【文徒】2016年(平成28)9月16日(第4巻175号・通巻862号)

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1)【記事】危ない雑誌の最右翼「月刊チャンプロード」が休刊へ
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】危ない雑誌の最右翼「月刊チャンプロード」が休刊へ

「月刊チャンプロード」(笠倉出版社)が11月29日発売号で休刊することになった。知る人ぞ知る暴走族御用達雑誌だ。静岡県では有害指定図書類に分類されているそうだ。現在では「元ヤンキー」が読者ターゲットとなっているようだ。
http://top.tsite.jp/news/book01/o/30572935/?sc_int=tcore_news_recent
「バズフィード」が「ヤンキー界の重鎮・岩橋健一郎氏に聞く、『チャンプロード』休刊の理由」を掲載している。
共同通信によれば、ある会社員2人が、2004年7月から2006年11月頃にかけて、笠倉出版社から16億円以上をだまし取った疑いがあり、警視庁捜査2課が2011年8月3日、会社員2人を詐欺の疑いで逮捕していた。
岩橋氏はコメントを控えたが、他の出版関係者によれば、この時の損失が、2012年のチャンプロード編集体制の変更に影響したという。
当時、リニューアルにともない編集長が変わり、それまで社内にあった編集機能が、外部の編集プロダクションに移された。
そうしてチャンプロードの編集方針も変わり、岩橋氏の言うように、既存の読者だった中学生と高校生が離れてしまったのだ」
https://www.buzzfeed.com/keigoisashi/champroad-iwahashi?utm_term=.gtd31W3R70#.jlW6m961Ld
「月刊チャンプロード」とともに暴走族の歴史を振り返る企画は面白いと思うけどなあ。雑誌文化の幅が削られていくのは辛いことである。

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2)【本日の一行情報】

◎就職・転職のための企業リサーチサイト「Vorkers」は、「30歳で年収1000万円が狙える企業」を発表した。「Vorkers」に寄せられた社員クチコミの中から「年収・給与制度」のフリーアンサーにスポットを当て、「30歳」で年収1000万円が狙える企業をピックアップしたものだ。
広告会社では電通博報堂、テレビ局ではテレビ朝日朝日放送関西テレビ日本テレビ、フジテレビがあがっている。
http://vorkers.jp/press/20160913

◎さわや書店フェザン店が企画した「文庫X」が福井市の安部書店エルパ店にも登場。福井新聞の記事である。
福井市在住の作家、宮下奈都さんが8月中旬、県外で買った文庫Xを家に置いていたところ3人の子どもが順に読んだとツイート。岩佐店長はそれで知り、当該の本に当たりを付けて入荷を増やしていた。
今月8日、企画している盛岡市のさわや書店フェザン店に相談。本は間違いなかった。同店は出版社、著者に了解を得て文庫Xを仕掛けており、“公式”の手法を全国の書店に紹介し、実施店を把握している。
翌日から店頭に並べ、SNSで情報発信すると、宮下さんがツイートして拡散。県内だけでなく富山、石川両県からも問い合わせや来店があった」
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/society/104474.html

◎「Business Journal」の「ツタヤ図書館、大量の新刊本がオープン日に間に合わず…豪華棚にダミー本並べる」は、CCCが運営者となってリニューアルオープンした宮城県多賀城市立図書館について、厳しく批判している。河北新報は、こうした事態を見て見ぬふりをしているのだろうか。この記事が事実だとすれば、「ツタヤ図書館」に問題あり、だろう。
「…市長とCCC社長が出席して派手なオープニングイベントが開催されていた裏側では、追加蔵書として新刊が大量に配架されるはずの棚に、実際に収められていたのは中古本ばかりだったのだ。せっかく購入した2万数千冊の新刊が、鳴り物入りのイベント当日までに間に合わず、ゴッソリ抜け落ちるという大失態が演じられていたのである」
http://biz-journal.jp/2016/09/post_16630.html

ジャストシステムによる「電子書籍利用に関する実態調査 [2016年9月度]」が発表された。これから新たに電子書籍(コミック、雑誌、ライトノベルを除く)の利用を検討している人のうち、「1冊ごとの買い切り型」を検討している人は41.1%、「月額制の読み放題型」を検討している人は25.0%。
「月額制の読み放題型」を利用している人に、利用中の電子書籍サービスを聞いたところ、「kindle unlimited」(41.5%)が最も多く、次いで「楽天マガジン」(40.2%)。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000203.000007597.html

集英社の女性ファッション誌「SPUR」(シュプール)元編集長の福井由美子は「海外渡航歴350回以上、そのうち250回ほどがひとり旅」なんだそうである!
http://top.tsite.jp/news/magazine/i/30569906/?sc_int=tcore_news_recent

秋田書店の秋田貞美代表取締役社長が退任し、最高顧問に就任した。高橋宏和取締役メディア事業部 部長が代表取締役社長に就任した。いったい何があったのだろうか?

◎「アニメーションビジネスジャーナル」は日販が文教堂を傘下に置き、業務提携したことの意味を次のように読み解いている。
「業務提携の具体的な内容として、真っ先に挙げられたのは、文具や雑貨などの複合商品の共同研究である。続いて、アニメ関連商品などでのオリジナル商品やプライベートブランド(PB)商品の共同開発と展開だ。販売データの活用と共有化、システム整備も行い事業の効率化も図る。
文教堂は2011年に『アニメガ』のブランドでアニメ、マンガ、ホビーに特化した併設店を全国展開している。既存の関連商品だけでなく、自社の開発したキャラクターグッズも販売している。さらに店舗のスペースを活かしたミニイベントなども実施する」
http://animationbusiness.info/archives/572
http://www.nippan.co.jp/wp-content/uploads/2016/09/news20160913.pdf

◎「やや日刊カルト新聞」の鈴木エイト主筆保守系ネットラジオ「日本 サイコ―!」にゲスト出演する。
http://dailycult.blogspot.jp/2016/09/blog-post_13.html

◎LINEが運営するニュースサービス「LINE NEWS」の「LINEアカウントメディア プラットフォーム」に新たに地方紙16紙、雑誌など専門媒体15の合計31メディアが参画した。
地方紙16紙はデーリー東北、岩手日報紀伊民報新潟日報茨城新聞千葉日報岐阜新聞伊勢新聞山梨日日新聞、山口新聞、高知新聞大分合同新聞宮崎日日新聞熊本日日新聞南日本新聞。この16紙が加わり、LINE上で購読可能な地方紙は、国内最大規模の計36紙となった。信濃毎日新聞中日新聞は、どうするのだろうか。
15の専門媒体は「朝日こども新聞」「MAQUIA」「 Woman Insight」「Number Web」 「SPUR 」「ブルームバーグ」「MORE」「C CHANNEL」「BAILA」「ハフィントンポスト日本版」「Marisol」「バズフィード」「LEE」「北陸・信越観光ナビ」「OurAge」。
https://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2016/1499

◎読売新聞に登場したスマートニュースの川崎裕一執行役員広告事業開発担当の発言。確かにゲームはデジタルシフトを成功させた。
スマホになって変わったことは、課金方法が変わったということです。5000円払っていたものが、なぜか払わずに遊べるようになった。ゲームはただでインストールできて遊べるが、ある一定の水準までいくと、それ以上進めなくなります。その時に、100円払えば進めるようになる。やがてまた進めなくなる。また100円払って進める。それを繰り返して、51回課金が回れば、それ以上はカートリッジを売るよりゲーム会社はもうかる。それは時代の変化です。家でゲームをやらなくなりました。なので、スマホというところでゲームをやるようになりました。また、一気に5000円を払うほどの経済的余裕がなくなった。なので、小分けにして課金している」
http://www.yomiuri.co.jp/yolon/ichiran/20160912-OYT8T50048.html?page_no=1

◎NHK熊本放送局は、警察や消防などから発表された広報資料を6月から9月にかけて98回も誤送信していた。
http://www.asahi.com/articles/ASJ9G6GR1J9GTLVB01C.html
http://mainichi.jp/articles/20160915/k00/00m/040/095000c

トーハンは、ぴあが共催するイベント「ダリ展」に合わせ、共同事業「TOPIA Project」が開発した「ダリの塗り絵」を書店にて販売している。
http://www.tohan.jp/news/20160914_818.html

◎「世界」の岩波書店と「週刊新潮」「新潮45+」の新潮社が手を組んで、文化人の講演音源が聴き放題になる定額制配信サービス「LisBo(リスボ)」を10月3日に開始する。サービス開始時には、PHP研究所も加わるそうだ。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/culture/article/274672
月額1500円(税別)は高いよなあ。吉本隆明なんかタダで聞けるんだぜ。オレはこれで充分。
http://www.1101.com/yoshimoto_voice/

毎日新聞の経済プレミアに掲載された「アマゾン『読み放題』人気マンガはなぜ外されたのか」で、まつもとあつしは次のように書いている。
「アマゾンは、キンドル・アンリミテッドを米国などで先行して展開していましたが、海外での読み放題の利用に比べ、日本ではコミックが圧倒的に多く読まれたことは容易に想像がつきます。その事態を受けて、アマゾンがあわてて特別条件の早期終了を出版社に通達したようです。
その結果、出版社が人気のあるコミックなどを取り下げたり、1巻のみを読み放題の対象とし、2巻以降は別料金としたりするなどの変更が進んでいます。スタート時の品ぞろえに期待していた利用者からすれば、肩すかしの状況であるのも事実です」
http://mainichi.jp/premier/business/articles/20160914/biz/00m/010/013000c
電子コミック大国ニッポン!である。

◎スマートニュースは生活情報サイト「レタスクラブニュース」(KADOKAWA)チャンネルをオープンした。
http://www.jiji.com/jc/article?k=000000113.000007945&g=prt

◎音楽情報誌「CD&DLでーた」(KADOKAWA)は、14日発売の9-10月号をもって定期刊行を終了。
「1986年末の創刊以降、30年近く刊行を続けてまいりましたCD&DLでーたですが、定期刊行誌としては9/14発売となる号が最後ということになりました。
突然のお知らせとなってしまったことを深くお詫び申し上げます。
長らく本誌をご愛読いただき、本当にありがとうございました。
今後は、音楽ファンの皆様により役立つ情報やコンテンツをお届けできるよう、また、ミュージシャン・アーティストの方々とファンの皆様とのコミュニケーションのお役にたてるよう、新たな形のメディア、サービスをご提供すべくCD&DLでーた編集部として模索していく所存です。
なお、ご好評いただいております別冊『My Girl』『BOYS ON STAGE』につきましては、これまでどおり紙媒体を中心としたメディアとして刊行していく予定です」
https://www.cddata-mag.com/news/topics/2016/09/09/16/07/00

◎井家上隆幸に和田信義の「香具師奥義書」がキンドル本として配信されていることを教えられた。しかも価格が397円!
http://goo.gl/lYTBnf
版元は「君見ずや出版」。電子書籍しか扱っていないが、ここのラインナップに驚かされた。
http://inudaisho.sakura.ne.jp/kimimizuya/
そうか、この手があったのか。君見ずや出版は「おもに国会図書館所蔵本の著作権切れのものの復刻を配信している」のだそうだ。

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3)【深夜の誌人語録】

遊歌遊侠遊酔遊撃!