【文徒】2014年(平成26)7月16日(第2巻132号・通巻334号)

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1)【記事】私がセブンネットショッピングで本を買わない理由
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】私がセブンネットショッピングで本を買わない理由

「セブン−イレブンは街の本屋」を掲げるセブン-イレブン・ジャパンは、セブンネットショッピングで雑誌・書籍を買って全国のセブン-イレブン1万6664店で受け取ると「SEVEN CAFE'(セブンカフェ)」レギュラーサイズ(アイス/ホット)の無料引換券をもれなくプレゼントする「本の受取りキャンペーン」を8月21日まで展開する。
http://www.sej.co.jp/cmp/book1407.html
セブン−イレブンのようなコンビニが雑誌を扱うようになって、街の書店は経営危機に陥り、スマホ時代の到来で読者の雑誌離れが加速することで街の書店は一日一軒近いペースで閉店に追い込まれているなか、「セブン−イレブンは街の本屋」を謳う厚顔ぶりに私などは嫌悪感を抱いてしまうクチなのだが、私がセブンネットショッピングで書籍を買わないのは、そうした感情的な理由によるものではない。何しろセブン−イレブンに嫌悪感を抱きながらもSEVEN CAFE'を愛飲しているのである!
私がセブンネットショッピングで書籍を買わないのは古書を扱っていないことである。また電子書籍も扱っているのだけれど、紙の出版物とは別の扱いになっていて、アマゾンのように紙、デジタル、古書を区別なく扱っていないためである。その網羅性においてセブンネットショッピングはアマゾンに劣るのである。私は100円のコーヒー程度に釣られてセブンネットショッピングを利用して書物を買うことはあるまい。
アマゾンもまた好悪の感情で言えば、私は大嫌いなのだが、それでもアマゾンをついつい利用してしまうのである(アマゾンが再販制に違反していると頭では理解していてもアマゾンを利用してしまう私である!)。どんなに嫌われても、そうした感情とは別に使われるほどアマゾンは、ネット書店として、どこよりも読者ファーストに徹しているのである。
アマゾンを駆逐するにはアマゾンと同等な程度に読者ファーストを実現するしかあるまい。残念ながら、セブンネットショッピングにその力量があるとは言い難いのである。

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2)【本日の一行情報】

◎ブライト・ウェイがフリーマガジンとして発行している季刊の育児情報誌「miku」は、ホームメイドクッキングが全国に展開する手作り料理教室ホームメイドクッキングで配布されることになった。
http://www.dreamnews.jp/press/0000095902/

◎アプリ「マンガボックス」(DeNA)の累計ダウンロード数が500万を突破した。「マンガボックス」は英語、中国語にも対応している。
http://www.venturenow.jp/news/2014/07/14/1351_022848.html

SBクリエイティブの「GA文庫」から刊行されている望公太ライトノベル異能バトルは日常系のなかで」が今秋テレビアニメ化されることになった。
http://www.47news.jp/topics/entertainment/oricon/movie_anime/149626.html

◎「週刊アスキー」8/12増刊号付録の「くるくるパッチン スマータブル防水ポーチ」は役に立つかもしれない。これさえあればスマホタブレットを海に持って行けるもの。
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/237/237151/

◎「妖怪ウォッチ」とまではいかなくとも、このコミックスも売れるような気がする。小学館から刊行された「ヒャッハーだよ♪ふなっしー」(まえだくん)の評判が良い。これも「月刊コロコロコミック」を母胎にして生まれた作品だが、大人にも迫ってくるほどシュールなんだよね。
http://otakomu.jp/archives/121853.html

群馬県の文真堂書店は7月5日、5月31に閉店した戸田書店伊勢崎店跡に文真堂書店連取本店を移転オープンさせた。移転前は300坪であったが、移転後は200坪と売り場面積は縮小したが、移転前に扱っていたCD、テレビゲーム、玩具の扱いをやめたため、出版物の点数は増えた。
http://takasaki.keizai.biz/headline/2240/

◎カナダ政府に「ギフテッド」(天才)のお墨付きをもらい、14歳でトロント大学をはじめ名門大学5校に合格した大川翔。扶桑社から8月に「ザ・ギフティッド 14歳でカナダのトップ大学に合格した天才児の勉強法」が刊行されるそうだ。
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1407/14/news029.html

◎「PFFアワード2014」の入選作品が決定した。この映画祭から100人以上もの監督が誕生している。日本が世界に誇れる賞のひとつだ。そのくらいの価値があることを関係者は自覚してもらいたい。
http://cinema.pia.co.jp/news/164517/58193/

◎そうだよ、「街の書店」も出版に参入できる時代がやって来たのかもしれない。
アメリカでは売上減に曝されている小規模書店が、打開策として電子書籍やオンデマンド出版を利用して出版事業に参入するケースが出て来ているようである。
http://hon.jp/news/modules/rsnavi/showarticle.php?id=5692
○×書店文学賞とか△×書店マンガ賞を創設して、電子書籍として売り出してみるなんていうことを考える店主が現れれば面白い。そういうレベルの情報発信力が書店に求められていると書くと言い過ぎになってしまうのだろうか。「街の書店」は何かといえば繋がることばかりを考えているようだが、自立し、個立することも時として必要なはずである。

◎BookLiveは、iOSアプリ「Liveコミック」をリリースした。「Liveコミック」は会員登録なしに利用できるコミックを中心とした電子書店アプリ。ビューワにボイジャーのブラウザビューワ「BinB」を使い、購入した作品はダウンロード完了を待つストレスなく、ストリーミング方式ですぐに読み始めることができる。
http://booklive.co.jp/release/2014/07/141500.html

サントリーが「ドラえもん 夏のビーサン プレゼントキャンペーン」を8月15日まで展開する。サントリーのペットボトル清涼飲料水に印刷されているバーコードで応募すると抽選で合計5000名に当たるキャンペーンだ。私も応募しようっと!
http://www.suntory.co.jp/softdrink/doraemon/index.html

講談社は「月刊FAIRY TAILマガジン」の刊行を7月17日に開始する。DVDとファンブックを合体させた。要するにパートワークである。ファンブックでは真島ヒロの「FAIRY TAIL ZERO」が連載される。
http://natalie.mu/comic/news/121191

◎「娼婦たちから見た日本」(KADOKAWA)の八木澤高明は「フライデー」の専属カメラマン出身である。
http://yagisawa.cocolog-nifty.com/

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3)【深夜の誌人語録】

真面目さを競い合い、難しい顔ばかりが跋扈する世の中はつまらない。エロがあって、グロがあって、ナンセンスがあってこその「自由な表現」である。