【文徒】2016年(平成28)9月15日(第4巻174号・通巻861号)

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1)【記事】ベネッセの社長がまた代わる!
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

                                                                            • 2016.9.15.Shuppanjin

1)【記事】ベネッセの社長がまた代わる!

6月に原田泳幸社長が退任し、福原賢一社長が誕生したばかりなのに、また社長が交代する。社外取締役の安達保が10月1日付で社長に就任するそうだ。原田はよく知られているように米アップルの日本法人、日本マクドナルドホールディングスを経てベネッセの経営を担うことになった「プロ経営者」だったが、僅か2年で退任した。
安達も三菱商事を経てマッキンゼー・アンド・カンパニー、GEキャピタル・ジャパンなどを渡り歩き、米国の投資ファンド、カーライルの日本法人代表をつとめるといった経歴からもわかるように「経営のプロ」という触れ込みだ。
たった四カ月で社長を退任することになった福原賢一にしても昨日今日、ベネッセにかかわった「プロ経営者」や「経営のプロ」に比べればベネッセについて精通しているのかもしれないが、ベネッセのプロパー社員ではない。野村證券を経てベネッセに入っている。
日経ビジネス」のインタビューに応じて、安達は次のように語っているのだが、「プロ経営者」であろうと、「経営のプロ」であろうと、ベネッセの業績が低迷している理由は明らかである。私にだって安達と同じようなことは言えるし、ベネッセの国立大学出身の優秀な社員であればわかりきったことだろう。
「直面している最大の問題は、進研ゼミの収益性の悪化に尽きる。進研ゼミは、固定費が高いビジネスで、売り上げが落ちると収益性が一気に下がる。売上高の回復を目指す一方で、商品やサービスをシンプルに分かりやすくすることで、固定費削減にもつなげたい」
ベネッセの経営を支えて来たのは、「進研ゼミ」だが、少子化が売上を直撃し、加えてデジタル化の大波が押し寄せるといったなか、「プロ経営者」を招いてデジタルシフトを図ろうとした矢先に個人情報流出事件が起き、企業としての信用が根幹から揺さぶられてしまったというわけである。
こうしたベネッセにとって経営を言ってみれば「外人部隊」に任せることは本当に得策なのだろうか。私は違うと思う。こうした経営手法では、それこそ骨の髄から「進研ゼミ」に関わって来た社員のモラルダウンとモラールダウンをともに招くことになるのではないだろうか。
ベネッセの本質は、実は「出版社」なのである。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/091200434/
http://ascii.jp/elem/000/001/227/1227834/

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2)【本日の一行情報】

◎出版業界を舞台にしたマンガが多いが、稚野鳥子の「月と指先の間」(講談社)もそのひとつ。55歳の少女マンガ家をヒロインに据え、出版業界の舞台裏を描いている。当然、講談社は映像化を狙うのだろうな。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001093.000001719.html

Androidアプリストア「楽天アプリ市場」のサービスが12月12日(月)をもって終了。1年4カ月の短い命であった。
https://apps.rakuten.co.jp/termination/

◎フリマアプリ「メルカリ」のダウンロード数が日本とアメリカの合計で5,500万を突破したそうだ。CtoCの可能性に出版社も注目すべきだと思うんだよね。
http://shopping-tribe.com/news/33008/

◎「デイリーニュースオンライン」に掲載された「ついに勃発?週刊文春vs.メリー&工藤静香の”スキャンダル戦争”」(真田栄太郎)は、「業界関係者」の次のような発言を引用して新谷学編集長が率いる「週刊文春」を絶賛している。
「…ここまでの情報を得るには、相当な労力を費やしたことでしょう。また、ジャニーズ相手では裁判沙汰になる可能性も高く、労力に対してリスキーな取材です。しかし、そこをやる『文春』。これは新谷学編集長(52)の『論よりファクト』、事実がなによりも大事だという精神あってのものでしょうね」
http://dailynewsonline.jp/article/1194611/

◎アタラ合同会社 COOの有園雄一は電通デジタルの客員エグゼクティブコンサルタントとして9月より参画している。「Marke Zine」で有園は次のように発言している。
電通電通デジタルがいっていることではなく、あくまでも私個人の見解なのですが、『広告販売』と『広告効果/コンサルティング』、『枠売り』と『運用』という軸で領域を分けています。いわゆる電通が得意とするテレビCMや新聞の広告、またネット広告のブランドパネルなどは、『広告販売×枠売り』の領域に位置します。一方、サイバーエージェントなどのネット専業代理店などは、『広告販売×運用』の領域が強いですよね。ちなみにアタラでは運用型広告のコンサルティングが主なので、『広告効果×運用』の領域ですね」
https://markezine.jp/article/detail/25125

◎「韓国で放送されたドラマ『シグナル』が日本大手広告代理店・電通との提携で日本で放送される」と中央日報が報じている。
http://japanese.joins.com/article/587/220587.html

◎「BuzzFeed Japan」は、「LINEアカウントメディア プラットフォーム」に参画し、LINEアカウント「バズフィード」を開設した。これにより、「BuzzFeed Japan」の公式アカウントをフォローしているLINEユーザーは、「BuzzFeed Japan」の記事をプッシュ配信によってアプリで受信することができるようになった。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000019238.html

講談社女性誌「フラウ」の「1万字スペシャル」に「『徹』学のススメ」を連載している黒柳徹子が登場。
http://frau.tokyo/_ct/16991747
表参道駅黒柳徹子の大型ポスターが改札の中にも、外にも、大型ボードにも掲出された。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001107.000001719.html

白泉社は「花とゆめコミックス秋のイチオシフェア『白泉少女漫画団』〜勇者よ、めざめよ」を10月31日まで全国2000書店で開催している。
http://www.hakusensha.co.jp/mangadan2016/
http://www.hakusensha.co.jp/mangadan2016/shoplist/

BPO放送倫理・番組向上機構)は、世田谷一家殺害事件を扱ったテレビ朝日の番組について、放送倫理上重大な問題があったとする「勧告」を行った。「テレ朝news」は次のように伝えている。
「対象になったのは、テレビ朝日がおととし12月に放送した『世紀の瞬間&未解決事件日本の事件スペシャル』です。出演した被害者の遺族の入江杏さんは、過剰な演出や新聞のテレビ欄の番組宣伝によって、元FBI捜査官の犯人像の見立てに賛同したかのような事実と異なる放送で、人権を侵害されたなどと申し立てていました。BPOの放送人権委員会は『人権侵害とまでは言えないが、取材対象者に対する公正さと適切な配慮を著しく欠き、放送倫理上、重大な問題があった』と判断しました。そのうえで、テレビ朝日に放送倫理の順守をさらに徹底するよう勧告しました」
http://news.tv-asahi.co.jp/news_politics/articles/000083316.html
例えば「「産経ニュース」を読むと入江の次のような発言には言及していないことがわかる。
「入江さんは会見で、『メディア関係の方々に申し上げたいのは、あらかじめ立てた仮説にとらわれるのではなく、真実の中から、たくさんの方々に届けるべき物語を発掘してほしい』と主張した。その上で、『今回の決定を真摯に受け止めてほしい』と訴えた」
http://www.sankei.com/entertainments/news/160912/ent1609120012-n1.html

住野よるの「君の膵臓をたべたい」(双葉社)が、実写映画化される。
http://ticket-news.pia.jp/pia/news.do?newsCd=201609130000

◎宝島社の女性ファンション誌「sweet」10月号(宝島社)の表紙を飾った紗栄子が特集にも登場し、「RED VALENTINO」のブラックのニットブラ&ショーツにドットのチュールスカートをレイヤードしたスタイルを披露して話題になっている。オレも神保町の書店でドキッとして、つい買っちゃった。
http://mdpr.jp/review/detail/1614541
MERCURYDUOの公式アカウントは次のようにツイートしている。
「sweet掲載!
紗栄子さん着用アイテム連動販売開始!
毎回紗栄子さん着用アイテムは即完売するのでお早めに!
こちらから→http://goo.gl/XT405N
https://twitter.com/mercuryduo_com/status/775876779017924608
JILLSTUARTの公式アカウントもツイートしている。
「sweet10月号では、JILLSTUART秋の新作を紗栄子さんが素敵に着こなしてくださっています!
さらに付録にはJILLSTUART特製トート&ポーチの2個セットが付いています。... http://fb.me/8c7cpsgaj
https://twitter.com/JILLSTUART_JP/status/775184339785187328

丸善雄松堂は書籍販売サイト「Knowledge Worker」で、研究者や法曹関係者、医療従事者などを対象に電子書籍販売ページをリニューアルオープンした。
http://kw.maruzen.co.jp/nfc/featurePage.html?requestUrl=personal_eBook/top/
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1019893.html

◎「withnews」の「SMAPファン感動、楽天ブックスに隠しメッセージ! 企画の狙いを聞く」。
SMAPがデビュー25周年を迎えた9月9日の0時。楽天ブックスはトップページの『今日のおすすめ』枠に、SMAPのCDやDVDを20点掲載しました。
ひとつひとつの作品に30文字程度で『SMAPの代名詞とも言える、歌い継ぐべき曲』『シングルとしては2度目のミリオンセラー曲』といった紹介文が書かれています。
これらをPC版で見ると、文字の一部が不自然な感じで太字になっていることに気づきます。そして左から順番に太字をつなげて読んでいくと、こんなメッセージになります。
SMAPとそのファンなら奇跡も起コせると信じてる!!!!!!』」
http://withnews.jp/article/f0160913002qq000000000000000W00o10101qq000014006A

サイバーエージェントでタイアップ広告商品の開発・提供を行うエディトリアルアドスタジオが運営する女性向けの情報メディア「by.S」は、小学館の「美的」、集英社の「SPUR」「MAQUIA」、幻冬舎の「GINGER」とともに、20代、30代女性をターゲットとした共同広告商品開発を行い、新たな広告商品の提供を開始する。
出版社の強みである高い編集力と専門性の高いコンテンツ、「by.S」の強みであるインターネット上で広く読まれるための記事の編集力と拡散力を掛け合わせることで、質の高い記事コンテンツを、より多くのユーザーへ届けようということのようだ。
https://www.cyberagent.co.jp/newsinfo/press/detail/id=12543

サイバーエージェントとLINEは「LINE GAME」において、協業第1弾タイトル「LINE 潜空のレコンキスタ」の事前登録を開始した。
https://www.cyberagent.co.jp/newsinfo/press/detail/id=12538

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3)【深夜の誌人語録】

宴席での発言も、会議での発言も、発言は発言である。