【文徒】2014年(平成26)5月1日(第2巻80号・通巻282号)

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1)【記事】こんな書店があるんだよね!
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】こんな書店があるんだよね!

ポルトガルの移動書店「Tell A Story」。格好良いじゃん。街の書店が消えてゆくなか日本にも移動書店が誕生するかもしれない。新刊でできないのであれば、古本ならできるかもしれない。
http://punta.jp/archives/25004
もちろん、日本にも移動書店がないわけではない。その名も「放浪書房」が存在する。ただし、扱っているのは古書だけのようである。
http://horoshobo.com/?page_id=96
放浪書房の出店状況はツイッターでチェックできる。
「【放浪書房 呉 昴珈琲前店オープンしました!】 広島県呉市の「昴珈琲」さん前。3年前にもお邪魔した思い出の地。放浪書房の旅する本屋台は美味しい珈琲の屋台の向かいに出てまーす☆」
https://twitter.com/horoshobo
こちらの移動書店はクルマではなく、大型船舶だ。「海の上の巨大書店」が長崎に寄港し、3日から12日まで一般公開するという。50万冊を積んでいるというから凄い。
「船はドイツの非営利団体が、世界に知識と援助、希望を届けることを目的に運航。船名の『ロゴス』はギリシャ語で言葉、思想などを意味する。日本を含む約50カ国の約400人のボランティアが乗り組み、寄港先で奉仕活動をしている。発展途上国では本の寄贈や医療支援にも当たる」
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/nagasaki/article/85310
前にも紹介したけれど駒沢公園の「SNOW SHOVELING 」は新刊も古本も洋書も扱う書店だ。
「本屋なのに? コーヒーを飲んだり、ソファでくつろいだり、おしゃべりしたり。はたまた、界隈に有名なスイーツ店が点在するこちら、ケーキの持ち込みだってOKなんです」
「個性的でおしゃれなディスプレイにも興味津々!つい目が追ってしまうから、気づけば、普段だと選ばないようなジャンルを手にしてふむふむ。本好きの私、宝探しの感覚で本に出会える楽しさにはまってしまったかな」
http://komazawa-club.net/spot/shop/s_026.html
http://snow-shoveling.jp/index.html

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2)【本日の一行情報】

◎オレは「深夜の誌人語録」だが、「クレヨンしんちゃん」も双葉社から「野原ひろしの名言 『クレヨンしんちゃん』に学ぶ幸せの作り方」を刊行。著者は「名言力」の大山くまお。
http://natalie.mu/comic/news/115344
大山はツイッターで次のようにつぶやいている。
「拙著『野原ひろしの名言』想像以上の反響をいただいております。一部店頭では品薄状態が続いているようですが、控えめなひろしはお店の片隅に1冊だけただずんでいる可能性がありますので、ぜひとも書店員さんに『野原ひろしの名言ありますか?』と恥ずかしがらずに聞いてみてください」
https://twitter.com/oyamakumao

学研教育出版は、iPadiPhone専用のストア型アプリ「がっけんのえほんやさん」の一部コンテンツでGWから母の日までの「半額以下セール」を開催している。
http://kids.gakken.co.jp/ehon/news/index.html#no2014_04_25

◎「PFF ぴあフィルムフェスティバル」の開催が9月13日に決定。プレイベントとして、閉館が決まった吉祥寺バウスシアターでの特集上映、新宿テアトルでのレイト&オールナイト上映が5月17日から行われる。
http://news.ameba.jp/20140428-76/

◎撮影スタジオやショップを備えた東京・原宿の「ニコニコ本社」が池袋のパルコ別館「P'パルコ」に10月から移転する。
http://www.j-cast.com/2014/04/28203412.html

◎物凄い数字だ。4月26日(土)、27日(日)に幕張メッセで開催された「ニコニコ超会議3」の「会場総来場者数」は12万4966人、会場からの公式生放送「ネット総来場者数」は759万5978人。このイベントは立派なマスメディアである。自衛隊在日米軍のブースがあるイベントって、そうザラにあるものではない。
http://news.mynavi.jp/news/2014/04/28/102/

◎「ビッグコミックスピリッツ」編集部の対応は正しい。「美味しんぼ」で、福島第1原発の見学から帰ってきた主人公らが原因不明の鼻血を出す描写にネットで批判が高まっているが、作品のなかで医師に「放射線と鼻血を関連づける医学的知見はありません」と語らせていることを見落としてはなるまい。
「同誌の編集部は『鼻血や疲労感の表現は、綿密な取材に基づき、作者の表現を尊重して掲載させていただきました』とコメントし、鼻血や疲労感が放射能の影響によるものと断定する意図はないと説明している」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140428-00000092-it_nlab-sci
これが全文。
http://spi-net.jp/spi20140428.html

KADOKAWAは、フロム・ソフトウェアの株式を取得し、子会社化する。フロム・ソフトウェアは「DARK SOULS」、「アーマード・コア」、「天誅」等の人気シリーズを有し、2013年には海外のゲーム情報誌 EDGE が選ぶ「世界のゲーム開発スタジオランキング」において、第 8 位に選出されました実績を持つ。KADOKAWAフロム・ソフトウェアKADOKAWAの100%子会社である角川ゲームスとともに、グループのゲーム事業の中核と位置付け、事業を展開する予定だという。
http://ir.kadokawa.co.jp/topics/20140428fms_fi.pdf
フロム・ソフトウェアって、もともとは会計システムをつくっていた会社だったよね。

◎「小悪魔ageha」はインフォレスト倒産とともに歴史の表舞台から消えていくのかもしれない。こういう記事を読むとフツーの出版社なら手を出さないことだろう。
http://www.tokyo-sports.co.jp/entame/entertainment/260108/

◎「お客様は神様です」と言い切ったのはシベリア抑留時代には社会主義浪曲を歌っていたという三波春夫だが、アマゾンのジェフ・ベゾズは「読者に代わって多額の投資を行っている」と語っている。こう言い切れちゃうところが、ベゾズの凄みだ。言うまでもなく編集者も「読者に代わって〜を行っている」稼業(シノギ)である。編集者は決して「偉い人」ではない。
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1404/28/news049.html

トーハンは、フジテレビで放送されている「めざましテレビ」の人気コーナー「きょうのわんこ」とタイアップして犬の運動量を計測する「きょうのわんぽ計」をMVPブランド商品(独占販売商品)として企画、発売した。希望小売価格は1,800円(税別)とのことだから、これは非再販商品である。
http://www.tohan.jp/whatsnew/news/post_335/
これもMVPブランド。大日本絵画との共同企画で「しかけ絵本アウトレットセール2014」を4月 下旬より全国の書店でフェア展開。50%オフがセールスポイントだ。
http://www.tohan.jp/whatsnew/news/2014_9/

◎ここはOB編集長でもある元木昌彦が指摘する通りだ。
「何度も言うようだが、驚きのある写真がほとんどないし、フライデーで小難しい政治や外交の話を読みたいとは、読者の多くが思わないのではないか」
http://www.cyzo.com/2014/04/post_16989.html
「フライデー」は写真週刊誌なのだから、原点に戻って写真で勝負するしか活路はあるまい。「見ちゃった!」が写真週刊誌の原点である。その感嘆符に読者が共感する。
そうであれば「フライデー」は「ひねり」よりも、まずは直球勝負だ。「フライデー」は私の好きな雑誌の一つであっただけにもう一花咲かせて欲しいんだよね。

◎小山健のブログで発表していたマンガが書籍としてKADOKAWAから刊行された。タイトルはブログと同じく「手足をのばしてバタバタする」。ほのぼの系なのだが、毒も隠されていて良いよ。小山は「大物」になる予感がする。
http://mimachigai.exblog.jp/21894679/
KADOKAWAはお寿司をキャラクター化した「おしゅしだよ」も刊行している。こちらはツイッターで人気となったマンガの単行本化だ。作者は「やばいちゃん」。主婦だそうだ。
http://okmusic.jp/#!/news/38413

◎ジョンソン&ジョンソンの歯ブラシブランド「リーチ(R)」は新キャンペーンとして、“女性の自信”をテーマにしたデジタルアニメーション「大人女子のためのアニメ新書」シリーズを展開しているが、その特別篇として、大人気漫画「テルマエ・ロマエ」とのコラボにより実現した特別篇「ピエトラーダの結婚」をキャンペーンサイトにて公開中。
https://www.jnj.co.jp/group/press/2014/0414/index.html
http://reach.jp/anime-shinsho/

◎「オウンドメディアについて私が知っている二、三の事柄」というタイトルをつけるくらいだから、電通の福山一樹はゴダールのファンなのかな。
http://dentsu-ho.com/articles/1075

京都国際マンガミュージアム講談社と協力し,来年創刊60周年を迎える少女マンガ雑誌「なかよし」に関する展示やイベントなどを行う共同企画「なかよしフェスタ〜魔法少女は永遠に〜」を5月24日(土曜日)〜9月28日(日曜日)まで開催する。
http://www.city.kyoto.lg.jp/sankan/page/0000165458.html

◎ネイルサロンクチュリエールに、「『Precious』副編集長 下河辺様に ご来店頂きました」だって。雑誌のブランド力を少しでも利用したいのだろうな。
http://ameblo.jp/nailist-mikiyamamoto/entry-11834990429.html
名刺は安易に利用されないようにしましょう。安易に利用されることなく、積極的に利用するのだ。

◎化粧品サンプリングサービス「グロッシーボックス(GROSSYBOX)」を展開するビューティー・トレンド・ジャパンは、メンズファッション誌「MEN'S EX」(世界文化社)と藤村岳・男性美容研究家とコラボを実施。男性用ビューティボックス「メンズ ボックス コラボレーション ウィズ MEN'S EX アンド フジムラ ガク」を5月7日に個数を1500個に限定して発売する。
http://www.wwdjapan.com/beauty/2014/04/29/00011623.html
世界文化社はビューティー・トレンド・ジャパンの評判を知っているのだろうか。
http://aube-enterprise.com/black77.html
資本金は2180万円と自社サイトに記してあるけれど。
http://www.glossybox.jp/?route=cms/page/company

スタイリングライフ・ホールディングス BCLカンパニーはAHAクレンジングリサーチから集英社のファッション誌「MORE」とのコラボデザイン商品3種類を発売した。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000059.000004775.html
雑誌とクライアントのコラボはすっかり定着してきたように見えるが、コラボの「過程」を可視化(コンテンツ化)することも課題として見えてきているはずだ。この「過程」を可視化することがソーシャル化なのである。

◎昨日の文徒の訂正も兼ねて。坂井宏先の訃報を最も早く伝えたのは読売新聞であった。28日付夕刊で報じた。奥村社長がサンケイ出版の出身であることは事実だが、産経が第一報を流したわけではなかった。死因に関しては相変わらず様々な憶測が流れている。自殺説もあれば、もっと悪い事態を推測する出版関係者も少なくない。
坂井のポプラ社における最後の仕事といえば「ポプラ新書」の創刊だが、坂井が三顧以上の礼を尽くして幻冬舎からスカウトしてきた女性編集者は、いつの間にかポプラ社を離れて、現在では河出書房新社にいるらしい。

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3)【深夜の誌人語録】

一日を25時間にする工夫が必要だ。