【文徒】2017年(平成29)年1月23日(第5巻12号・通巻941号)

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1)【記事】 電通をめぐる報道がつづく
2)【本日の一行情報】
3)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】 電通をめぐる報道がつづく

電通過労自殺した新人女性社員の遺族が和解した。毎日新聞は次のように書いている。
「両者の合意書で、電通は高橋さんの死を踏まえ『再発防止に向けた改善の決意を表明する』とした。23日付で引責辞任する石井直社長が合意書に調印し、口頭でも謝罪した」
「今回の合意事項に盛り込まれた電通の長時間残業やパワハラの再発防止策は以下の通り。▽役員を含む局長以上の管理職向けに長時間労働についての研修会を3カ月以内に行う▽研修会で幸美さんに発言の機会を与える▽持ち帰り残業の原則禁止▽過重労働を助長すると批判された社員の行動原則『鬼十則』を新人研修などに使わない▽高橋さんを苦しめた職場の懇親会の準備や反省会で過重負荷を発生させない▽社員の残業時間と入退館記録のずれが30分以上ある場合には調査する▽遺族に毎年12月、再発防止策の実施状況を報告する−−など」
http://mainichi.jp/articles/20170121/k00/00m/040/076000c?fm=mnm
http://www.asahi.com/articles/ASK1N5DBVK1NULFA02C.html
「幸美さん」とは自殺した社員の母親である。
MBS NEWS」によれば「社員に違法な長時間労働をさせた疑いで書類送検された大手広告代理店・電通について、入札の参加を停止させる方針を固めた滋賀県に続いて、奈良県京都府和歌山県でも入札停止を検討している」という。
http://www.mbs.jp/news/kansai/20170119/00000048.shtml
電通の社長人事に関して「SankeiBiz」は厳しい記事を書いている。
「ただ、山本氏ら新経営陣が取り組む企業風土改革は、いばらの道だ。
山本氏を補佐する中本副社長は高橋まつりさんの過労自殺問題を受け、18日に減俸処分を受けたばかり。高田専務と山本氏は労務問題では処分対象になっていないとはいえ、インターネット広告の不正請求に関する問題では、17日に減俸処分を受けている。
(中略)自殺した高橋まつりさんはネット広告を担当していたが、ネット広告不正と労務問題の原因は密接にからみあっている。
その2つの問題のいずれかで責任を問われ、社内処分を受けた山本氏らが企業風土改革を進めることに、社内外から十分な理解を得られるのかは疑問だ 」
http://www.sankeibiz.jp/business/news/170120/bsd1701200500003-n1.htm
電通には、たとえ「社内外から十分な理解を得られるのかは疑問」であったとしても、山本敏博社長という選択肢しか残されていなかったのではないだろうか。

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2)【本日の一行情報】

◎1月29日(日)に大阪・枚方蔦屋書店で大宮エリーハースト婦人画報社の「エルジャポン」編集長が「アート」をテーマにしたトークショーを開催する。
http://real.tsite.jp/hirakata/event/2017/01/elle-3.html
大宮エリーは東大卒で電通出身だ。大宮は電通時代に「シャワーを浴びて、髪を乾かさずにタクシーに飛び乗り、高速道路走行中に窓を開けて風で乾かしていた」そうだ。
http://www.1242.com/lf/articles/33328/

GMOインターネットグループでインターネット上の集客サービスを展開するGMO TECHは、訪日観光客向けにJAL機内フリーマガジン「日本達人」を発行するぴあと、インバウンド市場におけるビジネス提携を行うことに合意した。
https://www.gmo.jp/news/article/?id=5557

徳間書店の美食と酒にまつわるニュースサイト「食楽web」がリニューアルオープンした。
http://asajo.jp/syokuraku/teaser.html

◎電柱広告のデジタル化だ。「Web電柱360 」は「電柱広告にQRコードを使うことで、ユーザーを簡単にウェブサイトへアクセスさせ、360°VRのコンテンツを提供する 」(『VRinside』)という。
http://vrinside.jp/news/pr-powerpole-vr/

大日本印刷DNP)とDNPグループの書店およびトゥ・ディファクトが共同で運営するハイブリッド型書店サービス「honto」は、「 honto」独自の書籍キュレーションサービス「ブックツリー」の店頭導入施策第二弾として、恩田陸堂場瞬一など作家11人による 『あの著者が選ぶ「テーマで読む5冊」』を1月20日(金)より丸善丸の内本店で実施する。
第一弾は昨年12月より実施中の、ビジネスコンサルタント細谷功経営コンサルタント名和高司 など12人による『〜書籍によるビジネス講義〜日本橋ビジネススクール×honto「ブックツリー」』。実績は、店頭・通販・電子書籍全体では2倍の売上となり、店頭は週末や年末にかけて売上が伸びるとともに81タイトル中7タイトルが3倍以上の伸びを示 した。
また、ブックツリー企画実施前の2週間で販売が0冊だった書籍43タイトルのうち、約7割にあたる30タイトルが1冊以上購入され、休眠書籍を動かす結果を残した。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000134.000009424.html
https://honto.jp/cp/store/campaign/booktree_marunouchi-entry

オグルヴィパブリック・リレーションズ・ワールドワイド・ジャパンのマネージングディレクターを務める関満亜美はロイター通信の日本支局長から広告会社に転職したという経歴を持つ。そんな彼女の発言。
「『日本ではこういうやり方をします。違うやり方ではうまく行きませんので……』という常套句に、欧米人は舌打ちするほどうんざりしています。彼らをイライラさせる科白なんですね」
http://bit.ly/2kfkiIm

恩田陸の「蜜蜂と遠雷」(幻冬舎)は直木賞を取ったことで、本屋大賞はないのではないだろうか。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170119/k10010845641000.html
恩田は水戸一高の卒業。
「同市笠原町の『川又書店 県庁店』では、開店時20冊ほど並んでいた受賞作が、午後には残り数冊に。中内義人店長は『水戸一高出身というキーフレーズは、地元の読者が興味を持つきっかけになる。今後、多めに入荷できるよう働きかける』と話した 」(産経ニュース)
http://www.sankei.com/region/news/170121/rgn1701210046-n1.html
もっとも恩田は仙台出身。
「・・・恩田作品の特設コーナーを作った仙台駅前の丸善仙台アエル店(青葉区)では、20日だけで在庫の半数近くが売れ、来週には追加で100冊の入荷を予定している 」(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/local/miyagi/news/20170120-OYTNT50206.html
5人の候補者全員が男性だった芥川賞山下澄人の「しんせかい」(「新潮」)に決まった。 「文學界」と「新潮」の一騎打ちは「新潮」が制したことになる。
http://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/ichiran/20170120-OYT8T50035.html?page_no=1
山下は神戸の出身。ジュンク堂書店三宮店は 「通常の芥川賞受賞作の2倍という150冊を追加発注した 」(神戸新聞)そうだ。
http://www.kobe-np.co.jp/news/bunka/201701/0009846187.shtml
作家の地元書店ならずとも芥川賞直木賞は受賞作が売れる文学賞である。
https://news.nifty.com/article/item/neta/12150-237942/

TSUTAYAは、CCCメディアハウスの「フィガロジャポン」3月号(1月20日発売)の「ドラマティックな映画が観たい」特集の発売を記念して、「TSUTAYA TOKYO ROPPONGI」でのスペシャトークイベント「いま観たいのは、強い女たちの映画! 〜女のドラマティックシネマナイト〜」の開催と、「TSUTAYA」7店舗で特集と連動した映像コーナーの展開を1月20日(金)より期間限定で開始 した。
http://www.jiji.com/jc/article?k=000000200.000018760&g=prt
http://madamefigaro.jp/culture/news/170120-tsutaya.html

アメリカの雑誌業界はトランプ嫌いが多いようである。
http://www.huffingtonpost.jp/2017/01/18/trump_n_14241478.html
新聞もテレビもトランプ嫌いである。
http://www.afpbb.com/articles/-/3114815?pid=0

◎「夕刊フジ」は講談社に相当な悪意があるのだろう。
「朴容疑者の自宅がある地域には『講談社発祥の地』と刻まれた記念碑が残り、今も同社の関係者が多く暮らしている」
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20170119/dms1701191530008-n1.htm

◎これで本好き?セカンドハウスだとしても本が少なすぎないですか?
http://realestate.yomiuri.co.jp/yolp_journal_item_124280.html

◎ボルテージは「花ざかりの君たちへ」(花とゆめコミックス全23巻・愛蔵版全12巻 白泉社) を原作とする恋愛ドラマアプリ 「花ざかりの君たちへ〜Boys love you〜」 をリリースした。
http://www.jiji.com/jc/article?k=000000371.000002633&g=prt

◎オンライン学習サービス「学研ゼミ」 がリニューアル。無料で楽しめる新コーナー「“すき”がみつかる!まなびボックス」が追加 された。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000975.000002535.html

坂野潤治 の「〈階級〉の日本近代史 政治的平等と社会的不平等」(講談社選書メチエ)。
「『護憲(平和)』と『言論の自由の擁護』だけが民主主義の課題だと思い込んできた『戦後民主主義』は、いま崩壊の寸前にある。しかし、戦前日本では、『民主主義』は実際に崩壊した。その最大の原因が、『平和と自由』だけで満足して『平等』という民主主義のもう一つの要素を無視した民主主義陣営の偏向にあった」
http://news.kodansha.co.jp/20170116_b01

◎「フライデー砲」が炸裂した結果である。
「BSフジは20日、タレントの狩野英孝さん(34)がレギュラー出演するバラエティー番組『東北魂TV』の22日の放送を休止すると、番組公式サイトで発表した」
http://www.asahi.com/articles/ASK1N62SPK1NUCVL02Q.html

◎SUPER☆GiRLSの浅川梨奈による「3誌同時表紙&巻頭グラビア」が実現した 。三誌とは「月刊ヤングマガジン」(講談社)、「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)、「週刊プレイボーイ」 (集英社)である。
http://www.menscyzo.com/2017/01/post_13453.html

◎「BuzzFeed日本版」の月間ユニークビジター数が、創刊11ヶ月目で1,600万人を 突破した。
https://markezine.jp/article/detail/25931

◎「Dr.コパの正しい風水の作法」「Dr.コパの開運縁起の風水術 2017年版」(実業之日本社)などで知られているDr.コパが、ドナルド・トランプの大統領就任式に招待され、出席した。
http://www.j-n.co.jp/news/?article_id=397

◎アマゾンのAudibleと アップルがオーディオブック配信の独占契約を解消したことをECは歓迎している。
http://europa.eu/rapid/press-release_IP-17-97_en.htm

◎アグネス・ラムの写真集「1974 Memories」が双葉社から発売となった。
http://www.rbbtoday.com/article/2017/01/20/148736.html
出版って50代、60代御用達商品がますます増える感じだ。

◎石山さやか の「サザンウィンドウ・サザンドア 」(祥伝社)は、まさしく団地マンガ。何も起こらないという意味ではつげ義春の嫡子なのではないだろうか。SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS がフェアを開催している。
http://www.shibuyabooks.co.jp/bookshop/sayakaishiyama/
http://www.shodensha.co.jp/twtd/

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3)【深夜の誌人語録】

会社のスケールよりも人間としてのスケールが大切である。