【文徒】2014年(平成26)7月17日(第2巻133号・通巻335号)

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1)【記事】「大日本サムライガール」を出版4社が合同展開!
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】「大日本サムライガール」を出版4社が合同展開!

星海社から刊行されている至道流星ラノベ大日本サムライガール」が出版社の垣根を越えて4社合同展開される。
秋田書店の「チャンピオンREDいちご」では既にマンガ化されているが、講談社が9月5日に創刊する「ヤングマガジンサード」でもマンガ化されるし、富士見書房は至道自身によるスピンオフノベル「朝霧ちとせはへこたれない〜売れないアイドル活動日誌〜」を9月13日に刊行することになった。
星海社のWEBサイト「最前線」では4社合同展開を記念し、星海社のウエブサイト「最前線」で小説とマンガ版の無料公開を実施している。
次のような発言が政治結社「日本大志会」総帥にして、アイドルの道を歩むことになる少女の口からポンポンと飛び出す、「気分はもう右翼」という小説である。
「我が国の未来にとって、核武装は必要不可欠なことになる。もちろん軍事力の裏付けとなる経済力の強化、そして財政の健全化も急がねばならん。何もかも、今すぐに取り組まねば……。早く、一日でも早く、強い政権を創り上げることが重要だ。ならばこそ、我が日本大志会は、日本権力の頂点に立つ高潔なる意志がある」
http://sai-zen-sen.jp/editors/blog/day/-4.html
http://nihon-taishikai.jp/
至道流星は広告代理店を経営しているというだけのことはあって、「大日本サムライガール」は広告マンが読んでもクスリとさせられるところが満載である。

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2)【本日の一行情報】

KADOKAWAから「和歌山Walker」が刊行された。ウォーカームックが和歌山を取り上げるのは初めてのことだそうだ。
http://wakayama.keizai.biz/headline/187/

◎「警視庁捜査一課長の『人を見抜く』極意」(光文社新書)の久保正行は現在「日本航空で危機管理や法令順守を指導、助言している」のだそうだ。
http://mainichi.jp/shimen/news/20140714dde041070052000c.html

デサントは、「アンブロ」ブランドで逢沢駆選手(湘南ブルーインパルス所属)と契約を締結し、逢沢駆選手が着用する2014年秋冬シーズンの新スパイク「UX-1(ユーエックスワン)」を、8月末より順次、全国のサッカー専門店で発売する。わかります?逢沢駆は講談社の「週刊少年マガジン」に連載されているサッカー漫画「エリアの騎士」の主人公だ。マンガのなかで「UX-1(ユーエックスワン)」が描かれることになる。
http://www.descente.co.jp/company/press_releases/3366.html

◎アップルの広告代理店は30年以上にわたりTBWAだったが、アップルが契約を打ち切る可能性があるのか。TBWAは日産を担当していることでも知られている。当然、日本では博報堂合弁会社を設立している。
http://gori.me/apple/apple-news/56063

◎「沸騰!図書館」を上梓した樋渡啓祐武雄市長が「東洋経済オンライン」のインタビューを受けている。
「図書館利用者へのTポイント付与について、CCCが押し通したように誤解されるけど、実は僕が言い出して『エエーッ、いいんですか?』って逆に驚かれました。公共施設がTポイント付与しちゃっていいのって。法的に問題はないか、市民に違和感はないかって心配してましたね。でも僕は若い人たちにもっと図書館に来てもらいたかったので」
花まる学習会やDeNAとも組むのか!
「学校教育では、今夏から小学校で花まる学習会(学習塾)のノウハウを導入していきます。モバゲーのDeNAと組んで小学生向けにプログラミング教育も始める。図書館でCCCと組んだように、学校教育は花まる学習会と、プログラミング教育はDeNAと組む」
http://toyokeizai.net/articles/-/41685
樋渡は「スピード」「オープン」「組む」を掲げている。

フタバ図書の「ドラマ羽村店」で金庫に保管されていた顧客の個人情報約30件が盗まれた。
http://www.security-next.com/050404

◎マンガ家の久保ミツロウは「モテキ」や「アゲイン」などの作品で知られるが、講談社はコミックス未刊行の作品を集めた「久保ミツロウ初期作品集 しあわせ5はん・くらげ」を電子書籍としてリリースした。
http://kc.kodansha.co.jp/magazine/diary_detail.php/02993/1/2/9834

◎日販の6月の雑誌・書籍売上動向によれば前年同月比で雑誌8.7%減、書籍10.0%減。雑誌・書籍合計売上は8.6減。
http://ryutsuu.biz/sales/g071411.html

博報堂、大広、読売広告社の6月度売上高。読売広告社が苦戦している。博報堂DYグループを牽引しているのは、結局、博報堂なのである。
http://www.nikkei.com/markets/ir/irftp/data/tdnr/tdnetg3/20140709/8rqeqp/140120140709011201.pdf

トヨタの運転中にスマホを使うことがいかに危険かを伝える海外版のCMの出来が良い。
http://blog.livedoor.jp/otataho/archives/39866092.html

◎地上波ラジオサイマル配信「radiko.jp」の地域制限なしに聴くことのできる有料サービス「radiko.jpプレミアム」の登録会員数が、4月1日のサービス開始から7月11日までの約3カ月で10万人に到達した。内訳は男性が約8割、女性が約2割。30代から40代がメインユーザーで、居住エリアは多い順に関東地区(1都6県)、関西地区(2府4県)、中京地区(3県)となり、関東地区は全体の約30%、関西は約18%、中京地区は約10%と、基幹3地区にて半分以上を占める。
http://radiko.jp/newsrelease/pdf/20140714_001_pressrelease.pdf
大都市において地方が、地方において大都市が強いはずだ。サービスを有料から無料に切り替えたならば、もっともっと数字は大きくなるはずだ。私であれば最初から地域制限など設定しなかったであろう。旧来型のメディアビジネスに潜む古さがそうさせなかったのである。

◎ロイターによればアメリカのフォックスがテレビ事業の放送と製作を統合する再編を断行した。視聴率ランキングでは大手のなかで最下位だったことに加え、視聴者層でも首位の座を滑り落ちたことが原因なのだろう。
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL4N0PP4SP20140714

結婚相手紹介サービス業のツヴァイ、学研グループのブックビヨンド、Yahoo! JAPANを運営するヤフーは、恋活・婚活をサポートする新メディアブランド「恋活サプリ」プロジェクトをスタートさせた。
http://bookbeyond.jp/cp/2014/koikatsu.html
http://renai.yahoo.co.jp/koikatsusupple/
ブックビヨンドは、デジタルファーストの電子書籍レーベル「恋活サプリBOOKS」を創刊し、 Yahoo!ブックストア、BookBeyondストア他の主要電子書店でリリースを開始した。

ドワンゴは今夜決まる第151回芥川・直木賞の候補作品の試し読みの無料配信を行っている。芥川賞候補作が冒頭から400字詰め原稿用紙約10枚分、直木賞は、同約20枚分が配信されている。
http://mainichi.jp/select/news/20140715k0000m040083000c.html
特設サイト「芥川賞直木賞発表を楽しもう」
http://ch.nicovideo.jp/akutagawa-naoki
なお、「第151回 芥川賞直木賞発表&受賞者記者会見 生放送」は本日18時から。
http://live.nicovideo.jp/watch/lv183416054

アメリカはサッカーW杯に予想外に熱狂したと伝えられているが、フェースブックの果たした役割が大きい。「CNN.co.jp」は、こう書いている。
「決勝戦でも、フェイスブックに書き込んだ人のうち1050万人は米国人だった。対戦したアルゼンチンの700万人、ドイツ500万人を上回り、サッカー熱が冷めていないことをうかがわせた」
アメリカではリベラル層がサッカーに魅力を感じているのではないだろうか。
http://www.cnn.co.jp/showbiz/35050894.html

集団的自衛権をめぐる議論では細谷雄一のブログが最も刺激的であった。細谷は集団的自衛権にかかわる憲法解釈を変更しても憲法が平和主義の精神を失うことはないという立場である。細谷にとって朝日新聞東京新聞の一連の報道は常軌を逸脱したプロパガンダだということになる。
ニューヨークタイムズや、BBCなどで、日本が平和主義を棄てて、危険な軍国主義の道を歩み始めた、というような論調の報道がされているのは、それを書いた記者が朝日新聞を参考にしている可能性が大いにあります。とりわけ、韓国の新聞記者の東京駐在員は、朝日新聞を信頼している記者が多く、朝日新聞を参考にして、日本が軍国主義化している、と韓国の新聞で書いております。その結果として、韓国では先ほどの世論調査でも、4割以上の人が、『日本による軍事攻撃を懸念している」と応えています。つまりは、日本の新聞が、「日本には幽霊がいる』と言い続けた結果、韓国の人々は本当に日本に幽霊がいると思い込んでしまったのです」
http://blog.livedoor.jp/hosoyayuichi/
もっとも細谷は朝日新聞主筆であった船橋洋一のことを「私がもっとも尊敬するジャーナリスト」であると評価している。

滝鼻卓雄の次のような指摘は鋭い。西山太吉に対する評価だ。
「最近、亡くなった堤清二さんが『最近の新聞記者は西山みたいに骨っぽくない』と嘆いていましたが、私は堤さんに『それは間違いですよ』と反論しました。なぜかというと、西山記者は、日米沖縄返還交渉の密約の原本文を入手しながら、毎日新聞にきちんと記事を書いていないからです」
「西山記者の行為は、二重の意味でいけないことです。ひとつ目に、記事にしなかったこと。もうひとつは、自分で入手したニュースをほかの目的に利用したこと。つまり、自分で書かずに、国会で利用したということです」
http://toyokeizai.net/articles/-/41428

電通が運営するYouTube公式チャンネル「MANGAPOLO(マンガポーロ)」内に、YouTubeマンガ雑誌「MANGAPOLO ZERO」が創刊された。
https://mangapolo.com/zero

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3)【深夜の誌人語録】

怒りなき者に喜びなし。喜びなき者に笑いなし。笑いなき者に涙なし。涙なき者に怒りなし。