【文徒】2016年(平成28)4月28日(第4巻80号・通巻767号)

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1)【記事】緒戦を制した「月刊Hanada」
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

                                                                            • 2016.4.28.Shuppanjin

1)【記事】緒戦を制した「月刊Hanada」

「月刊Hanada」の版元となった飛鳥新社営業部はツイッターにこう投稿した。
「『月刊Hanada』昨日の創刊初日売上は、紀伊國屋書店さん、ジュンク堂書店さん共に、全店トータルで月刊誌ランキング1位を獲得!ありがとうございます」
https://twitter.com/asukanumata/status/725110805679628288
ワックにしても手をこまねいていたわけではない。「WiLL編集部」は、次のようにツイートしている。
「本日紀伊國屋書店新宿本店様店頭で『WiLL』6月号を大展開販売しております。是非お立ち寄りください」
https://twitter.com/WiLL_edit/status/724892897649266689
花田紀凱を解任したワックの「WiLL」は「大展開」したにもかかわらず、「月刊Hanada」の後塵を拝してしまったということである。それにしても「WiLL編集部」の一連のツイートは攻撃的である。それでいて他メディアの取材は受けていない。
http://togetter.com/li/967704?utm_source=dlvr.it&utm_medium=twitter
こうしたツイートが、「月刊Hanada」の宣伝になっているということが分からないのだろうか。ワックが叫べば叫ぶほど、「月刊Hanada」を利するのである。「左翼小児病」のような反応をしない花田のほうが「大人」なのである。

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2)【本日の一行情報】

◎「朱の記憶 亀倉雄策伝」(日経BP社)の馬場マコトがとても興味深いことを指摘している。
「『コンペをすることが公平である』という感じになっていて、公平であることが常に要求されますが、僕は広告表現において公平という考え方は絶対にいかんと思っています。
こちらは表現としてコンペの案を出しているけれど、ほかの参加者は始めにコストありきで単価計算を前提に提案していることが多い。すると、ちょっと見ただけだとその参加者の方が金額が安いからそこに決まる、なんてこともあります。先ほど講演で話したように国家や企業のデザインがやせている理由は、そういったところにあるかもしれないですね」
グラフィックデザイナーの奥村靫正が応じる。
「昔はデザインや広告の検討をするときに、経営者も同席することが珍しくありませんでした。でも、同席者が担当役員になり、部長になり、課長になり、今では現場担当者しか出て来ないことが多くなりましたね」
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/feature/15/033000024/041900004/?P=1&ST=SIO-bus

◎テレビアニメ「少年アシベ GO!GO!ゴマちゃん」のコミカライズ連載が双葉社のマンガ誌「月刊アクション」6月号で始まった。
http://natalie.mu/comic/news/184872

◎「USAトゥデー」などを発行する米メディア大手ガネットは、「シカゴ・トリビューン」や「ロサンゼルス・タイムズ」を発行するトリビューン・パブリッシングの買収を提案したそうだ。
http://jp.wsj.com/articles/SB11079931825679564690504582028822435740372

東急エージェンシーと、ビッグデータソリューションベンダーのオーリック・システムズは、デジタルマーケティング領域における提案・実行力の強化を目的に、協業パートナーシップのための業務提携契約を締結した。
https://www.tokyu-agc.co.jp/news/2016/release20160426.pdf

近畿日本ツーリストは、日販が展開している「集英社文庫“ツキイチ”」プロモーション企画の4月期フェアに、同社の創業時を描いた城山三郎の「臨3311に乗れ」が対象作品となったことから協力することになった。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000475.000001864.html

◎日販とMPDによる雑誌のライトユーザーをターゲットにした「BEST SELECTION」。
http://kot-book.com/magazine-best/

◎「あにぽた」が実施した「白泉社系アニメ人気投票!」。「花とゆめ」「LaLa」連載の作品に絞っての投票だったが、第1位となったのは「暁のヨナ」。2位が「赤髪の白雪姫」、3位が「スキップ・ビート!」。
https://akiba-souken.com/anime/vote/v_329/

小林恭子の「イギリスの新聞界、電子版で格闘 事業モデル転換が本格化」は、次のように書いている。
「業界サイト、プレス・ガゼットの編集長ドミニク・ポンスフォード氏は、無料派ガーディアンが巨額の損失を抱える一方で、完全有料制を導入したタイムズとサンデー・タイムズが『黒字化している』ことに注目し、『約900人のスタッフを無料のウェブサイトから得る収入ではまかなえないことが明確になった』と述べている」
http://www.huffingtonpost.jp/ginko-kobayashi/england-digitalmedia_b_9769180.html

◎新聞社は新聞だけでは経営が苦しいので、不動産業に熱心になるのは良いが、新聞販売店は、どうなるのだろう。朝日新聞社新聞販売店にも不動産ビジネスをススめるべく、手を打った。朝日新聞社はマンションやアパートなどの管理業務を請け負うベンチャー企業アクシスモーションと資本・業務提携することになった。これにより新聞を販売する朝日新聞サービスアンカー(ASA)は、マンション、アパートなどの管理支援業務を開始する。
http://japan.cnet.com/news/business/35081815/

◎学研プラスは、「ダムに行こう!空撮DVD付きダム写真集」を発売した。ダム男やダム子っているのかしらん?
http://www.work-master.net/201664373
学研って、昔からこういう企画が好きだよね。

◎プリクラ・メーカーのフリューが運営する女子高生・女子大生の動向調査・研究機関「GIRLS'TREND(ガールズトレンド) 研究所」によれば、「1日1回以上使うSNS」は、第1位がLINE(98.5%)、第2位がTwitter(89.0%)、第3位がInstagram(49.1%)となっている。Instagramは前回の調査よりも28.3ポイントも上昇している。
http://www.furyu.jp/news/2016/04/gtl35.html

◎明治は、「毎日がんばるわたしに、毎日のおやつでキレイ習慣をあげましょう」がコンセプトの「果汁グミおいしくシリーズ」を限定パッ ケージで発売したことに伴い、エムオン・エンタテインメントの季刊誌「mamagirl(ママガール)」とのコラボレーション動画「ママガールズのキレイの秘密教えます」を公開した。
https://www.value-press.com/pressrelease/161428

KADOKAWAと「はてな」が共同で運営するWeb小説投稿サイト「カクヨム」は、「月刊少年エース」で漫画化する原作小説を募集する<少年エース×カクヨム「漫画原作小説コンテスト」>を実施する。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002331.000007006.html

三菱自動車Jリーグ浦和レッズ筆頭株主。報知新聞によれば「淵田敬三社長(61)は筆頭株主三菱自動車による燃費データ改ざん問題を受け、本拠地の埼玉スタジアム掲示される広告を外す可能性があることを明らかにした」そうだ。
http://www.hochi.co.jp/soccer/national/20160426-OHT1T50180.html

楽天は、美容や健康に特化した女性向けの情報サイト「ラケア」(RaCare)」をローンチした。女性が抱える悩みを三つのカテゴリー「ダイエット」、「美容」、「生理・PMS月経前症候群)」にわけて、それぞれの悩みに関して具体的な実践方法を目安となる実践期間とともに配信する。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000373.000005889.html
https://racare.rakuten.co.jp/
「ECのミカタ」は、次のように書いている。
スマートフォンの普及により、私たちは手軽に情報を取り入れられる環境にあるため、女性のニーズに応えるための女性向けコンテンツの台頭は、今回のような楽天Yahoo!の動きから見てもわかるように、EC業界においても無視できないものとなってきた。
消費者はECを行う際に、まず情報を取り入れるかと思う。特に、総務省調べでは、女性のスマートフォン利用率が年々上がってきているとのことなので、女性をターゲットに絞り情報発信をしていくことは、ECの利用率向上にも繋がってくるはずだ」
https://ecnomikata.com/ecnews/build/8832/

◎小説家の宮下奈都は福井在住。宮下は福井県庁を訪れ、西川一誠知事に「2016年本屋大賞」の受賞を報告したそうだ。福井新聞はそのときの模様を次のように書いている。
「宮下さんは『皆さまから応援していただき心強い。福井で書いてきて良かった』と話し、受賞した本『羊と鋼の森』(文芸春秋)を西川知事に手渡した。西川知事は『次の作品が大事。福井を拠点に、福井を舞台にした作品を書き続けてほしい』と激励した」
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/event_calture/94330.html

◎ビジネス書・経済書ではダイヤモンド社が強い。このアマゾンのランキングではベスト10のうち5冊を占めている。
http://toyokeizai.net/articles/-/115449

ハースト婦人画報社の女性ファッション誌「ELLE Japon」は、6月18日(土)に六本木アカデミーヒルズで、20代後半から40代の働く女性を応援するイベント「ELLE Women in Society」を開催する。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000034.000008128.html

◎4月30日まで「谷野徹也遺作展」が神田神保町文房堂ギャラリーで開催されている。谷野は「PLAYBOY 日本版」を校閲整理で支えた一人であった。
http://www.bumpodo.co.jp/gallery/exhibition.html

◎「創刊号で水着のギャル100人を集めた 雑誌『Cawaii!』は、なぜ女子高生にヒットしたのか?」というトークイベントがあり、そこで「ギャルと『僕ら』の20年史――女子高生雑誌Cawaii!の誕生と終焉」(亜紀書房)の長谷川晶一が以下の発言していたことは先日もお伝えした。
主婦の友社って、社名の通り、女性にしっかりと発言権がある会社だということは間違いなくて。そのなかで男性編集者は、いかに自分の立ち位置を作るか、入社したときからのそれぞれ宿命のように考えているんです。ですから、男性が各々の興味分野を掘り下げ、アイデンティティを求めながら、企画を考えていた。その結果として、『Cawaii!』のような雑誌が生まれたんじゃないかな、と」
そして「ギャルと不思議ちゃん論―女の子たちの三十年戦争」(原書房)の松谷創一郎の発言。
「昨年、雑誌の売上は8.4%も減少しました。『紙にしかできないことがある』という声もありますが、本当にそうならば雑誌は減らないはず。紙の機能はネットに奪われ、読者もそれで満足しているのが現状です。ただ、『記事』の本数は増えているので、媒体が変わっただけで、需要がなくなったわけではないと思います」
http://wotopi.jp/archives/36197

◎第20回手塚治虫文化賞が発表された。マンガ大賞は、一ノ関圭の「鼻紙写楽」(小学館)と、あずまきよひこの「よつばと!」(KADOKAWA)に決定した。一ノ関の「鼻紙写楽」は「茶箱広重」以来32年ぶりの新刊だ。
http://www.huffingtonpost.jp/2016/04/26/hanagami-sharaku-ichinoseki-kei_n_9782684.html
一ノ関圭小学館でしか作品を発表していない。デビュー作「らんぷの下」が発表されたのは、1976年のことである。「鼻紙写楽」に至るまで単行本として刊行した作品集は「らんぷの下」と「茶箱広重」だけである。

◎ペロリが運営する女性向けキュレーションプラットフォーム「MERY」は、「MERY Partner Program」のパートナーである集英社「MAQUIA ONLINE」が、2016年3月1日(火)から2016年3月17日(木)までの17日間に、「MERY」内PVが100万を突破したことを発表した。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000013649.html

熊本市中央区新市街の橙(だいだい)書店が営業を再開した。文芸誌「アルテリ」で知られている書店だ。
https://kumanichi.com/news/local/main/20160427016.xhtml

◎山口・道場門前の書店「文榮堂」がカフェを併設したところ「書籍の売り上げは前年比で140%アップ」したそうだ。
http://yamaguchi.keizai.biz/headline/2492/

◎「少年ジャンプ+連載グランプリ」の第2回募集を開始した。今回からイラスト投稿サイト「pixiv」からも応募が可能となった。
http://animeanime.jp/article/2016/04/26/28257.html

◎ 4月27日発売の「週刊少年サンデー22・23合併号」の付録は「とじ込みブックインブック『黒の書』」とパズドラで使える「完全新キャラ『毛利 蘭』」。
http://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1461668310

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3)【深夜の誌人語録】

必要とされる時を逃しては、どんな才能も宝の持ち腐れとなる。