介による論壇時評「陰謀論の猛威 『検閲』は逆効果、特効薬なし」を掲載している。
《與那覇潤は歴史学の立場から中井久夫の議論を参照し、各国で反知性主義が広がっていった経緯を具体的に示しつつ、この流れがルネサンス期の西洋社会と似ていたと指摘する。当時は長きにわたっ陰謀論に基づく「魔女狩り」が横行したが、この背景にグーテンベルクが開発した活版印刷の普及があったという。
ありもしない敵を脳内で作り上げ、誤情報に基づき同じ考えを持つ者がつながり、集団で排除する行為はまさしく「魔女狩りに他ならない。「グーテンベルク以来の情報革命」と評されたインターネットによって議事堂襲撃が起こされたのは、歴史的な必然だったのだ。》
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14779614.html
那覇潤が「Voice」2月号に「繰り返されたルネサンス期の狂乱」を発表している。

◎美紅がツイート。
《ご報告です。
双葉社様のモンスター庫より、刊行させていただいております、
『進化の実~知らないうちに勝ち組人生~』
アニメ化が決定いたしました。
読んでくださっている読者の皆さま、本当にありがとうございます。》
https://twitter.com/aoimiku0505/status/1354652478214529030
「進化の実~知らないうちに勝ち組人生~」は「小説家になろうで連載され、双葉社で書籍化されたファンタジー小説だ。
https://www.futabasha.co.jp/booksdb/book/bookview/978-4-575-75006-5.html

朝日新聞デジタルは1月28日付で「IOC会長『どうか辛抱して』 日本国民に理解求める」(遠田寛生)を掲載している。
《バッハ会長は「我々の任務は大会の開催で中止ではない。中止や再延期の臆測は一切否定する」と強調した。そのうえで「一人の人間としては、開催を懸念しイメージできない気持ちも分かる。ただ、『できるか』ではなく『どう開催するか』を考えられる理由がいくつもある。日本政府とIOCは先を見据えて動いている」と話した。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP1X1DBMP1WUHBI034.html
IOCとしては、無観客という選択肢もあるだろうし、感染リスクの高い競技を中止するという選択肢もあるという考え方なのだろう

讀賣新聞オンラインは1月26日付で「陽性急増なら大混乱も…広島市80万人にPCR方針」を掲載している。
《唾液などを使うPCR検査は精度に課題があり、感染していても「陰性」と判定される「偽陰性」や、逆に感染していないのに「陽性」と判定される「偽陽性」が出てしまうとされる。
偽陽性」を含めた多数の陽性者と、濃厚接触者の特定作業など保健所の負担増は必至で、市幹部は「患者の受け皿や保健所の人員の準備も整わないまま突き進めば、市内は大きな混乱に陥りかねない」と話す。》
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210126-OYT1T50107/
国立遺伝学研究所・教授の川上浩一が引用ツイートを投稿している
《読売新聞へ:いい加減な記事を書くなと抗議します。
・”唾液などを使うPCR検査は精度に課題があり...「偽陰性」や...「偽陽性」が出てしまうとされる” この伝聞部分、根拠と数字を示すように。
・さらに、”「偽陽性」を含めた多数の陽性者”が出る、と断定するのは、なぜか?》
《なぜPCR検査を抑制・妨害しようとする人たちがいるのでしょう? 新型コロナウィルスを蔓延させたいのでしょうか?》
https://twitter.com/koichi_kawakami/status/1353976075102035969
https://twitter.com/koichi_kawakami/status/1354030865597124608
こんな投稿も発見した。
《#読売新聞 の方へ。私は勤務先で現代社会と法というオムニバスの必修科目を切り盛りしています。現役マスコミ人の方にも複数出講いただいて、いかにして信頼に足りる報道をするか、その熱意と工夫を学生に語って頂いています。然るにこの記事はなんですか?川上先生の抗議を真摯に受け止めてください.》
https://twitter.com/KawatheCathand/status/1354049465783468035

◎言視舎から刊行された「甦る、抵抗の季節 安保闘争六〇周年 記念講演会記録」は保阪正康高橋源一郎の講演を収めたブックレットのような小さな本だが、私は保阪の「六〇安保闘争の意味と評価」を面白く読んだ。
西部邁とは中学時代に、唐牛健太郎とは高校時代に知り合っていたという保阪は吉田茂がサンフランシスコ講和会議で随員に「これはお前たちは調印しなくていい」と言ったり、岸信介が安保条約を双務条約に変えなければ日本は米国に対等になれないと言ったのは、彼らのなかにかつて日本が韓国に「日韓議定書」を突きつけたり、日満議定書」を突きつけた帝国主義的官僚の優越感が残っていたからであり、それは彼らからすれば戦争に敗れて、米国から日米安保条約を突きつけられた屈辱感と表裏であったと喝破している。
私は思うのだが、岸の孫の米国盲従路線に圧倒的に欠けているのは、この屈辱感である。岸の孫はこの屈辱感を素通りして、根拠のない「優越感」だけが首をもたげてしまっているのである。そして、その「優越感」の拠り所は米国なのである。
冒頭には記念講演会実行委員会を代表して三上治が「正しく怖れて、自粛を拒否する。」を寄稿している。
https://s-pn.jp/archives/3354

日本マクドナルドは、「チキンタツタ」初登場から30周年を記念して、小学館の青春漫画「タッチ」とコラボし、甘酸っぱい青春の味をヒントに、爽やかな瀬戸内レモンの風味が特長のコクのあるタルタルソースを合わせた新商品「チキンタツタ 瀬戸内レモンタルタル」を販売している。
https://www.mcdonalds.co.jp/company/news/2021/0120a/

毎日新聞の1月28日付「倉重篤郎のニュース最前線」は田原総一朗と「はりぼて」の五百旗頭幸男との対談だ。
これは五百旗頭の発言。
《ドキュメンタリー制作部という専門部署がある。全国でも大阪の毎日放送石川テレビくらいだと思う。10年くらい前までは赤井朱美さんという名物ディレクターがいて賞を総なめにしていた時代があった。会社からは『ドキュメンタリーの石川テレビ』を復活させてほしいと言ってもらえたし、何よりも専念できる環境がある。経営陣もドキュメンタリーへの意識が高い。》
これは田原の発言。覚悟があるかどうかなんだよ、要するに。
《この国はタブーがないから何をやっても平気だ。僕は3人の総理をやめさせたけど大丈夫だもの。あなたも思い切ってやってほしい。》
https://mainichi.jp/sunday/articles/20210125/org/00m/010/002000d
土本典明にしても、小川伸介にしても、田原総一朗にしても、ともかく「しつこい」のである。この「しつこさ」を五百旗頭には受け継いでもらいたいものである。

◎《これは焚書を待つ一冊の本である。》という書き出しからし私を鷲掴みにして離さない。おい、おい、オレはまだ仕事があるんだぜ。《孤立無援の者は待ち続けない。孤立無援の者は立ち上がり、行動し始める。》だって。高橋和己じゃねぇか。呉叡人の「台湾、あるいは孤立無援の島の思想 民主主義とナショナリズムのディレンマを越えて」(みすず書房)を読み始めたら止まらない。
《帝国の狭間ではかえってさまざまな形態の弱小者のナショナリズムが芽生え、成長しつつある。》
「弱小者のナショナリズム」か!こんな記述もあり、私を震撼せしめる。
《近代初期以来、東アジアの辺境地域には、「複数の帝国の影響力が重なり合う周縁」ともいえる安定した地政学的構造が徐々に形成されてきた。複数の帝国が対峙する狭間にあって、列強間の境界領域あるいは緩衝地帯となった辺境は、相前後次いで、もしくは同時進行で、それぞれ異なる帝国の支配下に組み入れられる運命を長期にわたって経験してきた。こうした地政学的な構造が形成される歴史的過程のなかで、この周縁部には琉球、台湾、南北朝鮮、そして香港という五つの辺境における辺境的政治主体がそれぞれ相前後して生まれる。》
https://www.msz.co.jp/book/detail/08974/
呉叡人にとって《琉球は日清両属を経験し、そして日本に併合され、さらに戦後から今日に至るまで日米両属を強いられることになった》という理解になるのである。《黒潮の流れに耳をそばだてよ。》って、このベネディクト・アンダーソンの弟子はアナキストなの?

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3)【深夜の誌人語録】

傷を舐めあうから、傷が深まるのだ。