2012-06-01から1ヶ月間の記事一覧

6月29日首相官邸前デモについて

人集。『日本国語大辞典』によれば人簇とも書く。「ひとだかり」と読み、「人が群がり集まること」を言う。 それは物凄い人集であり、人簇であった。昨晩の首相官邸前。私が見学に訪れたのは午後6時だったが、その参加者の多さに圧倒されてしまった。一昨年…

過去について

過去を「なかったこと」にしてはなるまい。 「なかったこと」にして忘れてしまいたい過去ほど記憶に焼き付けなければならないはずだ。 過去を現在につなげるのだ。 過去は現在につなげることによってのみ経験として蓄積される。 過去を生かすのである。過去…

ザ・ピーナッツの伊藤エミが亡くなった

その花のようにいつも愛らしかった。艶歌や怨歌に漂う殺気だった日本的情念に絡めとられることがなかった。そこに渡辺プロダクションというタレント帝国を一代にして築き上げた渡辺晋のジャズメンとしての「意地」であったのかもしれない。デビューが1959年…

野田佳彦の暴走を前に明日の民主主義を考える

「権力」の暴走を政治が前に進んだのだと評価してしまう朝日新聞の今日の社説には呆れてしまった。 政権交代からまもなく3年。迷走を重ねてきた「決められない政治」が、ようやく一歩、前に進む。率直に歓迎したい。 もっとも私は民主党の議員が小沢一郎を…

ゲンパツと核武装について考える

「心から、心から、心から」 首相の野田佳彦は政権与党たる民主党から大量の造反者が出るものと思われる消費増税の衆院での可決を前に同じ言葉を繰り返した。オウム真理教の麻原彰晃の説法と同じヤリ口である。そう言えば前首相の菅直人も「一に雇用、二に雇…

小沢一郎の「分裂させる力」に見る「ただの民主主義」の可能性

小沢一郎とは何者なのか。 むろん、私は小沢一郎に会ったことはない。私が知っている小沢一郎は日本の普通の人々と同じように主として新聞やテレビの報道を通じてのものである。 そうした条件の下に小沢一郎とは何者なのかを考えてみたいのである。小沢一郎…

野田佳彦は「おとなしいヒトラー」である

大阪維新の会の代表であり、大阪市長をつとめる橋下徹はファシズムをもじって「ハシズム」などとマスメディアから揶揄されてきたが、6月23日付東京新聞で、その橋下が消費増税を目指す民主党の野田佳彦政権に対して「『今回の話は完全な白紙委任で、ヒトラー…

日本には社民も保守も存在しない

増税に関して私見を述べるのであれば、私はもっと増税が必要であると思っている。 一人で老いて、一人で安心して死んでゆくために必要な社会保障を実現するためには消費税率20%程度は仕方のないコストであると考えている。増税すべきは何も消費税ばかりでは…

原子力規制庁設置法案が成立―日本の倒錯とアメリカのリアリズム

もし私がアメリカの政府関係者であれば日本の核武装を絶対に許しはしまい。日本を極東アジアにおいて政治的にのみならず、軍事的に自立させてしまうのは、極東アジアにおける緊張感を高めるだけなのだから。確かに日本政府からすれば核武装は防衛を経済とし…

「権力」と「自由」 について―野田佳彦が脱却してみせた「決められない政治」と民主主義の未来

「権力」は至るところに存在する。「権力」は無数に存在し、「権力」は連関しあっている。 人が二人、集まるだけで様々な「自由」への欲望が生まれ、様々な「権力」が生まれる。「自由」も、「権力」も人間の社会における関係性を土壌としているのだ。 「権…

「権力」と「自由」について

「権力」は至るところに存在する。「権力」は無数に存在し、「権力」は連関しあっている。 人が二人、集まるだけで様々な「自由」への欲望が生まれ、様々な「権力」が生まれる。「自由」も、「権力」も人間の社会における関係性を土壌としているのだ。 「権…

野田佳彦が脱却して見せた「決められない政治」と民主主義の未来

「決められない政治」という言葉が政治ジャーナリズムの世界で盛んに使われていた。首相の野田佳彦が国会で1月24日に行った施政方針演説の際に使ったフレーズである。大阪市長の橋下徹が盛んに「決める政治」を主張していたことを意識して、野田は「決められ…

「自殺できないから死刑になりたかった」心斎橋通り魔と大阪府知事「死にたいなら自分で死ねよ」発言

男、36歳。5月下旬に新潟刑務所を出所したという。覚醒剤取締法違反の罪で服役していた。 故郷の栃木県に戻った。家も仕事もなかった。「前科者」にとっては生き難い社会である。 6月9日、大阪に友人を頼って、やって来た。仕事を紹介してもらうのが目的だっ…

こんなことをツイッターでは呟いています!

節電、節電の夏。テレビの深夜放送は中止すべきだという社説をどの新聞社も書かないところにニッポンの「不自由な言論」の問題が横たわっている。結局、新聞とテレビは資本で繋がっているからダメなんだよね。 5月27日 新聞社が新聞社を告訴する。こういうと…

司法の歪みについて

東電OL殺害事件の再審請求が認められた。これによりマイナリさんが釈放された。事実上の無罪となったわけだ。 被害者の体内に残った精液のDNA型と殺害現場にあった第三者の体毛のDNA型が一致し、有罪の前提とされたマイナリさん以外の男性が殺害現場とな…

AKB48の選抜総選挙について

NHKは夜9時のニュースで報じた。スポーツ新聞は野球の話題を押しのけて一面を占拠した。全国紙も社会面を割いて扱った。社会的な事件であったのだろう、大島優子が第1位に返り咲いたAKB48の総選挙は。全国紙でも朝日新聞はデジタル版でAKB総選挙速報を第4…

解体過程に入った民主党―政党政治の終焉

朝日新聞は消費増税という言葉を一切使っていない6月5日付社説「一体改革協議―首相が陣頭指揮に立て」で次のように書いている。 全党で協議するといっても、最初から立場が違う党と折り合うのは難しい。この局面では、首相が会見で語ったように、野党第1党…

オウムの闇は宗教ならではの闇ではないのか?

「走る爆弾娘」の異名で知られるオウム真理教元信者の菊池直子容疑者が逮捕された。容疑は殺人と殺人未遂。毎日新聞は6月6日付社説「菊地容疑者逮捕 オウムの闇に迫りたい」のなかで次のように書いている。 菊地容疑者の逮捕により、新たな角度で事件の闇に…

「性器を食す世紀のイベント」について考える

ネットで『MSN産経ニュース』をチェックしていたら、サンケイスポーツで報じた次のような記事が目に入った。本当かよ!と思った。 “人体食べるパーティ”主催者が下半身の一部切除か 杉並区調査 2012.6.2 11:11 (1/2ページ)[事件・トラブル] 東京都杉並区…

河本準一「炎上」問題を糸口にソーシャルメディアを考える

フォロワーが「401,796」か。この数字は『女性セブン』のABC公査部数(半年ごとに発表される平均実売部数)よりも多い。立派なマスメディアである。ツイッターのアカウントは「@Junkoumon」、そう次長課長の河本準一である。河本がこれだけ多くのフォロワーを…

原発被災者の「自殺」について考える

5月31日、100歳を迎えた新藤兼人監督が亡くなったことを新聞は伝えた。新藤兼人が凡百の「社会主義リアリズム」と一線を画した映画作家であったのは、新藤が人間を描くに際して「性」の問題から決して逃げなかった。新藤は人間が人間であり続けるための可能…