【文徒】2014年(平成26)6月4日(第2巻102号・通巻304号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】パワハラ、セクハラ対策は万全か?
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

                                                                            • 2014.6.4 Shuppanjin

1)【記事】パワハラ、セクハラ対策は万全か?

客 パワハラとかセクハラといった類の話を出版社から、よく聞くようになったね。
主 昔もあったんだろうけれど、ソーシャル・メディアが発達したことで事件として表に出るようになったのではないだろうか。大手出版社の関連会社の元社長が、女性社員から昨年の9月に東京地裁に提訴されたという事件が明るみになったのは、今年の二月だったよね。女性社員は、親会社、元社長などを相手取り、慰謝料300万円を求めているらしい。
客 一時代を画した名編集長だった人物だよね。雑誌広告業界とも関わりの深い編集長だったよね。
主 路上で「服を脱げ!裸になれ!」と命じたと原告は主張しているらしいけれど、この元社長、親会社ともにセクハラに関しては全面否定している。ただ、二ヶ月10%の減給処分にしたり、反省文を4回書かせたり、三ヶ月間にわたり、編集作業を停止させたりしたことはあったらしい。これがパワハラに当たるのかどうかが、裁判の争点なんじゃないのかな。
客 それこそ一昔前だとフリーの女性を膝の上に乗せていた女性誌の編集長がいたけれど裁判にはならなかったよね。
主 出版社って女性の進出が遅れた職場の一つなんじゃないかな。女性社員に酌をさせるのが当然だみたいな風習が残っている編集部は未だにあるんじゃないのかな。
客 編集の仕事って公私混同になりがちなんだよなあ。
主 確かに、そういう側面はあるだろうよ。でも、出版社は普通の大企業に比べてセクハラやバワハラ対策が遅れているのも事実なのではないだろうか。これは、ある意味で人権問題だからね。
客 そうなんだろうね。
主 それから、名編集長だったからといってマネジメント能力が必ずしも備わっているわけじゃないということもあるのではないだろうか。それなりの研修が必要だということさ。

                                                                                                                        • -

2)【本日の一行情報】

◎「『ナイルレストラン』ナイル善己の やさしいインド料理」(世界文化社)。私は、この店には17歳の頃から通っている。早や40年!ムルギランチの大盛が私の定番。1600円也。ナイル善己は三代目である。
http://naircurry.exblog.jp/
「ナイルレストラン」の初代は革命家である。インドの武力解放を目指した。
http://www.futohsha.co.jp/books/nonfiction/india.html
東京裁判でパール判事の通訳をつとめたことでも知られている。レジの前にデンと座って会計を担当していた初代が懐かしい。

◎「CHANTO」(主婦と生活社)は「ちゃんと」売れるのかしらん。
http://www.amazon.co.jp/dp/B00KG3MI7Y/?tag=a8-affi-188818-22

◎「Ranzuki」や「EDGESTYLE」でモデルをつとめていた鎌田安里紗は慶應義塾大学生。フェアトレードや貧困問題に関心を持っているんだねえ。
http://mdpr.jp/gal/detail/1368962
自身のブログでこんなことを書いている。
「…お金のある国や企業がどんどんお金をもうけて、お金のない国や人がどんどん苦しい生活に追いやられて、ってゆうおかしな状況をどうしたら直せるか、考える必要があると思うんだよね」
http://ameblo.jp/aritann-blog/entry-11382697934.html
これなんか17歳の時の文章だ。
http://blog.crooz.jp/aritann/ShowArticle/?no=1299
ギャルだからといって舐めたらアカンぜよ。

河出書房新社の若手社員4人が決起し、書店の嫌韓嫌中ブームを見かねてカウンターのフェアを仕掛けることになった。<「今、この国を考える−−『嫌』でもなく『呆』でもなく」と題した選書フェアを企画したところ、19人の作家や評論家らが協力し、全国100店以上の書店が本を置くことになった>
河出書房新社が発行する6冊に加えて、他社発行の12冊が選ばれた。
http://mainichi.jp/journalism/listening/news/20140602org00m040004000c.html
この企画に協力したのは、小熊英二、野間易通、北原みのり、朴順梨、小林美希斎藤貴男雨宮処凛いとうせいこう内田樹岡田利規斎藤美奈子白井聡想田和弘中島京子平野啓一郎星野智幸宮沢章夫森達也安田浩一という面々。

電子書籍書店のBookLiveが新規会員を対象に先着500名、3冊まで9割引クーポンをプレゼントするキャンペーンを展開中。
http://booklive.jp/feature/index/id/9waribiki1406?rt=03007pr&utm_campaign=campaign-007&utm_source=pr&utm_content=&utm_medium=pr

小学館の「月刊IKKI江上英樹編集長によるトークイベント「今会えるIKKI編集長全国ツアー」第2弾が名古屋で開催される。
http://comic-soon.shogakukan.co.jp/blog/news/ikki-tour-2014-levius/

◎「SmartNews」は同アプリ内の「チャンネルプラス」で、読売新聞東京本社よりニュース提供を得て「読売新聞」チャンネルを追加した。
http://japan.cnet.com/release/30072307/

ドワンゴ川上量生会長は冷静だ。「日経ビジネス」の取材に次のように語っている。
「世間的に一般的に思われているような大きな絵はあんまりないんですけれど(笑)。僕ってやっぱりサラリーマン気質なんですよね。何かグーグルを超える企業を作ろうとか、そういう気にはなれない。そういうのを自分に問い掛けてみても、まったくやる気が出ない」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20140530/265881/?n_cid=nbpnbo_top_updt&rt=nocnt
この人、ジジ殺しなんだろうな。

博報堂グループの生活者共創型マーケティング支援事業会社、VoiceVisionは、アライドアーキテクツと共同で、Facebookを活用した生活者共創型のコミュニティプラットフォーム「ボイプラ」を立ち上げた。
http://www.hakuhodo.co.jp/archives/newsrelease/17534

◎カカクコムが運営する購買支援サイト「価格.com」は、トーハンが運営するオンライン書店e-hon」とのサービス連携により、ネットで注文した本・雑誌の店頭受取サービスを開始。これまで「価格.com」は「本・雑誌カテゴリ」において、注文〜配送・配信までインターネット上で完結する通販と電子書籍について、購買支援サービスを展開していたが、今回の「e-hon」との取り組みによって、「ネットで注文、店頭決済・受取」という新たな購買スタイルを提供することになった。
http://corporate.kakaku.com/press/release/20140602

KADOKAWAがサイト「BAR嫌われ野菜」をオープン。KADOKAWAのオリジナルキャラクターだそうだ。
http://www.kadokawa.co.jp/company/release/detail.html?id=2014200711

サントリーはコラボ商品の開発が上手だ。今度は雪印メグミルクとコラボしている。
http://news.mynavi.jp/news/2014/06/02/343/
こういう大胆さは雑誌も見習う必要がある。

◎今年の1月に創業されたMediBang(メディバン)は、電子書籍の作成・投稿・公開・販売が総て無料でできるサービス「メディバン」の提供を開始した。KindleストアやiBooks Store、Google Playブックス、koboイーブックストアにおける販売サポートも行う予定だそうだ。
https://medibang.com/howto

◎「週刊少年ジャンプ」連載の「ONE PIECE」が大阪のUSJと強力タッグを組む。「ワンピース・プレミアショー 2014」に加えて、ゲスト参加型のストリートショー「ワンピース・ウォーターバトル」も開催するし、レストランも2店オープン。
http://news.mynavi.jp/news/2014/06/02/479/

インプレスR&Dは、次世代型出版メソッド「NextPublishing」による電子書籍のプリント・オンデマンド版を大日本印刷DNP)が運営する「ウェブの書斎オンデマンド本 楽天市場店」で、販売を開始した。
http://www.impressrd.jp/news/140602/NP

                                                                                                                        • -

3)【深夜の誌人語録】

思っていることをその通り伝えられることは稀である。誤解は相手の責任ではなく、自分の責任と考えたほうが良いだろう。