日本には社民も保守も存在しない

増税に関して私見を述べるのであれば、私はもっと増税が必要であると思っている。
一人で老いて、一人で安心して死んでゆくために必要な社会保障を実現するためには消費税率20%程度は仕方のないコストであると考えている。増税すべきは何も消費税ばかりではない。
世界的な水準からすれば高いとは言えない法人税もこのまま放置してはなるまい。資本家や資本家の走狗連中は法人税率のアップを口にすると、日本の産業が空洞化するなどとほざくのだろうが、大企業ほど法人税を払っていないという現状を是正するような法人税のあり方を模索すべきである。私は大企業の「やり逃げ」を許せない。
加えて所得税に関しては累進課税の強化が欠かせまい。格差社会を是正するためには、金持ちから税金を取れるだけ取ることが必要となって来るはずである。
しかし、このように主張する政党は日本には存在しない。
小泉純一郎政権によって断行された構造改革は日本に特有であった一億総中流社会をぶち壊し、中流からの脱落者を大量生産しただけであり、その反動として政権交代が実現したわけだが、民主党が小泉流を修正した痕跡は見られない。
こうした事態が何を意味するのかと言えば、日本には社会民主主義的な綱領を掲げる政党が存在しないという現実である。
民主党の分裂が避けられないという報道がなされた。分裂というより、民主党は消滅すべきだと私は考えている。綱領の存在しない政党が政権を担うのは、そもそも異常なことであったのだ。
本来であれば民主党社会民主主義を担う政党であるべきであったが、今回の消費増税の中途半端さからして、到底、社会民主主義的な施策は期待できまい。税と社会保障の一体改革と言っても、自民党公明党との合意は、要するに社会保障とは縁のなさそうな増税においてのみであった。私にはそうとしか理解できないのだが、何か他の理解の仕方があれば教えてもらいたいものである。
社会民主主義的な施策を掲げる政党ならば、文字通り社民党があるではないかという反論がありそうだが、日本の社民党は「社民」と名はついていても、増税にかかわる具体的かつ真っ当な施策など一度も掲げたことのない政党である。どんなに社会民主主義的な文言を口にしようとも、その財源について口を濁しているような政党を私は信用できない。
もっとも長らく政権与党の座にあった自民党にしても、保守党としては中途半端な存在である。最も保守的だと思えるのは憲法改正を綱領に掲げていることぐらいである。恐らく、自民党が中途半端な保守党であったから、日本には社会民主主義政党が育たなかったのであろう。自民党自体が保守と社民を足して二で割ったような政党であったということだ。
今日は時間がなかったので、走り書きだけの公開になります。