【文徒】2014年(平成26)8月27日(第2巻163号・通巻365号)

Index------------------------------------------------------
1)【記事】朝日新聞社×集英社=「T JAPAN The New York Times Style Magazine」
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

                                                                            • 2014.8.27 Shuppanjin

1)【記事】朝日新聞社×集英社=「T JAPAN The New York Times Style Magazine」

集英社朝日新聞社アメリカのニューヨークタイムズ社が擁する「The New York Times Style Magazine 」の日本版である「T JAPAN The New York Times Style Magazine」を来春3月25日に創刊することになった。
The New York Times Style Magazine 」は同紙の日曜版に年間12回にわたって同梱されるモード&ライフスタイル誌で、2004年に創刊された。この日本版を集英社朝日新聞がタッグを組んで創刊するというわけだ。編集長には「シュプール」前編集長の内田秀美が就任する。
「T JAPAN The New York Times Style Magazine」は朝日新聞社の宅配データに基づいた首都圏の最富裕層エリアに16万部、関東・中部・関西在住の開業医に向けて2万部、集英社公式ファッション通販サイトFLAG SHOPの最優良顧客2万部の合計20万部を配布するという。配布するというのだから、無料なのだろう。
これまで読売新聞社の「マリ・クレールスタイル」の成功に指を銜えてみているしかなかった朝日新聞社からすれば、グローバルブランドをはじめ、女性向けの広告市場を開拓できることが大きいに違いない。
また、集英社からしても雑誌市場が縮小するなか、女性誌のノウハウを投下できる新たなビジネスモデルを構築できることは重要な意味を持つに違いない。
しかし、例えば朝日新聞のリベラルで、プライドの高い読者からすれば、「T JAPAN The New York Times Style Magazine」が配布されない屈辱に耐えられるのだろうか。これは「差別だ!」という声が上がったら、どうするのだろう。それでなくても、最近、誤報問題で他メディアから袋叩きにあっている朝日新聞にとって、最も力強い支持者から総スカンを喰らう可能性もなきにしもあらずではないのか。せめて希望者には全戸配布する必要があるのではないだろうか。
また、次のように指摘する広告代理店関係者もいる。
「20万部という数字自体が少ないのではないでしょうか。讀賣新聞社の『マリ・クレールスタイル』を意識するなら、いきなり50万部というスタートにすべきだったのではないでしょうか」
「オン・ザ・ストリート」はどうするのだろう。残念ながら日本にはビル・カニンガムはいない。
http://www.bcny.jp/
いずれにせよ、創刊前から何かと話題の多いのは、雑誌業界にとって久しぶりのことである。

                                                                                                                        • -

2)【本日の一行情報】

◎いよいよ今日と明日だ。「第33回すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」が開催される。これは昨年の模様。
https://www.youtube.com/watch?v=gR8Vq4uzEak
錦糸町河内音頭を持ってきたルポライター朝倉喬司河内音頭に出会ったのは1978年のこと。
「これが、行くまでは全く知らなかったんですが、その盆踊りの主催者は部落解放同盟松原支部だったんです。荊冠旗が櫓の上に立ってるわけです。よくある町の盆踊りではなく、運動のひとつという意味もあったと思います。支部の人が櫓から挨拶もしてましたし。驚いたのは、音楽にすごく力が入っていて、踊りにもえらい熱気があるんです。僕のその後の運命は、おそらくここで決まってしまった。_音頭場に入った瞬間、『はっ』とさせられましたね。驚愕です。延々と続く語りとリズムで、これだけの人を動かす力があるのか。びっくりしました。かなり年配の方と、青春真っ盛りみたいな連中と、小さな子供たちとですね、ひとつの場所で、同じ音楽で、こんなに熱く、一緒に踊れるものなのか。それは今までに見たことがない、衝撃的光景でした」
http://www.geocities.jp/iyakorase/topics/kaerimi.htm
錦糸町の櫓には私の提灯も掲げられている。左上の写真の真ん中にあるでしょ。
http://www.geocities.jp/iyakorase/topics/2006_chochin.htm
錦糸町の南口で下車して下さい。詳細はココをご覧下さい。
http://www.enjoytokyo.jp/amuse/event/356129/

◎「無限の住人」の沙村広明の最新作「波よ聞いてくれ」の第一話はWebコミックサイト「モアイ」で無料公開し、第二話は「アフタヌーン」10月号に紙版、デジタル版とも掲載している。
http://www.moae.jp/comic/namiyokiitekure/1/1
マンガは本当に色々なことに挑戦している。何としても利益源として確保したいという強い意志が伝わってくるというものだ。

◎単行本で100巻を超えるマンガは11作品もあるのか。「こちら葛飾区亀有公園前派出所」は現在191巻と200巻を目前にしている。
「マンガ読者の高齢化が進む中、長寿マンガは今後も増えていきそうだ」
http://ddnavi.com/news/205207/

◎今日、「ぐでたま」のサイン会が三省堂書店有楽町店で開催される。「ぐでたま」はサンリオの「食べキャラ総選挙〜食うか食われるか真剣勝負!〜」(サンリオ主催)の2位となったキャラクターで、ツイッターのフォロワーが14万人を超える。
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2014/08/25/kiji/K20140825008809510.html

アメリカの主要ファッション誌の「セプテンバー・イシュー」における広告はページ数で昨年よりも4.4%増。
http://markethack.net/archives/51934461.html

◎「チケットぴあ」に不正ログインされたというツイートが増え始めているようだ。
http://www.buzznews.jp/?p=150509
何とか不正ログインを根絶する手はないものか。

防衛ゲーム「LINEレンジャー」が全世界で2000万DLを突破した。
http://www.4gamer.net/games/249/G024935/20140825004/

伊勢丹集英社の女性ファッション誌「シュプール」が三度目のコラボ。9月10日〜16日まで新宿店で「SPUR CITY―今を楽しもう―」が開催される。
http://www.fashion-headline.com/article/2014/08/25/7423.html

◎宝島社の女性ファッション雑誌「大人のおしゃれ手帖」と、イオンリテールは共同で開発した50代向けレディスブランド「エシーム」を、8月7日より全国の「イオン」229店舗にて販売しているが、例年の秋アイテムと比較して二倍の速度で売れている。50代の女性に向け、約5ヵ月の期間をかけて10アイテムを発売するそうだ。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000076.000005069.html

電通デジタル・ビジネス局の植村祐嗣の「テクノロジを専門にする人は、コンテンツ毎に異なる広告的な価値や『商売』の基本を必ずしも理解していないことが多く、配信サイドのテレビ局がその点に懐疑的」という指摘は鋭いなあ。
http://japan.cnet.com/marketers/sp_videoad/35052791/

◎ウエストが51センチ!オレの半分じゃないのさ。驚異のウエストを誇る佐野ひな子が講談社のファッション誌「ViVi」10月号から「専属ビューティー・ミューズ」として登場している。要するにダイエット企画やメイク企画の専属ということなのだろう。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000464.000001719.html
モデル関係の検索に力を入れると目がクラクラしてくる。あまり熱中するのは止めにしよう。

◎韓国のホン・サンス監督の「自由が丘8丁目」に主演している加瀬亮が映画の公開を記念して韓国を訪問する。
http://news.kstyle.com/article.ksn?articleNo=2002252

東京メトロポリタンテレビジョンKADOKAWA角川マガジンズブランドカンパニーはソニーと共同で「アニメポータルプロジェクト」を立ち上げる。「アニメポータルプロジェクト」とは、「番組をリアルタイムに楽しむための新しいメディア作り」を目指し、テレビ番組を起点にしたアニメの総合情報メディアの提案と運営だそうだ。
http://s.mxtv.jp/company/press/20140825_animeportalapli2.pdf
出版社はテレビでも、新聞でも、ラジオでも、ネットでも何でも巻き込める能力がある。この能力をどのように顕在化させるかが問われている。

リクルートマーケティングパートナーズが運営する「受験サプリ」は、NHK Eテレのテレビ番組「テストの花道」制作チームと協力し新コーナーの提供を開始した。
http://digitalpr.jp/r/8709

◎マンガ「東京喰種」の石田スイはデジタル作画のため原画は存在しないそうだ。そこで集英社はオリジナルデータから特殊印刷で「原作画」を創出し、山手線29駅に一枚ずつ展示している。東京喰種「東京画展」。
http://youngjump.jp/tokyoghoul/gaten/

◎「伝説の映画美術監督たち×種田陽平」(スペースシャワーネットワーク)が刊行される。
http://www.cinra.net/news/20140825-tanedayohei
戸田重昌や木村威夫の名前も忘れてはなるまい。大島渚には戸田が、鈴木清順には木村が欠かせなかった。

凸版印刷が「主婦のスマホ利用に関する意識調査」を実施。これによれば昨年48.7%だった主婦のスマホ利用率は66.3%に増加。主婦の51.4%が新聞の定期購読をしていないこともわかった。
http://www.toppan.co.jp/news/2014/08/newsrelease140825.html

学研パブリッシングは「TV LIFE」の編集記者を募集している。「18万円以上業務委託」という条件。試用期間3ヶ月は月給15万円。
http://www.jobdirect.jp/adv_click.php?q=6&url=http%3A%2F%2Fwww.hatalike.jp%2FPDET%2F35146432%2F%3Fvos%3Dnhatjdrs2001144

◎今や伝説と化した「サンリオSF文庫」197冊全点をレビューする「サンリオSF文庫総解説」(本の雑誌社)の刊行を記念して、監修、編者の大森望牧眞司に加え、解説執筆陣から池澤春菜、西田藍の2人を迎えたトークイベントが9月23日に青山ブックセンターで開催される。
http://www.aoyamabc.jp/event/sanriosf/

中央日報によれば産経新聞の加藤達也ソウル支局長を刑法上の名誉毀損容疑で起訴する方針を決めたようだ。ソウル中央地検は加藤支局長が「秘線」と記述したチョン・ユンフェを参考人として呼んだという。
「チョン氏は『事故の当日、青瓦台に入ったことはない。知人らと一緒にいた。加藤支局長を強く処罰してほしい』と要請したという。チョン氏は証明資料も提出した。検察は当時、青瓦台出入り記録でチョン氏の話が事実であることを確認したという」
加藤が根拠とした「朝鮮日報」と情報誌はお咎めなしで韓国は産経新聞を狙い撃ちにしている。
「加藤支局長は18日と20日の2回の調査で、『朝鮮日報の記名コラムと証券街の情報誌を引用した』と主張した。しかし該当コラムに出てこない朴大統領の私生活およびチェ・テミン牧師疑惑関連の表現に対する具体的な根拠を提示できなかった」
http://japanese.joins.com/article/288/189288.html?servcode=A00§code=A10&cloc=jp|main|top_news

◎「あの入江で、 わたしはあなたを待っている。永久に──。」というアニメ「思い出のマーニー」の宣伝コピーは作家の三浦しをんによるものだった。
http://www.cinematoday.jp/page/N0065759

◎ロイターによれば「米フロリダ州に新設されたフロリダ・ポリテクニック大学で、書籍を1冊も所蔵しない電子図書館が設置された」そうだ。
http://jp.reuters.com/article/jpUSpolitics/idJPKBN0GQ08F20140826

◎ミンヨンが素敵だ。佐々木昭一郎の20年ぶりとなる新作「ミンヨン 倍音の法則」が岩波ホールで10月11日より公開される。
http://www.cinemacafe.net/article/2014/08/26/25540.html

主婦と生活社の「週刊女性」が「保守速報」によって「サヨク雑誌」と名指しされた。「戦争を知らない安倍首相へ?徴兵制は?原発どうなる?ミサイルがとんでくる?」を特集したためだ。「週刊女性」には「左翼」を貫徹してもらいたいものである。
http://hosyusokuhou.jp/archives/39827151.html

                                                                                                                        • -

3)【深夜の誌人語録】

鳥の目で俯瞰するのも良い。虫の目で接写するのも宜しかろう。しかし、人間の目によるバストショットも忘れてはなるまい。