【文徒】2016年(平成28)2月26日(第4巻37号・通巻724号)

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1)【記事】アプリックスの出版事業
2)【本日の一行情報】
3)【人事】3月1日付光文社人事
4)【人事】3月1日付プレジデント社 組織変更及び人事
5)【深夜の誌人語録】

                                                                            • 2016.2.26.Shuppanjin

1)【記事】アプリックスの出版事業

アプリックスIPパブリッシングはフレックスコミックスが運営するWEBコミック「COMICメテオ」と「COMICポラリス」は、両媒体の単行本レーベルである「メテオCOMICS」と「ポラリスCOMICS」の電子書籍販売を「LINEマンガ」で開始した。他の電子書籍ストアでも順次リリースするという。
http://comic-meteor.jp
http://comic-polaris.jp
http://www.aplix-ip.com/wp-content/uploads/20160224KI97TG4V_PR.pdf
アプリックスIPパブリッシングもフレックスコミックスアプリックスIPホールディングスの傘下である。
ほるぷ出版もそうだ。アプリックスIPホールディングスの歴史は代表取締役社長の郡山龍が1986年にアプリックスを立ち上げたことから始まる。ソフトウエア開発を手がけ、Javaアプリケーション実行プラットフォーム「JBlend」が携帯電話や民生機器などに採用されて成長を遂げ、現在はiPhoneAndroid端末などと情報をやり取りできる「Beacon」関連事業に主軸を移し、IoTやO2Oのソリューションを手がけている。郡山は「Wireless WireNews」で次のように語っている。
「ここでIoTの1つのソリューションとして、HEMSを考えてみましょう。家庭のエネルギーマネジメントをするシステムですね。エアコンやテレビや照明などの情報を集めて、エネルギーマネジメントをして、省エネ社会を達成するといったものです。HEMSで一生懸命に省エネのためのマネジメントをしている家庭で、朝、娘さんがドライヤーで髪を乾かしたりすると、いきなり1500Wが消費されてしまいます(笑)。1200円で買えるドライヤーは、HEMS対応の機器にならないんですね。一方で、消費電力が大きいドライヤーやこたつがつながらないとHEMSのマネジメントは遂行できない。このギャップがIoTの課題だと考えています」
https://wirelesswire.jp/2015/10/46837/
郡山は早稲田大学理工学部在学中に起業すると同時にマイクロソフトの社員にもなった!というキャリアの持ち主である。「DODAエンジニアIT」は次のように書いている。
「郡山の経歴を簡単に振り返ってみたい。起業したのは大学に在学中の1986年だ。その後、学生のままマイクロソフト(現在の日本マイクロソフト)の社員になった。当時のマイクロソフトは全世界で300人ほどの、今から見れば小さな会社だった。郡山は、若くして同社が次世代OSとして開発していた「OS/2」のプロダクトマネジャーになり、OSの開発や各種パソコンへの移植を手がけた」
「その後マイクロソフトを辞職し、在学中に起業した会社であるアプリックスの経営に戻った」
http://doda.jp/engineer/guide/yosoku/19_1.html
フレックスコミックスはもともとソフトバンクグループであったが、2012年に100%子会社化している。ほるぷ出版を傘下に収めたのも2012年のこと。
http://www.aplix-ip.com/corp/history.php

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2)【本日の一行情報】

◎3月24日発売の月刊マンガ誌「チーズ!」(小学館)5月号の付録はアニメ「おそ松さん」のICカードステッカー。「おそ松さん」旋風、衰えず。
http://mantan-web.jp/2016/02/24/20160223dog00m200019000c.html

◎国立東京近代美術館で開かれている「恩地孝四郎展」は2月28日までだ。新栄堂書店のブックカバーも恩地の仕事だった。私は羽仁五郎の「都市の論理」を新栄堂書店で買ったんだよね。松田政男編集長の「映画批評」は中山書房で定期購読していたんだよ。
http://www.momat.go.jp/am/exhibition/onchikoshiro/

集英社女性誌「non-no」が4月号でEXO版と通常版を用意したことは既に報じているが、EXO版の重版が決まったという。
http://mdpr.jp/k-enta/detail/1566951

リットーミュージックの立東舎文庫から仲井戸麗市の「ロックの感受性」が復刊される。これ、名著だよ。
http://www.rittor-music.co.jp/news/img/RM_rittorshabunko0223.pdf

サイバーエージェントのアドテクスタジオが開発するインフィードアドネットワーク「AMoAdインフィード広告」が「少年ジャンプ+ 」と提携したそうだ。
http://adtech.cyberagent.io/pr/2016/02/23/%e3%80%8camoad%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%83%95%e3%82%a3%e3%83%bc%e3%83%89%e5%ba%83%e5%91%8a%e3%80%8d%e3%80%81-%e6%a0%aa%e5%bc%8f%e4%bc%9a%e7%a4%be%e9%9b%86%e8%8b%b1%e7%a4%be%e3%81%ae%e3%82%b9%e3%83%9e/

学研ホールディングス講談社は、小学 4 年生〜中学 3 年生の読書実態に関する調査を共同で実施したという。へぇ〜!講談社と学研という組み合わせが意外だった。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000586.000002535.html

小保方晴子の「あの日」(講談社)が4刷・25万部も突破するとは思ってもいなかった。どちらかというと私も「小保方さんのプライドの高さと怒りの感情が強く出すぎてしまって、多くの人から反感を買いそうな内容」だと思っていた。
http://www.cyzowoman.com/2016/02/post_19050.html

インプレスR&Dは弁護士・村瀬拓男編著による「電子出版時代の著作権入門」をNextPublishingで発行する。NextPublishingとは電子書籍と印刷書籍が同じ編集プロセスで発行する。紙版はA5判/モノクロ/本文54ページで税別1000円。いい商売しているなあ。
http://www.impressrd.jp/news/160224/NP
村瀬の経歴がユニークだ。もともとは新潮社の編集者である。
「1985年東京大学工学部卒。同年、新潮社へ入社。 雑誌・週刊新潮での編集者を経て、映像関連、電子メディア関連など、幅広く経験を持つ。 05年同社を退社。06年より弁護士として独立。新潮社の法務業務を担当する傍ら、個人事務所を設立し、"著作権関連問題やITに精通した弁護士"として活動中」
http://www.youga-law.jp/profile.shtml

電通の海外本社「電通イージス・ネットワーク」は、拡大するBtoB領域のマーケティング需要に対応するため、新たにBtoB領域専門のグローバルブランド「Interprise」(インタープライズ)を英国ロンドンに設置した。同地を含む世界6都市(ロンドン、ニューヨーク、サンフランシスコ、シンガポール、香港、シドニー)に営業拠点を構え、グローバルにビジネスを展開するそうだ。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2016/0224-008679.html

◎「週刊少年ジャンプ×Village Vanguard×BANDAI スペシャルコラボTシャツ」だそうである。ZOZOTOWNで買える。
http://zozo.jp/search/?p_tpcsid=206491

◎デイリースポーツによれば日航機のエンジン発煙事故で「搭乗していた北海道テレビの五ノ井敬二常務取締役が機外へ脱出した搭乗客のスクープ映像を撮影」していた。
http://www.daily.co.jp/newsflash/gossip/2016/02/24/0008832800.shtml

◎「TSUBAKI×蜷川実花」の世界を体感できる「TSUBAKI湯」を押上の天然温泉「大黒湯」で3月31日まで堪能できるそうだ。
http://daikokuyu.com/

讀賣新聞で知ったんだけど「ゆるキャラ(R)」は、「みうらじゅん氏の著作物であるとともに扶桑社、及びみうらじゅん氏の所有する商標」なんだね。
http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20160215-OYT8T50077.html

ブルームバーグは米の出版社タイムが米ヤフーの中核事業買収に関心を寄せていると報じている。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-O31MI86K50YV01.html

東証一部上場を果たしたメディアドゥの藤田恭嗣社長が徳島県那賀町出身であることは既に報じたが、父親は旧木頭村の助役であった。しかも…。徳島新聞は次のように書いている。
「地元貢献への強い思いは亡き父の影響だ。旧木頭村で助役を務めていたが、細川内ダム問題をめぐって村が混乱。『責任を取る』と遺書を残し、自ら命を絶った。『おやじは村を持続可能な自治体にしようと願っていたはず。しかし、今はまだ10段階で1か2のレベル。僕が60歳になるまでに実現したい』と力を込める」
http://www.topics.or.jp/special/12254542636/2016/02/2016_14563652676345.html

◎「小説 新聞社販売局」(講談社)の幸田泉の経歴は、平成元年に全国紙に入社。大阪本社社会部記者から、販売局を経て退社したという。しかし、ペンネームであり写真NGで新聞社名も伏せているのだという。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/175897

小学館の「100%若冲プロジェクト」。今年は伊藤若冲生誕300年にあたる。「和楽」が特集を組み、アートぬりえBOOK「若冲 ぬりえどうぶつえん」、「伊藤若冲 名作ポストカードブック」、「若冲原寸美術館 100%Jakuchu!」を刊行する。4月22日から東京上野・東京都美術館で「若冲展」が開催されるし、「若冲」ブームは最高潮に達するだろう。
http://s-press.shogakukan.co.jp/article/6395/
小学館はブームになる以前から「若冲」に向き合っていた。

◎「だからこそまず国が変わらなければならないのだ。革命が必要な所以である。
今は過渡期なのだ、と日召は割り切っていた。とにかく現状を打破しなければならない。理想実現はそれからだ。だから多少、思想が異なろうと同じ問題意識を根底に持つ者どうしなら、手を組むべきだと考えていた」
日召とは井上日召のこと。滅多に小説を読まない私だが、血盟団事件が活写されていると知り、西村健の「光陰の刃」(講談社)を一気に読む。
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062199193
中島貞夫監督が笠原和夫の脚本で撮った革命の映画「日本暗殺秘録」では片岡千恵像が井上日召を演じていた。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=2&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwizkbzVtZLLAhUFkZQKHSACByoQFggnMAE&url=http%3A%2F%2Fwww.amazon.co.jp%2F%25E6%2597%25A5%25E6%259C%25AC%25E6%259A%2597%25E6%25AE%25BA%25E7%25A7%2598%25E9%258C%25B2%25E3%2580%2590DVD%25E3%2580%2591-%25E7%2589%2587%25E5%25B2%25A1%25E5%258D%2583%25E6%2581%25B5%25E8%2594%25B5%2Fdp%2FB0045Y18HQ&usg=AFQjCNEaJdTeog-oxDRp3bzjBcPZJSfxbA&sig2=AY9US8Qb6b5UiiddGhp_1Q
ついでに言うと沖浦和光の「部落史の先駆者 高橋貞樹」(筑摩書房)もオススメだ。
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480885319/
左右を弁別せず、とは竹中労の言葉である。

小学館の「週刊少年サンデー」とサイバードは、共同で、漫画やスタンプ、ゲームなど「名探偵コナン」の全ての情報が詰まった「名探偵コナン公式アプリ」のサービスを開始した。
http://www.cybird.co.jp/wp-content/uploads/2016/02/20160225final_01.pdf

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3)【人事】3月1日付光文社人事

篠原 恒木
新:マーケティング局宣伝部部長代理
旧:第三編集局新企画開発室長代理

江口 岳志
新:第一編集局女性自身編集長代理
旧:第三編集局JJ編集長代理

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4)【人事】3月1日付プレジデント社 組織変更及び人事

【組織変更】
・デジタル事業本部に事業推進室を新設する。
マーケティング本部に経営戦略部を新設する。
マーケティング企画室をマーケティング企画部に改称する。
マーケティング企画部にCRM推進室を新設する。
・広告本部をメディア事業本部に改称する。
・第一広告部を第一メディア事業部に改称する。
・第二広告部を第二メディア事業部に改称する。
・事業開発室を廃止し、その業務をメディア事業本部に移管する。
・メディア事業本部にメディア事業開発室を新設する。
・新雑誌委員会を廃止する。
【職位の新設】
デジタル事業部に、新たにプロデューサーの職位を新設する。
(組織横断的に、事業戦略を立案・実行する役割)

【人事異動】
太田昌宏
新:メディア事業本部 副本部長 (兼)第一メディア事業部 部長 (兼)広告業務部 部長
旧:広告本部 第一広告部 部長 (兼)広告業務部 部長

新居裕規
新:メディア事業本部 第一メディア事業部 部次長 (兼)メディア事業開発室 室長
旧:広告本部 第一広告部 部次長

斉藤賢太郎
新:編集本部 dancyu編集部 副編集長
旧:編集本部 dancyu編集部

中田英
新:デジタル事業本部 コンテンツビジネス部 プロデューサー
旧:デジタル事業本部 オンライン編集部 編集長

大島信一
新:デジタル事業本部 コンテンツビジネス部 プロデューサー
旧:デジタル事業本部 コンテンツビジネス部 部長

吉岡綾乃
新:デジタル事業本部 オンライン編集部 プロデューサー
旧:デジタル事業本部 オンライン編集部 副編集長

安田敦
新:デジタル事業本部 事業推進室 プロデューサー
旧:デジタル事業本部 コンテンツビジネス部

平林昭一
新:マーケティング本部 本部長 (兼)マーケティング企画部 部長 (兼)経営戦略部 部長
旧:マーケティング本部 本部長 (兼)マーケティング室 室長

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5)【深夜の誌人語録】

道には二種類しかない。退路と進路だ。退路を断つというが、無謀を避けるため時として進路を断つこともある。