【文徒】2014年(平成26)9月25日(第2巻181号・通巻383号)

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1)【記事】ベネッセ顧客情報漏洩事件の最大の責任者は福武總一郎である
2)【記事】またしても朝日新聞か!
3)【本日の一行情報】
4)【深夜の誌人語録】

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1)【記事】ベネッセ顧客情報漏洩事件の最大の責任者は福武總一郎である

ベネッセが顧客情報2,895万件を漏洩させてしまった一件で、お詫びを送付しているが、その内容についてソーシャル・メディアで大炎上。大半が「ベネッセからお詫びの通知が来た。 見てびっくり。Aお詫びに500円 Bベネッセ子供基金に寄付をってお前!! 情報漏洩して寄付をってどういうつもりなんだろうか?」というもの。
http://grapee.jp/16121
http://girlsvip-matome.com/acv/1009498799.html
http://matome.naver.jp/odai/2141108351217021401
ベネッセの考え方は、こうだ。
「今回の事態の重大性、広範囲にご迷惑をおかけしたことに対する弊社の社会的責任などを考慮して、お詫びのあり方についてさまざまな検討を行って参りました。その結果、未来ある子どもたちへの支援や子どもたちが安心して学習に取り組める環境の確保などを目的として、『財団法人 ベネッセこども基金』の設立を決意するに至りました。
当財団では、行政関係者や教育関連の専門家をはじめとする外部有識者等で理事会を構成し、企業としての社会的責任や、未来を担う子どもたちに必要な支援や貢献のあり方を考え続けて参ります。財団という枠組みをとることで、子どもたちのための長期継続的な取り組みが実現できると考えております」
http://www.benesse.co.jp/customer/bcinfo/03.html
相続税すら、まともに払おうとしない人物として私には認識されている福武總一郎は「財団法人 ベネッセこども基金」にどれだけ寄付をするのだろうか。「現代ビジネス」で伊藤博敏は次のように書いている。
「日本の相続税贈与税最高税率は50%(15年1月から55%)で、資産の半分は税金だ、それに対してニュージーランドは無税。その恩恵を被るには、相続人と被相続人の双方が、海外に住所を移して5年以上、経過しなければならない。總一郎氏は、その準備に取りかかり、今年6月の株主総会で、ベネッセ会長を退任。公私ともに後顧に憂いのない体制を確立した」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/39985?page=3
今回の漏洩事件の最大の責任者は、間違いなく福武總一郎である。

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2)【記事】またしても朝日新聞か!

またしても朝日新聞である。朝日新聞横浜総局の記者が夏の甲子園で取材用記者章を知人に貸していた。とほほ…。産経新聞は次のように書いている。
「…記者は大会第7日目の8月17日、会社名と割り当て番号が記載された記者章を知人に貸与。知人は撮影禁止エリア内でスマートフォンを使って選手を撮影していた。この日に記者章の不正利用が発覚し、日本高野連は同社から口頭による謝罪を受けた上で記者章を没収し、顛末(てんまつ)書の提出を受けた」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140923/crm14092308140004-n1.htm
共同通信も配信。
http://www.47news.jp/CN/201409/CN2014092301001197.html
ま、朝日に限らず記者は叩けばホコリの出る稼業である。

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3)【本日の一行情報】

◎私にとって関根恵子といえば、増村保造の「遊び」だ。東陽一の「ラブレター」も忘れ難い。亭主となる高橋伴明の「TATTOO<刺青>あり」の関根も不幸が似合って艶めかしかった。マガジンハウスから写真集が刊行される。撮り下ろしではなくアーカイブスなのが逆に私の「青春」を刺激している。これ、買っちゃうか。
http://magazineworld.jp/books/paper/2712/

主婦の友社主婦と生活社の「電子書籍7番勝負」を「楽天Kobo」が実現。両社の電子書籍担当者計4名が7分野から3冊ずつピックアップして競い合う。七番勝負で推薦する電子書籍だけでなく、両社の合計900冊以上の電子書籍がクーポン利用ですべて期間内50%OFFとなる。こういうコラボも面白い。
http://books.rakuten.co.jp/event/e-book/camp-shufu/

◎hontoはハーレクイン創刊35周年記念として「キャストノベル」第1弾「秘密の妻」を配信している。「キャストノベル」とは、人気男性声優が、小説を音声で読み上げ、1人の声優が様々なキャラクターを演じ分ける。一話108円。確かに「声フェチ」っているからなあ。第2話の配信は9月30日である。
http://honto.jp/cp/ebook/2014/harlequin-castnovel

◎2014年上半期(1-6月期)の雑誌広告費。「婦人服」が大きく減り、「タバコ」や「モバイルコンテンツ」、「女性化粧品シリーズ」も減少している。「バッグ」や「腕時計」、「通信販売」は好調。雑誌広告の課題はクライアントの掘り起し。広告代理店頼りの営業ではなく、出版社が積極的にアプローチし、雑誌を使うとどんなことができるのか、出版社と組むとこういうことまでできるのか(広告代理店的にいえばコンテンツ・マーケティングということになるのだろうが)を積極的にアピールする必要がある。出版社の広告マンはジャーナリスティックな感覚をもっと磨くべきである。広告でスクープを放つのである。全社をあげて笛や太鼓を轟かす必要も時にはあるだろう。
http://dentsu-ho.com/articles/1581

◎4コマ漫画誌まんがくらぶオリジナル」(竹書房)が12月号で休刊を決定。
http://natalie.mu/comic/news/126652

◎不勉強にも知らなかった。新聞の誤報に抗議して高校2年生が自殺するという事件が1954年にあったのか。「北海道深川西高校『あゆみ会事件』」(文理閣)が刊行された。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/564156.html
http://honto.jp/netstore/pd-book_26377084.html

ネクシィーズグループに属し電子雑誌専門出版社のブランジスタは、「NIKITA」の創刊に携わった田上美幸を編集長に据え、湘南美容外科クリニックとのコラボで、30代の女性をターゲットに月刊の電子雑誌「MALENA」を創刊した。
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000008669.html

◎これも電子出版。ボイジャーが「海からの黙示」をリリースした。
http://www.voyager.co.jp/promote/20140905_umikarano_dvd/index.html

◎私が日本共産党を信用できないのは、同党を去ると、この手の思考パターンに陥る輩が多いからである。元日共の筆坂秀世が次のように書いている。
「なぜ日本に、日本人に、もっと誇りを持てないのか。日本を貶めて何が嬉しいのか。朝日新聞共産党社民党、進歩派を自認する人々に言いたいのは、このことだ」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41772
自由主義史観の大御所たる藤岡信勝も日共出身者である。

ハースト婦人画報社は、スターバックス が展開しているインターネット上のドリンクチケット販売サービス“Starbucks e-Gift”に、電子雑誌のサンプル版を無料でつけて贈ることが出来る「ありがとうがいっぱい」キャンペーンを2014年10月23日(木)まで実施する。
http://www.hearst.co.jp/whatsnew/140922-Corp-Starbucks-e-magazine-campaign

◎反リストラ産経労って知っていますか。
http://www006.upp.so-net.ne.jp/fujisankei/
松沢弘委員長は、平成26年6月27日開催のフジMHの株主総会について、決議取消の訴えを提起したそうだ。
http://www.sakurafinancialnews.com/news/4676/20140922_2
これを踏まえて、こんな記事がアップされている。
http://tocana.jp/2014/09/post_4887_entry.html

KADOKAWAアニメイトグループによるインストアのコラボショップ「角×アニショップG」が、10月1日から2015年9月1日にかけてアニメイト秋葉原、AKIHABARAゲーマーズ本店、書泉ブックタワーを中心に展開されることになった。
http://dengekionline.com/elem/000/000/931/931767/

岩井俊二のアニメ「TOWN WORKERS」がリクルートジョブズの特設サイト上で公開されている。
http://cm.townwork.net/twks/

はてなが「少年ジャンプルーキー」のサービス企画・開発に協力している。
http://hatenacorp.jp/press/release/entry/2014/09/22/130609

◎9月23日付日経によれば「講談社はNECと共同で電子書籍の新しい制作システムを開発した」そうだ。つまり、汎用テキストデータを誰でも簡単に作成できる原稿作成・編集ソフトを開発したということだ。
講談社によると、紙の書籍と電子書籍は同時に刊行すると売上高が伸びる傾向にある」
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ22HGE_S4A920C1TI0000/
名付けて「スマート・ソース・エディター」(SSE)。むろん、講談社の商標登録である。
「SSEで作成した汎用テキストデータはあらゆる形式への変換がスムーズにできるため、紙媒体の二次的利用はもちろんのこと、電子書籍データへの変換も簡単にできます。これにより、紙・電子書籍の同時刊行も容易になります。さらに、文字の脱落や文字化けが発生しないため、それぞれの製品形式での校正作業を大幅に削減でき、紙・電子を問わないマルチ展開をローコストで実現できるようになりました。印刷各社の現存するシステム(DTPソフト)とも親和性があり、変換に不都合は生じません」
http://jpn.nec.com/press/201409/20140924_02.html

◎紙の「週刊アスキー」を買うと電子版「週刊ファミ通」が貰える。先週は、その逆だった。
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/260/260285/

永江朗の言うとおりだよ。
「本好きにとって、京都は天国のような街だ。大小さまざまな書店があり、そのどれもが個性的だ」
http://www.asahi.com/articles/ASG9M3VL4G9MPLZB008.html?iref=comtop_list_cul_f01
何を隠そう、私は小学生の頃、将来の夢は?と聞かれたならば、本屋さんと答えていたのである。

昭文社が中国のグルメ投稿サイトと組んで訪日中国人向けアプリの配信に乗り出す準備を始めた。
http://www.mapple.co.jp/corporate/ir/news/images/mou_2014_01.pdf

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4)【深夜の誌人語録】

動かなければならないときに躊躇は禁物である。動くときは一気呵成が原則である。