2013-01-24 忌花学廃人篇 其の十二 凍蝶の黄泉は髑髏の裸踊り 淡雪に誘はれ男の液放つ 凍死せし原稿用紙上の愛を焼く 実存を寝取られ遂に雪女郎 神ひとり犯す言葉の落葉焚 降る雪に肉弾戦の未来死す 冬薔薇の棘にイエスの反り返る 人は死ぬばかりなりけり冬の蠅 マフラーを汚すマリアの嘔吐かな 言霊の凍てつく冬の貞操帯 虚無を林檎のやうに齧る友は死す 凩や望むは変死ただの夢 変態のうふふと泣くは恋の猫 死神の叫びの凍る暗夜行路 狼も人も死ぬるは一度きり