【文徒】2014年(平成26)3月12日(第2巻46号・通巻248号)

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1)【記事】「これまでとは少し違う部分、異なった発想」が大切だ
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】「これまでとは少し違う部分、異なった発想」が大切だ

ノーベル化学賞田中耕一が次のように語っている。
「これからの日本の産業は、一筋縄に、まっすぐに伸びていくことが期待できない。むしろ、これまでとは少し違う部分、異なった発想を伸ばすことによって、日本の良さや特徴を世界に打ち出していけると考えている」
出版もそうだと思う。「これまでとは少し違う部分、異なった発想」をもって成長戦略を練るなり、人事異動を図るべきではないのか。漫然と同じことを繰り返していては展望を開けないだろう。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/FEATURE/20140305/338232/?ST=health&P=1
「これまでとは少し違う部分、異なった発想」を生かすには、これまでの成功体験に寄りかかっていたのでは駄目である。セクショナリズムの壁を越えた横断的なチームが必要になって来るはずだ。そうした現場に権限を思い切って委譲することも大切だろう。そうしたチームが仕事をしやすい環境を整えることは担当役員や管理職の仕事であるといって差し支えあるまい。
「既得権」「前例」「慣習」との調整を図るのも担当役員や管理職の役割である。むろん、調整は妥協を意味しない。安易な妥協は「これまでとは少し違う部分、異なった発想」を抑圧するのみならず、普通の発想に堕落させてしまうだけである。この場合、調整とは現場の企画を守り抜くことである。
広告ビジネスにしても、マーケティング戦略、販売施策にしてもそうだ。単にコストカットを自慢するだけでは仕事をしたことにはなるまい。「これまでとは少し違う部分、異なった発想」をもって広告主や広告会社にアプローチすべきだし、取次が悪いといって何もせずに済ませてしまうような悪弊はそろそろ断ち切りたいものである。
「これまでとは少し違う部分、異なった発想」をもって仕事をするということは「異種交配」を恐れないということでもある。IT系ビジネスとの協業に積極的に取り組むべきだし、異業種とタッグを組むことで新たな市場を創造することも可能なはずである。コラボレーションというスタイルもあれば、コンソーシアムを結成するという方法もあろう(ベネッセと電通のように!)。
もともと出版社の強みは「自由な発想」にあったはずである。「自由な発想」とは、そもそも「これまでとは少し違う部分、異なった発想」を持つということである!

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2)【本日の一行情報】

久米宏壇蜜がコンビを組んで話題の本の著者をゲストに迎えるトーク新番組「久米書店〜ヨクわかる!話題の一冊〜」がBS日テレで4月6日からスタート(日曜・後6時から)する。久米は5年ぶりにテレビのレギュラー番組を持つことになった。
http://hochi.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20140310-OHT1T00004.htm

藤原紀香が悪い医者を演じ、NHK大河ドラマ以来の上野樹里が医療ミスで亡くなった父親の敵討ちで復讐を遂げてゆくというTBSの連続ドラマ「アリスの棘」(金曜日 午後10時)は、ちょっとそそる。
http://irorio.jp/entame/20140310/119286/

◎サッカーの柿谷曜一郎が「メンズノンノ」(集英社)4月号でモデルデビューしたことを「ウエブスポルティーバ」(集英社)が伝えている。
http://sportiva.shueisha.co.jp/clm/jfootball/2014/03/10/post_586/

◎大相撲ファンにとっては、たまらないアプリがリリースされた。ドワンゴモバイルと日本相撲協会は共同で日本相撲協会公式スマートフォンアプリ「大相撲」のサービスを運営している。
http://www.asahi.com/and_M/information/pressrelease/CPRT20145409.html

◎「日経エンタテインメント!」による「一番好きなお笑い芸人」ランキング。第1位は明石家さんま、第2位に有吉弘行、第3位に内村光良
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2002G_Q4A220C1000000/

◎アジア太平洋国際広告祭で17部門のうち日本が8部門でグランプリを受賞。…こう書くのが正しかろう。17部門のうち電通博報堂が8部門でグランプリを受賞したと。特別賞も電博だ。
http://www.advertimes.com/20140310/article150409/

◎インターネット動画広告市場が急成長を遂げている。何しろ「2012年の40億円から13年に132億円と約3倍に規模が膨らんだ」のである。
http://ascii.jp/elem/000/000/873/873843/

江崎グリコ文藝春秋スポーツ誌「Number」のブランド力を利用して、バナナを50%以上配合したスポーツフード「Number BANANA」を全国発売開始。
http://www.j-cast.com/mono/2014/03/10198040.html
文藝春秋は雑誌広告ビジネスの新たな可能性を切り拓いた。冒頭にも書いたけれど、文藝春秋は「これまでとは少し違う部分、異なった発想」をもって仕事をしたということだろう。

◎宝島社の雑誌の附録は欲しくなるものが多い。「MonoMax」4月号の附録は人気セレクトショップナノ・ユニバース」のLEDライト付きタッチペン&ボールペンだ。
http://www.narinari.com/Nd/20140325054.html

◎蓮沼執太フィル の「Earphone & Headphone in my Head - PLAY0」が、集英社女性誌Marisol」のCMソングとして使われている。
http://natalie.mu/music/news/111655
いつもながら宣伝上手な集英社である。

◎KADOKAWAのスマホ向け恋愛ゲーム「5人の恋プリンセス」。KADOKAWAは何でもやる。その獰猛さを他の出版社も見習って良いのではないか。
http://www.yomiuri.co.jp/adv/enterprises/release/detail/00079006.html
雑誌「Newtype」と連動することになるのだろうが、「アニ・メーター」なるウエブサイトが突如として出現し、3000名のモニターを募集している。「すべてアニメファンに贈る世界最先端“リアルタイム”ウェポン」なんだそうだ。
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=2795600&media_id=178

◎しかし、韓国のメディアは本当に安倍首相が嫌いなんだなあ。
「過去の歴史を否定する安倍晋三政権の態度は許せないが、前向きな態度で黙々と逆境を乗り越えていく東北の住民に慰労と激励を送りたい」
http://japanese.joins.com/article/766/182766.html?servcode=A00§code=A10&cloc=jp|article|ichioshi
韓国経済に「翳り」が忍び寄っている。
サムスン現代自動車など韓国主要10企業グループ(財閥)の昨年の収益性が、大幅に悪化したことが10日分かった」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/03/10/2014031001379.html?ent_rank_news

日航ドリームライナーがホノルルに緊急着陸。ドリームライナーはトラブルが多すぎるのではないか。
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702303565804579429791350370078.html

◎「ただしい編集」の「だ」の部分に「の」と赤字を入れた、和田文夫+大西美穂の「楽しい編集」(発行=ガイア・オペレーションズ 発売=英治出版)。フェイスブックによれば仲俣暁生が「とても素晴らしい内容なのでたまらず買いました」と書いている。
http://blog.gaia-op.com/article/84214131.html

◎熊本の長崎書店が頑張っている。「4代目社長」長崎健一が中心となり、商店街の無料情報誌を発行。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kumamoto/news/20140310-OYT8T01063.htm

川上量生はニコ動をグーグル、アマゾンのような巨大プラットフォームに対抗する小さなプラットロームをつくっていくための支援プラットフォームと位置づけている。この考え方は参考になる。
http://togetter.com/li/638493

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3)【深夜の誌人語録】

公私混同は仕事に癒着を生む。