【文徒】2014年(平成26)1月31日(第2巻19号・通巻221号)

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1)【記事】友里往耶がKADOKAWA「ちょくマガ」に激怒!
2)【記事】キリン缶チューハイ「本搾り」のテレビCM中止問題について
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】

                                                                            • 2014.1.31 Shuppanjin

1)【記事】友里往耶がKADOKAWA「ちょくマガ」に激怒!

「ちょくマガ」はKADOKAWAが運営する有料のウエブ&メールマガジンである。友里往耶は辛口というよりはラジカルでポレミカルなレストラン評論で知られ、「ちょくマガ」に昨年7月16日から11月25日まで20回にわたって「世直し!黒グルメ案内」を連載していた。その友里が自身のブログで「ちょくマガ」で「一度解散して出直してこい」とまでKADOKAWAに対して激怒している。何があったのだろうか。
要するに友里に「世直し!黒グルメ案内」の原稿料が1円も支払われていなかったのである。当初、友里がKADOKAWAに問い合わせたのは、どの口座に振り込まれているのかであった。これに対してKADOKAWAの「当時の女性担当者」の返答は「契約書を取り交わさないと印税を振り込めないシステムなんです」と。まあ、この辺までは理解できるが、これからが凄い。友里が「なんだ、契約書を忘れていたんでしょ」と返すと、彼女は「いえいえ忘れていません。ちゃんと、編集者には催促しておりました」と応じる。その編集者は今度出す新書の担当で、しょっちゅう友里と話あっていたというが、そんな話はまったくでていなかったのだ。とすれば、友里ならずとも催促したなんてウソだろう? と疑いたくなるだろう。しかし、KADOKAWAの「当時の女性担当者」は頑として譲らない。友里のブログには、その細かいやりとりが次のように再現されている。<女:ウソじゃないです。催促してます。
友里:そんなはずがない。俺はいい加減な貴方より彼を信じる。
彼と対決できるか。
女:ウソではないです。
友里:それでは最後の催促はいつなのか。検証すればわかるから正直に話したほうが良いぞ。
女:しばし沈黙・・・昨年の9月です。
友里:なんと9月以降催促していないのか。それって忘れていたと同じだぞ。世間でそんな詭弁が通用するはずがない
女:いえ忘れていません。
友里:そんな言い訳、世間で通用するか。世間ではそれを「忘れている」と言うんだぞ。>
友里がどういう性格の人間であるか私は知らない。しかし、どんな性格であろうともKADOKAWAにとって友里は寄稿家ではないのだろうか。出版社の社員が寄稿家に対してリスペクトを欠くなどという事態はあり得て良いはずもないことだ。何よりも「当時の女性担当者」が「すみません!忘れていました」と言えば済む話ではないのだろうか。いったいKADOKAWAはどんな社員教育をしているのだろうか。
http://www.google.co.jp/url?q=http://tomosato.net/weblog/%25E4%25B8%2580%25E5%25BA%25A6%25E8%25A7%25A3%25E6%2595%25A3%25E3%2581%2597%25E3%2581%25A6%25E5%2587%25BA%25E7%259B%25B4%25E3%2581%2597%25E3%2581%25A6%25E3%2581%2593%25E3%2581%2584%25E3%2580%2581%25E8%25A7%2592%25E5%25B7%259D%25E3%2581%25A1%25E3%2582%2587%25E3%2581%258F%25E3%2583%259E%25E3%2582%25AC/&sa=U&ei=ztzpUveNEI6IkgXb_oCIDw&ved=0CB4QFjAA&sig2=xQbCceMmPG7ykoI3k6HUyw&usg=AFQjCNGEp1JUSDSLGqOCJ4meioT6nMgojg
そう言えば私の拙文も『歴史の中のサンカ・被差別民』の文庫化に際してKADOKAWA は電話一本で済ませたものな!普通は手紙か何かを寄こすのが筋だと思ったが、私のような「小物」にはこういう対応をするのだと気分を害したことが私にはある。
http://www.kadokawa.co.jp/product/201216008755/
ちなみに私は「柳田国男と狂気の挫折 山人・サンカ・被差別民への接近」ていう文章を書いている。

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2)キリン缶チューハイ「本搾り」のテレビCM中止問題について

カエルのキャラクターを使ったキリン缶チューハイ「本搾り」のテレビCMが中止になった。
http://www.kirin.co.jp/products/rtd/honshibori/cmgallery.html
「カエル」のキャラクターを使用した表現方法がアルコールを取り扱う会社として不適切であるという指摘を真摯に受け止めた結果だという。「カエル」のキャラクターを使用したことが未成年者の飲酒を誘発しかねないので不適切だというのだろう。
そんなことを指摘するのは洒落のわからない一部の視聴者に過ぎず、キリンビールは過剰反応ではないのかと多くの視聴者は思うかもしれない。しかし、アルコール飲料に関しては、欧米諸国ではCMの放送を禁じている国もあるのだ。ちなみにアメリカでは蒸留酒はCMが禁止されているし、ビールに関しても飲酒場面は禁止されている。そうアメリカでは「カエル」云々ではなくて「本搾り」のCMそのものが放送できないのである。
キリンビールならずともアルコール飲料メーカーからすれば主婦連合会、日本アルコール問題連絡協議会、日本アルコール関連問題学会、日本アルコール精神医学会といった団体を刺激するようなCMを制作したり、放送したりすることは何としても避けなければならないのだ。何故なら、こうした団体はテレビCMに関して欧米並みの規制強化を度々求めているからだ。次のような文章をお読みいただきたい。
http://www.ask.or.jp/ask090730-2.html
実は私はアルコール飲料が好きだけにとどまらず、アルコール飲料のテレビCMが大好きである。このジャンル、CMとしての傑作も多いのである。そうした伝統を消さないためにも、今回のキリンビールの決断を支持したいということである。
全日空のテレビCM中止が世界を知らなかった結果だとすれば、キリンビールのテレビCM中止は世界を知っている結果なのである。

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3)【本日の一行情報】

◎アマゾンによる大衆薬の即日配送サービスの開始が店舗を有さないことを理由に認可が未だ下りていないという。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD280LI_Y4A120C1TJ1000/

◎オンラインの弁当屋たる「ごちクル」が全国展開に乗り出している。
http://toyokeizai.net/articles/-/28919
これです。
http://gochikuru.com/
「ごちクル」を運営するスターフェスティバルの岸田祐介代表取締役楽天の出身。「楽天デリバリー」を立ち上げ、楽天イーグルスの創設にもかかわっている。スターフェスティバル設立されたのは2009年だ。
http://itnp.net/story/463
http://www.sankeibiz.jp/business/news/131119/bsl1311190501000-n1.htm

文藝春秋は3月1日、2日の両日、丸の内丸ビル1階「マルキューブ」で、150回を迎えた「芥川賞」「直木賞」を記念するイベント「芥川賞直木賞フェスティバル」を開催する。
http://hon.bunshun.jp/sp/akutagawa-naoki150
芥川賞全集」は文庫なり、電子書籍にならないのだろうか。
http://www.bunshun.co.jp/book/80akutagawa/

◎第7回「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」に「那覇の市場で古本屋 ひょっこり始めた<ウララ>の日々」(ボーダーインク)の宇田智子が選ばれた。
http://www.nobody.or.jp/info
昨年、京都の徳正寺で行われた中川六平の百箇日法要にも出席していた。六は宇田の本を編集する予定だったのだ。実は講談社の「本」で宇田は連載をはじめている。「ほんの序の口」、表2に相応しい良いタイトルだ。
http://bookclub.kodansha.co.jp/magazines/hon/

ティーンズ誌ピチレモン」(学研教育出版)は100円ショップのキャンドゥと共同開発したバレンタイン限定グッズを販売している。
http://news.mynavi.jp/news/2014/01/29/016/

◎「幻冬舎plus」は、「昭和の犬」で第150回直木賞を受賞した姫野カオルコの受賞5分後から会見場に向かうまでの足取りを追った秘蔵映像を公開している。
http://www.gentosha.jp/articles/-/1395

◎藤見よいこの本格歴史マンガ「ふたりじめ 戦国夫婦物語」(実業之日本社)は3月にドラマCDが発売される。CM動画をご覧下さい。
http://www.j-n.co.jp/books/?goods_code=978-4-408-41186-6
これは「コンペイトウ書房」ブランドの一冊でもある。「コンペイトウ書房」とは実業之日本社のコンテンツ事業部が立ち上げた「日本の小粋な大人のため」の新しいコミック&書籍のシリーズだ。「コンペイトウ書房」のウエブサイトはこちら。
http://www.konpeitoshobou.com/
「コンペイトウ書房」のブログを読んでいたら熊田プウ助の「トーキョーホモルン定食」も読みたくなった。「ホルモン」じゃないよ。
http://ameblo.jp/konpeitoshobou/

◎スポンサーは何故に「明日、ママがいない」の提供を決断したのだろうか。マーケティングコンサルタントの新井庸志は次のように推測している。
「推測するに、広告代理店から提供企業に対して、『第1〜2話を含め前半は嫌な内容だが、ラストに向けて明るい内容になっていく』という内容説明がされていたのだろう。ただ前半の内容への世間への批判が、提供企業や広告代理店が想定したものよりもはるかに厳しい状況になってしまったということだ。放送継続を決定している日本テレビと広告枠を売った広告代理店は、提供企業への説明に奔走してるはずだ」
http://biz-journal.jp/2014/01/post_3985_3.html

◎ビューティマガジン「ヴォーチェ」(講談社)が選ぶ「THE BEST BEAUTY OF THE YEAR」をHKT48指原莉乃が受賞。
http://www.wwdjapan.com/beauty/2014/01/29/00009606.html

◎日販発表の昨年12月の雑誌・書籍売上動向によると、雑誌・書籍合計売上は前年同月比4.2%減。__内訳は、雑誌4.0%減、書籍4.3%減。
http://ryutsuu.biz/sales/g012817.html

◎オレ、感動しちゃった。「VERY」2月号はわが国の雑誌の歴史に残る傑作である。
http://veryweb.jp/magazine/
自己言及のパラドックスをいとも軽やかに「解体」してしまっている。

◎同感だなあ。
「例えばいじめられている学生とか、例えばセクシャルマイノリティの方とか、シングルマザーとか、会社が生きがいになっているサラリーマン、一人暮らしをしている老人。色々いますけども、皆そんな自分を認めてもらえるような居場所が必要なんじゃないかと、そう思っています。色んな価値観が受け入れられて、世間ではマイノリティであっても、魅力的な存在として活き活きと生きていける。東京をそんな街に、僕はしていきたい」
http://narumi.blog.jp/archives/2802880.html

◎広告の可能性を感じる話だ。ベルリンの街角で殴られた日本人が自分を殴った白人に一緒に働きませんかと広告。「親愛なる襲撃者へ あなたの憎しみを止めるため、子ども用教材の翻訳の仕事を提供します」と。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014012902000233.html

朝日新聞が「お知らせ」を発表。
籾井勝人NHK会長の就任記者会見に関し、28日からインターネット上で『NHK籾井会長に質問した記者、朝日新聞の進藤翔(24)らしい』というツイートが流れましたが、朝日新聞社に該当する記者はおりません」
http://www.asahi.com/articles/ASG1Y62D9G1YUCLV00V.html
それにしても渡邊哲也とか、上念司って経済評論家はロクな奴じゃねえな。

熊本市の慈恵病院が「現在放送中の『明日、ママがいない』放送に当たりまして」を発表。メディア関係者は必読だ。
http://jikei-hp.or.jp/tv_mama/

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4)【深夜の誌人語録】

人生はぼちぼち、仕事はだいたい、遊びはまあまあ、それで良いのですよ。