【文徒】2014年(平成26)8月26日(第2巻160号・通巻362号)

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1)【記事】雑誌広告料金の値下げを提案する
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】雑誌広告料金の値下げを提案する

客 君は夏休みを取らなかったらしいじゃないか。
主 当然だよ。休んでいる時間的な余裕なんてなかったもの。毎日が勉強だしね。もっともっと説得力を持った記事を提供しなければならないと思っているんだよ。ただ、9月1日はメンテナンスの必要から「文徒」の配信を休ませてもらうつもりだ。事務所は開けているけどさ。
客 それにしても雑誌広告は大変だよなあ。明るい話が少ない。
主 料金改訂をしてみては、どうだろうか。
客 こんな情況で君は値上げを勧めるのかい?
主 いや逆だよ。値下げをしてみたらどうかと提案したいのさ。女性ファッション誌の場合、広告料金は部数がマックスの時の設定だろ。現状の部数に見合った形で値下げすると同時に、編集タイアップの料金のあり方も変える。
客 どういうことかい?
主 4色1頁の料金を下げると同時に編集タイアップの制作費から広告代理店がマージンを獲得できるように変更する。クライアントに対しては広告料金を下げることで雑誌の広告媒体としての使い勝手を改善し、広告代理店に対しては、編集タイアップにおける利益を守っていくと、そういう狙いさ。
客 実行する雑誌社が現れれば話題にはなるかもしれないね。
主 同時に新たなメニューも発表すれば良いのよ。こういうイベントを加えた企画だと、いくらいくらで、デジタルを絡ませると、こういう料金でというように広告メニューの多様化も図るわけさ。雑誌広告業界は、このところ情報発信が少なすぎると思うんだよね。貧すれば鈍すじゃ駄目だと思う。
客 確かに出版社と組むとこんなことができるんだという情報発信がもっとあっても良いよね。
主 広告ビジネスだってスクープ性があっても良いと思うのよ。少なくとも広告業界を騒がせる必要があるんじゃないの。

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2)【本日の一行情報】

トーハンの「週間ベストセラー」に「妖怪ウォッチ」関連本が二冊も入っている。
http://www.tohan.jp/cat2/detail/_2014819/

◎東北と沖縄の地方出版社が共同で「宮城・山形・沖縄共同ブックフェア」をジュンク堂書店那覇店など3県内の書店で開催する。
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=80788

◎女優の松井愛莉が「Ray」(主婦の友社)の専属モデルになると同時に表紙を飾った。同誌史上最速なのだそうだ。彼女、まだ17歳!
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2014/08/23/kiji/K20140823008796590.html
もともとは「ニコラ」(新潮社)出身。

◎アマゾンの中国進出に「フォーブス」は否定的な見方をしている。
http://biz.searchina.net/id/1541421

ダイヤモンド・ビッグ社は、今年5月に「地球の歩き方」シリーズの電子書籍版の配信を「フランス2014-2015」とその分冊版13タイトルで開始したが、ラインナップを拡充した。
8月に入り「ヨーロッパ2014−2015」「ドイツ2014−2015」「スペイン2014−2015」「アメリカ2014−2015」「オーストラリア2014−2015」「中国2014−2015」「インド2014−2015」「ヨーロッパ鉄道時刻表 夏号」「地球の歩き方MOOK 子どもと一緒に海外旅行!」の配信新たに開始した。
「子どもと一緒に海外旅行!」以外は、エリア別や内容別に分冊版も配信する。その結果、計10冊101タイトルとなった。
http://www.travelvision.jp/news/detail.php?id=63033

集英社の「BAILA」は今年も11月12日売り12月号で別冊「婚BAILA・婚後BAILA」を付録とする。A4版で52頁というボリューム。この別冊付録でバリュー企画を実施する。具体的には4C1頁を180万円で出稿すると対向編集頁にクライアントの商品を物撮りで紹介してくれるというものだ。
http://adnavi.shueisha.co.jp/topics/pdf/baila31.pdf

ハースト婦人画報社の「婦人画報」出口由美編集長は昨年、友里征耶が「婦人画報」の記事を「批評」したブログについて、ツイッターで次のように大見得を切った。
「こんにちは。本件に関しては弊社の法務担当に一任しております。私個人の意見としては、レストランの批評に関しては大いになされよ。他メディアの引用をする際は許可を得られよ。なお、このような形での弊誌の『宣伝』はご無用にてお願いしたいです」
ところが、その後、ハースト婦人画報社からも、出口編集長からも友里に対して梨の礫であるようだ。友里は8月23日付のエントリで蒸し返している。
http://tomosato.net/weblog/2014/08/23/

◎アマゾンがオンライン広告ビジネスに乗り出す。グーグルと激突するということだろう。ウォールストリートジャーナルは次のように書いている。
「事情に詳しい関係者によると、アマゾンはまず、グーグルが主に広告を出してきた同社サイトのスペースに自社開発した広告掲載プラットフォームを導入する計画。将来、このプラットフォームはグーグルや米マイクロソフトの広告事業と張り合えるほどに成長する可能性があるという」
http://jp.wsj.com/news/articles/SB10001424052970203403704580110834046401408
アマゾンとしては広告ビジネスに進出することで収益性の向上を図りたいに違いあるまい。

ソニーは北米・欧州の電子書籍事業から撤退し、顧客はKoboに移管したわけだが、次のように「絶叫」するソニーマニアも少なくはないのだろう。
「…私が持っているすべての電子書籍リーダー端末とタブレットソニー製だ。ソニー製品を購入する際、店員に延長保証を勧められてもソニー製品だから必要ないと断ったこともある。うちにある電化製品のほとんどすべてがソニー製品だ。でももう、金輪際ソニー製品を買わない。ソニーよ、お前は“顧客第一”と言うが、私に言わせればお前はひどいミスを犯した。私はもう、絶対に、永遠に、ソニー製品は買わない」
こういう気持ち、物凄く理解できるよね。
http://ebook.itmedia.co.jp/ebook/articles/1408/25/news054.html

講談社とエキサイトは8月25日、共同で配信中のアプリ「週刊Dモーニング」で、月刊誌「モーニング・ツー」の創刊8周年を記念して同誌の創刊号デジタル版を月額500円を払っている有料ユーザー向けに公開した。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000458.000001719.html

◎「ランチパスポート」がブームになりつつある。この本を掲載店に持って行けばランチが500円になる。もともとは高知市の地方出版社が始めたが、全国30以上のエリアに広がりつつある。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20140825/CK2014082502000153.html

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3)【深夜の誌人語録】

今日を明日への踏み台にするような一日として過ごしたいものである。