【文徒】2014年(平成26)4月9日(第2巻65号・通巻267号)

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1)【記事】編集者の条件について考える
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】編集者の条件について考える

ハングリーでなければ編集者はつとまらないと思っている。確かに大手出版社の編集者の場合、日本のサラリーマンの平均年収を遙かに凌駕しているケースもあり、物質的生活においてハングリーであることは難しいのかもしれない。しかし、精神的にハングリーに自らを絶えず追い込むことはできるはずだ。精神的にハングリーであれば安易な妥協は絶対にしないはずである。
アングリーでなければ編集者はつとまらないと思っている。怒りは創造力の源泉の一つに他ならないのだから。ある意味、編集は怒りを解消する作業なのである。
バカでなければ編集者はつとまらないと思っている。そうしなければ読者に対して偉そうな本しかつくれないだろう。そのことをもっと読者からバカにされるだけである。編集者はバカであることによって読者と連帯できるのである。
流れ者でなければ編集者はつとまらないと思っている。同じ風景にとどまっていては、切り口がいつも同じになってしまうことだろう。視点を変えるためには、流れ者の精神が必要なのである。
このように考えている私からすれば「小悪魔ageha」元編集長の中條寿子の「語録」に思わず「同志」と呼びかけたくなるくらい共感してしまうのである。
「大学生のときに夜の仕事をしていたんですけど、何でキャバクラ用の雑誌が無いんだろうってずっと思っていたんですよ」
「しかし、創刊当初は人もお金もかけられない状態で、バイトの子と2人で立ち上げた。バイト代も大して払えないのでバイトの子はキャバ嬢やって生活費を稼いでたほど」
「中條元編集長は、小悪魔agehaの部数をやみくもに伸ばすことは望んでおらず『本当に必要としている女の子だけが読んでくれる深夜放送的な雑誌』にしたかった」
「最近は、雑誌はおまけで、”おまけ”が本命。私たち編集者という小作人は『いいページを作りたい』という編集のアイデンティティさえ奪われた」
http://matome.naver.jp/odai/2139642424670587801?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter

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2)【本日の一行情報】

◎ウエブサイト「Traicy(とらいしー)」はトラベルメディア。旅行が楽しく、得になる情報を発信しているが、日刊の「Traicyメールマガジン」を7月1日に創刊することになった。平日午前8時にTraicyとグループメディアの最新記事を配信するという。
http://www.traicy.com/archives/8319826.html

佐田真由美、ブレンダ、SHIHO、清原亜希が出演する集英社女性誌Marisol」のCM。
http://blog.livedoor.jp/douganow/tag/Marisol

◎「進撃の巨人」13巻の発行部数は275万部!この初版部数は版元の講談社にとって史上最高記録となる。最高初版部数が更新されるのは、1987年に発売された、「ビー・バップ・ハイスクール」8巻の227万部以来、約26年ぶりとなるそうだ。これにより累計発行部数が3600万部を突破したことになる。この話題あっちこっちで盛り上がっている。
http://natalie.mu/comic/news/113853

◎「講談社×アニメイトpresents 『ARIA 春のコミックフェア』&あにらじキャンペーン」が実施されている。
http://www.animate.co.jp/fair/fair_20140606aria/
「ARIA」だからアニメイトという選択は正しい。講談社のコミック事業は歯車が噛みだしてきた。このノリで女性誌を何とかしなければならないだろう。

◎小笠原美香岡山県玉野市田井に暮らすパート主婦で40歳。彼女が携帯電話向け小説投稿サイトで発表した「蒼い瞬間」がタイトルを「八月のプレイボール」に変え、小学館クリエイティブによって書籍化された。山陽新聞が小笠原を紹介している。
「小笠原さんが執筆を始めたのは15年ほど前。最初は家事や子育ての息抜きにノートに書き留めるだけだったが、07年からサイトへの投稿を始め、これまでに計5作を書き上げた」
http://www.sanyo.oni.co.jp/news_s/news/d/2014040609543244
投稿サイトによって作家のインフレが起きることは間違いあるまい。

電通広報一部によれば電通のクライアント数が約6000社、イージスのクライアント数が約5000社であり、グローバルで重なる部分が少ないのだそうだ。

http://news.finance.yahoo.co.jp/detail/20140407-00101804-mosf-stocks
◎「セガ ラッキーくじ」から「名探偵コナン-連載20周年記念Ver.-」が発売される。コナン君は、このところ八面六臂の大活躍である。
http://news.mynavi.jp/news/2014/04/07/187/

◎無料マンガ読み放題サービス一覧。
http://matome.naver.jp/odai/2139670016944189701

◎「日経ウーマン」の調査による「女性が活躍する会社」総合ランキング。1位「資生堂」、2位「住友生命保険」、3位「日本IBM」、4位「パソナグループ」、5位「第一生命保険」、6位「ANA」、7位「セブン&アイ・ホールディングス」、8位「明治安田生命保険」、9位「イオン」、10位「高島屋」。
保険が3社も入っている。
http://wol.nikkeibp.co.jp/article/special/20140403/177282/

◎しずるの村上純は「短編集 青春箱」を双葉社から刊行し、小説家デビューを果たした。
http://www.sanspo.com/geino/news/20140406/owa14040613470002-n1.html
お笑い系の小説進出はブームになるかもしれない。

◎pixivに投稿された「某ファッション誌のお姉さん」。誰かモデルはいるのだろうか。
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=42749869
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=42750155

くりぃむしちゅー有田哲平が絶賛したことで2007年に文春文庫として刊行された乾くるみの「イニシエーション・ラブ」が再び売れ始めたことは前にも紹介したが、何と累積100万部に到達してしまった。文藝春秋によれば有田がテレビで絶賛して以降、書店での売れ行きが爆発的に伸び、放送後1カ月で5度の重版、計21.3万部の増刷をし、遂に100万部に到達したということだ。
http://www.rbbtoday.com/article/2014/04/08/118633.html

◎「なっちゃん!フルコレ」シリーズのマンゴー味でサントリー雪印メグがコラボした。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFL040JV_X00C14A4000000/?n_cid=TPRN0004

3)【深夜の誌人語録】

得てして人は謝る勇気を忘れがちである。