【文徒】2021年(令和3)4月5日(第9巻62号・通巻1959号)
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1)【記事】虚妄の聖火リレーがつづくなか東京五輪組織委が文春
2)【記事】講談社が魚住昭の「出版と権力」を刊行した意味は?
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】
5)【お知らせ】
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1)【記事】虚妄の聖火リレーがつづくなか東京五輪組織委が文春
毎日新聞は4月1日付で「大阪市の聖火リレー中止へ 府聖火リレー実行委で近く正式決定」を掲載している。
《大阪府の吉村洋文知事は1日、新型コロナウイルスの「まん延防
https://mainichi.jp/articles/2
同紙同日付で、こんな記事も掲載している。「愛知の聖火リレーで
《愛知県で6日に行われる東京オリンピックの聖火リレーのうち、
https://mainichi.jp/articles/2
弁護士・堀新がツイートしている。
《宗教祭祀の理由で「女人禁制」だというならば、性差別を禁ずる
https://twitter.com/ShinHori1/
毎日新聞は4月2日付で「『女人禁制』舟 聖火リレーで一転、乗船可能に 愛知・半田」を掲載している。
《愛知県半田市で6日に実施される東京オリンピックの聖火リレー
https://mainichi.jp/articles/2
NHKは「聖火ランナー」の映像を記録し、公開している。まあ、
https://sports.nhk.or.jp/olymp
白石草がツイッターで解説してくれている。
《沿道から「オリンピックはいらないぞ~」という声があがった1
https://twitter.com/hamemen/st
朝日新聞デジタルは4月1日付で「島根知事『五輪本体が問題』 吉村知事の発言は『自然』」(清水優志)を掲載している。
《丸山知事は、島根県の聖火リレーを中止するかどうか、最終判断
https://digital.asahi.com/arti
こうした空気のなかで著作権を持ち出しての文春ジャーナリズム攻
《東京五輪・パラリンピック組織委員会は3月31日の文春オンラ
https://www.sponichi.co.jp/spo
「文春オンライン」が3月31日付で発表した「『AKIRA』主
《プレゼン資料によれば、セレモニーは、会場を一台の赤いバイク
https://bunshun.jp/articles/-/
組織委が発表したコメントの全文を日刊スポーツや「東スポWeb
《営業秘密を不正に開示する者には、不正競争防止法違反の罪及び
https://www.nikkansports.com/o
https://www.tokyo-sports.co.jp
「週刊文春」は4月2日付で次のような「東京五輪組織委員会の『
《記事は、演出家のMIKIKO氏が開会式責任者から排除されて
小誌に対して、極めて異例の「雑誌の発売中止、回収」を求める組
https://bunshun.jp/articles/-/
「ガラスの仮面」の美内すずえが文春を支持している。
《驚きました。そんな事、許されるはずありません。文春さんには
https://twitter.com/miuchibell
ハーバー・ビジネス・オンラインが呟く。
《文春さんを支持。》
https://twitter.com/hboljp/sta
布施祐仁も。
《これは文春の言う通りだと思う。》
https://twitter.com/yujinfuse/
東洋経済記者・中野大樹は文春の屈しない姿勢を評価している。
《東京五輪組織委員会、さすがにこれは酷いのでは。
政治家による私物化などの本筋には何も反論せず、正当性も薄いテ
文春さんを全面的に支持します。》
《組織委員会には、何のための、誰のためのオリンピックなのかを
そして公権力に近い組織がこういうことをする意味も。
文春さんの屈しない姿勢はさすがです。》
https://twitter.com/nakano_tkb
https://twitter.com/nakano_tkb
元「週刊朝日」編集長の山口一臣がツイートしている。
《機密情報が漏れるのは、週刊文春のせいではなく、組織側の問題
https://twitter.com/kazu1961om
赤石晋一郎のツイート。
《五輪組織委員会には矜持というものがないのだろう。公の組織や
https://twitter.com/red0101a/s
弁護士の海渡雄一のツイート。
《文春が報じたのは、IOCに絶賛されながら、組織委や電通佐々
オリンピック推進に潜む根深いミソジニーを明らかにした記事には
掲載紙回収要求は報道の自由に対する挑戦、他のメディアも連帯し
https://twitter.com/kidkaido/s
デイリースポーツは4月2日付で「橋本聖子会長 文春への抗議『報道の自由を制限するものではない』 業務妨害主張」を掲載している。
《橋本会長は「報道の自由を制限するものではない。組織委の秘密
https://www.daily.co.jp/genera
業務妨害だと主張する以前に東京五輪には私たちの税金が投下され
《五輪に税金を投入している以上血税の使途が問われるのは当然で
https://twitter.com/NOSUKE0607
これは江川紹子のツイートだ。
《週刊文春への不当な要求といい、謎の聖火リレー動画ルールとい
https://twitter.com/amneris84/
朝日新聞経済部記者・野口陽によれば組織委は日本の民主主義のレ
《五輪組織委の文春への「圧力」。
組織委は反論があるのなら、自ら証拠を示し、堂々と説明すればよ
言論の自由への不理解、垣間見える「支配層」の傲慢さ。この国の
https://twitter.com/ngcyh/stat
鮫島浩も文春支持のツイートを投稿している。
《東京五輪組織委が著作権を口実に週刊文春の報道に圧力をかけて
https://twitter.com/SamejimaH/
少なくとも東京五輪組織委の秘密主義は民主主義と相容れないもの
毎日新聞は4月2日付で「五輪記者内幕リポート 関係者『疑問が残る3日間』 被災地の聖火リレー」を掲載している。
《「復興五輪は表向きの理念ですよ。本当にそう思うなら、菅(義
政治家の言葉が鴻毛のごとく軽いのだ。「復興五輪」と言ったかと
《スポンサー車両の華美な演出、再三にわたりトーチから消えた聖
https://mainichi.jp/articles/2
1964年の東京五輪が「高度成長」を象徴していたのだとすれば
朝日新聞デジタルは4月2日付で「表現の自由か業務妨害か 強硬姿勢の五輪組織委、理由は」を掲載している。
《憲法学を研究する志田陽子・武蔵野美術大教授は、「組織委によ
組織委は「著作権」を文春の報道が侵害したと主張するが、知的財
https://digital.asahi.com/arti
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2)【記事】講談社が魚住昭の「出版と権力」を刊行した意味は?
講談社が運営する「現代ビジネス」は平田裕介が「2016年の週
《例えば『マルコポーロ』の事件だと、サイモン・ウィーゼンター
その時に私は『Number』にいたから出席しなかったけど、花
その席で、西川清史さんは「私たちは“言論には言論”と教わって
その部分は社史には書かれていません。社史は公式見解しか書けな
https://gendai.ismedia.jp/arti
https://gendai.ismedia.jp/arti
「2016年の週刊文春」は文藝春秋ではなく、文藝春秋とは資本
これと対極にあるのが講談社から刊行された魚住昭の「出版と権力 講談社と野間家の一一〇年」である。
この企画の立案者の動機を推察するに「渡邉恒雄 メディアと権力」や「野中広務 差別と権力」の魚住昭に創業110周年を迎える講談社の社史を書
そうした軽さは、ある意味で自らが「えんぴつ無頼」(自ら取材し
かくして魚住昭は講談社の初代・野間清治、二代目・恒、三代目・
何しろ冒頭からして創業者・野間清治の父親・好雄を偽物の書画を
https://bookclub.kodansha.co.j
3月27日付毎日新聞の「今週の本棚」の編集後記は次のように書
《『出版と権力』は戦時下での国策協力や近年のヘイト本出版の波
https://mainichi.jp/articles/2
同紙同日付の「今週の本棚」では中島岳志が「出版と権力」を取り
《問題は日中戦争時に露(あら)わになる。戦争当初、野間は軍部
野間の死後、講談社は軍部との関係を深めた。戦時中には、要請に
https://mainichi.jp/articles/2
しかし、魚住昭の「えんぴつ無頼」は、苛烈な批評眼を最後の最後
449頁まで、即ち第7章の「紙の戦争」までと、第8章の「戦時
第7章の「紙の戦争」までが、まさに「出版」と「権力」の相補的
朝日新聞は3月20日付の書評で「出版と権力」を取り上げている
《ひとつの世紀を超える膨大な歴史を追いかけた後で、著者は二〇
https://book.asahi.com/article
確かに魚住昭は終章「ふたたび歴史の海へ」において、講談社が2
《最近の講談社にとって、問題は売れるかどうかだけであり、内容
少なくとも第四代社長・野間省一の、出版物は「古今を通じての人
しかし、ヘイト本ブームに加担する現状を批判するだけでは、中島
もっと重層的に講談社の現状を把握する必要があったはずである。
例えば講談社の創業110年にあたった2019年にどのようなこ
https://teru0702.hatenablog.co
https://teru0702.hatenablog.co
https://teru0702.hatenablog.co
https://teru0702.hatenablog.co
https://teru0702.hatenablog.co
https://teru0702.hatenablog.co
https://teru0702.hatenablog.co
武田砂鉄は《講談社の歴史、ではなく、なぜ「出版と権力」なのか
そうは言っても、講談社はこの「出版と権力 講談社と野間家の110年」を刊行することによって、同社が同族
いずれにせよ、講談社の「出版」と「権力」が互いに呼び寄せてし
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3)【本日の一行情報】
◎「ダイヤモンド・オンライン」は文藝春秋OBである木俣正剛の
《・・・文春が絶好調にあるときには、必ずや編集部がまったく想
《文春だけが目立つ状況であってはならない。他のメディアにも本
https://diamond.jp/articles/-/
木俣が現在の「週刊文春」のスクープ至上主義をどう見ているのか
◎遂に書店に並ぶことになった!「朝倉喬司 芸能論集成――芸能の原郷 漂泊の幻郷」(現代書館)である。総968頁は圧巻である。ここ
《1943年岐阜県生まれ。犯罪評論家・ルポライター。
早稲田大学文学部中退。「週刊現代」の記者を経てノンフィクショ
http://www.gendaishokan.co.jp/
朝倉喬司は私の師匠にあたる人物である。
https://www.facebook.com/photo
◎こういうインタビュー記事は今や「文春オンライン」が掲載する
《――逆に加害者側に回ってしまっている人に対して、何か言いた
北村 そうですね。今回は色んなレイヤーの加害者がいますね。呉座さん
あともう一つよくわからないのは、やたらと仲介しようとする人た
やり方にもよりますが、直接謝罪の申し入れを仲介するならまだい
https://bunshun.jp/articles/-/
https://bunshun.jp/articles/-/
◎毎日新聞は4月1日付で「市場は6年で4倍 『紙』超えた 電子コミック急成長の舞台裏」を掲載している。
《ジャンプ+では作品を最後まで読み終えた「完読率」や、ランダ
《閲覧数を増やせば、広告収入も増加する仕組みで、担当者は「C
https://mainichi.jp/articles/2
分母が大きいため電子コミックが目立つがTL小説やBL小説もデ
◎講談社が運営している読者のオタク的要素に着目したインターネ
OTAKADは講談社の NET ViVi、with online、VOCE、mi-mollet、FRaU、現代ビ
https://prtimes.jp/main/html/r
◎朝日新聞デジタルは3月31日付で「LINEに立ち入り検査 個人情報保護委『実態を確認』」を掲載している。
《対話アプリ「LINE」の個人情報が利用者への説明が不十分な
https://digital.asahi.com/arti
◎楽天は4月1日付で商号を「楽天グループ」に変更した。
https://corp.rakuten.co.jp/new
◎認定NPO法人本の学校は、3月31日に「個人ではじめるため
https://prtimes.jp/main/html/r
http://www.honnogakko.or.jp/ar
◎紀伊國屋書店(東京都目黒区)は4月1日から、「コロナ時代を
https://store.kinokuniya.co.jp
出版社の社長って、まあ、この程度なんだね。情けないというか。
そうしたなか私が評価できるのは、主婦の友社の平野健一が更科功
◎産経新聞は4月1日付で「NHK会長『番組宣伝減らします』 経営方針説明などに転換」を掲載している。
《NHKの前田晃伸(てるのぶ)会長は1日の定例会見で、新年度
https://www.sankei.com/enterta
◎小学館あーとぶっくシリーズから結城昌子の「ニッポンのわらい
https://prtimes.jp/main/html/r
https://www.shogakukan.co.jp/b
◎単行本累計発行部数が42万部を突破し、アニメ化される超リア
https://prtimes.jp/main/html/r
◎島地勝彦はしぶとい。「フィガロジャポン」で人生相談の新連載
https://madamefigaro.jp/cultur
◎毎日新聞は4月2日付で「どんな役でも『田中邦衛』に 真面目で優しい、唯一無二の個性派」を掲載している。
《「北の国から」の黒板五郎役をはじめ多くのテレビドラマや、映
https://mainichi.jp/articles/2
「若大将」シリーズ、「網走番外地」「椿三十郎」「仁義なき戦い
私たちが銀幕から召喚すべきは神代辰巳の「アフリカの光」や森崎
《日常にどっぷり漬かりつつ埋没しきらない。その微妙さがこの映
https://digital.asahi.com/arti
映画編集者の鈴木歓がツイートしている。
《神代辰巳監督に憧れて19歳で日活撮影所の編集部に入り、最初