【文徒】2014年(平成26)3月13日(第2巻47号・通巻249号)

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1)【記事】漫画誌に一般雑誌は学べ!
2)【記事】浦和レッズ「差別」横断幕事件余話
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】漫画誌に一般雑誌は学べ!

集英社の「週刊少年ジャンプ」は、松井優征暗殺教室」の読者投稿企画「第1回暗殺者大募集!!」を実施している。
http://natalie.mu/comic/news/111658
暗殺教室」は意欲的だ。「最強ジャンプ」にも「出張」していたものな。
http://natalie.mu/comic/news/111211
マンガ誌のナンバーワンブランドでさえ、様々な挑戦を試みている。たとえマンガといえども楽観してはいられない情況なのである。
一方、小学館は「週刊ビッグコミックスピリッツ」で5月下旬よりスタートする曽田正人による新連載「テンプリズム」のキャラクターデザインを一般募集している。投稿サイトのpixivでコンテストを実施するのだ。
http://www.pixiv.net/info.php?id=2264
SNSなどを活用しながら、読者を創造の場に参加させるというアプローチは、これからますます大切になって来るはず。むろんマンガ誌に限らず、である。
講談社の少女マンガ誌「ARIA」のWEBラジオ「ありらじ〜王子育成ラジオ〜」が、アニメイトTVで配信を開始した。
http://www.animate.tv/radio/details.php?id=aria_radio
http://aria-blog.webn.jp/?p=9909
一般誌に比べマンガ誌のほうが、発想が柔軟なのである。一般誌の場合、アリバイ的にサイトを立ち上げているというケースがほとんどだと敢えて断言しておくことにしよう。

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2)【記事】浦和レッズ「差別」横断幕事件余話

百田尚樹安倍総理ナショナリズムを批判する朝日新聞だが、サッカー担当記者の人権意識は、この程度のものなのか。唖然!何と、こんなツイートを投稿していた。
「浦和の横断幕の件、あの文言そのものは非常にファジー。しかし、真意はどうであれ、差別的解釈もできる。そう受けとる人もいる。そこが問題で、浦和も調査を進めています。人の考えは様々ですし、そもそも深い意図はなかったかもしれません。ただ言えるのは、スタジアムってどういう場?」
「(続)信条表明の場じゃない。他の人のことも考えず、好き勝手な振る舞いが許される場じゃない。みんなで、サッカーを楽しむ場。理想論かもですが、少なくともJは、誰もが楽しめる、そういうスタジアムにしようとやってきたし、これからもそうだと思います(ふ)」
深い意図があろうがなかろうが、差別は差別である。翌日になると事の重大さに漸く気が付いたのか、謝罪ツイートを投稿したのは、まあ救いだけれど。
http://muranoserena.blog91.fc2.com/blog-entry-5369.html
「JAPANESE ONLY」という横断幕を掲げたJ1浦和のサポーターを浦和レッズが入場禁止処分にする方針だという。
http://www.asahi.com/articles/ASG3C61DRG3CUTQP024.html
差別意識があって差別する場合、差別意識がなくて差別する場合、差別意識があっても表面的には差別しない場合という三つのパターンが差別にはあるはずである。
毎日新聞は社説で取り上げている。
http://mainichi.jp/opinion/news/20140312k0000m070159000c.html

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3)【本日の一行情報】

◎旧型Nexus 7 32GBモデルが1万円引きの1万4800円とセール価格で販売されている。何とアマゾンで。感想二つ。アマゾンは競合商品だろうと何だろうと売ってしまうほど胃袋が強いと思った。もう一つは32GBのタブレットが1万円台で買える時代になったということだ。
http://www.gizmodo.jp/2014/03/nexus_7_32gb114800.html

ソニーの救世主として期待されたPS4だが、二週目になって売上のスピードがガクンと落ちたようだ。「1週目から2週目にかけての減少率が83.4%と他の据置ハードに比べて大き」く、「不振と言われるWiiUより、二週目の売り上げが良くな」いそうだ。追い打ちをかけるのが初期不良の多さだという。何とアマゾンは一時的にではあれ、発売を休止してしまった。
Amazon.co.jpにより販売、発送した商品に問題があるとのご指摘をお客様からいただいたため、現在Amazon.co.jpによる販売を一時的に休止しています。問題が解決され次第、販売を再開いたします」
最近のソニーは「技術のソニー」ではなくなってしまったようだ。
http://blogos.com/article/82053/

◎「幻のホーム」見れます、と。朝日新聞ですら「ら抜き」言葉に汚染されてしまう時代なのである。
http://blogos.com/article/81960/

小学館藤子不二雄A氏生誕80年を記念し、「@ll(オール)藤子不二雄A藤子不二雄Aを読む。」を4月25日に刊行する。また、特設サイトで「忍者ハットリくん」など15作品の第1巻あるいは第1話などを電子版として掲載しており、今後約1年間、無料で提供する。更に「@ll(オール)藤子不二雄A藤子不二雄Aを読む。」を購入した読者は、同書に記載されているQRコードを入力することで、19作品が無料で読める。小学館ならではの企画だ。藤子Aの作家としての凄みを知り、新たなファンが生まれるに違いない。特設サイトには中央公論新社の名前もクレジットされている。
http://fujiko-a.com/
藤子Aが井上陽水と交流があるとは知らなかった。

小学館の女性ファッション誌「AneCan」は創刊7周年を記念して仮装パーティを開催したそうだ。押切もえ浅田真央
http://mantan-web.jp/2014/03/11/20140310dog00m200046000c.html

セブン&アイ・ホールディングスの総額1000億円にものぼるオムニチャネル計画で、当初、有力視されていた日立製作所&博報堂ではなく、NEC&電通が事業者に決定した背景を「日経ビッグデータ」は次のように推察している。
「取り組みの中核となるセブン-イレブン・ジャパンのシステムは、従来からNEC野村総研が構築・運用をしている経緯があり『セブンの現場がNECのシステム運用の実績などを評価したのではないか』(別の業界関係者)」
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2803L_Y4A220C1000000/
電通富士通とも組んで入札に参加していた。社内競合も恐れないという姿勢こそ、電通の強さなのではないのだろうか。

マドラス集英社女性誌BAILA」とのコラボモデルを発売した。
「人気女性雑誌、BAILAの読者モデルで構成される『バイラ-ズ』の意見を取り入れ、OLの為の靴を、半年かけて商品化した、マドラスレディースシューズの自信作です」
http://www.asahi.com/and_M/information/pressrelease/CPRT20145480.html

紀伊國屋書店新宿南店5階の「ソーシャルデザインの本棚」が新設1年を迎える。
「『ソーシャルデザインの本棚』は、同書店5階に新設された『参加型』の本棚。『みんなでつくる』がコンセプトで、社会や誰かをよくするために『こんな本棚があったらいいな』と思うおすすめの本をFacebook等で募集し、2013年3月に完成した」
http://shinjuku.keizai.biz/headline/1941/
「ソーシャル」ではなく私に本棚を任せてくれる書店はないものか。

堀江貴文の小説にゴーストライターがいたことをマンガ家の佐藤秀峰が暴露したが、徳間書店の見解が発表された。
「共同著作者はいるが、本人が表紙などに名前を入れることを望んでいない。堀江氏の作品であるとの見解に変わりはない」
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20140311-OHT1T00015.htm

◎こういう動きには期待したい。京都で生まれた学術専門書を中心に電子書籍を出版する特定非営利活動法人NPO)「ratik」。
「ratikの電子書籍は『DRMフリー』で、すなわち『厳格なコピー防止策を施さず』に『書籍データ(書籍ファイル)そのもの』を購入者のみなさまに提供しています」
よって、仮にratikが存在しなくなっても、購入した電子書籍は引きつづき、その電子書籍を読み続けることができるのである。
http://ratik.org/writer/what/

◎下北沢の本屋B&Bを教室とした「菅付雅信の編集スパルタ塾」は全24回で12万6000円なり。私など菅付は編集者としては二流だと思うけれど。「インビテーション」にしても長澤潔が断ったから、お鉢が回ってきた仕事なんだよね。
http://www.cinra.net/news/20140310-spartaseminar
わが神保町のラーメン屋「次郎」と同じビルの二階にある「ペンの森」は学生が対象だが無料。しかも酒とメシも用意している。講師は瀬下恵介。
http://www.penmori.net/

◎「ANAマイレージクラブ(AMC)」で不正アクセスが発覚した。全日空にも責任は大ありだ。最低限、アルファベットと数字を組み合わせるパスワードが今では普通だが、全日空のパスワードは数字4桁だという。これでは不正アクセスして下さいというものだろ。
http://www.aviationwire.jp/archives/33410

◎「日販オートマチックセール実用書ブックフェスタ2014」が神奈川県足柄下郡箱根町の湯本富士屋ホテルで開催され、書店、協賛出版社、日販関係者など、あわせて154名が参加した。そこで参加書店が投票で決める「日販実用書ブックフェスタ」が実施され、
「1日1回でお腹が凹む!完全腹筋メソッド」(池田書店
「インコ語レッスン帖」(大泉書店
「世界の絶景・秘境100」(成美堂出版)
の三冊が選ばれた。4月から拡販に取り組む。
http://www.nippan.co.jp/news/2014/0310.html
実用書は書店にとって文庫に次ぐシェアを占める。

◎宝島社は月間2000万人が利用するウエブサイト「クックパド」のレシピ本を発売した。「レタスクラブ」のKADOKAWAオレンジページではなく、宝島社なんだよなあ。@コスメにつづき宝島社は人気サイトの紙版で勝負する。
http://www.ala30.net/news_dDtq4I74BK.html?right123

トヨタの子会社の元社員が不正発注で逮捕された。
http://news24.jp/nnn/news86218220.html

日本共産党推薦青春ドラマ「若者たち」がフジテレビ開局55周年記念ドラマとしてリメークされることになった。
http://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2014/i/140310-i031.html

◎音楽ストリーミング配信サービスの「Spotify」の日本上陸が迫っている。
http://www.advertimes.com/adobata/article/21192/gaiax-socialmedialab.jp/spotify/306/

資生堂のLINEスタンプ「うさぎたん」が人気だが、資生堂は本物のスタンプも作ってしまった。
http://www.rbbtoday.com/article/2014/03/11/117735.html

◎株式市場は必ずしも「実情」を反映しない。私であれば投資判断を2段階も格上げしないことだろう。
http://news.mynavi.jp/news/2014/03/11/105/

北野武のこの言葉に震撼したものである。
「人の命は、2万分の1でも8万分の1でもない。そうじゃなくて、そこには『1人が死んだ事件が2万件あった』ってことなんだよ」
http://www.news-postseven.com/archives/20140311_245075.html

◎「女性自身」3月25日号は表紙を瀬戸内寂聴吉永小百合が飾り、二人の対談「原発と人は共存できません!」を掲載している。女性週刊誌に芸能スクープも必要だが、芸能スクープを前面に押し出すような「やり口」は通用しなくなったと私は考えている。この表紙なら買って恥ずかしいとは思うまい。いつの間にか女性週刊誌は買うのも恥ずかしい雑誌になっていたのではないだろうか。
http://www.kobunsha.com/shelf/magazine/current?seriesid=101001

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4)【深夜の誌人語録】

評判は気にするものではなく、評判は立てるものである。