NHKアナウンサー堀潤がツイッターアカウントを閉鎖!ソーシャルメディアがあぶりだすマスメディアの権力性

2月27日午後8時頃、岩手県沖、深さは10キロを震源は、マグニチュードは6.4の地震が起き、東北地方太平洋沿岸の広い範囲で震度5弱の揺れとなった。NHKのアナウンサーである堀潤地震直後から、地震にかかわる情報を次々にツイートしていった。

東通原発異常なし】東北電力によると▽青森県にある東北電力東通原発は運転を停止していて、これまでのところこの地震で異常はないということです。

【21:25 女川原発異常なし】東北電力によると▽青森県にある東北電力東通原発宮城県にある女川原発はいずれも運転を停止していてこれまでのところこの地震で異常はないということです。また東京電力によると東電福島第一原発と第二原発はこの地震でいずれも新たな異常はないということです。

【20:30 震度5弱涌谷町の役場の話】震度5弱を観測した宮城県涌谷町の役場によりますと「つきあげるような激しい揺れが15,6秒続いたが、棚から物が落ちたりするようなことはなかった。これまでに被害の情報は入っていいない」と話しています。

堀潤のフォロワーからすれば、いつものようなツイートであったに違いない。しかし、地震にかかわるツイートが終わった直後、突然、次のようなツイートが目に飛び込んできた。何と堀潤ツイッターアカウントが閉じられることになったのである。

こうして皆さんにtwitterを通じて地震への備えや対応を呼びかけられるのもあと4日だと思うととても残念です。皆さん、どうぞ僕の呼びかけがなくなっても、揺れが起きた時には落ち着いて、慌てず行動せず、こうして声を掛け合い、情報を共有しながら、深呼吸して、身の安全を確保して下さいね。

一生懸命このアカウント存続のために動いてくれた先輩は沢山いたのですが、そもそもBizスポのキャスターとして認められたアカウントだということで僕が番組を離れる今月末をもってクローズすることになりました。あと4日皆さんどうぞ宜しくお願いたします。またどこかでお会いできます!よね?笑。

つまり、3月31日をもって堀潤ツイッターアカウントが閉鎖されることになったのだ。堀潤のアカウントはNHK公式アカウントであり、夜11時台の経済&スポーツニュース番組「Bizスポ」のキャスターとして認められたアカウントであり、3月31日をもってこの番組を離れる堀はアカウントを閉鎖しなければならなくなったということである。辻のツイッターアカウントには「@nhk_HORIJUN」とNHKの三文字が小文字で刻み込まれているのは、そのためであろう。しかし、と私は思う。堀は仕事としてではなく、個人としてならばツイッターを続ければ良いのではないだろうかと。「@HORIJUN」にすれば良いだけの話ではないのか。それとも堀は私などとは違ってツイッターも所詮、仕事(=労働)にほかならなかったということなのだろうか。私の場合はツイッターは「自由の言論」の場ではあっても、労働ではない。もし堀潤ツイッターをそのようにしか位置づけていないのだとしたら、個人として志があまりにも低いのではないのか。堀の「個」としての幅はNHKよりも狭く、また堀の「個」としての深みもNHKよりも浅いということだ。逆にNHKという巨大官僚組織からすれば、NHKのブランド価値をツイッターを通じて高めるため、堀潤という個人を利用してきただけなのかもしれない。言ってみればNHKにとってのマーケティングツールにしか過ぎなかったわけである。そうだとすればNHKという組織は、堀潤に限らず、NHK局員が個人の資格としてツイッターを使うことを禁じているのかもしれない。誰もがメディアを持てるソーシャルメディアの時代にマスメディアの構成員であるというだけの理由でソーシャルメディアから疎外されてしまうということである。もちろん、堀潤が匿名でアカウントを取得すれば何もツイッターをやめる必要はないのだろうが、そうするとこれまでのフォロワー9万人を見捨てることになり、堀潤としても後味の良いものにはなるまい。
いずれにせよ、ソーシャルメディアの時代において、マスメディアのビジネスに従事しているからという理由だけでツイッターを禁じられるのは、本質的には「言論弾圧」なのではないのだろうか。垂直軸の力学に依拠したマスメディアの「権力」としての本性がこういうところで露呈するのである。NHKアナウンサー堀潤ツイッターアカウント閉鎖は、水平軸のコミュニケーション力学に依拠したソーシャルメディアの「非権力」性がマスメディアの「権力」性をあぶりだした事件なのかもしれない。