【文徒】2014年(平成26)6月12日(第2巻108号・通巻310号)

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1)【記事】LINEは怪物化を止めないメディアだ
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】LINEは怪物化を止めないメディアだ

LINEは米salesforce.comとモバイルマーケティングソリューション分野で提携することになった。
http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/20140610_652536.html
6月10日付日本経済新聞によれば「公式アカウントを持つ企業が性別や年齢といった属性で登録者を絞り込んで広告を送れる仕組みを築く」ことになる。
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO72500530Q4A610C1TJ1000/
広告メディアとしてLINEの評価はますます高まりそうだ。LINEの「AKB48公式アカウント」登録者数が100万人目前だそうだが、要するにLINEはマスメディアにして同時にターゲッティングメディアでもあるということだ。しかも、LINEは膨張をやめない。どんどん怪物化しているとさえ言って良いのかもしれない。
http://ameblo.jp/akihabara48/entry-11874602463.html
ジャストシステムの15歳から69歳までの5歳ごとに男女それぞれ50人ずつ、合計1100人を対象とした月次定点調査でもLINEの強さが際立っている。すなわちニュース系アプリで最も認知率が高かったのは「LINE NEWS」の40.4%であるし、スマホ向け無料漫画アプリの認知率でも「LINEマンガ」の30.9%が最も高いという結果になっている。ちなみにニュースアプリで「LINE NEWS」に続くのは「Gunosy」22.1%、「SmartNews」20.1%、無料漫画アプリで「LINEマンガ」に続くのは「マンガボックス」17.7%、「マンガ全巻無料!」17.6%となっている。ちなみに、この調査によると10代のメディア閲覧時間で「スマホからのインターネット接続」がテレビを上回ったそうだ。
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/20140610_652606.html
LINEのユーザーは日本国内だけで5100万人。デイリーアクティブユーザーも3000万人を超えているという。「LINEフリーコインVideo」なんていう広告ツールもあるそうだ。
「『LINEフリーコインVideo』は、動画全てを観ることで、ユーザーは無料でコインをもらえるという仕組みであることから、動画を全て観るユーザーが、全体の7割を超えている。さらには動画終了後、広告動画の出稿主である企業側が指定したページ(アプリダウンロードサイトなど)へのアクセスする率(遷移率)は2割を越えるとのことで、一般的なWebサイトにおける広告枠のクリック率を遙かに上回る」
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20140609_652483.html

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2)【本日の一行情報】

◎第15回読売・吉野作造賞は、遠藤乾の「統合の終焉 EUの実像と論理」(岩波書店)に決定。これ読んでいないや。
http://mainichi.jp/select/news/20140610k0000m040128000c.html
遠藤はブログで次のように書いている。
「私自身は、どんなに飽き飽きしていても、9条=安保体制を基盤とする戦後日本の安全保障レジームを大事にすべきだという立場です」
http://endoken.blog.fc2.com/blog-entry-75.html

紀伊國屋書店玉川高島屋店の児童書売り場隣りの旧DVDコーナーに学研の書籍・雑貨・教室を展開する「CURIO FACTORY」がオープンした。_
http://www.kinokuniya.co.jp/c/store/Tamagawa-Takashimaya-Store/20140609160730.html

和歌山県新宮市熊野川町に廃校を利用した「bookcafe kuju」の書店部門が遂にオープンした。京都のガケ書房が協力している。
http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=274863

◎CCCに図書館運営を任せた佐賀県武雄市の樋渡啓祐市長の「沸騰! 図書館 100万人が訪れた驚きのハコモノ」(KADOKAWA)はこう書いている。
「なぜ、図書館が年間95日も休み、なぜ、図書館が夕方5時には閉まるのか、また、なぜ、誰も来やしないレプリカだらけの歴史資料館を放置しておくのか、これって、全国3000以上ある図書館、そう皆さんのご自宅、ご勤務先近くの図書館は大なり小なり当てはまるはず」
http://news.livedoor.com/article/detail/8920332/

◎「別冊少年マガジン」(講談社)は読者イベント「別マガ感謝祭2014」を8月3日に講談社本社で開催する。
http://www.shonenmagazine.com/special/thanksgiving/

KADOKAWAは「電撃文庫 秋の祭典2014」を10月5日に秋葉原UDXベルサール秋葉原で開催する。
http://jin115.com/archives/52025212.html
出版社にとって「リアル」の提供は、とても大切なテーマである。

◎JTBパブリッシングは、旅行ガイドブック「るるぶ札幌 小樽 富良野 旭山動物園'15」の電子書籍版に、札幌商工会議所推奨店協会が発行する「札幌乙女ごはん。」の第1巻、第2巻の全編がまるごとセットになったオリジナルガイドブックを700円で発売した。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000254.000005912.html

◎定価はたった780円なのに、附録はSHIPS LINERのダイバーズ型ウォッチだって!宝島社の「MonoMax」。ここまでやらないとモノ雑誌(=情報誌)は売れないということである。
http://tkj.jp/max/

朝日新聞が「週刊ポスト」に怒った!<朝日新聞社は9日、週刊ポスト小学館)が6月20日号に掲載したノンフィクション作家門田隆将氏による記事「朝日新聞『吉田調書』スクープは従軍慰安婦虚報と同じだ」について、報道機関としての朝日新聞社の名誉と信用を著しく毀損するとして厳重に抗議し、訂正と謝罪の記事の掲載を求める文書を送った>
http://www.asahi.com/articles/ASG695J36G69UUPI00C.html

◎米のタイム・ワーナーがタイム社を分社化した。
「雑誌の種類も多く、社会的な影響力も大きいタイム社だが、インターネットに押されて紙媒体の斜陽化は否めない。独立企業にして経営の裁量を高めることが分社化の狙いと説明するが、前途は厳しい」
http://www.47news.jp/CN/201406/CN2014061001001842.html

◎「Fifty Shades of Grey」は、変態の大富豪が女子大生を弄ぶというSM官能小説(マミー・ポルノ=ママの好きなポルノ)で、電子書籍ブームの火付け役となったことでも知られ数千万部売れているベストセラーなのはご存じだろう。もともとはオーストラリアのインディーズ電子書籍出版社The Writer's Coffee Shopからリリースされたものなのだが、同社で内紛が勃発しているそうだ。
「…創業者が、他の創業パートナーに無断でRandom House社からのライセンス料受け取り先を自分名義に変更したとして米国で訴えられた…」
http://hon.jp/news/modules/rsnavi/showarticle.php?id=5569

書泉ブックタワーライトノベル売り上げランキング。5月のトップは田中芳樹の「天鳴地動 アルスラーン戦記」14巻だった。版元は光文社!
http://mantan-web.jp/2014/06/10/20140610dog00m200022000c.html
文庫版も売れているようだ。
http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2014/06/post-0403.html

◎「AneCan」(小学館)の人気スタイリストの入江未悠が、小学館から「スタイリスト入江未悠 TOKYO LADY STYLE “大人かわいい”おしゃれで幸せになる!」を上梓した。入江は「CanCam」の読モ出身のスタイリストである。「毎日キレイ」は、こう書いている。
「入江さんは青山学院大学在学中にファッション誌『CanCam』の読者モデルとして活躍。その後、CanCamのスタイリストを経て、AneCan創刊時から人気スタイリストとして読者の支持を集めている」
http://kirei.mainichi.jp/kireinews/news/20140610dog00m100054000c.html

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3)【深夜の誌人語録】

努力をしていると思っているのだとしたら、全力を出し切っていないということである。