【文徒】2021年(令和3)4月30日(第9巻80号・通巻1977号)つづき

朝日新聞デジタルは4月27日付で「『監視されてる?』ターゲティング広告の不安、解消は」を掲載している。
《ターゲティング広告は、テレビや新聞の広告と違い、広告主が求める年代や好みをもつ利用者に表示できるため、購入行動につながる可能性が高く、ネット広告の強みとされてきた。ネット広告のほとんどがターゲティング広告だ。一方で、グーグルやフェイスブックなどは圧倒的なシェアを持つ自社の検索やSNSのサービスを通じて膨大な利用者の情報を集めて活用できるようになり、その使い方への警戒感が世界的に強まってきた。
このため、政府は総務省ガイドラインを見直し、IT大手に対し、オプトアウトの仕組みをより分かりやすく利用者に示すとともに、個人情報のデータが広告に活用されているかも説明するよう求める。いまはサイトの規約やプライバシーポリシー(個人情報に関する指針)のページを自ら選んで設定をしないとオプトアウトできない例も多く、広告と一緒に自動的に設定画面が表示されるといった対応が今後増える可能性がある。》
https://digital.asahi.com/articles/ASP4W5RQ0P47ULFA033.html

◎「東洋経済ONLINE」は4月28日付で近畿大学教授 ・柴田直治の「日経新聞がタイの「強権首相」を日本に招く事情 問われる報道機関としての見識と説明責任」を発表している。日経新聞は4月13日、朝刊1面の社告を掲載し、5月20、21の両日、第26回国際交流会議「アジアの未来」を東京都内で開催し、オンラインで配信すると発表した。講師として、クーデターで政権を獲得したタイのプラユット首相が名を連ねていた。
《それにも増して今回の招聘に強い疑問を抱いたのは、プラユット首相が選挙で選ばれた民選首相でさえないためだ。プラユット首相は、首相は下院議員から選ばれると定めた憲法をクーデターで破棄した。
そのうえで首相選任に票を投じる上院議員民選から軍主導の任命制に変え、議員でなくても首相になれるよう新憲法を制定してその座に納まった。》
https://toyokeizai.net/articles/-/425344

毎日新聞は4月28日付で「『大丈夫か朝日』デジタル版編集長に社外の42歳を招いた覚悟とは」(松倉佑輔)を掲載している。インプレスを皮切りに「ハフポスト日本版」副編集長、「BuzzFeedJapan」オリジナル編集長を経て、朝日新聞デジタルの編集長に就任した伊藤大地毎日新聞がインタビューしている。伊藤のジャーナリストとしての実績の一つをこう書いている。
《地道な努力が結実したのは、バズフィード時代に担当デスクとして報じたDeNAの医療情報サイト「WELQ(ウェルク)」をめぐる問題だ。真偽の怪しい情報が大量に掲載されていることを記者たちとチームを組んで調査。記事は話題を呼び、サイトは閉鎖に追い込まれた。
「新聞社的なやり方だと、社会部か経済部かという持ち場の問題がありますよね。あと誰も隠していないサイトの問題点を指摘しても特ダネだと評価されないと思います。でもネットメディアの僕らから見ると純粋におかしい。問題発見の部分から大手と違うところでやってきました」》
新聞社の記者は誤解を恐れずに言うと、みんな政治家だと思う。不毛な議論を好むのは、そのためだ。ここは重要なポイントだ。
《紙の新聞の作り方ではAの記事とBの記事とどっちを出すか、どう扱うか、編集部門で議論が繰り広げられる。「どっちが読まれるか、どっちが面白いか。ネットでは両方出せばいいんです」と語る。紙幅の制限のないネットではAもBも両方出して読者の判断を仰げばいいのだ。
伊藤さんは「極端なことを言えば、デジタルでいろんなことを試して、勝ち残ったものが翌日の紙面に載っていてもいいと思う」とも話した。大胆である。だが、こうした編集方法は世界では常識になりつつある。》
https://mainichi.jp/articles/20210427/k00/00m/040/199000c
デジタルで言うと、ハズレも少なくはないが、私は毎日新聞のアプローチに好感を持っている。この記事などもデジタルならではのものだと思う。デジタルにおいても紙の新聞をもっとも引きずっているのは讀賣新聞と言えようか。

電通は、ベクトルと企業のESG経営支援領域において、業務提携した。この提携による取り組みの一環として、ベクトルが保有るESGスコアリング及びそのレポーティングのサポート力をもとに、非財務の新しい企業価値の指標と関連するソリューションを共同開発し、1年間で国内200社へのサービス提供を目指す。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000321.000000204.html
https://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2021026-0427.pdf

藝春秋は、「ペルシャの幻術師」(原作・司馬遼太郎、マンガ・蔵西)を「週刊春」にて連載開始した。「ペルシャの幻術師」司馬遼太郎のデビュー作である。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000069.000043732.html

◎銀座 蔦屋書店(は、4月27日(火)~5月31日(月)の間、オンラインサイトにて「ドラえもんオンラインフェア2021」を開催する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000126.000058854.html

◎現役の解剖医でもある兵庫医科大学法医学講座主任教授・西尾元双葉社から刊行した「女性の死に方」を、あらいぴろよがコミカライズした。むろん、版元は双葉社だ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000232.000014531.html
春オンライン」が第一話を無料公開している。
https://bunshun.jp/articles/-/44954
電子書籍では分冊版もリリースされている。「コミックシーモアでは一話88円で読める。
https://www.googleadservices.com/pagead/aclk?sa=L&ai=DChcSEwiskvi5o6LwAhVFW2AKHfZeAesYABAAGgJ0bQ&ae=2&ohost=www.google.com&cid=CAESQeD2yG8IB-8iEOOs7wQWwqWV1S4SvaCdvqBByZ3kYqtCv-VdCv508XShCOe_wyb4EzKU1J6NLB_YzkS0XKpXYLjS&sig=AOD64_2vu9LdVdKLc7rIHzTQDrPGOZ0qAg&q&nis=1&adurl&ved=2ahUKEwjExvG5o6LwAhUafd4KHcLwCf8Q0Qx6BAgDEAE

講談社厚生労働省の協力のもと体内細胞を擬人化したコミックはたらく細胞」の「新型コロナウイルス編」と「感染予防編」を描き下ろしで制作し、これをJICA(国際協力機構)の支援を得て英語やヒンディー語に翻訳しムービングコミック(音声や効果音入り)で世界に無料配信する。大型連休直前の4月28日より、まずは日本語版の配信を開始する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003237.000001719.html

手塚治虫化賞(朝日新聞社主催)が発表された。「マンガ大賞」は山下和美の「ランド」(講談社)、新生賞は「葬送のフリーレン」(小学館)の山田鐘人(原作)とアベツカサ(作画)、短編賞は野原広子の「消えたママ友」(KADOKAWA)と「妻が口をきいてくれません」(集英社)、特別賞は吾峠呼世晴の「鬼滅の刃」(集英社)。マンガビジネスのビッグ4の揃い踏みだ。
https://digital.asahi.com/articles/ASP4Q63VHP49UCVL025.html

◎日本出版者協議会が4月28日付で「第204回国会提出『著作権法の一部を改正する法律案』に対する見解」を発表している。この法案の問題点を指摘しているが、「反対」という言葉は使っていない。あくまで「国会での慎重な審議を要望」するにとどまっている。つまり、改正案に消極的ではあっても賛成している、そう読めるのだけれど。少なくとも、政治家はそう理解するはずだ。
https://www.shuppankyo.or.jp/post/seimei20210428

◎日本出版者協議会はアマゾンに対して、「返品の質が悪く、量も過剰である」という報告が会員社からあり、アマゾンに対して抗議していたが、アマゾンから次のような改善内容が提示されたそうだ
《・適切なサイズの梱包資材の使用、縦置きの禁止、緩衝材で隙間を埋めることを徹底するようガイドラインの再整備と各配送拠点への通達
・物流拠点(フルフィルメントセンター)のスタッフのトレーニング》
https://www.shuppankyo.or.jp/post/oshirase20210428

◎学研プラスは、2月18日に発売した「DVD付 学研まんが NEW日本の歴史」(全12巻)の3刷を決定。発売2カ月で30万部を突破したことになる。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003322.000002535.html

◎図鑑市場にKADOKAWAが参入する。学習図鑑シリーズ「角川の集める図鑑GET!」を5月28日に創刊する。シリーズ創刊第1弾として「恐竜」「動物」「昆虫」の3冊を同時刊行する。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000008490.000007006.html

白泉社電子書籍売上年間ベスト10作品を表彰する「2020年度白泉社電子書籍大賞」が発表された。大賞は、草凪みずほの「暁のヨナ」に決まった。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000488.000046848.html

◎アイスタイルが運営する日本最大のコスメ・美容の総合サイト「@cosme」は、美容メディアの「美的」(小学館)、「MAQUIA」(集英社)、「VOCE」(講談社)とともに「Beautyのチカラでみんなを幸せに?」をテーマにした業界初のコラボコンテンツ企画を、4月28日(水)よりスタートした。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000150.000005126.html
「美ST」(光社)の運命はいかに?「JJ」の次は「美ST」なのかもしれない。

◎「J-CASTニュース」は4月28日付で「町田そのこ『52ヘルツのクジラたち』 『本屋大賞』受賞で早くも40万部突破」を掲載している。
《昨春、初版6000部で発売されたが、書店員からの熱い応援に支えられ、「読書メーター OF THE YEAR2020」や王様のブランチ(TBS系)「BOOK大賞2020」などを受賞して年末までに10刷。全国紙でも著者インタビューが掲載されるなど注目され、21年4月14日、「本屋大賞」が決まった。
 その後、売れ行きにいちだんと拍車がかかり、4月26日付「オリコン週間BOOKランキング」をはじめ全国各地の書店ランキング1位に。5月11日の重版で、累計発行部数が41万部となる。
https://www.j-cast.com/trend/2021/04/28410506.html?p=all

太田光と同じく、実は私もPOPが嫌いなクチだ。
https://jtame.jp/jtame/53264/

朝日新聞の論壇時評を林香里が担当することになった。第一回は4月29日付。次のように書いている。
《3月、菅内閣は、総務省幹部の接待問題などにもかかわらず、支持率が上昇していたとか。これをもって、日本人が政治への「怒り」を忘れたという論考があったけれども、怒りを忘れているのは、両論併記と発表報道に忙しいメディアのほうじゃないのか。》
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14888093.html

萩尾望都の「ポーの一族 秘密の花園」(小学館)が、「月刊flowers」6月号より連載を再開した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001138.000013640.html

讀賣新聞は4月28日付で社説「デジタル広告『情報の質』劣化を食い止めよ」を掲載し、次のように書いている。報告書とは政府のデジタル市場競争会議がインターネット広告に関してまとめた最終報告書のことである。
《広告収入は、消費者の関心を集め、クリック数を伸ばすほど増える仕組みだ。正確なニュースより、刺激的な話題や、虚偽内容を含フェイクニュースを扱うサイトの方が利益を上げる場合がある。
報告書が「情報の質」の劣化に強い懸念を示した上で、広告主が良質な情報を提供する媒体を選び、配信できる手法を構築すべきだと指摘したのは妥当である。
広告主が、いつ、どこに掲載されているのか把握できない複雑な構造も問題だ。デマを拡散するサイトに広告が出れば、企業イメージが損なわれることになる。》
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20210427-OYT1T50256/

◎「しんぶん赤旗」が報じた東京五輪パラリンピック組織委員会日本看護協会に看護師約500人の動員を要請したというスクープは、ネット上の閲覧が28日時点で9万8千回を突破したそうだ
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-04-29/2021042909_01_1.html

◎ロイターは4月28日付で「読売新聞の販売店がマックデリバリーを受託、順次全国に拡大へ」を配信している。
日本マクドナルド(東京都新宿区)と読売新聞グループ本社(東京都千代田区)は28日、読売新聞販売店の配達網を使い、マクドナルドの商品を届けると発表した。新聞配達網は消費者に直結しており、小売りや外食が宅配サービスを行う際の「ラストワンマイル」として注目されていた。》
https://jp.reuters.com/article/yomiuri-mcdonald-idJPKBN2CF0H4

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4)【深夜の誌人語録】

記憶は物語を紡ぎ、記録は歴史を紡ぐ。

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