【文徒】2014年(平成26)3月14日(第2巻48号・通巻250号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】資生堂が選んだインフォバーン
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

                                                                            • 2014.3.14 Shuppanjin

1)【記事】資生堂が選んだインフォバーン

インフォバーン資生堂が運営するウエブメディア「Beauty & Co. 」のリニューアルを担うことになり、広告販売をスタートさせた。自らをデジタルコミュニケーション・エージェンシーと位置づけるインフォバーンは、言ってみれば企業のオウンドメディアの運営を担う企業だ。
http://www.infobahn.co.jp/news/3401
インフォバーンの二人の代表取締役同朋舎出版の出身。今や京都に戻ってしまったが、その昔、「花時間」やマドンナの写真集が話題になった版元である。「ワイアード日本版」を同朋舎出版で創刊した小林弘人代表取締役CEOは、インフォバーンを立ち上げ、「サイゾー」を創刊する。もっとも2007年に「サイゾー」関連の出版ビジネスは事業譲渡している。
インフォバーンは2012年には電通とオープンイノベーションコミュニティサイト「cotas」を共同開発したことでも知られる。

                                                                                                                        • -

2)【本日の一行情報】

大西巨人が亡くなった。「神聖喜劇」は日本が生んだハードボイルド小説の金字塔だ。フィリップ・マーロウなど藤堂二等兵からすれば「甘ちゃん」にほかならない。ハメットでさえも、大西を前にして小さく見えたものである。
ことさら強調しておくまでもなく、「神聖喜劇」は編集を稼業とする者にとって必読書のひとつである。光文社は第一義的に「神聖喜劇」の版元として記憶されるべきだろう。光文社が歴史に残るとすれば、「神聖喜劇」の版元としてだ。当初、「神聖喜劇」はカッパ・ノベルスから刊行された。
http://www.asahi.com/articles/ASG3D53Y9G3DUCLV00J.html
私もまた「俗情」と結託することなく「文徒」を書き続けたい。

凸版印刷の位置連動型コンテンツ配信O2Oソリューション「Cylseeジオ」は、空間情報事業を展開するリベラの測位技術を活用して、店舗における消費者の購買前の動きを可視化する屋内測位技術を国内で初めて確立したという記事が自動車新聞のウエブサイトにアップされている。
http://www.j-np.com/news/contents_00037831.shtml
リベラは「BUAISO」なるフリーマガジンを紙で刊行していると同時にネットでも展開している。
https://www.buaiso.net/

◎「角川Twitter小説コンテスト」で最優秀賞に輝いた「芥虫」(桔梗素子)が刊行される。桔梗は太宰治賞で第一次選考に残っていたことからして「純文学」系である。
http://news.livedoor.com/article/detail/8622461/

紀伊國屋書店札幌本店2階にスターバックスがオープン。グランドフロント大阪店に次いで2店舗目となる。広すぎる書店は続々とカフェをオープンすることになるのだろう。本が売れていればカフェにする必要はないもの。
http://www.asahi.com/and_M/information/pressrelease/Ckprw201403128954.html

梨花が「sweet」を卒業し、「オトナミューズ」のメインモデルとなる。宝島社の「社内異動」。「BAILA」(集英社)はどうするのだろう?梨花は1973年生まれだから、40代をターゲットとする「オトナミューズ」にはぴったりではある。
http://mdpr.jp/news/detail/1337743

◎「週刊少年マガジン」(講談社)で連載中の「ベイビーステップ」がアニメ化され、NHKで4月6日から放映される。
http://dogatch.jp/news/nhk/23515

◎「週刊少年サンデー」の「名探偵コナン」が連載20周年のを迎え、舞台化も決定。劇場で事件が起こり、その謎を観客も一緒に解いていく観客参加型の舞台だそうだ。
http://www.47news.jp/topics/entertainment/oricon/culture/143284.html

◎「オンライン書店boox @Yahoo!店」が「Yahoo!ショッピング2013年年間ベストストア」本、雑誌、コミック部門の第1位を獲得した。
http://www.yomiuri.co.jp/adv/net/release/detail/00011963.html
こんなネット書店である。
http://store.shopping.yahoo.co.jp/boox/

◎日本広告業協会が主催する2013年「クリエイター・オブ・ザ・イヤー」を、電通のエグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター(ECD)である高崎卓馬が受賞。
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2014/pdf/2014023-0312.pdf
高崎は小学館の「テレパル」や集英社の「ナツイチ」のコマーシャルを手がけたことがある。私にとってはエイベックスの「映画は、本当のことを言う嘘だ。」が印象に残っている。脚本を担当した「ホノカアボーイ」?あれは面白くなかった。

◎「乙女の読書道」(本の雑誌社)が凄すぎる。著者の池澤春菜は声優。…というだけではない。オヤジは池澤夏樹、祖父は福永武彦なんだって!
http://www.webdoku.jp/kanko/page/9784860112523.html

白泉社から刊行された魔夜峰央の「パタリロ」文庫版50巻に30年振りに「マリネラの吸血鬼」なるエピソードが復活したそうだ。アガサ・クリスティの短編を踏襲した作品であったため、幻の作品となってしまったが、文庫が50巻を迎える節目にあたることから、イギリスの版元に確認をとって収録されることになったそうだ。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1403/11/news131.html

小学館の女性ファッション誌「Oggi」は丸の内商店会と共同でファッションキャンペーン「2014 Spring Oggi meets Marunouchi」を展開しているが、その一環として、春のファッションイベント「Oggi Fashion College(オッジ ファッション カレッジ)」を丸ビルで28、29日に開催する。佐々木希松島花、LIZAといった専属モデルが登場し、ファッションショーやスタイリング講座などが実施される。
http://kirei.mainichi.jp/kireinews/news/20140311dog00m100044000c.html
こういうイベントには新聞社も巻き込みたいところだ。

デジタルハリウッド徳間書店の「アニメージュ」松下俊也編集長が組む。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000742.000000496.html

有川浩の「旅猫リポート」(文藝春秋)はNHK―FMの連続ドラマ枠「青春アドベンチャー」(月〜金曜、夜10時45分)で3月31日より放送される。
http://www.asahi.com/articles/DA3S11024409.html

◎海外ドラマ「キリング/26日間」のDVDが4月2日より発売されるが、「ゴルゴ13」とコラボしたキャンペーンが展開されている。これがそうだ。
http://www.fox-cp.com/killing/

◎「米国の動画広告DSP提供会社TubeMogulの最新データによると、再生回数100万回以上のYouTube動画は全体のたった1%未満」でしかない。
http://www.advertimes.com/adobata/article/21207/www.movie-times.tv/study/how-to/4437/

◎All Aboutはサイトの記事内に広告主の_動画コンテンツを掲載する広告商品「In-Read Video」の販売を開始した。
http://japan.cnet.com/release/30066061/

フォレスト出版は月額1480円で同社刊行電子書籍の定額読み放題サービス「YOMiPO」を発表した。
http://yomipo.jp/
「フォレスト・ライターズ・アカデミー」なんていう商売もしているが、う〜ん…私はこういう会社を全面的に信用できない。http://www.forestpub.co.jp/fwa/

日本維新の会橋下徹共同代表が、自身の出自を題材にした記事で名誉を傷つけられたとして、朝日新聞出版、新潮社、文芸春秋の3社に損害賠償を求め、大阪地裁に提訴していた。
http://www.47news.jp/CN/201403/CN2014031201002276.html

学研教育出版は「うごく絵本」に特化したiPadiPhone用のストア型アプリ「がっけんのえほんやさん」をリリース。フランスの大手児童書出版社バイヤール社と業務提携し、同社が運営する、デジタル絵本・読み物のストアアプリ「J' aime lire Store」と共通のプラットフォームを利用している。
http://japan.cnet.com/release/30066050/

◎米アマゾンは音楽ストリーミングサービスをプライム会員向けに提供するサービスを開始するようだ。Appleの「iTunes Radio」に対抗するということか。
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702303565804579434133565924424.html

◎アマゾンが出版社と直取引するe託販売が増えていることは知っていた。
「アマゾンは1月下旬に開かれた方針説明会で、【1】全商品をe託販売にして、第1引当てにしてほしい、【2】取次との関係が気になる出版社は取次を第1引当にする代わりに、e託を第2引当にしてほしい――と出版社に要望した。さらに、市川・堺・小田原など全国5カ所にあるアマゾンの出版関係の倉庫に出版物を送品する際に、出版社の手間を省くために専用倉庫を設けると説明した」
アマゾンの取次化が加速しようとしている。
http://www.premiumcyzo.com/modules/member/2014/03/post_4954/

幻冬舎ルネッサンス幻冬舎の子会社で自費出版を専門に扱っている。その求人広告だ。
http://next.rikunabi.com/company/cmi2788284001/nx1_rq0010641748/?bh=shincyaku_nall

◎「別冊マーガレット」4月号(集英社)によれば咲坂伊緒の「アオハライド」はテレビアニメ化につづき、実写映画化されることになった。
http://natalie.mu/comic/news/111860
稚野烏子「クローバー」も実写映画化される。武井咲が主演。
http://www.cinra.net/news/20140313-clover

◎天狼院書店は「READING LIFE」なる雑誌を創刊しようとしている。「営業ゼロ 広告ゼロ 面白さ無限大」が指針となるようだ。
http://tenro-in.com/readinglife/4393?utm_source=rss&utm_medium=rss&utm_campaign=%25e3%2580%2590312wed-1930%25e3%2580%259c%25e3%2580%2591%25e6%259c%25ac%25e6%25b0%2597%25e3%2581%25a7%25e9%259b%2591%25e8%25aa%258c%25e3%2582%2592%25e3%2581%25a4%25e3%2581%258f%25e3%2582%258b%25e3%2580%258c%25e5%25a4%25a9%25e7%258b%25bc%25e9%2599%25a2%25e9%259b%2591%25e8%25aa%258c%25e7%25b7%25a8%25e9%259b%2586
時代の気分は「読みたい」というよりも「作りたい」なのかもしれない。

◎「自動車絶望工場」ならぬ「出版絶望取次」の実態。「加藤さん」は北区に住む37歳だ。
「加藤さんは2009年3月から書籍取り次ぎ大手の物流センターで契約労働者として働いている。仕事は注文のあった本のピックアップや入庫作業。午前8時から午後4時まで働き、休みは週1日しかない。それでも月収は約16万円。家賃や社会保険などを払うと、生活に使えるお金は5万円程度しか残らない。食事を含め1日に使えるお金は1683円にしかならない計算だ」
http://mainichi.jp/select/news/20140312k0000e020251000c.html

◎差別的横断幕で浦和レッズ無観客試合の処分が下った。
http://www.j-league.or.jp/release/000/00005691.html

◎週刊マンガアプリ「Dモーニング」(講談社)は無料ユーザーでも最新号のなかから数作品を閲読できる新機能を搭載した。
http://natalie.mu/comic/news/111876

                                                                                                                        • -

3)【深夜の誌人語録】

理解することと解決することは全く別の話である。