【文徒】2021年(令和3)2月9日(第9巻25号・通巻1922号)つづき

4)【記事】荒木優太VS「學界」のSNS論争について

昨日ので荒木優太が「マガジン航」に2月6日付で寄稿した「削除から考える芸時評の倫理」を紹介したが、この論争は最初から紹介しなければわかりにくいとの指摘を受けた。確かに、そうだ。森喜朗発言やら春砲などに気を取られてしまった私たちの失敗である。
まずは荒木のツイートから紹介しよう。荒木は2月5日に次のようなツイートを発表する。
《【訂正のお願い】今日発売の『學界』3月号に寄稿した新人小説月評の末尾が編集部によって勝手に削除されました(左:本誌、右:最終ゲラ)。消された「岸政彦『大阪の西は全部海』(新潮)に関しては、そういうのは川上未映子に任せておけばいいでしょ、と思った。」の一を追記してください。》
《あとで長い章を出すと思いますが、これは編集権の濫用であり、極めて横暴なものです。『學界』編集部を強く非難します。》
https://twitter.com/arishima_takeo/status/1357636393632108545
https://twitter.com/arishima_takeo/status/1357636547995082752
ここで言う「長い章」が「マガジン航」に発表した「削除から考える芸時評の倫理」なのであろう。「學界」の反応は早かった。目には目を、言語には言語を、ツイッターにはツイッターを、とばかりに「學界」の公式アカウントが同日夜、荒木優太に反論している。
學界3月号「新人小説月評」の筆者・荒木優太氏が、編集部に月評の内容を編集段階で勝手に削除されたとしてTwitter抗議していますが、編集部の認識はまったく異なります。ここに経緯を記し、荒木氏の投稿に反論します。》
《掲載されている月評から削除された3行について、編集部からは荒木氏に、批評としてあまりに乱暴すぎるのでもう少し丁寧に書くか、それでなければ削除してほしい旨申し入れました。》
《その3行はすでに荒木氏がTwitterで公開していますが、批評として成立しておらず、このままでは掲載できないと判断しそう伝えました。》
《編集部からの、より丁寧に論じる方向での改稿、でなければ削除の申し入れに対し、荒木氏からは、では、末尾に「全体的におもしろくなかったです。」と付け加えてくださいとの返答がありました。とても受け容れられる批評の言葉ではありません。》
《改稿していただけないのであればその3行は削除しますという編集部からの申し入れに対し、荒木氏からは「お好きになさるとよいでしょう」、ただし「その事実をSNS等で吹聴する」という返答でした。荒木氏の言うように「勝手に削除」したのでは断じてありません。やりとりの記録も残っています。》
《今出ている形は双方の話し合いの結果であり、「編集権の濫用」ではまったくありません。以上、経緯を記しました。》
https://twitter.com/Bungakukai/status/1357664278921183232

https://twitter.com/Bungakukai/status/1357665333637570572
最も反応が早かったのは「岸政彦『大阪の西は全部海』(新潮)に関しては、そういうのは川上未映子に任せておけばいいでしょ、と思った。」と作品を荒木に批判された岸政彦であった。岸は、荒木が【訂正のお願い】を発表した一時間後にこれをリツイートして、何と荒木を擁護しているのだ。
《驚いた。言われてる俺からすると糞みたいなコメントだけど(笑)、糞でも書く権利はある。その後のレスを見ると、編集部が勝手にやったんじゃなくて、ちゃんとやり取りはあったらしいが、最終的には書き手の判断が尊重されるべき。擁護したくないけど(笑)擁護せざるをえない。》
https://twitter.com/sociologbook/status/1357651243187924993
更に岸は、こうもツイートしている。
《それにしても「川上未映子に任せておけばいい」は、俺にも川上さんにもあまりにも失礼な糞みたいな評だな。不妊のことが出てくるかだろけど、そもそも『夏物語』は出産で終わる話だし、俺の不妊治療は俺が実際に体験したことで、女性の一人称で書かれてはいるが、自分自身の体験がベースになっている学作品としての批評ではなく、ただ大阪で不妊の話を書いたからといって「川上未映子に任せておけばいいでしょ」という薄っぺらい揶揄をするのは、これは書評や批評のテイをなしていない、非常に悪質で低レベルの章と言うしかない。
しかしそんな糞みたいな章でも、やはり最後は書き手の判断。
なので、今回はこれはこの荒木とかいう人を擁護せざるを得ない。
ただまあ、編集部と相当やりとりしたという経緯はちゃんと最初のtweetで書くべきやったと思う。「いきなり勝手にされた」みたいな印象操作しとるね(笑)》
https://twitter.com/sociologbook/status/1357651625440026632
https://twitter.com/sociologbook/status/1357652066756272129
https://twitter.com/sociologbook/status/1357652394914369537
岸政彦は自らの経験も吐露して荒木にエールを送っている。
《俺にも経験があって、ある大手出版社からある故人について書いてほしいと言われ、自分では批判とは思わずに、いろいろ正直なところを書いたのだが、驚いたことに「遺族から反対された」という理由で、短い章だが全ボツになったことがあった。そのときは俺もさすがに相当怒って、どうなったかというと、その大手出版社の社長が自ら俺の大阪の自宅まで謝りにきた(笑)(笑)
しかし章をボツにするということは書き手にとってはそれぐらいの事態で、繰り返すがいかに糞みたいな章だったとしても、俺はこの荒木とかいうひとを気の毒に思う。
なにか表現すれば毀誉褒貶あって当たり前。句があれば言われたほうも反論すればよい。俺はだいたいのことは無視するようにしているが、何を言われても何の実害もない。
そういう意味で、今回削除されたこのひとはお気の毒である。糞みたいなこと言われて不愉快ではあるが、おたがいがんばりましょう
https://twitter.com/sociologbook/status/1357653009858142209
https://twitter.com/sociologbook/status/1357653337810767872
https://twitter.com/sociologbook/status/1357653725746135040
荒木優太が「學界」の連ツイに反応している。
《言及ありがとうございます。詳しくは長にて説明しますが、とりあえず、①「批評の言葉」かどうかを編集部が判断するのがお門違いであり、私はメールにて「岸さんの箇所は現状ママでよろしくお願いします」という指示をちゃんと提出しています。》
《②そして、「現状、岸さんの作品についてもう少し説明していただけないのであれば(どこが駄目かというのももう少し明示していただけないのであれば)、編集部判断で最後の3行を削除するというような話になっています」などと言われれば、私には物理的に手出しできないのだから「お好きになさるとよいでしょう」と言うほかないではないですか。私の意志をちゃんと理解した上で、削除を強行するのは編集権の濫用だと思います。》
https://twitter.com/arishima_takeo/status/1357669533528383490
https://twitter.com/arishima_takeo/status/1357669783672524801
https://twitter.com/arishima_takeo/status/1357669895190634496
かくて2月6日付で「マガジン航」に公開された荒木優太の「削除から考える芸時評の倫理」は次のように書く。
《…2月5日発売の『學界』3月号の拙の末尾「岸政彦『大阪の西は全部海』(新潮)に関しては、そういうのは川上未映子に任せておけばいいでしょ、と思った。」(p.307)が編集部によって削除されるという事件が発生した。
検閲とはいわないまでも、不変更を指示した章へのこの種の介入は横暴であり、まずは『學界』編集部を強く非難したい。》
《念のために断っておけば、編集者による原稿の修正や削除の提案自体にはなんの問題もない。よい章を作りたいという目標が一致するのならば忌憚ない意見こそ歓迎されるべきだ。さらに、編集者が強権的に原稿に手を加えることも場合によっては許されるだろう。特に、差別扇動や凶悪犯罪への示唆などの言に敏感であることは必須の能力ですらある。
けれども、拙はそのようなものとは見なせない。提案に留まるならまだしも、原稿の一部を故意に切り取り、それを私の名で掲載させることは書き手への根本的なリスペクトを欠いているといわざるを得ない。》
https://magazine-k.jp/2021/02/06/ethics-in-literary-criticism/
川上未映子も次のようなツイートを公開し、荒木も「學界」も批判している。
《もしわたしが書き手の立場で、編集者からの指摘に納得ができなければ、原稿を引きあげる。自らに責のあるものを好きにしたらよいとはどのような意味においても言わない。もし編集者の立場なら、最終的にクオリティが掲載水準に満たないものは全を没にする。》
《この「手続き」の話が、なぜ「批評とは何か」の話になるのか、愛や思いや自分語りに繋がるのか謎。書き手は批評だと思って提出し、編集部はそう見做さなかった。それだけ。あと最終的には書き手の判断が通るべきという人が多いけどそんな訳ない。どんな仕事もクオリティが低ければ採用されないのは当然》
《これは余談。批評の主体は愛や敬意、と言う人がいるが、必ずしもそうではない。それを必須条件にしたものは読み物としては心地よいが批評ではない。批評の主体は、テキストと論理と緊張感。対象作品の書き手の思いや反応や背景など気にする必要は一切ない。ちなみに小林秀雄は批評家ではなく評論家》
《あと「あの書きぶりは、川上や川上の作品に対しても失礼だ」いう人も多いけど、それも見当違い。書き手が批評家に、自身や自作に対して「礼儀」を求めてどうするの。「低レベルな批評」はあっても「失礼な批評」などない。「礼に適った批評」とか言いますか?みんな、創作や批評を属人的に扱いすぎ》
https://twitter.com/mieko_kawakami/status/1357695577379590147

https://twitter.com/mieko_kawakami/status/1357865484700372993
結局、「批評」とは「好み」(=イデオロギー)の問題なのであると乱暴に言ってみたくもなる。
荒木優太は2月7日付で次のような連ツイを発表している。
《なぜ私が自分語りのようなものをしているのか。それは「批評」と呼ばれるものの内実は人によって千差万別であり、そのなかでどういったものを私が選ぶか、明示したほうがフェアだと思ったからです。》
《私はどれも否定していません。露骨な太鼓持ちの書評家がいたとして、それすら私は自由だと感じます。ただ、どのようなものがマジョリティを占めるにせよ、それによって私の選択を変えねばならない理由にはならないのです。》
《私は好みませんが、考え方の異なる他人に対して「お前のは批評じゃない」「お前の批評は糞だ」と言うことすら勝手にしたらいいでしょう。批判はいうまでもなく。》
《ただ、そのためには少なくともそれが公に表現されねばならず、その機会を編集段階、しかも著者校の赤を入れ終えた段階で潰すのはやっぱりよくないことです。》
《長のなかでも書きましたが、変更の提案自体はなんの問題もありません。また編集部が私の低クオリティぶりに落胆して仕事を振らないよう努めるのも自由です。それでも、やってはいけないことはやってはいけないと思います。ご理解いただけますと幸いです。
https://twitter.com/arishima_takeo/status/1358205799131013120

https://twitter.com/arishima_takeo/status/1358206634066018304
「批評」とは「好み」(=イデオロギー)の問題ではあるけれど、商業ジャーナリズムに依拠する限りは、その本質は「売」にほかなるまい。とすれば「好み」を貫徹するための工夫やら狡さも必要なのではないだろうか。荒木は2月8日、ツイッターで次のように報告している。
《【速報】『學界』で連載していた「新人小説月評」ですが、正式に連載の終了が決定しました。お読みいただいた方々に感謝します。》
https://twitter.com/arishima_takeo/status/1358668084198793216

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5)【本日の一行情報】

◎「平凡社ライブラリー」アカウントのツイート。セリグマン「魔法 その歴史と正体」と「鬼滅の刃」の間には、こんな関係があったのか!
《なんだか売れている気がしていたセリグマン『魔法 その歴史と正体』/なんと重版になりました/魔法だ魔法/ありがとうございます/The History of Magic!》
《『○滅の○』の記録的売り上げのあおりで平凡社ライブラリーの紙の在庫が払底し、重版用紙の確保に難渋したのはここだけの秘密だからね!!》
《ホントにいま紙の取り合いになってまして、『鬼○の刃』に加えて『呪○廻戦』という強敵もあらわれ、令和版「洛陽の紙値を高める」状態なのです…
なので平凡社ライブラリー『魔法』の真のライバルは『鬼○の刃』と『呪○廻戦』といっても過言ではありません(過言》
https://twitter.com/Heibonsha_L/status/1356236125505916928
https://twitter.com/Heibonsha_L/status/1356423150792179712
https://twitter.com/Heibonsha_L/status/1357609290765193219

◎「エクラ」編集長の長内育子も「クラブハウス」をたまに覗いているそうだ。
《たまにのぞく #Clubhouse では、起業家が成功を語るとか、ビジネス書ヒットを出した編集が語るとか、投資とかのルームが多く、なんだか自分とは合わないなあと思っていたら、「シティハンター放送時間に合わせてGET WILDを歌う部屋」っていうのがあって、うれしくなりました。
https://twitter.com/eclat_osanai/status/1358356498305282048

中川淳一郎の予想は当たるだろうか。
《次期衆院選、野党は自公政権のコロナ対応を「失策の連続で常に後手後手」と批判し、「我々はゼロコロナを目指す!」とブチあげるかも。今後の感染状況次第だが、これが秋の衆院選争点になったら案外この非現実的な公約で立憲民主党圧勝、なんてことになるかもしれんな。それだけ日本人はバカで自虐的》
https://twitter.com/unkotaberuno/status/1358334349611999233

神戸新聞NEXTは2月4日付で「『スマホは最新のドラッグである』世界的ベストセラー『スマホ脳』 訳者に聞く」を掲載している。新潮新書スマホ脳」を翻訳したスウェーデン在住の久山葉子は西宮市出身だそうだ。
《「原書が分かりやすかったので翻訳の苦労はなかった」と話す久山さんだが、「読む前は、自分自身もスマホのせいで集中力や記憶力がだんだん弱っているような気がして、暗い気持ちになっていた」。翻訳作業中はSNSを使えないよう設定すると、「仕事に集中できるようになった」と振り返る。》
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202102/0014055055.shtml
2月2日に発表されたトーハンの週刊ベストセラーで新書第1位はスマホ脳」、第2位は斎藤幸平の集英社新書「人新世の『資本論』」。第3位は上野千鶴子春新書「在宅ひとり死のススメ」。
https://www.bookbang.jp/article/665313
上野派は藝春秋に確実に根を張っている。私の「推し」は圏外か。私の推しは中公新書「核と日本人 ヒロシマゴジラ・フクシマ」の山本昭宏の「戦後民主主義 現代日本を創った思想と化」なんだけどね。
https://www.chuko.co.jp/shinsho/2021/01/102627.html
沼野雄司の「現代音楽史 闘争しつづける芸術のゆくえ」も中公新書か。
https://www.chuko.co.jp/shinsho/2021/01/102630.html

◎「ダイヤモンド・チェーンストア・オンライン」は2月5日付でサントリー兵庫県の2市2町とペットボトルリサイクル事業に関する協定を締結」を公開している。
サントリー食品インターナショナルは2月3日、兵庫県東播磨2市2町(高砂市、同加古川市、同加古郡稲美町、同加古郡播磨町)と協定を締結し、使用済みペットボトルを新たなペットボトルへと再生する「ボトルtoボトルリサイクル事業」を進めていくと発表した。
本協定に基づき4月1日より、「ボトルtoボトル」水平リサイクルと、域内工場で製品にして東播磨エリアに出荷・還元する事業をスタートする。複数自治体と企業が連携するこの取り組みは、どちらも国内初となる。》
https://diamond-rm.net/management/75261/

KADOKAWAは、ソニーサイバーエージェントを割当予定先とする第三者割当による新株式の発行により、約100億円を調達した。新規IPの創出・開発・取得に50億円、既存IP活用の最大化に50億円を使用するという。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/9468/tdnet/1926901/00.pdf
KADOKAWAが攻勢に出る。

◎ビジネスリーダー1万人が選んだ2020年下半期のビジネス書のトップ10の第1位がアナキストとして知られるデヴィッド・グレーバーの「ブルシット・ジョブ」(岩波書店)だったとは考えてみれば凄いことである。「まいどなニュース」が2月5日付で「1万人が選んだベストビジネス書は『ブルシット・ジョブ』…クソどうでもいい仕事を明らかに」を掲載している。
https://maidonanews.jp/article/14164195
2018年5月30日付で私は次のように書いている。
《「予示的政治」という言葉は頭に残しておいて間違いあるまい。もともと「予示的政治」とは最近のアナキズム思想のなかで使われる用語だ。原民樹によれば「いつやってくるのかわからない理想社会を待つことを拒否し、いつかすべてが一挙に変革されるという物語を放棄し、小さく不完全でも今ここで解放された社会を立ちあげること、それによって現体制を相対化し、支配の正当性に対して不断に亀裂を走らせること、そうして、漸進的に社会の色を塗り替えていくこと」が「予示的政治」なのである。
「予示的政治」について知るにはレベッカ・ソルニットの「災害ユートピア」(亜紀書房)やデヴィッド・グレーバーの「デモクラシー・プロジェクト: オキュパイ運動・直接民主主義・集合的想像力」(航思社)も読んでおきたい。ちなみにデヴィッド・グレーバーの父親はスペイン内戦で国際旅団に属していたそうだ。》
https://teru0702.hatenablog.com/entry/20180702/1530498844

集英社から発売された「鬼滅の刃 公式ファンブック 鬼殺隊見聞録・弐」(税込990円)も「鬼滅の刃 吾峠呼世晴画集 幾星霜」(税込1650円)も売れている。このブームは、いつまでつづくのだろうか。
https://www.j-cast.com/trend/2021/02/05404568.html?p=all
「デイリー新潮」は2月8日付で「韓国『鬼滅の刃』公開で空前ブーム、“旭日旗”と指摘された『耳飾りデザイン』変更に批判殺到」を発表している。
《韓国で、1月27日に封切られた日本のアニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が、空前のブームとなっている。「鬼滅関連グッズ」も軒並み好評を博する中、主人公の耳飾りを模したものは不人気なのだとか。オリジナルは“旭日旗に似ている”とクレームがあり、韓国版ではデザインが変更されており、それに批判が殺到しているという。反日不買の不都合な真実がまた一つここに。》
https://www.dailyshincho.jp/article/2021/02080600/?all=1
こっちも凄いことになっている。これまた集英社の「呪術廻戦」だ。2月2日に発表されたトーハンの週刊ベストセラーでコミックスの第1位から10位までを二週連続で「呪術廻戦」が独占した。このブームはどこまで大きくなることやら。
https://www.bookbang.jp/article/665307
集英社は時代の勝利者となったようである。

◎「NHK NEWS WEB」は「NHK元職員 懲戒免職相当 パソコンなど不正受領 刑事告訴の方針」を発表している。
NHK報道局総務部の元職員が、在職中の去年、上司に無断で、取引先にノートパソコンなどおよそ530万円分を発注し、不正に受け取っていました。NHKは元職員を懲戒免職相当にすることを決め今後、刑事告訴する方針です。》
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210205/k10012851861000.html

毎日新聞の2月6日付「『私はこうしてダマされた』 40代女性ライターが告白」は「サンデー毎日」に掲載された記事だ。ここは覚えておこう。
《・メールに直接返信しない
・バナーをクリックしない
・公式サイトやアプリから入り直す
・メールアドレスや電話番号はネット検索してみる
・毎月送られてくる紙の明細書で内容を確認する
「カード会社も通販サイトもメール上から個人情報の入力を求めることはない」(吉岡さん)という点も覚えておこう。万が一引っかかってしまったら、とにかくカード会社へ速やかに連絡する。それが一番だ。》
https://mainichi.jp/sunday/articles/20210202/org/00m/040/001000d

◎「北帰行」「未だ王化に染はず」の外岡秀俊は「J-CASTュース」に2月6日付で「外岡秀俊の『コロナ 21世紀の問い』(32) ジャーナリストのマーティン・ファクラーさんと考える日米メディアの『信頼回復』」を発表しているが、これはジャーナリストのみならず、広報関係者も必ず目を通しておく必要があるだろう。
《ファクラーさんの話をうかがって私が思ったのは、既成メディアが信頼性を回復するには、「プロセスの明示」以外に、「誤りは直ちに認め、自らを含め、過去の報道を検証する」ことが必要だろう、ということだった。
  かつて記者は、訂正を出すことを恥じ、メディアもなかなか誤りを認めない傾向があった。だが、多くのネット情報が、自らの情報や解釈が間違ってもそれを訂正したり検証したりすることが少ない中で、既成メディアが信頼性を回復するには、どんな些細な点であっても、誤りは迅速に訂正・謝罪することが必要だろうと思う。さらに、戦争やコロナ禍のような大きな激動期にあっては、自らの報道のどこまでが正しく、どこが間違っていたのかを、一定の時期ごとにその都度、自己検証し、読者や視聴者に明らかにすることが必要だ。それが、「信頼性」を担保するために最低限必要な「説明責任」だろうと思う。》
https://www.j-cast.com/2021/02/06404479.html?p=all

中日新聞は2月5日付で「Kis-My-Ft2玉森裕太が表紙『anan』緊急重版決定 予約殺到で品薄状態に」を掲載している。
《人気グループ・Kis-My-Ft2玉森裕太が、女性グラビア週刊誌『anan』(マガジンハウス)史上初となる2度目の官能グラビアに挑戦した2月3日発売(2236号/「官能の記憶。」特集)が、ネット書店、リアル書店で、品切れ品薄状態となり、緊急重版が決定した。》
https://www.chunichi.co.jp/article/197532/

◎ロックバンド「King Gnu」、音楽家集団「millennium parade」、クリエイティブレーベル「PERIMETRON」を主宰している常田大希が、2月12日発売の女性ファッション誌「GINZA」(マガジンハウス)の表紙を飾る。「GINZA」の表紙に男性が単独で登場するのは初めてのことだ。
https://natalie.mu/music/news/415206

毎日新聞は2月6日付書評面で藤野千夜の「じい散歩」(双葉社)を取り上げている。評者の角田光代は次のように書いている。
《読んでいるとまったき至福感に包まれる。晴天の午後、急ぐ用もなく足の痛みもなく、雲を眺めたり塀を歩く猫を眺めたりして、私まで散歩している気持ちになる。そうして散歩しているうちに、かなしみも激しい怒りも深い後悔も、時間とともに沈殿していく気すらしてくる。生きていくことがこういうことならいいなと思う。》
https://mainichi.jp/articles/20210206/ddm/015/070/017000c
「じい散歩」は三刷と売れ行きも好調のようだ。「小説推理」編集部がツイートしている。
《#藤野千夜 さんの『#じい散歩』がたちまち3刷と好評です! 主人公・新平が散歩する池袋の楽しいMAPパネル(A4サイズ)ができました。池袋界隈の書店様、そして池袋沿線の書店様、ぜひご活用下さい!》
https://twitter.com/shousetsusuiri/status/1356777366345801732
1月24日付の讀賣新聞も書評で取り上げている。評者は木内昇
《山あり谷ありの道をなんとか歩いてきて、これからも自分の足取りでてくてく歩いていくのだ。時に立ち止まり、時に道を逸れながら。人生はそれだけでもう、十分に素晴らしい。そんな人間賛歌が行間から立ち上る。》
https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20210123-OYT8T50153/
こんなツイートも投稿されている。「サイダーのような読み心地」なんだそうだ。
《憎んだり苦しんだりやりきれなかったり色んな記憶がすうっと透明な淡い泡になってプチプチと弾けるサイダーのような読み心地。あのとき許せなかったことを、忘れるでも諦めるでもなく、ただ懐かしく受け入れられるようになるんだから、時間ってやっぱりスゴい。》
https://twitter.com/marimo_msk/status/1357323970781999104
ちなみにオレはサイダーが大好きだ。

◎2月6日付朝日新聞デジタルが掲載している「『良い結婚』目指したJJ、時代は変わった 米澤泉さん」で、甲南女子大教授(ファッション化論)の米澤は学生は雑誌を読まないと次のように語っている。
《大学で教えていますが、学生は雑誌をあまり読んでいない。まず、買わないですね。書店に売っている雑誌を見るとわかりますが、表紙はどれもアイドル。JJが不定期刊行になる前の最後の号も、表紙は「E-girls」でした。「CanCam」(小学館)とも区別がつかない。そこに今の雑誌の困っている感じが出ていると思います。JJに限らず、人気のあるアイドルを表紙に持ってきて、ファンに買ってもらう。その雑誌が好きなのではなく、アイドルが好きだから買っている。あとは、付録がどんどん豪華になり、雑誌はおまけで本体は付録、というものに近くなっているファッション誌もあります。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP245WBMP1YUCVL02P.html

朝日新聞は2月8日付で社説「NHK経営委 委員長再任に反対する」を掲載している。
《政府は先月、NHKの森下俊三経営委員長(元NTT西日本社長)を委員に再任する案を国会に提示した。衆参両院で同意が得られれば、委員12人の互選によって再び委員長職に就く可能性が大きい。
だが森下氏がNHKの事業運営をチェックする経営委員、ましてやそのトップにふさわしくないのは、この間の言動から明らかだ。国会は与野党の立場を超え、国民が納得できる結論を導き出さなければならない。》
放送法違反が疑われる行いで現場に圧力をかけ、さらには視聴者の知る権利も踏みにじる。その中心にいるのが森下氏だ。放送法経営委員の資格として定める「公共の福祉に関し公正な判断をすることができる者」にあたるとは、到底思えない。》
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14792221.html

東スポWebは2月8日付で「三上悠亜が花魁写真集を発売『日本の和の美しさを感じて』」を掲載している。
《三上が初の〝和のエロス〟に挑戦。「週刊実話」で2018年から定期的に掲載され、読者アンケートで毎回、圧倒的1位を獲得した「花魁グラビア」が写真集となった。未公開カットに加え、新規撮り下ろしも収録。特装ボックス入りの豪華仕様&初回特典に生写真付き(5パターンのうち1枚)となっている。》
https://www.tokyo-sports.co.jp/entame/news/2721921/

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6)【人事】ハースト婦人画報社 2021年2月1日付

小林敬
新:ハ一ストメディアソリュ一ションズ セ一ルス部ハ一パ一ズバザ一メディアグル一プ ジェネラルマネ一ジャ一 兼 マーケティング部ビデオソリュ一ションズ ジェネラルマネ一ジャ一
旧:ハ一ストメディアソリュ一ションズ インタ一ナショナルメディアグル一プ エル&ハ一パ一ズバザ一ビジネス部 ビジネスマネ一ジャ一

前西克哉
新:ハ一ストメディアソリュ一ションス セ一ルス部ラグジュアリ一メディアグル一プ ヴアンサンカン&リシェス シニアマネ一ジャ一 兼 マーケティング部デ一タスタジオ ジェネラルマネ一ジャ一
旧:ハ一ストメディアソリュ一ションズ ラグジュアリ一メディアグル一プ ヴァンサンカン&リシェスビジネス部 ビジネスマネ一ジャ一 兼 ハ一ストデ一タスタジオ ビジネスマネ一ジャ一

藤川真弓
新:ハ一ストメディアソリュ一ションズ セ一ルス部エル/Gen Zメディアグル一プ エル/エル・ガ一ル マネ一ジャ一 兼 マーケティング部グロ一バルソリュ一ションズ シニアマネ一ジャ一
旧:ハ一ストメディアソリュ一ションズ インタ一ナショナルメディアグル一プ エル&ハ一パ一ズバザ一ビジネス部 グロ一バルセ一ルスマネ一ジャ一

孫田詩織
新:ハーストメディアソリュ一ションズ セ一ルス部エル/Gen Zメディアグル一プ エルデジタル/エル・ガ一ル シニアマネ一ジャ一 兼 マーケティング部デ一タスタジオ セ一ルスプランナ一
旧:ハ一ストメディアソリュ一ションズ インタ一ナショナルメディアグル一プ エル&ハ一パ一ズバザ一ビジネス部 マネ一ジャ一

岸田光史
新:ハ一ストメディアソリュ一ションズ セ一ルス部エル/Gen Zメディアグル一プ プランニングマネ一ジャ一 兼 マーケティング部デ一タスタジオ&ビデオソリュ一ションズ セ一ルスプランナ一
旧:ハ一ストメディアソリュ一ションズ インタ一ナショナルメディアグル一プ エル&ハ一パ一ズバザ一ビジネス部 エル・ハ一パ一ズバザ一担当

須藤摩耶
新:ハ一ストメディアソリュ一ションズ マーケティング部デ一タスタジオ 兼 ハ一ストメイドビジネスディべロップメント シニアマネ一ジャ一
旧:ハ一ストメディアソリュ一ションズ ビジネスディべロップメント マネ一ジャ一

岩立健太郎
新:ハ一ストメディアソリュ一ションズ セ一ルス部 メンズメディアグル一プ
旧:ハ一ストメディアソリュ一ションズ メンズメディアグル一プ

清水井仁
新:ハ一ストメディアソリュ一ションズ セ一ルス部 ブライダル&ライフスタイルメディア グル一プ
旧:ハ一ストメディアソリュ一ションズ ブライダル&ライフスタイルメディア グル一プ

坂根牧人
新:ハ一ストメディアソリュ一ションズ セ一ルス部 ラグジュアリ一メディアグル一プ
旧:ハ一ストメディアソリュ一ションズ ラグジュアリ一メディアグル一プ

水上旭
新:ハ一ストメディアソリュ一ションズ セ一ルス部 エル/Gen Zメディアグル一プ
旧:ハ一ストメディアソリュ一ションズ インタ一ナショナルメディアグル一プ

【組織変更】
※ハ一スト婦人画報社/ハ一ストデジタルジャパンのメディア事業、及びコンテンツマーケティング事業は、メディア環境やマ一ケタ一ニ一ズの変化に応じ、 2020年4月より広告本部からハ一ストメディアソリュ一ションズへ名称変更。
※2021年2月より、ハ一ストメディアソリュ一ションズ配下にマーケティング部』を創設し、「デジタルビジネス」「デ一タスタジオ」「ビデオソリュ一ションズ」「グロ一バルソリュ一ションズ」「ハ一ストライブ」5つのソリュ一ションを組織化。

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7)【人事】東洋経済新報社 2021年3月1日付

本多正典
新:ビジネスプロモ一ション局次長
旧:ビジネスプロモ一ション局メディア営業部長

斎藤治子
新:ビジネスプロモ一ション局メディア営業部長
旧:ビジネスプロモ一ション局メディア営業部担当部長

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8)【深夜の誌人語録】

可能性をもって不可避性とせよ。